第2回核融合専門部会 議事録

1. 日時:平成14年5月24日(金)15:30〜17:30
2. 場所:中央合同庁舎第4号館 2階 共用220会議室
3. 出席者:
(原子力委員)藤家委員長、遠藤委員長代理(部会長)
(専門委員)玉野輝男参与、池田右二、伊藤早苗、伊藤正男、井上信幸、桂井誠、岸本浩、 五代富文、下村安夫、鈴木誠之、西川雅弘、藤原正巳、松田慎三郎、 三間圀興、宮健三 (以上、敬称略)
(文部科学省)大竹核融合開発室長、犬塚補佐
(内閣府)小巻参事官、榊原参事官、渡辺補佐、川口補佐
4. 議題:
(1)ITER計画について
(2)核融合研究開発の進め方について
(3)その他
5. 配布資料:
 資料融第2−1−1号 第3回政府間協議及び各国状況等について
 資料融第2−2−1号 欧州におけるファーストトラックの議論について
 資料融第2−2−2号 第三段階核融合研究開発基本計画の進展状況
 資料融第2−3−1号 第39回IFRC(International Fusion Research Council)報告

6. 議事内容
1)大竹核融合開発室長より、資料融第2−1−1号に基づき、第3回政府間協議及び各国状況等について説明がなされた。

2)本件に関し、以下の議論があった。
【池田委員】
 ただ今、ご説明があったように、EUの方は近く理事会等の内部手続が終わって、6月初旬の政府間会合において、おそらく2つの誘致候補を表明する可能性が非常に高いというふうに私も聞いており、日本としては、時期を失することがないように対応することが必要ではないかと思い、非常に心配になるところである。
 EUが2カ所誘致の候補地を出すというのは、2つの主権国の間の調整の問題があるし、EU委員会の権限との絡みでそうなるということであって、1国の中で候補を絞れないというような状況とは異なる。
前回も私は申し上げたが、カナダ、ヨーロッパとも厳しい競争相手国になるわけだから、日本としては立候補する以上、選ばれる、勝てるような形を早急に整えることが必要ではないか。国内的な調整をやる必要があるのではないか。

【遠藤部会長】
 日本の国内の動きについて、差し支えない範囲で、ご説明をお願いしたい。

【小巻参事官】
 総合科学技術会議の方だが、実は、12月の本会議で「欧米の情勢を踏まえて最終的な参加誘致に関する判断をする」ということになっていたが、今、大竹室長からご報告があったように、欧米の方は大分様子が変わってきた。総合科学技術会議としても、そろそろ判断をくだす時期であろうということで、来週に予定されている本会議にて、我が国が参加あるいは誘致をするということでサイトを提案しながら交渉に臨むのかどうか、そういったことに関して最終的な判断を下すという予定になっている。

3)大竹核融合開発室長より、資料融第2−2−1号に基づき、欧州におけるファーストトラックの議論について説明がなされた。

4)本件に関し、以下の議論があった。

【遠藤部会長】
 ヨーロッパの提案というか考え方では、材料開発、それから発電ブランケット、この2つが特に大きくクローズアップされてきているように思う。この欧州側の提案についてのご意見、コメントあるいはご質問等々を承る前に、藤家委員長と、必要があれば玉野先生から本件関連のご意見を伺いたい。

