付録1
各国の動向
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1. はじめに
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革新的原子力システムの開発は、各国独自の開発とともに、多数の国が参加する国際協力の枠組みの中でも進められようとしている。
多数の国が参加する革新的原子力システム開発には、第4世代国際フォーラム(Generation W International Forum : GIF)と革新的原子炉・燃料サイクル国際プロジェクト(International Project on Innovative Nuclear Reactors and Fuel Cycles : INPRO)の2つがある。第4世代国際フォーラムは米国の呼びかけにより日本を含む10ヶ国が参加しており、INPROはIAEAの呼びかけによりロシアなど13ヶ国が参加している。
各国独自の革新的原子力システム開発においては様々な取り組みがなされ、多様な炉型を対象に開発に取り組んでいる国々と特定の炉型に集中して開発を進める国々がある。前者には、米国、ロシア、中国、韓国があり、後者には、短期から長期に渡る開発戦略の明確なカナダ、フランスと、短期に特定の炉型の実用化を目指す南ア、アルゼンチンがある。米国を除いて、いずれの国も国の研究機関、国立大学または国営企業が中心となって開発を進めている。米国では、意欲ある民間企業等が、国の政策のもとに、開発、実用化を進めている。
本付録では、2つの多国間国際協力と各国の革新的原子力システム開発への取り組みの概要をまとめた。文中、開発対象とされている革新的原子力システムは太字で表してある。
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2. 多国間国際協力
2.1 第4世代国際フォーラム(GIF)
参加国は現在、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、フランス、スイス、日本、韓国、南アフリカ、英国、米国の10ヶ国である。
図1に示す体制で検討が進められ、現在までに、第4世代原子炉システムに求められている要件の整理が行なわれ、多数の候補システムの中から、これらの要件を高いレベルで達成できる可能性の高い6概念グループが選定された。今年の秋までに、各概念のロードマップをまとめる予定となっている。
対象とする概念は、2030年頃までに実用化を目指す6グループに加え、2010〜2015年頃までの実用化を目指す、国際短期導入炉(INTD)を加えて選定される予定である。
選択された概念は次の通りである。
(1) 第4世代システム
@ガス冷却高速炉
A溶融塩炉
Bナトリウム冷却高速炉(MOX燃料、金属燃料)
C鉛/ビスマス超小型炉
D超臨界圧炉
E超高温ガス炉
(2) 国際短期導入炉(INTD)
@次世代重水炉
A小型一体型加圧水炉
Bペブルベッド型高温ガス炉
Cブロック型高温ガス炉
なお、INTDの候補として高転換BWRが再検討中であると同時に、各国に対してこの範疇のものの再募集を行なっている。
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2.2 革新的原子炉・燃料サイクル国際プロジェクト(INPRO)
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IAEAの呼びかけにより、2001年5月に発足した。原子力エネルギーを確実に21世紀のエネルギー需要をみたす持続的な方法とすることを目的として、原子炉と燃料サイクルにおける、望ましい革新を達成するための活動を共同で検討する。
参加国は現在、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、中国、ドイツ、インド、韓国、ロシア、スペイン、スイス、オランダ、トルコ、ECの13ヶ国がメンバーとなっている。INPROの組織を図2に示す。
現在、活動の第1フェーズの第1ステップとして、2050年までを見通した、将来の原子力エネルギー技術、概念の比較方法および基準を選定するとともに、ユーザ要求を定めるための検討を行っている。その後、定めた基準および要求に照らして、メンバー国の革新技術の評価を行なうとしている。
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3. 各国の動向
3.1 米国
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1970年代以降原子力発電プラントの新規建設がとだえていた米国では、国内の原子力技術の維持、国際競争力確保、世界におけるエネルギー・環境問題の主導権確保を目的とした原子力研究プロジェクト(Nuclear Energy Research Initiative : NERI)が1999年度から開始された。ブッシュ政権下では、原子力復興への動きが活発化し、第4世代原子力システムの一環として検討された短期導入計画(NTD)の検討成果をもとに、2010年までに米国内での新規原子力発電プラントを建設することを目指した原子力2010計画(Nuclear Power 2010)が進められようとしている。これらの動きはいずれも、エネルギー省(DOE)主導のもとに強力に推進されている。
(1) 原子力研究(NERI)プロジェクト
将来の原子力システムのためのシーズ技術開発をねらった研究公募で、米国内の大学、国立研究所、企業を対象とする。研究開発の対象は、核不拡散性を高めた原子炉や燃料サイクル技術、新型炉概念、関連革新技術、原子力基礎科学など多方面の研究について、予備的な研究を行なうものである。
(2) 第4世代原子力システム開発(Generation W)
第4世代原子力システムとしての要件、要件を満たす概念選定、および開発のロードマップ作成など大部分の活動は第4世代国際フォーラム(GIF)の中で進めている。
米国独自の検討として、2010年までに米国内での運転開始可能性を持つ炉型の検討を、短期導入計画(NTD)ワーキンググループが実施した。
(3) 原子力2010(Nuclear Power 2010)計画
短期導入計画ワーキンググループの検討の結果、ABWR(改良型BWR)、SWR-1000(改良型BWR)、ESBW(静的安全BWR)、AP600/1000(改良型静的安全PWR)、PBMR(ペブルベッド型小型高温ガス炉)、GT-MHR(ブロック型小型高温ガス炉)など、導入可能性と技術的成熟度を中心に検討している。
ワーキンググループ報告書は2001年10月末に公表され、ここに示された提案をもとに、2002年2月エネルギー省長官から原子力2010計画が発表された。米国内に2010年までに原子力発電プラントを建設・運転開始することを目指し、
@早期立地認可
A建設・運転同時認可
B必要な革新技術の開発
を国と民間とが協力して進めようというものである。
(4) 国際協力
第4世代国際フォーラムの他に、NERIの国際版として、国際NERIを各国に呼びかけ、これまでに、革新炉技術、革新的燃料サイクルの開発などを協力して進めることを目的とした、米/韓、米/仏の2つの2国間協力協定が締結された。
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3.2 ロシア
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2000年5月に、原子力省より21世紀前半のロシアにおける原子力開発戦略が発表された。
この中で、新型炉の開発について、次のような目標が示されている。
2010年:
@ナトリウム冷却高速炉BN-800の建設、窒化物燃料への移行
A放射性廃棄物低減再処理を含む大規模な閉じた核燃料サイクルの研究開発の開始
B静的安全高速炉および燃料サイクルの開発(実証プラントの建設)
C安全性を強化した遠隔地向け小型炉の開発
D高温ガス炉(GT-MHR)の国際協力開発・建設プロジェクトへの参加
2030年:
@静的安全高速実証炉の建設と運転
A閉じた核燃料サイクルの実用化
B静的安全トリウム-ウランサイクル溶融塩炉の開発
