第三段階核融合研究開発基本計画の進展状況

 

1.核融合研究開発における第三段階基本計画の位置付け

2.第三段階基本計画の内容

3.研究開発の分担

4.各項目の進展状況

別添 第三段階核融合研究開発基本計画

平成14年5月24日
内閣府








3. 研究開発の分担

所管官庁主な研究機関
文部科学省日本原子力研究所、核融合科学研究所、京都大学エネルギー理工学研究所、大阪大学レーザー核融合研究センター、九州大学応用力学研究所、筑波大学プラズマ研究センター、東京大学高温プラズマ研究センター、富山大学水素同位体科学研究センター、東北大学金属材料研究所、物質・材料研究機構
経済産業省産業技術総合研究所

4.各項目の進展状況

開発目標開発の現状
(1)炉心プラズマ技術
1)トカマク型の実験炉による自己点火条件の達成及び長時間燃焼の実現を目指した研究開発
(i)自己点火条件 ・自己点火条件(エネルギー増倍率が20程度)の達成
  • 国際熱核融合炉(ITER)の最終設計がまとめられた。
  • 核融合会議において、ITERを第三段階計画における実験炉と認めることを確認。
  • ITERは、エネルギー増倍率が10以上(無限大を排除しない)が実現可能な設計。
    → 今後、ITERを建設/運転。
(ii) 長時間燃焼
  • 定常炉心プラズマへの見通しを得るために必要と考えられる長パルス運転(1000秒程度以上)の実現
  • ITERは、1000秒以上の運転が可能な設計。
    → 今後、ITERを建設/運転。
2)その他の研究開発
(i)トカマク型装置
  • 実験炉による研究開発だけでは十分解明できない炉心プラズマ技術分野の課題を解明するための補完的な研究開発
  • 実験炉を含む各段階の中核装置に新技術等を取り入れる前に確認・実証等を行うための先進的研究開発
  • JT-60(日本原子力研究所)、JFT-2M(日本原子力研究所)、TRIAM-1M(九州大学応用力学研究所)などの装置による研究を実施中。
  • ITER物理R&Dにより、ITERの設計に必要なデータを取得。
(ii)トカマク型以外の装置
  • トカマク型を上回る閉じ込めを実現する可能性の追求
  • トカマク型装置による研究開発への貢献
○磁場閉じ込め方式
[ヘリカル型装置]
LHD(核融合科学研究所)、Heliotron-J(京都大学エネルギー理工学研究所)などの装置による研究を実施中。

[逆磁場ピンチ型装置]
中型装置TPE-RX、小型装置TPE-2M(産業技術総合研究所)などの装置による研究を実施中。

[ミラー型装置]GAMMA-10(筑波大学プラズマ研究センター)などの装置による研究を実施中。

[コンパクト・トーラス型装置]TST-2(東京大学高温プラズマ研究センター)などの装置による研究を実施中。

○慣性閉じ込め方式

  • 産業技術総合研究所にて、短波長レーザー(Super- ASHURA)による研究を実施中。
  • 大阪大学レーザー核融合研究センターにて、激光XII号による研究を実施中。
(2)炉工学技術
  • 実験炉の開発に必要な主要構成機器の大型化・高性能化
  • 原型炉の開発に必要な炉工学技術の基礎の形成
  • 実用化のために必須の炉工学技術であって、その実現までに長期間の研究開発を必要とするため早期に開始する必要のあるものの研究開発
  • ITER工学R&Dとして、実験炉に必要な、超伝導技術、加熱電流駆動技術、遠隔保守技術、高熱負荷技術、トリチウム技術、ブランケット技術などを開発(日本原子力研究所)。
  • 耐中性子照射性と低放射化特性に優れた構造材料(F82Hなど)の開発が進展中(大学と日本原子力研究所の協力)。
  • IEA協力のもと国際核融合材料照射施設(IFMIF)の設計研究と要素技術開発を実施中(大学と日本原子力研究所の協力)。
(3) 安全性に関する研究
  • 核融合炉の安全性の向上
  • トリチウムプロセス研究施設(TPL)において、実験炉に必要なトリチウムの挙動データを取得中(日本原子力研究所)。
  • トリチウムの計測と基礎物性の研究(富山大学)。
(4)核融合炉システムの設計研究
  • 核融合動力炉を含む核融合炉システムの具体的構想の策定、その設計研究
  • 定常トカマク炉(SSTR(日本原子力研究所)、CREST(電力中央研究所)等)等の設計研究を実施中。