【藤家委員長】
 キングさんが部屋に来られて30分ばかり、大変活発な議論をさせていただいた。彼は、「サイエンティストだけに任せたのではなかなか実用化の道は開けない。まさに産業界のコミットメントが大事なのだ。」ということを中心に話をされた。私は、こういった巨大技術開発のこれまでの歴史をたどってみることが必要であり、ワンステップ狭めるということの意味合いをどうやって整理していくのかという辺についての議論をきちっとやっておく必要があるのではないかと申し上げた。あっという間に30分が経ってしまったのだが、後で聞くと、キングさんが文科省に行かれて、あのチェアマンはどうもITERには賛成ではないみたいだというコメントをされたようで、逆に私がびっくり仰天したということがあった。
 核分裂の世界で、やはりこういったいろいろな議論をやった典型的な例が高速増殖炉開発である。それに対して、全くそういったプロセスを経ないで、いきなりほぼ実験炉からスケールアップとアップグレーディングを図ったのが軽水炉であり、この2つの例をよく見ておく必要がある。
 軽水炉の場合、ここで言われている燃料供給、それからあとの処理の問題は、いずれも軍事技術の中で育ってきたものを当てはめた。高濃縮ウランを使って原爆をつくる話とプルトニウムを抽出してこれまた原爆をつくる話というのは、1945年に既にモノにされたわけであるから、この燃料の流れについての大体の発想があって、軽水炉はまさにエネルギーマシンとしての開発を続ければよかったということで、これはこのままスケールアップメリットによって経済性を達成したということである。
 一方、高速炉については、かなり重装備で話を始めたということがある。実は、この辺の話は、原子力学会の春の年会で1時間話をしろと言われたときに少し資料をまとめて話した。 原子力発電を最初にやったのは、EBR-Uというアメリカの高速炉であり、決して軽水炉ではないのだが、今のように実験炉から始まって、原型炉にいって実証炉にいってというプロセスをすべての段階で議論したわけである。ところが、アメリカは、原型炉から実証炉へいくクリンチリバーの建設半ばにして撤退をしたと言われる。これは、高速増殖炉のトップランナーとして最初のプロセスであるが、それに引き継いで、フランスがラプソディーからフェニックス、スーパーフェニックスという実験炉、原型炉、実証炉の段階までいって、これがストップしたということである。
 日本は実験炉から原型炉にいって、今、早く「もんじゅ」を再起動しようという状況にある。この4段階論がスムーズに展開され、そのとおりいったという例が、実はこれまでの技術開発の歴史の中にないということに、我々は目を向けておかなければいけないだろう。
 これは、先ほど大竹さんが言われた「産業界を引きつけていかなければいけない」ということと大変関連が深い。というのは、実験炉をつくって、それから原型炉へいくときに、実験炉で得られたデータをじっくり処理して次へ向かったのでは、産業界の人材確保ができないということで、ご承知のように、実験炉の「常陽」をつくって、運転するまでに、既に「もんじゅ」の計画をつくって建設に入っていった。そういう歴史がある。
 したがって、今、原子力委員会としては、「もんじゅ」の運転実績をきちっとつかまえてから次の実証の段階に移ろうという計画をつくっていることは、「長計」でよくご承知のとおりである。従来あった実証炉計画は一度ご破算にして、今「もんじゅ」を立ち上げて、このデータをきちっとつかまえてから次の段階にいこう、実証炉がどうかということは、どうぞその間に議論しておいてくださいというような言い方をしている。この話を核融合についてどうとらえればいいかというのが次の問題になる。
 随分昔の絵を見せて申しわけないが、核融合開発がどう進んできたかについて、これは1985年ぐらいに、私が名古屋のプラズマ研究所にいたときにつくった話である。核融合のこれまでの研究開発を見ていると、これはフォワードな話だ。つまり、核融合の基本になるところから出発していることは事実である。これは、まさに閉じ込めの概念から話が出発しているわけで、それに加熱してプラズマをつくってというような話である。それにお化粧をしていけばシステムになっていくだろう。技術合成をそういうステップで見ている。最初に閉じ込め概念があって、その次に炉心の可能性を検討して、それから技術合成して炉にしていこうという発想できているのだと思う。
 一方、もう一つの考え方として、一体何を満たせば実用炉になり得るのか、というところから逆にスタートする方法がある。今、多分議論の焦点は、この両者をどうやって整理するかということだろうと思う。実用炉への展望からみると、上の話が1つずつ独立で進むはずはない。全部お互いが相当強い関連を持ちながらいくので、境界条件をちゃんと見なければいけないし、課題を設定しなければいけない。そして、もとに戻ってやらなければいけないというようなことになる。
 先ほど出てきたIFMIFというのは、そういう意味では、1つの核融合炉が持つ非常に難しい環境条件をどうやってクリアするのかという問題に関連する。中性子による第一壁に対する影響が非常に強いけれども、それとこれとのコンパティビリティーをどう見るかということになるが、これを基礎基盤だけやって解決できるという発想は、私は相当危険だと思っている。やはりインテグラルな状況の中でこういうものを見てみなければいけない。そういう意味では、実験炉というのは一度やはりつくってみて、そこでいろいろな環境条件を整理しなければいけないと思う。
 ただ、核融合が持っている環境条件は核分裂が持っていた環境条件とどう違うか、ということを考えてみることにより、ステップアップを1つ抜いてやることの可能性も出てくるだろう。この辺は、だんだんとステップアップしていくうちに機能を幾つか追加していって、最初は閉じ込め機能と加熱機能だというようなこと、あるいは真空をどうするかと、いろいろなことから機能の追加をやっていくのだろうと思う。先ほど申し上げたように、軽水炉は機能追加がほとんどないわけである。ただスケールアップとアップグレーディングで進んできた。核融合の場合、機能を追加するときにどういう問題が出てくるのかを考えておく必要があるのではないか。
 そういう意味では、今のファーストトラックの問題というのを、我々は、そういう目で一度、とらえ直して議論しておく必要があるのではないか。早くやりたいというのと、実際にどうやったら早くできるかという議論は、必ずしも同じものではない。今のような意味合いで言えば、より早くするにはどういう方向があるのかということだが、その辺の細かい話は原子力学会でお話をしたので、そのうちメモが出てくるだろうと思うが、ファーストトラックについて、キングさんといろいろ議論した結果、気になるところを今お話しした。

【玉野参与】
 この問題をここで議題に取り上げるのは初めてだが、ただ、この中にもキング氏にお会いになった方々がかなりの数おられるし、いろいろな情報は皆様お聞きだと思うので、かなり皆様方として既に考えておられることもあるのではないかと思う。問題は、やはり技術的にどう評価できるかということ。ファーストトラックあるいはファーストトラックに限らず、進め方のときに必要となるものが技術的にどう評価できるかということ。それから、それをどういうふうに進め方としてまとめていったらいいのかということ。この2つをやはりきちんと整理して、最終的にはまとめていったらいいのではないかと思っている。そういう意味で、皆様のご意見をまずお伺いしたらどうか。