2050年:
@増大する需要をカバーし、電力輸出をねらった大規模原子力発電・燃料サイクルのインフラストラクチャー開発
Aトリウム−ウランサイクル炉実証炉建設と運転
ロシアは、高速炉開発が最も進んだ国の一つであり、これまでナトリウム冷却高速炉BN-600が実用化されている。次世代の、より安全性を向上した高速炉として、鉛冷却、鉛ビスマス冷却高速炉が検討され、原型炉BREST 300の基本設計、実証炉BREST 1200の設計研究を実施中である。
革新炉開発国際協力においては、INPROの中心的なメンバーとして活動するとともに、高温ガスGT-MHRの開発(1号機は核兵器解体プルトニウムの燃焼処分を目的とする)を米国政府の支援の下、米、仏、日の企業と共同で進めている。
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3.3 中国
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中国では、国産PWR、フランス、ロシアからの輸入PWR、カナダからの輸入重水炉と、多様な発電プラントが、建設、運転中であるが、今後は、1000MW級のPWRを国産標準プラントとして、次の10年に建設することを目指している。革新炉としては、静的安全性を備えたPWR、高温ガス炉および高速炉の開発が進められている。
静的安全性を備えた地域暖房用PWRとして試験炉NHR-50(50MWt)が運転中であり、200MWtの実用炉NHR-200 2基の建設が計画されている。
高温ガス炉については、10MWtの試験炉HTR-10が出力上昇試験中で、約100MWeの実用炉の設計検討が開始されている。
高速炉開発では、最初のステップであるナトリウム冷却高速実験炉CEFR(出力25MWe)が、原子能科学研究院に建設中で、2005年臨界を目指している。
地域暖房用PWRおよび高温ガス炉は国立大学(清華大学)を中心として開発されている。
革新炉開発に関する国際協力では、INPROに参加している。
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3.4 韓国
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韓国では、現在、PWRおよび重水炉が実用発電炉として運転されている。
革新炉として、改良型軽水炉、小型軽水炉の建設計画を進めており、高速炉、放射性廃棄物低減原子炉などの開発を行なっている。
改良型PWR(APR-1400)は出力1400MWの安全性と経済性を高めたPWRで、韓国政府と韓国電力によって開発され、2002年5月に標準設計認可を受けた。2010年には運転開始が予定されている。
小型一体型PWR(System-Integrated Modular Advanced Reactor : SMART)は、一体型モジュラーPWRで、海水淡水化と発電を目的とし、65MWtのパイロットプラントを2008年に完成させる計画である。
液体金属高速炉(Korea Advanced Liquid Metal Reactor : KALIMER)はナトリウム冷却プール型で、金属燃料を用いた出力150MWeのプラントで、現在概念検討中である。
放射性廃棄物低減用重水炉(Direct Use of Spent PWR Fuel in CANDU Reactor : DUPIC)は、PWRの使用済燃料の放射性廃棄物を減少させることを目的に、CANDU炉に再装荷して燃焼する計画である。
SMART、KALIMER、DUPICはいずれも国立の韓国エネルギー研究所(KAERI)を中心に開発が進められている。
革新炉開発に関する国際協力では、第4世代国際フォーラムに参加するとともに、国際NERIの一環として、米国と革新的軽水炉技術、燃料・材料開発などに関する協力協定を締結している。
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3.5 カナダ
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カナダは独自の重水炉CANDUを開発し、これまで多数の発電プラントを建設・運転している。
次世代炉として、炉心をコンパクト化した軽水冷却の改良型CANDU炉について、英国British Energy社と共同で英国への導入検討を実施している。更に、固有の安全性を向上するための開発、非発電分野への利用などの検討も実施している。
長期的開発として、より高効率化を目指した超臨界水CANDU(CANDU X)の研究開発に取り組んでいる。
これらのCANDU炉の開発主体は、100%政府出力のカナダ原子力公社である。
革新炉開発に関する国際協力では、第4世代国際フォーラムおよびINPROに参加している。
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3.6 フランス
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フランスでは、アメリカに次ぐ世界第2の原子力発電所設備容量をもち、全てPWRである。
革新炉では、高速炉について、ナトリウム冷却高速実証炉スーパーフェニックスの建設・運転まで行なったが、その実用化を2050年以降に先送りした。
現在フランス原子力庁(CEA)は革新炉開発を、ガス冷却炉に集中して行なう計画としており、短期に直接サイクルガスタービン発電高温ガス炉、中期的に超高温ガス炉(1000℃以上)、長期的は、アクチニド燃焼の可能なガス冷却高速スペクトル統合サイクル増殖炉および放射性廃棄物の消滅を目指した最適ガス冷却炉の開発を目指している。2010年に低出力ガス冷却実証炉(20〜40MWt)の運転開始を目指し、2015〜20年に、ガス冷却原型モジュール(100〜300MWe)の建設を目指している。
革新炉開発に関する国際協力では、第4世代国際フォーラムに参加するとともに、その活動の基盤となる米国との協力協定を、国際NERIの一環として締結している。また、高温ガス炉GT-MHR開発プロジェクトに、準国営企業であるフラマトムANP社が参加している。
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3.7 南アフリカ共和国
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南アでは、PWRが運転中であるが、次期原子力発電プラントとして、小型高温ガス炉PBMR(Pebble Bed Modular Reactor)が選定され、建設に向けた開発が進められている。
PBMRはペブルベッド炉心を用いた小型高温ガス炉とガスタービンを組み合わせたモジュールあたり120〜130MWeの発電プラントである。
南アの国営電力ESKOMを中心にして、南ア諸機関および英国BNFLが共同出資した開発会社により開発が進められており、2002〜03年着工の予定である。
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3.8 アルゼンチン
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アルゼンチンでは、現在海外から導入した加圧重水炉、CANDUが運転中である。
アルゼンチン原子力委員会は国立研究所INVAPと共同で小型一体型PWR(CAREN)の開発プロジェクトを進めている。このプロジェクトの第1ステップとして、約27MWeの原子炉CAREM-25の建設を計画している。
アルゼンチンは、第4世代国際フォーラムおよびINPROに参加している。
付録2
我が国の動向
我が国の各原子力関連研究機関及び企業にて現在開発中の革新的原子力システム概念について、次葉以降に示す。なお、本資料の内容は、検討会として評価がなされたものではなく、各委員が関わっている革新的システム概念について、自由に記述したものである。
大・中型ナトリウム冷却高速炉
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@ 名称、形式、開発者
