我が国の原子力外交(概観)
平成13年8月31日
外務省科学原子力課我が国は、原子力基本法の下、幅広い原子力の平和利用を行ってきている。その実施に際しては、核不拡散体制の強化を対外的に訴えていくと同時に、我が国の原子力政策につき、国際社会の理解と信頼を確保することが不可欠。
この観点から、当省は、関係省庁とも連携しつつ、以下のような施策を実施している。1. 国際原子力機関(IAEA)の実施する保障措置の強化
核拡散の防止を核物質管理の面から実効あるものとするため、IAEAが実施する保障措置が重要。我が国としても、その強化に取り組んでおり、未申告の核関連活動の検知を目的とした「追加議定書」をより多くの国が受け入れるよう働きかけることが当面の最大の課題。2. 各原子力協定等の運用
我が国は、原子力の平和利用における協力関係を発展させるための基礎として、関係国との間で原子力協定を締結している。この協力関係を円滑化するため、不拡散から研究開発に亘る幅広い議論を行う公式の場である原子力協議を開催し、関係国との対話を積極的に実施。
また、IAEA活動の一環として、アジア地域における原子力科学技術に関する研究・開発及び訓練の計画を、締約国間の相互協力及びIAEAとの協力により実施する法的枠組みであるRCA活動に積極的に参加。3. 原子力安全への協力
原子力の安全は、場合によっては、国境を越えた問題に発展し得る問題。我が国は、サミットやIAEA等の場を通じて、旧ソ連・東欧地域やアジア地域における原子力安全の向上に積極的に取り組んできている。また、「使用済燃料及び放射性廃棄物の管理の安全に関する条約」の締結が急務。4. 放射性物質輸送
資源に乏しい我が国は、完結した核燃料サイクルを基本政策としており、英仏の事業者に対して再処理を委託しているが、この輸送に対する沿岸国の懸念は益々高まってきている。今度とも引き続き放射性物質輸送を実施するためには、これにオールジャパン体制で取り組み、沿岸国の懸念に応えることが不可欠。5. KEDOプロジェクト
朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)が実施する軽水炉プロジェクト推進は、朝鮮半島の平和と安定確保のためにも重要。また、この観点からも、万が一の事故を担保する国際的な法的枠組み(原子力損害賠償条約)の整備が急務。(了)