【下村委員】
 先ほど、遠藤先生からご説明があったように、このレポートで強調されている点が2点ある。1つは、発電ができるようなトリチウム増殖ブランケットをITERで試験するということで、もう一つは、材料の開発を行うということである。
 こういうレポートが出てきたヨーロッパの背景というのは、1つは、先ほどのご説明にもあったが、ヨーロッパの核融合の研究というのは、今まではどちらかというとプラズマ物理にほとんど重点を置いてきたわけである。それが、ITERが現実のものになってきたと同時に、将来の議論がより真剣になされるようになり、こういうことが出てきた。
 今おっしゃった2点のうち、発電に適した熱を取り出せるようなブランケット、トリチウム増殖ができるようなブランケットをITERに取りつけて試験すべきであるということは、ご存じだと思うが、ITERの技術目標の中に入っている。この技術目標に入るに当たっては、各国で議論があったときに、ヨーロッパは非常に消極的だったのを、むしろ日本のパーティの方が非常に押されて、ITERの計画の中に取り入れられているわけである。
 このレポートを読むときに注意しなければいけないのは、先ほど皆さんがおっしゃっていたように、ヨーロッパは今まで非常にプラズマ物理の点に重点を置いてきたということで、プラズマに関しては、ここでは一切そういう意味では触れていない。すでに十分注目されているということだと思う。例えば、トカマクの装置だけでも、かなり大きな規模のものが5台以上ある。
 そういう意味では、それが特に触れられていないが、やはりファーストトラックということを考えた場合には、ITERをつくって、早く総合的に実験炉の試験をするということ。発電及びトリチウムの生産用ブランケットを試験するということ。材料を開発することと、やはり炉心の性能をどんどん高めていくという研究をやっておくというのが必要だと思う。
 それで、一番最後の点に関して、レポートに触れられていない理由は、それを軽視しているわけではなく、むしろヨーロッパの場合は、今までそればかりに熱中していたことだと思うので、その辺は、ヨーロッパの状況を踏まえて理解していただいた方がいいと思う。

【松田委員】
 ただ今、ヨーロッパのファーストトラックのご紹介があった。実は、核融合会議が昨年まで続いていたが、その下で2年ちょっと前まで開発戦略検討分科会というのをやっていて、その結果が昨年の核融合会議にも報告されたし、ITER計画懇談会にも報告されたけれども、そこで既にファーストトラックと同じような議論をやっている。その考えはどういうことかと言うと、まずこれから何をしないといけないかという問題認識があり、それと同時に、将来の核融合炉としてどういうものが求められるかという問題認識があった。藤家先生がおっしゃられた、将来像からのロールバック的な視点を踏まえて議論している。まずは核燃焼するプラズマをちゃんと制御できることということからITERを位置づけているし、それから、よく我々が問われる問題は、炉に向って材料があるのかということであるが、そういう視点で材料の問題も議論している。
 それからもう一つ非常に重要なのは、核融合が発展していったときに、市場に受け入れられなかったら、やはりだめなわけで、そういう意味では、コストという点が非常に重要だという議論がかなり行われており、これはロールバック的な議論だが、魅力的な発電炉をつくるにはどうしたらいいか、どこでどういうプラズマを追求しなければいけないという議論を相当やったわけである。
 そういう視点から、先ほど下村さんの議論にも出てきたけれども、単にITERだけでなくて、高性能のプラズマ、高べータのプラズマを定常に維持していく研究開発が、ITERを支援しながら、かつ原型炉に向かって重要だということも含めて議論されている。
 唯一、ヨーロッパのファーストトラックと違う点は、その当時の議論としては、いつまでに実現しないといけないかという認識について、そのときに書いたチャートでは、たしか2030年代の後半ということだったけれども、それはヨーロッパの計画だと2030年ごろにはできないかとなっている。それは、技術的には早くやろうと思えば可能なわけである。第三段階の議論の基本的な考えになっている一つの考え方として、全体の開発の資金をミニマイズするという考え方がある。つまり、あるステップの成果を次のステップに全部反映させてやっていくというのが全体の投資のミニマイズという考え方だと思うが、一方、国民的な意味から、もしもっと早くすることが重要であるという話になれば、あるオーバーラップというか、リスクを見ながら次のステップを準備するということをやれば十分早めることも可能なわけであり、ヨーロッパの指摘というのは、そういった点が強調されてきたのではないか。我が国も、是非こういう視点で議論していただければよろしいかと思う。
 藤家先生がご指摘されたように、核融合の特徴が何かというのをよく見ながら調べるということであるが、核融合には、燃えるプラズマの生成というのは非常に大きい装置でないとできないという特性がある。一方、周辺の装置まで含めたシステム全体としての構成の成熟度はかなり進んでおり、むしろプラズマとブランケットにほとんど技術的課題が集約されているというのが、おそらく核融合の特徴ではないか。その辺を含めて議論していただければと思う。

【三間委員】
 私どもは、ファーストトラックというか、できるだけ早い機会に核融合エネルギーが実現するということについては大賛成なのだが、先ほどの藤家委員長の高速増殖炉との比較の問題で、核融合のエネルギー開発とどこが違うかということについて一言申し上げたい。今、松田さんがトカマクというか、環状系プラズマという立場で、それをできるだけ高性能化して将来の核融合エネルギー開発の戦略に結びつけていくべきであるという話をされたかと思う。しかし、国の今までの立場、それから第三段階の計画にも書いてあるが、それ以外のコンセプト、特に手前味噌だが、慣性核融合という話も世界各国で動いていることなので、開発をするときに、やはりそういう燃料系とシステムをどう開発してデモ炉に結びつけていくか、その辺の取り合わせを少し注意深く我々はしないといけないのではないか。
 したがって、急がば回れというか、それぞれ可能性のあるものについては現に研究が進んでいるわけであるから、それをどこでどのテーブルの上に乗せて、実験炉から次のステップにいくかというのは、やはり至急必要で、ファーストトラックを追求するときには、その部分についてもちゃんと手当をしてやらないと、今まで積み上げてきた多岐路線という話がまるっきり無駄になるのではないか。
その辺については、是非、ここでどういうふうに次の戦略を立てていくかというのを改めて議論していただけたらと思う。