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・名称:大・中型ナトリウム冷却高速炉
・形式:ナトリウム冷却高速炉
・開発者:核燃料サイクル開発機構/日本原子力発電
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A 適用する燃料サイクルと特徴
(1) 酸化物燃料サイクル
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(再処理:先進湿式法(晶析法併用単サイクル溶媒抽出法+MA回収)/
燃料製造:簡素化ペレット法)
代替法として、(再処理:酸化物電解法/燃料製造:振動充填法)
先進湿式法/簡素化ペレット法では、燃料溶解後にUの粗分離を行う晶析法により、後段での抽出工程での処理量が大幅に低減する。さらに、Puを単独で分離せず単サイクルでU/Pu/Npが共回収されることにより精製工程が削除されると共に、燃料製造工程の簡素化が図られている。また、稼働率を向上させ、廃溶媒の発生量を低減できる高性能遠心抽出器の開発、及びMA回収工程での廃棄物量低減の為にソルトフリー化の検討が進められている。燃料製造では低除染TRU燃料を扱うことから遠隔製造技術の開発が必要とされている。
酸化物電解法/振動充填法は、溶融塩電解技術による析出物が直接振動充填燃料用顆粒の原料となることから、再処理と燃料製造の整合性が良くとれ、かつコンパクトなシステムの構築が可能である。MOX電解共析技術、MA回収技術、廃棄物処理技術等の確立を目指すとともに、電解装置等の機器開発が必要である。
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(2) 金属燃料サイクル
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(再処理:金属電解法/燃料製造:射出成型法)
本技術は、金属燃料の処理では非常にコンパクトなシステムであり、低コスト化が可能である。米国ANLで開発されてきた成果を踏まえ独自のシステムの構築を進め、さらにボンドNaの蒸留分離、Cdリサイクル、射出成型での鋳型の再利用等の採用により廃棄物発生量の低減化が検討されている。また、溶融塩中の残存するTRUの回収に向けて、溶融塩と金属Cdを対象とした高温仕様(約500℃)の向流多段抽出装置等の開発が考えられている。
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B 特徴及び独自性
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ナトリウム冷却高速炉については、もんじゅ以降、様々な経済性向上方策が検討されてきた。実証炉設計研究では、トップエントリー配管の採用、水平免震システムの導入等によりコストダウンが検討されているが、本概念では、システム改善方策として、@原子炉構造のコンパクト化、A配管短縮化、Bループ数削減、C機器合体等を検討し、さらなるコストダウンの検討が進められている。これらの削減策は、これまでの設計条件を超えた領域にまで踏み込んだ革新的な概念であるが、現在、研究開発が進められている高強度の新材料12Cr系鋼、新高温構造設計基準、3次元免震技術、再臨界回避方策等の採用、さらにナトリウム冷却材の持つ固有の長所(高沸点、高熱伝導率)の活用等により実現が可能と考えられている。
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C 経済性
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経済性については、建設コストに関して将来の軽水炉と同等以上の単位出力のキャピタルコストを達成するための方策として以下が考えられている。
(1)原子炉構造のコンパクト化
炉心と炉内燃料取扱方式のコンパクト化により、炉容器径を既存の工作機械によるリング鍛造が可能な範囲に抑え、新たな設備投資によるコストアップを回避する工夫が行われている。また、3次元免震採用による地震入力の軽減、再臨界回避による炉心崩壊事故(CDA)荷重の軽減化による炉容器の薄肉化、さらに炉壁保護構造と炉心支持構造の簡素化による物量の削減化が図られている。
(2)配管短縮化
低熱膨張率、高強度の12Cr系鋼の採用、現行基準の持つ余裕代を合理化した構造設計基準の高度化等により配管が短縮化され、それに伴い機器配置がコンパクト化されている。
(3)ループ数削減
ナトリウム冷却炉の特長(低圧力運転が可能、高い伝熱能力等)の活用、12Cr系鋼の採用、構造設計基準の合理化等により、熱交換器の大型化と熱交換器1基当たりの出力増加が可能となり、冷却系のループ数の削減が可能になっている。このため、構造健全性や製作性の見通せる範囲で冷却系機器の大型化と配管の大口径化が検討され、2ループ構成として冷却系が簡素化されている。
(4)機器合体
1次ポンプ(機械式)と中間熱交換器(IHX)を合体することにより、ミドルレグ配管が削除され冷却系の簡素化が図られている。
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D 安全性
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独立2系統の急速炉停止系(主炉停止系及び後備炉停止系)が採用され、炉停止に対して高い信頼性が確保されている。また、自己作動型炉停止機構が採用され受動的炉停止能力が確保されている。
崩壊熱除去に関しては、2系統の2次系共用炉心補助冷却システム(IRACS)+1系統の直接炉心補助冷却システム(DRACS)が採用され、各系統に100%の除熱容量を持たせており、高い信頼性が確保されている。また、全交流動力電源喪失を想定しても自然循環のみによる崩壊熱除去が可能となるようシステム設計に自然循環除熱能力を持たせてある。
ボイド反応度は6$未満に制限され、起因過程での再臨界回避が図られている。
また、遷移過程での再臨界回避方策として、軸方向ブランケットペレットを一部削除した炉心概念(Able)が採用され、溶融燃料の炉心領域外への早期排出が可能な工夫が図られている。事故後物質再配置及び事故後熱除去(PAMR/PAHR)対策としては、原子炉下部構造に対策が考えられており、炉心下部プレナムにおいて溶融燃料を冷却するに十分なナトリウム容積とデブリ保持面積が確保されている。
以上の設計配慮により、受動的炉停止能力の付与、全交流動力電源喪失への対応、再臨界回避、炉心損傷発生頻度の低減(10-6/炉年以下)が満足される見通しが得られている。
多目的ナトリウム冷却小型高速炉
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@ 名称、形式、開発者
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・名称:多目的ナトリウム冷却小型高速炉
・形式:ナトリウム冷却高速炉
・開発者:核燃料サイクル開発機構
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A 適用する燃料サイクル
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酸化物燃料サイクル(現状の湿式再処理、今後開発される方式に柔軟に対応)
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B 特徴及び独自性
(1) 基本概念
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本概念は、これまでに培ってきた技術的知見に基づき、速やかに開発可能な酸化物燃料を利用した多目的小型高速炉であり、以下の特徴を有している。
- 実績豊富な酸化物燃料を使用して、10年以上の長寿命炉心を実現
- 受動特性の強化による更なる安全性向上
- 発電及び水素製造の実施による高効率・多目的利用
- 工場生産による標準化、習熟効果により大幅なコストダウンの実現
また、速やかな開発着手を狙い、以下の技術的な工夫が採用されている。
- 原子炉容器及び冷却系機器の材料として、オーステナイト系ステンレス鋼、改良9Cr−1Moなどの既往開発材料の適用
