原子力委員会第1回研究開発専門部会議事録

1.日 時   2001年10月9日(火)13:30〜15:30

2.場 所   中央合同庁舎第4号館2階 共用220会議室

3.出席者
 専門部会委員

竹内原子力委員(部会長)、藤家原子力委員長、清水参与、永宮参与、相澤委員、饗庭委員、井上(正)委員、大瀬委員、岡委員、小川委員、佐々木委員、早田委員、平井委員、山下委員、粟屋委員、小林委員、曽我委員、高橋委員、田中委員、谷畑委員、土井委員、阿部委員、井上(弘)委員、岩田委員、小柳委員、小泉委員、澤田委員、嶋委員、三宅委員、村田委員
 原子力委員会
遠藤原子力委員長代理
 内閣府
青山参事官(原子力担当)
 文部科学省 量子放射線研究課
奥野補佐
 経済産業省 原子力政策課
森本企画官

4.議 題
(1)新たな原子力委員会の体制及び研究開発専門部会の設置について
(2)革新炉に関する現状と課題について
(3)加速器に関する現状と課題について
(4)原子力試験研究検討会の活動状況について
(5)今後の検討の進め方について
(6)その他

5.配布資料
資料研第1−1−1号 今後の検討体制のあり方
資料研第1−1−2号 原子力委員会部会及び懇談会の構成員
資料研第1−2号   21世紀の原子力委員会の発足に当たって
資料研第1−3号   革新型炉に関する現状と課題について
資料研第1−4号   加速器に関する現状と課題について
資料研第1−5号   原子力試験研究検討会の活動状況について
資料研第1−6−1号 研究開発専門部会革新炉検討会の設置について(案)
資料研第1−6−2号 研究開発専門部会加速器検討会の設置について(案)
資料研第1−6−3号 研究開発専門部会原子力試験研究検討会の設置について(案)
参考資料第1号    原子力委員会専門部会等運営規程

6.議事概要
 (1)開会にあたり、冒頭、藤家委員長より挨拶が行われた。

 (2)事務局より、資料研第1−1−2号に基づき研究開発専門部会に参加する原子力委員、参与及び専門委員が紹介された。

 (3)研究開発専門部会の部会長として、竹内原子力委員が選任された。

 (4)新たな原子力委員会の体制について、事務局より資料研第1−1−1号に基づき説明がなされた後、竹内部会長より、研究開発専門部会における今後の検討のあり方について、概ね以下の説明がなされた。
  • 昨年11月に原子力長期計画を策定し今後の原子力開発利用に関する方針を示したところ、計画の進捗に従い出てくるであろう課題について対応を図っていくのもこれからの重要な仕事である。
  • 原子力分野の研究開発については、放射線利用や核融合に関してはそれぞれ専門部会を設置し検討を行うこととし、本専門部会については、革新炉、加速器、原子力試験研究の3つの分野の方々にお集まり頂いている。
  • この3つの分野については次のとおり。まず、革新炉については、現時点では特定の炉型を指すものはなく、その研究開発の方向性や技術開発の可能性について、根本からご議論頂きたい。革新炉に期待されているものとしては、高い安全性や経済性、環境負荷低減、核拡散抵抗性、エネルギー供給の多様化といったものがある。GenerationWやINPROといった国際的なプログラムが進みつつある中、我が国としての革新炉の方向性について議論を行う必要がある。
  • 加速器については、物質の根元を探究する基礎研究から産業や医療といった社会生活の発展を支える重要な技術と認識。それぞれの研究開発は、用途を踏まえた適切な開発体制によって、効果的に進めていくことが必要。原子力委員会としても、適宜、適切に評価を行っていきたい。
  • 原子力試験研究については、将来の技術革新に繋がるようなシーズを生み出し、原子力分野以外の科学技術分野の発展にも繋がるものであり、原子力の裾野を広げるということで、国として進めているところ。これまで専門委員の先生方には評価等で大変ご尽力頂いており、改めて感謝申し上げたい。
  • 本日の議論の進め方としては、革新炉及び加速器の分野において実施した予備的な検討を踏まえ、岡委員及び永宮参与から、各分野の研究開発の現状と課題について、概観頂きたい。また、原子力試験研究については、既に今年の4月に原子力委員会に設置された検討会で活動が進められており、この活動状況について岩田座長よりご報告をお願いしたい。
  • それぞれのご説明の後、当専門部会における今後の検討の進め方等について、皆様のご意見を頂戴したい。