【藤原委員】
 少し経緯がわからなかったのだが、このファーストトラックの話というのは、どこかでフォーマルなオーソライズされるようなところになっているのかを聞きたい。要するに、どこかのちゃんとしたフォーマルなEUの委員会で議論されている話なのか。
 それから、もう一つは、1月のFPCCのミーティングで同じようなのが出てきて、確かにトカマク炉の実現という意味でファーストトラックというのはある1つの考え方だと思うが、さっき下村さんが言ったように、ここではその他のものについての記述がだんだん薄れる。それがFPCCのミーティングでかなり問題になった。したがって、ファーストトラック的な概念と、それからやはり炉概念を見通した炉心プラズマというその他のトカマク以外のもの、そういうものをうまくコンビネーションを考えてやらないと、だんだんトカマクに集中するというような話になってくるが、本当にそれが最速の道であるかどうかというところはよく考えなければいけないと思う。
 我が国というのは、ほかのトカマク以外の技術というのは非常にレベルが高いわけであるから、もちろんトカマクも高いのだろうけれども、その辺のコンビネーションをうまくやらないとならないというのが非常に大事だと思う。

【大竹核融合開発室長】
 この報告自体は、先ほどもご紹介したとおり、研究相理事会の議長に頼まれて、このメンバーが行った。その後、オーソライズはされていない。しかしながら、EUのやり方でいくと、例えばこれのベースとなるものが次期のフレームワークプログラムと言われるEUの研究開発計画に事実上取り込まれていくという形で、官僚的システムにしては珍しいが、ハンコは押さないけれども実質的に取り組むということになっている。実態からいうと、第6次フレームワーク計画にも既に承認する段階で、4年間で700ミリオンユーロといっていた核融合予算を750ミリオンユーロに引き上げた。この50の増分の持つ意味だが、まさにファーストトラックに対応した材料開発の強化というのが、その1つに含まれていると聞いている。そういう形でもう既に活用が始まっているというか、政策として実現に移されているということが言われている。

【藤家委員長】
 今のは、別にファーストトラックではなくても大事なことであるから、ファーストトラックとの直接の関連だとは思っていない。

【井上委員】 
 ファーストトラックにしてもIFMIFにしても、日本では非常に早くからみんな考えていたわけだが、なかなか言い出せない雰囲気があって、遅れをとったのではないかという感じを私は持っている。幸いに松田所長の方から、核融合会議開発戦略検討分科会報告書に書いてあるという話があったので、そういう意味では少し救いがあるのではないかと思う。
 ファーストトラックがオーソライズされようがされまいが、重要であれば、こことして検討する必要があると思う。まず、最初にやるべきことは、やはりEUの提案の評価であり、その中で、例えばITERで発電してみるという話があるが、それが一体どういう意味があるのか。核融合の発電技術というものを、いわゆるデモンストレーションするということは、多分エンジニアリングとしては、熱が出てくれば電気が出てくるのだから余り意味がないと思うのだが、社会的インパクトとか、あるいは環境とかセキュリティー、そういうことについて新しいオプションが確立されるということは意味があると私は思う。そういうことをしっかり評価していく必要があるのではないか。
 それと同時に、やはりこれは第三段階計画を見直す必要があると思うのだが、先ほどから話が出ているように、我が国はいろいろなオルタナティブをやってきたということで、非常に貴重な国であると思う。ただ、これまでの評価の仕方が、炉心の方からの評価に偏っていたのではないか。それから、先ほど、藤家先生あるいは松田所長が強調されたように、ロールバックの観点から余り評価したことはないのではないか。つまり、将来こういうことがあるからこれよりも核融合発電を行うに当たって優れているという主張はあるのだが、それを、例えばITER並みの精度で検証したことは余りないのではないかと思うので、それは是非、やった方がいいのではないか。予算をつけるにしても優先順位をつけるにしても、そういうことに基づいて日本の計画というものをきちんと立てていかないと、いつまでもいいものがなかなか先に進まないという悪平等みたいのがあったのではまずいのではないか。
 それから、3つ目の点は、国際的な問題についてだが、将来の戦略に関して、ITERを誘致した国というのは、次の点で不利になることがあるかどうかということがある。つまり誘致しない国はITERの結果を見てさっさと先にファーストトラックの段階に入れるが、誘致するとそうはいかない。だから、全体計画の中でよく考えないといけない。そのことは、もう既に来週あたりからの物の決まり方にも影響が出てくるような気がするが、時間的にはもう余裕がないのかなという感じがする。