- 切込みコラム型炉心上部機構による原子炉容器のコンパクト化
- 中間熱交換器及び一次主循環ポンプ(機械ポンプ)の分離設置や、ヘリカルコイル型
- 単管蒸気発生器の採用
- 自然循環方式の崩壊熱除去系の採用
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(2) 系統構成
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本概念は、2系統の一次ナトリウム系、1系統の二次ナトリウム系から構成される。水蒸気改質法による効率的な水素製造を狙い、炉心出口温度と、二次ナトリウムのホットレグ温度は、それぞれ550℃と535℃が考えられている。
水蒸気改質反応は、吸熱反応であるため、ナトリウム、または、水蒸気の熱を利用する必要がある。本概念では、二次ナトリウム系に水蒸気改質器(水素製造)及び蒸気発生器(発電)を直接接続することにより、二次ナトリウムの熱を有効に利用する工夫が行われている。
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C 主眼とする利用目的、市場性
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我が国における原子力発電所は、集中立地と大容量化によるスケールメリットで経済性向上を図るアプローチが採られている。これに対して小型炉のアプローチは、エネルギー需要の多様化、立地の分散化等を視野に入れた幅広いニーズに応えるための研究開発と考えられている。
国内における小型炉のニーズとして、需要地に近接することによる送電ロス・送電コストの低減及び投資リスクの縮小が挙げられる。この投資リスクの縮小は、規制緩和されたグローバル市場におけるユーザの導入計画へ適合しやすいものとなる。また、離島向け電源として、必要電力量は少ないが立地場所が限られている場合にも小型炉のニーズがあると考えられる。小型炉は、プラント容量の設定、プラント出力の柔軟性を有し、需要の不確実性に対応が可能である。
今後は小型炉による原子力エネルギーの多目的利用へのニーズが広がると考えられる。例えば、水素製造、海水淡水化や寒冷地への熱供給のためには、限られた地域に適切な出力の原子炉が適合する。また、このような環境では燃料交換頻度が少ないことも求められるため、長寿命炉心の開発が必要とされている。
中型鉛ビスマス冷却高速炉
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@ 名称、形式、開発者
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・名称:中型鉛ビスマス冷却高速炉
・形式:鉛ビスマス冷却高速炉
・開発者:核燃料サイクル開発機構/日本原子力発電
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A 適用する燃料サイクルと特徴
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窒化物燃料サイクル(再処理:先進湿式法/燃料製造:簡素化ペレット法、
または再処理:金属電解法/燃料製造:振動充填法)
自然循環冷却炉心では燃料体積比が低減するために、重元素密度が高い窒化物燃料が最も優れた性能を引き出せる可能性がある。窒化物燃料では、炭素14生成抑制のために窒素15の使用が望ましく、窒素15の濃縮及び回収技術の開発が必要である。
先進湿式法/簡素化ペレット法を適用する場合、酸化物燃料サイクルと比べ、溶解工程前の酸化転換工程、再処理後の炭素熱還元による窒化転換工程等が付加される。特に窒化物燃料と硝酸の化学反応では窒素15濃縮度が低下するため、溶解工程前に酸化転換処理を行い、燃料中より窒素15を回収することが必要である。一方、金属電解法/簡素化ペレット法では、金属燃料サイクルと比べると窒化物燃料では、再処理後の回収物を窒化転換する工程等が付加される。また、酸化物燃料に比べ、焼結性が劣るため、高密度のペレット密度を得るための燃料製造技術の開発が必要となっている。
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B 特徴及び独自性
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本概念は、鉛ビスマス冷却材の特長を活かしたシステムとしている。鉛ビスマス冷却材の主要な長所と短所は以下のとおりである。
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(1) 長所
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- 二次冷却系が不要であり、冷却材漏えい燃焼に起因した火災防止設備も不要(重金属は水や空気と化学的に反応性が低い)
- 鉛ビスマスの沸点が約1670℃と高温であるため冷却材沸騰の想定が実質的に不要。窒化物燃料とあいまって大きい負のドップラ反応度を活用できる。
- 優れた核的特性(中性子吸収断面積、中性子反射効果)
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(2) 短所
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- 高比重の冷却材及び厚肉化により重量が増加した容器・配管の支持構造の成立性(冷却材が高比重)
- 重金属は腐食性が強いため構造材料や被覆材料選択の範囲が狭い(構造材との共存性が低い)
- 冷却材の中性子照射により揮発性のポロジウム(Po-210)が生じる
本概念では、化学的活性度の低い鉛ビスマス冷却材である特徴を活かし、2次主冷却系が削除されている。冷却材駆動方式としては、強制循環方式だけでなく、システム簡素化(物量削減)による経済性向上の観点から自然循環方式も有望候補の一つであると考えられている。鉛ビスマス冷却炉の場合、大出力化によるスケール効果により経済性向上を目指すのには、炉容器の製作性や運搬性、耐震性に限界があるため、中型モジュールプラントによる燃料取扱設備及びBOP(Balance of Plant)設備の共用化による単位出力当りのNSSS(Nuclear Steam Supply System)物量削減、BOP設備の物量削減、モジュール化による多量生産、習熟効果と合わせたプラント建設費の低減が検討の中心となっている。
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C 安全性
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多重性・多様性を有する炉停止系により十分な安全機能の確保が検討されている。受動安全として自己作動型炉停止機構が検討され、崩壊熱除去系には、多重性を有し、受動的な自然循環方式の採用が考えられている。窒化物燃料は、定格時燃料温度が低く、さらに鉛ビスマスの沸点が約1670℃と高いため、異常時の燃料温度の許容上昇幅を大きくとれる特徴を有する。これにより、ドップラ反応度、制御棒の軸方向熱膨張等の固有安全性を活かし、ATWS時の高温静定、並びに炉心損傷防止機能の強化が行われている。
大型ヘリウムガス冷却高速炉
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@ 名称、形式、開発者
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・名称:大型ヘリウムガス冷却高速炉
・形式:ヘリウムガス冷却高速炉
・開発者:核燃料サイクル開発機構/日本原子力発電
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A 適用する燃料サイクルと特徴
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窒化物燃料サイクル
(再処理:脱被覆技術+先進湿式法またはフッ化物揮発法/
燃料製造:湿式ゲル化燃料粒子製造+被覆技術)
