資料(専)7-3

    

第4回 高レベル放射性廃棄物処分懇談会の審議結果について


1.日 時:平成8年10月18日(金)13:00~15:00

2.場 所:科学技術庁第1,2会議室(科学技術庁2階)

3.出席者
(原子力委員)伊原原子力委員長代理、依田委員
(専門委員) 近藤座長、粟屋委員、石橋委員、加藤委員、川上委員、熊谷委員、小林委員、木元委員、近藤(俊)委員、塩野委員、鈴木委員、竹本委員、中村委員、野口委員、林委員、深海委員、松田委員、南委員
(科学技術庁)岡崎原子力局長、興官房審議官、有本廃棄物政策課長
(通商産業省)伊沢原子力産業課長

4.傍聴者   プレス関係  19人
         一般     19人(31人から抽選)

5.審議の概要
(1)冒頭、伊原原子力委員会委員長代理より、本懇談会が原子力委員会の専門部会等の公開の初めてのケースになるに当たり、国民の信頼感と安心感を得つつ原子力活動を推進する旨の挨拶があった。

(2)原子力委員会決定「原子力に関する情報公開及び政策決定過程への国民参加の促進について」(平成8年9月25日)に沿い、本懇談会の審議を公開することについて、懇談会として正式に了承された。引き続き、事務局より、原子力政策円卓会議を含めた最近の原子力委員会の状況について説明があった。

(3)高レベル放射性廃棄物の処分に係る6つの主要項目(1.サイト選定プロセス、2.実施主体、3.事業資金、4.立地地域への対応、5.社会的受容性、6.その他)について、各委員の意見を取りまとめ整理した資料に基づき、本懇談会の今後の審議の進め方について、全般的な議論がなされた。
 委員からの主な意見は以下の通り。

①電源立地にあたっての環境アセスメントにおける住民参加、情報公開は十分でないと考えられるため、これが十分になされるように法的に措置されることが必要。また、原発事故等の調査検討に当たる人員・組織は、制度的にも人事上も独立性が保たれるよう配慮すべき。
②廃棄物の具体的な処分方策を議論するにあたって、原子力発電を推進するしないの各々の立場によって、その方向性が異なってくると考えられるため、処分の議論の前提と考えられるこの様な立場について、本懇談会は議論し、コンセンサスを得ておくべきである。
③原子力発電を推進するしないの議論は、短期間でコンセンサスを得るものではなく、また、現実に原子力発電は全発電量の3分の1に達しているため、既に廃棄物が存在する現実を考えた場合、具体的な処分方策について早急に議論を詰める必要がある。
④廃棄物が現に存在することを考えた場合、今ここで、処分方策についての議論を進めることが必要であり、原子力の推進に賛成ないし反対の立場からの意見は、具体的な方策についての議論を進める中で、反映されれば良いのではないか。
⑤安全性は大前提の上で、処分地の立地について地域が進んで立候補する程に魅力をもった具体的な計画を検討することが重要。
⑥スウェーデンのような処分先進国にある研究施設の現場等を視察し、処分に対する認識及び議論の質を高めていくことが重要。
⑦国民が処分を自らの問題として考え、取り組んでいく姿勢が重要。原子力についての国民の認識は様々であるため、分かりやすいPA活動、施設の見学等を通じて、処分に向けた国民的な理解を深めて行くことが重要。
⑧立地を進める過程で国会等において議論するプロセスを法制度化することが重要。
⑨処分研究及び地下深部の科学的研究を推進していくことが、国内での処分に対する受容性に繋がっていくものと考えられるが、我が国では純粋な研究施設の立地でさえ、地域の協力を得難いのが実状である。
⑩本懇談会を効果的に進めるため、項目毎に議論を深めること、ある程度日程を限って、例えば2年以内に意見を取りまとめてはどうか。

(4)最後に、近藤座長から今度の審議の進め方について、次のとおり考えが述べられ、了承された。

①本懇談会では、廃棄物が現に存在することを踏まえ、処分の具体的な方策について議論を進めたい。その過程において、原子力発電に対する各委員のそれぞれの御意見は述べて欲しい。なお、原子力発電のあり方については、今後設置される予定の新円卓会議で議論されることになろう。
②今後、サイト選定プロセス・立地地域への対応及び社会的受容性に係る2つの特別会合(ワーキンググループ)を設置し、詳細な検討を進めて行くこととしたい。
③来年夏頃に本懇談会の中間とりまとめを行い、これを公表し国民の意見を聞きたい。これらを踏まえた検討の後、早期に意見を取りまとめたいと考えている。

  次回(第5回)懇談会は、12月4日(水)15:00-17:00の予定。

以上