【岸本委員】
 藤家先生から、お目にかかるたびにお叱りを受けている。先ほどもお話があったように、増殖炉でうまくいかなかったステップの取り方を、よく吟味しないで核融合に導入するというのは、あまり賢いやり方ではないとお叱りを受けている。それ以外のいろいろな方々、例えば有馬先生とかから、一番最初に遠藤先生がおっしゃったように、もうちょっと効率的に進める方法はないのかというようなこともいろいろお話があった。
 第三段階計画が10年あまり前につくられて、当然、我々はそれに従って着実に研究を進めてきたわけだが、当時とは違ういろいろな状況を踏まえ、将来どういうバリエーションをとっていく可能性があるのかということについても、これまでに検討してきた。それは、開発戦略検討分科会などにも反映されているところではあるが、それを現実にどう実現するかがなかなか難しい。
 そう簡単な問題ではないが、まず1つは、藤家先生がお話しされたように、まず概念を決めてから現実の研究に対応するやり方をとるべきだというご指摘についてである。我々のところは、10年前に、JT-60の成果をベースに炉概念というものを提案した。それに基づいて炉心と材料の研究をこの10年間進めてきたが、幸いにして、その方向というのは、今までのところは割方うまくいっている。新しいトカマクの研究の流れというものをつくることができたし、フェライト鋼の開発も進んできたと思う。
 それからもう一つ、そういうのをベースにして、数年前にITERの設計の見直しを考えたとき、ベースとしては、単にミッションを満たすだけということではなく、フレキシビリティーを持つべきだというのが日本とアメリカの強い主張だった。ヨーロッパはミッションを満たせばいいじゃないかという主張で、若干そこはヨーロッパと違った。ミッションを満たすだけではなく、例えば、先ほども話が出たが、発電ができるような進展があれば、ITERに発電ができるようなブランケットを取り付けることが可能な設計を今から考えておくべきだと主張した。そこでは、単に大きな装置を小さくしたということではなく、研究の進展を踏まえたフレキシビリティーを装置に確保していこうというのが大きな主張だったと思う。その通りになっているかどうかは下村さんに聞いた方がいいと思うが、私がそのとき主張したのは、もし定常のトカマク運転がITERで実現できるようになれば、当然、発電を相当の規模でやるべきだということである。それだけのブランケットの取り付けができるような装置に、今すぐする必要はないが、可能性はちゃんとキープしておくべきだというのが1つの大きなポイントだったと思う。今度、このファーストトラックの議論が出てきて、ITERがそういうある意味ではハッピーな状況なのではないか。定常運転が間違いなくできるようになったら、工学面でそういう対応ができるだろう。
 1つの大きなステップの中で、当初の目標を超えてミッションを設定できるフレキシビリティーというのが、やはり、藤家先生がおっしゃっている、本当の意味の、硬直的なステップ論じゃない対応の仕方ではないか。それは、当面、ITERの計画にどれだけ尤度をもっているかというところにかかっていると思う。

【宮委員】 
 感想を1点だけ申し上げさせていただきたい。ファーストトラックの問題について、本質的な問題点は、例えば実証炉を実現するに当たって、どういう条件が満たされていればそのプロジェクトが成功するかということであり、そういう意味で、必要条件と十分条件について議論していく必要があると思う。例えば今の下村さんのお話にあったように、課題としてテストブランケットがある、材料の問題もある、それらが未解決の問題になっている。この2つの問題を解決するのは、もちろん緊急の課題で、いろいろ努力はなされている。しかし、FBRを見てみると、ブランケットに相当する機器の問題にしても材料の問題にしても解決されている。それならば、どうして原型炉をすぐ立ち上げて実証炉にいけないのかという問題がある。やはりステップを進めるための十分条件というのが、まだわかっていないのではないか。
 藤家委員長が言われたのを聞いてみていると、やはりロードマップは構想できるけれども、どういう条件が技術的にあるいは物理的に実現されたから次のステップが成功したのかという中身について、ノウハウというようなものを顕在化できていないというふうに感じる。それで、ファーストトラックに関するヨーロッパの論文を見ても、表面的なことについての議論はあるけれども、もうちょっと本当に大事なことについては、ほとんど何も議論されていないのではないか、と思う。
 したがって、ファーストトラックについての議論をするに当たっては、むしろそこ十分条件について議論を深めるべきである。もし十分条件を解明する手段を我々が持っているならば、FBRと核融合炉についての違いがよくわかって、FBRについてはこういう状況だけれども、核融合の場合については、キングさんが言われるようにファーストトラックが実現できるかもしれないことを示せるだろう。だから、そこのところに、表面的なことではなくて、もっと深層的・技術的なところに光を当てて議論していくということが、これから必要なのではないか。そういう認識を大事にするべきである。

【桂井委員】 
 私もデビット・キングさんといろいろ話す機会を持たせていただいたが、2つのことからなっていたと思う。
 1つは、イギリスのエネルギーの特殊事情ということで、30年後にイギリスというのはエネルギー資源がなくなるということを非常に深刻にとらえている。それに合わせて、核融合炉が実用的なエネルギーになるかどうか評価したいということだと思う。その意味は、結局、イギリスの北海油田がだんだん枯渇していくということと、もう一つ、分裂炉がイギリスではほとんど支持が得られず、これからの増大が見込まれないということ、それから、フランスからの輸入も3%とかというようなレベルで限度だということで、30年後のイギリスのエネルギー資源ということを考えたとき、早く核融合炉のポテンシャルを評価したいということだと思う。
 その具体策としてIFMIFというふうなことから始まるわけで、日本がこの話に乗るには、30年後のエネルギー資源というものをイギリスと対比させたとき、大分違うのではないか。日本の場合、核分裂炉は、多分、30年後、再処理工場も無事動いて健全な姿になっているというようなこともあるかと思う。その中で、核融合炉の実用炉としての評価を早くすべきなのか、あるいは、もうちょっといろいろなことを待って先送りしてもいいのか。そういう話はこれから詰めていくべきだ。30年後、早く我々としては実証したいとは思うが、大きなエネルギーの政策の流れはイギリスと大分違う。
 それから、もう1点、材料開発を加速すべきだという話は、それとは別に議論して、これは長期的な問題であるから、なるべく早くやるように話をするべきで、ファーストトラックの2つの話は、日本では分離してもよいのではないかと思う。