窒化物燃料の被覆粒子では、窒化チタン等による強固な被覆層が形成されているため、再処理に先立ち脱被覆技術の開発が必要である。現在、機械的破砕による処理の他にフッ化揮発法による脱被覆技術が検討されており、特に後者では再処理にフッ化物揮発法を採用することで、脱被覆と再処理を同一手法(設備)で行うことができ、合理的なシステム構築が可能である。
また、窒化物燃料では、被覆材に窒化チタンを採用した場合を含め、炭素14生成抑制のために窒素15の使用が望ましく、廃棄物発生量低減の観点からも、窒素15の濃縮及び回収技術の開発が必要である。
燃料製造については、窒化物燃料の高密度化及び効率的で量産可能な被覆加工等の技術開発が必要となっている。
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B 特徴及び独自性
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ガス冷却炉の冷却材は、高温における化学的安定性、取扱性と熱中性子炉における実績からヘリウムガスが選定されている。ヘリウムガス冷却の主な長所と短所は以下のとおりである。
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(1) 長所
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@ ヘリウムガスは化学的に安定であるため、化学的活性度が低い。
A ヘリウムガスは透明で可視性があり、保守、補修上有利である。
B ヘリウムガスを使用したガスタービン直接発電により、システムが簡素化でき、高い熱効率が可能である。
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(2) 短所
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@ ガスは密度が小さいため熱輸送性能(冷却材密度×比熱)が小さくなることから、システムを高圧にする必要がある。
A 除熱性能が低いことから、ナトリウム炉と同等の安全性を確保するためには耐熱性燃料や冷却システムの機能強化が必要となる。
本概念では、高温まで化学的に安定なヘリウムガスの特性及び被覆粒子燃料の耐熱性を活かして原子炉出口温度を高温にし、原子炉出口から直接ガスタービン発電を行うことにより高いプラント熱効率を目指すとともにシステムの簡素化により経済性を追求している。また、過酷事象(減圧事故+スクラム失敗+動的機器不動作)に対しても炉心溶融に至らない安全性を目指している。
プラントの基本仕様については、経済性向上の観点から電気出力を大きくするとともに、高圧システム化により熱輸送性能の向上が図られており、電気出力と原子炉圧力は、それぞれ110万kWと6MPaが採用され、さらに原子炉出口/入口温度については850℃/460℃への設定が行われている。
プラント概念は、鋼製原子炉容器を採用し、ガスタービン(4基)を収納する動力変換容器(4基)と二重管配管で接続され、上部には補助炉心冷却器(4基)を設置し、下部には制御棒駆動装置が配置されている。
分散電源用ナトリウム冷却小型高速炉
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@ 名称、形式、開発者
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・名称:分散電源用ナトリウム冷却小型高速炉
・形式:ナトリウム冷却高速炉
・開発者:核燃料サイクル開発機構/日本原子力発電
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A 適用する燃料サイクルと特徴
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金属燃料サイクル
(再処理:金属電解法/燃料製造:射出成型法)
本技術は、金属燃料の処理では非常にコンパクトなシステムであり、低コスト化が可能である。米国ANLで開発されてきた成果を踏まえ独自のシステム構築を進め、さらにボンドNaの蒸留分離、Cdリサイクルの採用並びに射出成型での鋳型の再利用等により廃棄物発生量の低減に向けた工夫が行われている。また、溶融塩中に残存するTRUを金属Cd側へ移行させて、さらに回収するため、溶融塩と金属Cdが扱える高温仕様(500℃)の向流多段抽出装置等の開発が検討されている。
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B 特徴及び独自性
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燃焼反応度が小さい金属燃料採用により10年以上の長期運転サイクル(30年程度の長期運転サイクルも展望)を実現する。 さらに以下に示すように高い固有の安全性と受動的安全性が確保されている。
- 1次系の自然循環能力の向上や低い冷却材温度係数等により、LOF型事象に対する受動安全性向上
- 崩壊熱除去系(RVACS+PRACS)に動的機器を排除したシステムを採用
また、2重管の蒸気発生器の適用によりナトリウム-水反応対策の強化が図られている。
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C 実用化への課題、実用化までのマイルストーン
-
開発を要する要素技術としては、金属燃料、長寿命制御棒、新型2重管蒸気発生器等が挙げられる。開発期間としては、2015年までに実用化に向けた技術基盤を確立し、それ以降、できるだけ早期の実用化が期待されている。
-
D 経済性
-
原子炉容器内への機器集約による建設コストの低減、長期運転サイクルや定期点検の短縮による稼働率向上等により経済性の向上が図られている。また、都市近接立地により送電コストの低減化が可能とされている。
-
E 主眼とする利用目的
-
分散電源利用を中心として、将来的には多目的利用への発展が考えられている。
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F 安全性
-
炉心径方向膨張効果を活用して、固有安全性を強化。崩壊熱除去方式についてはPRACSの他にRVACSを採用する等、多様性が図られている。ULOF事象に対しては、金属燃料炉心の採用と、低圧損炉心による流量半減時間延長及び円滑な自然循環除熱への移行による受動的炉静定が考えられている。また、UTOP事象に対しては、反応度添加速度の極小化あるいはメカニカルストップによる燃料溶融の回避が検討されている。
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G 初期投資リスク・立地性・市場性
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小規模出力の採用により初期投資リスクの低減が考えられている。さらに、都市近接立地など現行軽水炉より高い立地柔軟性を有することから、規制緩和されたグローバル市場において新型火力に対する競争力の向上が期待されている。
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H 資源有効利用性
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高速中性子炉心の有する高い内部転換機能を利用し、炉心の長寿命化が可能となっている。
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I 環境負荷低減性
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余剰中性子を活用し、低除染燃料並びにTRU含有燃料を燃焼させ、環境負荷を低減できる能力がある。
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J 核拡散抵抗性
-
低除染TRU燃料リサイクルにより、核兵器への転用が困難である。
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K 在来炉との役割分担