 (5)革新炉に関する現状と課題について、岡委員より資料研第1−3号に基づき説明があり、竹内部会長より以下の発言があった。
(竹内部会長)革新炉については、まだほとんど決められた概念が無いという前提で、自由度の非常に高い、しかも幅広い視点でご紹介頂いた。原子力開発というと、ほとんどが軽水炉で、大型で、ユーザーは電力会社という固定観念ではないか。しかし、電力会社の経営面では電力自由化の議論を見据える必要があり、原子力への力の入れ具合をどうするかというのが問題。また、社会の受容という面からは、地球環境問題では、例えばCO削減に対する有効な対策として、まだはっきりと原子力導入のコンセンサスが得られていない。他方、若い世代にとって原子力に対する魅力が薄れていることがあり、革新炉の研究開発を進めるひとつの動機になるのではないかと考えている。

 (6)加速器に関する現状と課題について、永宮参与より資料研第1−4号に基づき説明があり、概ね以下のとおり質疑応答があった。
(竹内部会長)ご説明の中にあった、加速器をつくる側だけではなくて、使う側の人も入れて議論してはどうかというご指摘については、放射線専門部会を立ち上げているところでもあり、作る側と使う側の方の議論ということで、将来両者(放射線の専門家と加速器の専門家)の議論の場も作ってはどうかと思う。
(谷畑委員)予備的検討のまとめに関しては、永宮参与のご説明のとおりであるが、一方、今年1年の状況を把握しておく必要がある。予備的検討の議論の中で、例えば文部省と科技庁の統合の効果として、長期的視野に立った我が国全体としての加速器開発計画の進め方について議論すべきという意見があった。現時点では統合の効果がプラス側に見えてきたとは言い難い状況であり、私としては、この議論は非常に重要な問題であると考える。加速器科学をどう進めるかを議論する場がないまま、国の政策や経費の見積もりが進んでいくのはとてもおかしなことである。是非そのあたりを早急に議論頂いて、原子力関連、とりわけ加速器の場合は非常に広い分野をカバーしており、この分野をいかに日本で進めていくかという議論の場を作って頂きたい。原子力分野は発電のみならず非常に幅広い分野でありながら、こういう基礎的分野については総合科学技術会議において必ずしも理解されているとは言えず、これは非常に由々しき事態だと考えている。
(竹内部会長)ご要望の件については、加速器関連の方々にもう一度お集まり頂いて、少し検討して参りたい。加速器については、分野が非常に専門特化されていて、外から見えにくい分、国の予算の関係等でご苦労されているのではないかと思う。もう一点の総合科学技術会議との関連については、幅広い科学技術分野の全体を見渡すという立場であり、また、原子力委員会と総合科学技術会議では切り口は少し異なる。また、加速器にしても応用分野が非常に幅広く、色々な分野に顔を出してくるので、総合科学技術会議として整理しにくいのではなかろうか。これらの点については、総合科学技術会議とも議論を深めていきたい。
(文部科学省)加速器に関しては、当省の所管事項に属している事項も多く、科学技術庁と文部省が統合され、責任を持って施策を推進していく必要があると考えている。加速器に関し設置される検討会の中で、今ご指摘頂いた点を含め活発なご議論が行われることを期待している。文部科学省として、総合科学技術会議、原子力委員会のご議論及び原子力長期計画等を踏まえ、施策を推進していきたい。
(谷畑委員)加速器に関する研究は国際的な流れの中で進めているものもあり、世界的なレベルを踏まえた議論をしないと、日本の国内だけで順番がどうだという議論をしてもほとんど意味がない。SPring-8、大強度陽子加速器、RIビームファクトリーなどは、世界の研究開発の一翼を担う加速器施設であり、レビューも国際的視点を踏まえて行っていきたい。
(竹内部会長)ご意見として承る。