別添

第三段階核融合研究開発基本計画

平成4年6月9日
 原子力委員会

 第三段階の核融合研究開発は、次に示す基本計画に基づき実施するものとする。

1. 研究開発の目標

 第三段階の研究開発は、自己点火条件の達成及び長時間燃焼の実現並びに原型炉の開発に必要な炉工学技術の基礎の形成を主要な目標として実施する。これを達成するための研究開発の中核を担う装置として、トカマク型の実験炉を開発する。これらの研究開発により、第四段階以降の研究開発に十分な見通しを得ることを目標とする。

2. 研究開発の内容
 上記1. に示した研究開発の目標を達成するために実施すべき具体的な研究開発の内
容は、次のとおりとする。

(1) 炉心プラズマ技術
 炉心プラズマ技術に関して、以下の研究開発を行う。
1) トカマク型の実験炉による自己点火条件の達成及び長時間燃焼の実現を目指した研究開発
(i) 自己点火条件
 自己点火条件(エネルギー増倍率が20程度)を達成することを目指し、高性能プラズマの閉じ込めの改善、全プラズマ加熱入力に占める高エネルギー・アルファ粒子による加熱入力の比率の向上等に関する研究開発を行う。
(ii) 長時間燃焼
 定常炉心プラズマへの見通しを得るために必要と考えられる長パルス運転(1000秒程度以上)を実現することを目指し、高効率電流駆動法、ダイバータ板への熱負荷軽減法、ヘリウム排出法、ディスラプション回避法等に関する研究開発を行う。

2) その他の研究開発
(i) トカマク型装置
 実験炉による研究開発だけでは十分解明できない炉心プラズマ技術分野の課題を解明するための補完的な研究開発及び実験炉を含む各段階の中核装置に新技術等を取り入れる前に確認・実証等を行うための先進的研究開発を行う。
(ii) トカマク型以外の装置
 トカマク型以外の装置は、今後の研究開発の成果によってはトカマク型を上回る閉じ込めを実現する可能性を有していること、トカマク型装置による研究開発への貢献が期待されること等から、これらの研究開発を進める。ヘリカル型装置については、大型装置による計画を着実に推進し、高性能閉じ込め状態の定常維持及び高ベータ値の達成に努め、ヘリカル型装置における閉じ込め比例則の信頼性を高める研究開発を進める。また、逆磁場ピンチ型装置、ミラー型装置、コンパクト・トーラス型装置及び慣性閉じ込め装置についても引き続きその研究を進める。

(2) 炉工学技術
 実験炉の開発に必要な主要構成機器の大型化・高性能化を図るとともに、原型炉の開発に必要な炉工学技術の基礎の形成を図るため、実験炉による試験等を含めた研究開発を進める。さらに、核融合炉の実用化のために必須の炉工学技術であって、その実現までに長期間の研究開発を必要とするため早期に開始する必要のあるものについて、その研究開発を進める。
 このため、大型・高磁界の超電導コイル、遠隔保守技術とその適用が可能な炉構造機器、高熱負荷に耐える高い除熱性能を有するプラズマ対向機器、大出力・長時間動作の加熱・電流駆動装置、トリチウムの製造・増殖・取扱い技術、ブランケット技術等の研究開発を進めつつ、これらの装置・機器の統合・集約化の技術を確立する。また、高いフルエンスの中性子照射に耐える構造材料、ブランケット材料、計測・制御機器及び低放射化材料の開発を進めるとともに、中性子照射による材料特性等のデータの蓄積を行う。
 慣性閉じ込めの技術については、高いエネルギー変換効率と繰り返し動作頻度を持つ高出力ドライバーを開発する。

(3) 安全性に関する研究
 核融合炉の安全性の向上に資する観点から、トリチウム等の放射性物質の炉内外における挙動の把握、機器・設備の工学的安全性、核融合炉の安全性評価手法等の研究開発を進める。

(4) 核融合炉システムの設計研究
 核融合動力炉を含む核融合炉システムの具体的構想を策定し、その設計研究を
進める。

3. 研究開発の分担
 実験炉に係わる開発、試験及び研究については、日本原子力研究所が担当する。実験炉以外の研究開発は、大学、国立研究機関及び日本原子力研究所が相互の連携・協力により進める。これらに当たっては、産業界の積極的参加が得られるよう十分配慮して研究開発を進める。

4. 研究開発の期間
 第三段階の研究開発は、平成4年度から開始し、実験炉による研究開発が終了し、
かつ、次期中核装置と考えられる原型炉による研究開発が開始される段階、又は第四段階核融合研究開発基本計画の策定が行われた段階のいずれか早い時点において完了するものとする。