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国内外軽水炉の役割を補完する分散電源供給に対応が可能となっている。環境保全(廃棄物発生量の低減、廃棄物の毒性低減)、さらに需給量に応じたPu利用への貢献が考えられている。
AP1000
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@型式:加圧水型軽水炉
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開発者:米国Westinghouse社
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A適用する燃料サイクル:軽水炉に適用可能な再処理方式
B特徴および独自性:
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(1)全ての安全系を静的設備で構成し駆動方式を単純化することによる安全性向上。
(2)動的安全系設備、および関連する非常用用電源設備、冷却水系設備等を不要とし簡素化することによる経済性向上。
(3)建屋モジュール化促進による建設期間短縮。
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C現状の開発段階、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
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NRCによるDesign Certification(設計承認)を得るための申請書を2002年3月に米国NRCに提出。2004年にDCを取得し、2006年に受注、2010年に商業運転開始を目指している。
先にNRCのDCを取得済みのAP600の設計を踏襲しており、設計上の課題はない。
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D経済性
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米国における評価として以下結果を得ている。
・発電単価:〜3¢/kWh
・建設単価:〜1000$/kWe
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E主眼とする利用目的:発電
F安全性
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安全系設備は全て静的設備で構成されている。加圧ガス、重力、温度差に基づく自然循環等による冷却水注入、炉心冷却を行う設計であり、駆動方式の単純化により安全性向上を図っている。
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G立地性・市場性
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現行軽水炉と同等の立地柔軟性がある。高い安全性、経済性による新規プラント受注を目指している。
液体金属燃料ヘリウムガス冷却高速増殖炉
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@型 式:ヘリウムガス冷却高速炉
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開発者:三菱重工業株式会社、新型炉技術開発株式会社、
ニュークリア・デベロップメント株式会社
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A適用する燃料サイクル:再処理不要のワンスルー方式
B特徴及び独自性(キーとなる要素技術)
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高温のヘリウムガスによるガスタービン直接発電を利用した高熱効率発電プラント。
燃料として液体金属燃料を用いることにより、増殖性能を高くし、比重差によりFPを分離でき、使い切り状態まで燃焼が可能となり、高U利用率と長寿命が達成できるので、再処理不要である。また、燃料を液体金属状態に保持するために、炉心を高温(800℃程度)にする必要があるので、冷却材としてはヘリウムガスを用い、その特性を生かし、ガスタービン直接発電により高熱効率化が可能となる。
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C現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
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炉心概念の成立性見通しを確認している段階。実用化までの開発課題としては、セラミクス(SiC等)と液体金属燃料及びFPとの共存性の確認、燃料集合体シェル内の揮発性FPガス及び固体FP挙動の確認等。
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D経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等)
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再処理を不要とすることから燃料サイクルコストの大幅削減を可能とする。また、ガスタービン直接発電によるシステムのコンパクト化により建設コストの低下と、熱効率向上による発電コスト低減。
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E主眼とする利用目的:発電
F安全性
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軽水炉と同等の安全性を確保。さらに、燃料溶融事故を排除。
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G立地性・市場性
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小型分散電源として都市近接プラント、あるいは僻地立地等の市場性がある。
小型ガス冷却長寿命高速増殖炉
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@型 式:ヘリウムガス冷却高速炉
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開発者:三菱重工業株式会社
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A適用する燃料サイクル:先進湿式再処理(今後、開発される方式に柔軟に対応)
B特徴及び独自性(キーとなる要素技術)
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高温のヘリウムガスによるガスタービン直接発電を利用した高熱効率発電プラント。
燃料型式として、TiN被覆の燃料粒子をSiCバインダーにより直径10mm程度に固めた被覆粒子燃料を用いることにより、FPの保持性を高める。また、複数の異なる径の被覆粒子燃料により充填密度を高めることにより、高増殖比を確保するとともに、10年以上の長寿命を達成する。また、ガスタービン直接発電により、従来FBRでの2次系を削除し、システムの簡素化を図るとともに、高熱効率化が可能となる。
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C現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
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炉心概念の成立性見通しを確認している段階。実用化までの開発課題としては、セラミクス燃料集合体の開発と被覆粒子燃料の製作性確認。また、燃料の高温特性の把握並びに照射データの蓄積が必要。