【西川委員】
 このファーストトラックの話が出てきて、岸本先生はハッピーだとおっしゃるけれども、私自身が本当にハッピーかどうかはわからない。ファーストトラックというのは、何度かディスカッションすべきであって、それが済んでからITERをどうのこうのするというような論議にならないように、是非、注意してほしい。
 それから、材料の強力中性子源の話だが、これも、あるところでは硬直化している。これができないと材料の開発ができず核融合ができないというようなことも時々おっしゃられるときもあるが、炉としてはリプレイスとかいろいろなテクノロジーが総合的にあるわけだから、そういうことも踏まえて、まず最初に我々は何をすべきかということを論議していただければ非常にありがたい。

【遠藤部会長】
 いろいろなご議論をいただいた。本件については、別に今日とりまとめようということは全くないが、他方、ある時期に日本の方針、指針も出さなければいけないということもある。したがって、なにか小グループというかワーキンググループのようなところで、本件に関する技術的側面の論点については整理をしていただき、それをこの専門部会にご提出いただくという進め方はどうか。

( 異議なし )

 それでは、そういうことで、小グループで本件を整理させていただいて、なるべく早くこの専門部会にご提出いただくというように、本件を取り進めさせていただきたい。小グループについては、後ほどまた相談をさせていただきたい。

5)榊原参事官より、資料融第2−2−2号に基づき、第三段階核融合研究開発基本計画の進展状況について説明がなされた。

6)本件について、その後の議論は下記の通り。

【遠藤部会長】
 現時点で考えた場合の第三段階計画の問題点あるいは課題等について、是非ご議論をお願いしたい。

【井上委員】
 今のご説明で、私が前から勘違いをしていたかもしれないのだが、逆磁場ピンチ型装置というのは、産業総合技術研究所でやっているが、これはトカマク型装置の補完的研究という位置付けだったのではないか。そのために、前の科学技術庁から通産省の方の研究グループに予算が出ていたという説明を受けていたと思ったのだが、今はどうなっているのか。
 第三段階計画については、確かに、10何年前につくられたということで、明らかに現状と違うことがある。例えば、目標パラメータ(エネルギー増倍率)が20と書いてあるが、実際は10である。それから、不都合な点というのも幾つかこれから出てくるのではないかと思う。例えば、国立大学や研究所が独立行政法人になったときの位置付けがどういうふうになっていくのか。それから、不都合な点ではないが、本当に原研がずっと中核装置を担当していくということでいいのか。その方がいいのかもしれないのだが、最近はそうでないような議論も行われている。
 それから、もう一つは、先ほどから出ているように、原型炉へ進む段階において、原型炉概念の決定というところで選択することになっているが、選択するに足るような方式があるとしてその開発のための手当てがなされているのか。あるいは、その時期までに比較のためのデータが本当に出てくる可能性があるのか、検討を要すると思う。選択することはいいのだが、その中身をはっきりさせておかないと混乱しそうな気がする。議論しておく必要があるのではないか。

【松田委員】
資料の1ページ目の図、藤家委員長が先ほどお示しになった部分だが、これについてコメ ントしたい。実はこの図で、原型炉の次には実証炉という言葉は使われていなくて、実用化段階というふうになっている。この点に関して、どういう議論が行われたかというのをご紹介したい。
 実用化段階になったとき、コストが安くなってくるというのは、市場に算入してからもどんどん続いていくわけである。たくさんつくられればつくられるだけ安くなっていく。そうすると、実証炉の目的というのはコストダウンというか、コストの合理化というか、経済性の高い装置をつくるためということで、原型炉の次に実証炉というのを考えていたわけであるが、コストだけの合理化の装置というのはあり得るのだろうかという疑念がある。原型炉は、プラント規模の発電を実証するという非常にはっきりとした目的をもっているのに対し、その次の実証炉というステップは、ステップとして本当に必要なのだろうかということだ。コストはいつまでもどんどん下がっていくということを考えると、技術的に何か特別に変わったことがないのであれば、ステップとして設ける意味というのは余りない。
 一方、原型炉をつくれるかどうかということについては、当然、その先に市場に算入していけるだけの見通しを持つ装置でないと、多分つくらせてもらえないというか、市場に出られない、そういう面があると思う。そういう意味で、ここでの議論は、実証炉の必要性という議論は少し先送りした形で、一方、原型炉というものは単に技術的な実証をするだけではなく、その次の段階として実用化段階があること、つまりコスト的には、そのコストを非常に強く意識した装置でないとだめであろうということになった。
 そういう点で、魅力的な原型炉をつくるためには何をしないといけないかという議論がかなり行われて、そのためには実験炉(ITER)というもののほかに、これと並行して先進的・補完的な研究開発というのが非常に重要であるという認識があった。
 それで、そういう計画を踏まえて、平成12年度、核融合会議の方でも、先進的・補完的な研究開発についてご議論いただき、その中で大学と共同して実験を行うJT−60の改修計画というものご議論いただいた。その結果、この前の核融合会議で、平成12年度の8月だったと思うが、そこで、改修計画そのものは承認した上で、ただし、いろいろな検討をさらに続けなければならないということになっており、結論がちゃんと出ていないという状況である。
 一方、原研の方では、そういう改修を目指した概算要求というのは、昨年度からずっとやっており、平成15年度も概算要求項目としては要求させていただく形で考えている。是非、先ほどおっしゃられた小グループの中で議論を行う際に、この先進的・補完的なプラズマ研究の役割も含めてご議論いただきたい。