  (7)原子力試験研究検討会の活動状況について、岩田委員より資料研第1−5号に基づき説明があり、概ね以下のとおり質疑応答があった。
(竹内部会長)この試験研究に関わる検討会は、岩田委員からご紹介頂いたように、既に活動が行われてきている。私も参加したが、先端的かつ専門度の高い分野について、分野別の担当の先生方に、非常に精緻なご審議と評価を頂いている。
(相澤委員)参考3の「研究評価ワーキング・グループの設置について」の2.に「WGの構成は当面、以下のとおりとする」とされているが、この「当面」というのはどの程度の期間、こういう構成を計画しておられるのか。特に防災やバックエンド関係は、例えば国の研究としては、安全委員会がマネージメントしている安全研究、年次計画など様々なものがあり、それらとの関係をどのように整理しておられるのか。
(竹内部会長)必要があれば直していくということでよいのではないか。
(文部科学省)原子力試験研究の分野分けについては、原子力委員会でのご議論等を踏まえた形で現行の分野分けを行っている。今後どのような形で進めていくかについても、やはり原子力委員会の試験研究検討会等のご議論を踏まえ対応したい。

  (8)今後の検討の進め方について
  • 標記の件について、竹内部会長より、当専門部会における今後の検討の進め方については、革新炉、加速器、原子力試験研究の各分野について検討会を設置し、議論を進めてはどうかという提案があり、以下の質疑応答の後、その設置について了承された。
(佐々木委員)岡委員の革新炉に関するご説明に関連するが、我々メーカーとしては、研究開発に関してはどうしても短期的な視野になる。色々な商品や技術の実現のためには、やはりコストとスピードが最優先だと思っている。我々の顧客である電力会社等の経営が、昨今のキャッシュフロー経営、つまり資金回収のサイクルが非常に早くなっている状況ではなおさらである。また、これは一般の商品にも言えるが、原子力の場合については、社会的な受容性が非常に重要になってくる。欧米のGenerationWなどでは、核不拡散性についても重要とされているが、日本においては、やはり社会的な受容性が非常に重要で、その中でも特にゼロエミッション(廃棄物を排出しない)とノーエバキュエーション(退避の必要性を無くす)の2つが非常に重要。この2つをターゲットとして設定した上で、開発については、競争的な原理を導入しながら是非進めていただきたい。また、その後の実際の推進モデルとして具体的になったときに、国際展開への強力な後押しも含め、十分これから話し合っていく必要がある。
(岩田委員)試験研究は、基礎的な研究だけという視点では、目標設定が十分できないところもあるので、試験研究の成果については、色々な場で是非取り上げて頂いて、新しい展開ができるような目配りをして頂くと、様々な研究が有機的に繋がってくると思う。色々な芽が育っているので、研究担当者が勇気づけられるようにご配慮頂ければと思う。
(竹内部会長)本専門部会のような場がそういうきっかけになろうかと思う。本日は、研究開発専門部会として一堂に会してお集まり頂いたが、各分野の状況として、革新炉は、まだ白紙にデッサンを行うように、21世紀、これからどうすべきかという議論を始めるところである。加速器については大きな計画が進められているところであり、またその研究対象や利用分野の裾野は非常に幅広くなっている。試験研究については、課題評価というように他の2分野とは使命が異なる。従って、原子力委員会としては、当面は3分野を分科会形式とし、もう少し緻密な議論をできるような場にした方が良いのではないかと考えている。
(永宮参与)仕事の効率性という点ではそれが良いと思う。しかしこれまでの議論では、この専門部会全体としての役目がハッキリしない。横断的な問題については3分野合同で議論するのか。
(竹内部会長)横断的事項が多々あれば、皆さんのご意見に応じて、研究開発専門部会等の場で取り上げたい。
(藤家委員長)皆様には、原子力委員会に対して、現在閉塞感のある我が国の原子力界が新しい展望を切り開いていく上で、様々なご指導を頂ければ大変ありがたいと思っている。
(粟屋委員)総合企画・評価部会には参与と専門委員がおられるが、この2者はそれぞれどのような側面で関与されるのか。
(藤家委員長)部会の中においては、参与と専門委員に特段の役割の差は無い。参与の方々には各専門部会にご参画頂くことも含めて、より多くのコントリビューションをお願いするという意味で、専門委員との性格の差があるとお考え頂ければと思う。
(相澤委員)資料研第1−6−1号の2.調査審議事項の(1)において、「研究開発の方向性と開発の進め方」とあるが、これは「研究開発」と「開発」を使い分けたという意図は特にないと理解してよろしいか。
(竹内部会長)ご指摘のとおり。

  (9)その他
事務局より、以下の説明があった。
(青山参事官)この部会については、議事は公開されており、議事録についても、概要版を事務局で作成し委員の方々にご確認を頂き、了解を得られたもので公表したい。なお、次回の専門部会及び検討会の開催については、部会長とご相談の上、別途ご連絡をさせて頂きたい。

以上