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D経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等)
-
ガスタービン直接発電によるシステムのコンパクト化により建設コストの低下と、熱効率向上による発電コスト低減。
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E主眼とする利用目的:発電
F安全性
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軽水炉と同等の安全性を確保。さらに、燃料溶融事故を排除。
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G立地性・市場性
-
小型分散電源として都市近接プラント、あるいは僻地立地等の市場性がある。
小型熱電発電FBR
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@型 式:ナトリウム冷却熱電発電式高速炉
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開発者:三菱重工業株式会社
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A適用する燃料サイクル:先進湿式再処理(今後、開発される方式に柔軟に対応)
B特徴及び独自性(キーとなる要素技術)
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小型熱電発電FBRは、中高温熱源である原子炉システムと、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換する熱電発電システムとを組み合わせたプラント概念であり、従来FBRの2次系、水蒸気・タービン系を有さない新しい概念である。また、熱電発電方式としては、βアルミナなどのイオン導伝体を用いて発電するアルカリ金属熱電発電(AMTEC)と半導体方式の熱電発電システムとを組み合わせ、発電効率の向上を図っている。
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C現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
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小型熱電発電FBRは、プラント構想の概念を構築した段階であり、実用化のためには、プラント概念の検討及びAMTEC発電システムの開発等が必要である。特に熱電発電システムの課題には、発電効率のアップ、発電システムの実現性があり、今後、試験による開発が必要である。なお、AMTECの開発は、国内外で実現性の研究が多数行われており、三菱においても基礎的なAMTEC発電の研究を行っており、発電原理確認等の見通しを得ている。
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D経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等)
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従来FBRに比較して熱電発電システムが追加となるが、2次系設備、水蒸気・タービン系発電設備等が削除できることから、建設費、運転費の低減が期待できる。
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E主眼とする利用目的: 発電
F安全性
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FBRの弱点であるNa−水反応がないシステムであり、又発電システムは静的機器で構成されることから、従来FBRより安全性及び信頼性が向上できる。
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G立地性・市場性
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小型分散電源として都市近接プラント、あるいは僻地立地等の市場性がある。
水素製造小型高速炉
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@型 式:ナトリウム冷却高速炉
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開発者:三菱重工業株式会社、東京ガス、原子力システム研究懇話会、
新型炉技術開発株式会社
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A適用する燃料サイクル:先進湿式再処理(今後、開発される方式に柔軟に対応)
B特徴及び独自性(キーとなる要素技術)
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高速炉の熱を利用し、天然ガスを水蒸気で改質し水素を製造するプラント。
従来、天然ガスからの水素製造には800℃〜900℃の高温が必要であったが、水素分離改質器(膜方式改質器;水素を製造しつつ、水素を分離する)により、中低温(500℃程度)の熱源で水素製造が可能となり、本水素分離改質技術と中低温の熱源である高速炉とを組み合せたアイディアに、独自性を有するものである。
-
C現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストー<ン>
-
水素分離改質器については、基礎試験により原理確認を行った段階であり、大型化、ナトリウムとの共存性、水素製造設備を付加したことによる原子炉の安全性、運転性などの課題がある。
-
D経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等)
-
高速炉の熱源を用いることにより、従来の方式(天然ガスの燃焼熱など)に比べ天然ガスの消費量が少なくなり、水素製造単価が安価になる可能性がある。
-
E主眼とする利用目的:天然ガス改質による水素製造
F安全性
-
水素、天然ガスの防爆対策、ナトリウム漏えい対策などを講じ、水素製造設備を付加しても、同等の安全性を確保する。
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G立地性・市場性
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来る水素エネルギー時代に向け、発電以外の新しい市場が期待できる。
水素製造付加式小型FBR
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@型 式:ナトリウム冷却高速炉
-
開発者:三菱重工業株式会社、東京ガス、原子力システム研究懇話会、
新型炉技術開発株式会社
-
A適用する燃料サイクル:先進湿式再処理(今後、開発される方式に柔軟に対応)
B特徴及び独自性(キーとなる要素技術)
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発電を行いつつ、天然ガスから水素を製造する水素製造併用型の発電小型プラント。
従来、天然ガスからの水素製造には800℃〜900℃の高温が必要であったが、水素分離改質器(膜方式改質器;水素を製造しつつ、水素を分離する)により、中低温(500℃程度)の熱源で水素製造が可能となる。この水素分離改質技術と中低温の熱源である高速発電炉とを組み合せたところに独自性を有し、発電を行いつつ、電力負荷が下がる夜間などに水素製造を行うことを特徴とする。
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C現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
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水素分離改質器については、基礎試験により原理確認を行った段階であり、大型化、ナトリウムとの共存性、水素製造設備を付加したことによる原子炉の安全性、水素製造併用に係る運転性などの課題がある。