【藤家委員長】
 私は、自分の考えは余り言わないようにしなければいけないと思いながら、バウンダリーコンディションを考えている。核融合炉というのは、スケールアップとアップグレーディングとを、どういう感じで見ていけばいいのか。
 先ほどの岸本理事のお話では、そのスケールアップ効果というのを大きく期待しなければいけないという話には必ずしもなってこない。一つの実験炉で定常運転までやることがかなりある。それは天体の核融合を見てもそんなことが言えるのではないか。それは、核分裂炉がスケールアップで経済性を達成したのとは、かなり違うところだろう。ただし、経済性の達成は国が予算を出してやる話ではないことは明らかである。むしろ民間努力に期待しなければ、いいものができない。
 それから、アップグレーディングという意味で、先ほどの藤原先生とか三間先生のおっしゃったことを、アップグレーディングの領域の問題として見るのかどうか、これも一つの大きな重要なポイントだと思う。初めてシカゴで核分裂炉が臨界になったときに、30ぐらいの炉概念ができている。それぞれにいろいろな議論があったのだが、そのうち、早く実用化したのはご承知のように軽水炉で、あと高温ガス炉だとか、あるいは高速増殖炉は、それなりに十分な意味合いを持っているが、それはそれ独自の行き方として、その次の段階の実用化を目指している。これらが軽水炉と違った意味合いでの実用化を目指しているということを、どうこの核融合で考慮するのか。私はステラレータのしなやかな磁場配置が大好きだし、慣性核融合がかつて概念設計しているのを見て大変おもしろいと思ったのだが、これがアップグレーディングとして原型炉へつながっていくものなのか、みずから独自に次へいくのか、その辺も、是非、議論していただきたい。
 そもそも性能を上げるというアップグレーディング問題というのと、炉概念というものとの関係をどうとらえていくか。おそらく第三段階のときには、そういった日本のアクティビティをいかに大事に育て上げるかというポイントに立っての、この第三段階の決定であって、先ほどからファーストトラックを例にして言っているように、いかに早く実用化するかということとは、必ずしも同じものではないような気がしているので、先ほど遠藤座長が言われた小グループの検討は両方を混ぜてもいいような段階にあるかなという気がしている。私の考えは自分自身では持っているけれども、今日の段階で言うような話だとは思わないので遠慮させていただく。

【三間委員】
 先ほど井上先生が言ったこと、それから藤家委員長が言ったことに関して、もう一遍繰り返しになるかもしれないが、この1ページ目のチャートを見ると、先進的・補完的な研究開発というところから矢印が原型炉の概念決定のところに入っている。それはそれなりに何となくわかるような気がするが、先進閉じ込め方式についてもその矢印が出ているというのは、ここは今の問題点の指摘どおりで、この矢印は一体何を意味するのかわからない。場合によっては、ここの原型炉というのをITER及びそれに関連する研究開発の延長線上で、やはり、そういうイクスプリシットには何となくいろいろな方式を考えて原型炉を考えるのであるというふうなことを言われているようだが、それは必ずしも実態でないような気もする。
 それでは、先進閉じ込め方式にはどういう道があるのかというのは、もう少しこの矢印の意味を明確にして、やはりこのチャートを見直すということ、それが第三段階計画の見直しの中でやるべき仕事の一つではないか。この点では井上委員の指摘のとおりだと思う。

【遠藤部会長】
 それでは、この件については、本日初めて議論を開始したわけなので、本日はとりあえずここで打ち切らせていただき、本件は引き続き継続審議ということにしていきたい。

7)第39回国際核融合研究評議会会合(IFRC)について、井上委員より報告があった。

8)本件に関し、以下の議論があった。

【三間委員】
 先週、今、井上先生の方から報告があった第18回のIAEA核融合エネルギー会議の国際プログラム委員会があったが、ここには私以外は出席者がいないと思うので、そのことをついでにちょっと報告させていただきたい。
1点は、日本から出ていった論文が全部リジェクトされることなく採択された。それから、サマリートークが2件、炉工と理論だが、日本から出るということ。
 それで、最後もう1点は、これはIFRCで継続審議になっているのかどうかよくわからなかったが、Artsimovich-Kadomtsev Memorial lectureの名前を Frontier of Fusion Scienceとか名前を変えるということが議題に上がり、その件については、IFRCの方に委託をするというか、お願いしたいという話がプログラム委員会としてはあった。

【玉野参与】
 最近、核融合エネルギー会議の開催地が連続的にヨーロッパになっているが、これは何か事情があるのか。

【井上委員】
 特に事情はないが、アメリカがやるのは2006年じゃないと都合が悪いそうで、アメリカの物理学会とかがこのころダブるとかという話だった。そのほかからは申し出がなかったから決まった。
 もし日本が申し出るとすれば、その次の2006年、アメリカと競争するとか、あるいはその2年先になるとか、そういう話になると思う。

9)榊原参事官より、以下の事務連絡があった。

 この会議の議事は公開されることになっている。前回の議事録は既にご確認をいただいていると思うが、本日の資料第2−3−2号である。もし何かお気づきの点があったら、事務局まで連絡をいただきたい。
  次回の開催日程については、今後の状況等々を踏まえながら、別途ご相談をした上で決めたいと思うので、よろしくお願いしたい。

10)その他として、以下の議論があった。

【遠藤部会長】 
私から二、三つけ加えさせていただきたい。
 先ほどの取りまとめで申したように、ファーストトラックの件については、比較的早い時期での回答というか、我が方の態度を決める必要もある。これについては、さっき申し上げたような小グループでの引き続きの検討を進めさせていただきたい。
 それから、第三段階については、両方若干関連しているところもあるが、むしろやはり加速化の議論を踏まえて、加速化の議論が一段落したところで、これ若干のダブりはもちろんあるわけだが、議論を続けていくというようにしてはいかがかと思う。
 そういうことを踏まえて、まず小グループの方は追って事務的にご相談させていただくとして、次の専門部会については、まず幾つかの動きがある。1つは、ITERについては、冒頭に申し上げたような国内での進展、これは来週、再来週ぐらいで動き、それからカダラッシュでの6月の会議等もあり、本件会合は具体的に追ってご相談させていただきたいと思うが、夏休み前に一度是非とも開かせていただきたい。
 そういうことで、もしご議論がなければ、具体的な日取りについては、玉野参与、ほか各先生方とご相談して、夏休み前のそういったようないろいろな出来事を踏まえて開かせていただきたいと思う。したがって、小グループについては、とりあえずの報告なりとも、そのときまでにはいただきたいと希望する。

【下村委員】
 前回、ITERの議論が長引いて、他の議題が議論できなかったので、最初の議題のところでコメントしたかったのだが遠慮した。今日は、時間があるので、少しだけお話したい。
 先ほど池田先生がおっしゃったように、日本がITERをホストするのであれば、時期を失しないようにというお話があった。それはもうもちろんだと思う。そのときに、時期を失しないというのは、1つは日本政府がITERをホストする意思があるということを公式に表明するということはもちろん必要要件だが、もう一つ非常に重要なのは、例えばITERを日本に建設するとした場合、どういう安全規制を適用するのかということである。私はITERの国際チームにいるので知っているのだが、フランスとかカナダのシステムでは、もう既にITERの適用できる法規制があり、したがって、具体的に国際チームとこれらの国との打ち合わせが実施されている。ところが、日本の場合は今検討中ということだ。具体的にはまだわからないということで、具体的な打ち合わせというのはまだ進んでいない。
 そういうことで、政治的な判断も必要だが、一方で技術的な要求準備を早く進めるというのも非常に重要ではないか。

【榊原参事官】
 私どもの承知している範囲では、具体的な法規制をどうするというところはまだ検討中ということかもしれないが、原子力安全委員会の方で、ITERの動きもにらみつつということかと思うが、検討されており、既に基本的な考え方というのはまとめられていたかと思う。

【犬塚補佐】 
 それに加えて、原子力安全委員会の方で引き続き、その法規制を行うためのさらに進んだ基本的な考え方は検討されていると伺っているので、それが間もなく出るのではないかと考えている。また、文部科学省の原子力安全規制当局の方でも、法的な枠組みとしてどういうものが必要なのか、その実現に向けて検討が開始されたと承知している。
 また、そのターゲットとしては、国際的な協定の締結に向けた国会の承認を行う際に、あわせて国内法についても国会にかける必要があると考えているので、基本的にはそのターゲットを見据えながら、法整備を行うということを考えている。

【藤原委員】
 かねがね核融合の研究というのは、ITERによる燃焼プラズマの研究、すなわち十分に燃えてエネルギーを出している燃焼プラズマの研究と、それから材料と、もう一つは優れた概念を育てるということ、要するに3つの非常に大事な柱立てがあると申し上げているが、今のこのファーストトラックの議論というのを始め、次の委員会にはある程度の案を出すというような話になると、それは、今言ったような、いわゆる第三段階計画のいろいろな考え方にある程度影響を及ぼしてくるわけである。これは非常に大事なものであって、小グループのメンバーというような話で次の委員会に諮ってそうしましょう、というようなことになっていくと、相当な影響を及ぼすということをよくお考えいただきたい。
 御存じのように、今、共同利用機関もそれから大学も、法人化の問題が非常に大きな影響を及ぼしている。特に共同利用機関だけじゃなく、大学の実験センターなど、要するに優れた概念を育てているそういう研究の組織がいろいろな意味でトランジットな時期にあるわけで、今のお話を十分にお考えいただいて慎重な案を出していただくということを、拙速にならないようにお願いしたい。

【玉野参与】
 先ほど遠藤座長が申されたのは、どういうような問題点があるかということを整理してお諮りするということだと思う。次までにどういう方向性をつけるかという、そういうことではないと理解している。

【遠藤部会長】
 本日の会合はこれをもって終わりとし、また夏休み前に是非お集まりいただきたい。

以上