-
D経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等)
-
電力負荷が下がる夜間に水素製造を行うことなど余剰熱源を有効活用することにより、原子炉の稼働率向上になり、発電単価及び水素製造単価が安価になる可能性がある。
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E主眼とする利用目的:発電及び水素製造
F安全性
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水素、天然ガスの防爆対策、ナトリウム漏えい対策などを講じ、水素製造設備を付加しても、同等の安全性を確保する。
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G立地性・市場性
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発電とともに、来る水素エネルギー時代に向け、新しい市場が期待できる。
小型ループ式冷却炉
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@型 式:ナトリウム冷却高速炉
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開発者:三菱重工業株式会社
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A適用する燃料サイクル:先進湿式再処理(今後、開発される方式に柔軟に対応)
B特徴及び独自性(キーとなる要素技術)
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1次系の2ループ化、高流速L字型配管による1次系配管の短縮化、高温強度に優れる12Cr鋼などの革新的技術を導入することにより、プラントのコンパクト化が図れ、従来のループ型炉よりも経済性に優れ、FBR実用炉の技術実証も行うこともできる。また、ナトリウムバウンダリを2重構造としており、ナトリウム漏えい対策を強化している。
-
C現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
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Bに記載した革新的技術に関し、そのコンセプトの成立性見通しを確認している段階であり、技術的には克服できるものと考えられる。
-
D経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等)
Bに記載した革新的技術や小型炉の特徴を生かした現地ユニット工法(工場一体製作)の -
採用などにより、建設費を低減でき、軽水炉並の建設費の見通しである。
-
E主眼とする利用目的:発電
F安全性
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完全自然循環方式の崩壊熱除去系の採用により、受動的安全性を有する。
-
G立地性・市場性
-
小型分散電源として都市近接プラント、あるいは僻地立地等の市場性がある。
小型電源MUSE(1MWt分散型電源)
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@型 式:ナトリウム冷却高速炉
-
開発者:三菱重工業株式会社
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A適用する燃料サイクル:特定/制約なし
B特徴及び独自性(キーとなる要素技術)
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1MWt程度(〜数倍程度)のエネルギー需要を想定し、極力動的機器を廃し静的なシステムとすることにより、最小限の要員でプラントの運転・維持ができる。また、燃料交換については(燃料交換時期:3年程度)、核不拡散抵抗性を高めるため、原子炉本体を構造的にシンプル・軽量な構造としてユニット化することにより、原子炉本体ごと一括交換することとし、燃料取扱・貯蔵設備などを有さない。
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C現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
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現状は概念検討段階。実用化までの主な課題としては、金属/窒化物燃料等の高性能燃料の開発、自然循環炉心除熱技術の確立、9Cr鋼と安価な材料の採用を可能とする設計技術、大量生産によるコストダウン技術の確立等がある。
-
D経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等)
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建設コストの目標を5億円/基と設定している。実現のため、プラント耐用年数の長期化、設計標準化、大量生産に適するシンプルな構造の採用、現地工事費の削減等を考えている。
-
E主眼とする利用目的:発電及び地域熱利用
F安全性
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超小型高速炉心の負のフィードバック特性や原子炉の静的除熱特性を利用して、炉心溶融に至るような重大なリスクの設計基準外事象を排除できるようにする。
-
G立地性・市場性
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小型分散電源・熱源として都市近接プラント、あるいは僻地立地等の市場性がある。
小型自己制御式Na冷却炉
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@型 式:ナトリウム冷却高速炉
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開発者:三菱重工業株式会社
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A適用する燃料サイクル:特定/制約なし
B特徴及び独自性(キーとなる要素技術)
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| (1) | 炉心のフィードバック反応度特性(負の炉心膨張係数など)を利用し、自己的に反応度を制御することを特徴とし、出力が増大に応じて原子炉出口温度を一定に保持しつつ原子炉入口温度が低下する様に(右下図参照)、フィードバック反応度特性を調整したことに独自性を有する。
|
| (2) | このため、出力調整のための制御棒操作は不要。また、燃焼反応度が小さいので、寿命期間中、燃焼補償のための制御棒操作が不要。
|
| (3) | 従って、運転中の制御棒操作は一切不要。
|
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C現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
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現状は概念検討段階。実用化までの主な課題としては、金属/窒化物燃料等の高性能燃料の開発がある。運転・制御性/安全性については、常陽、もんじゅの低出力試験で実証可能と考えられる。
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D経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等)
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未評価。特有の付加的な機器が必要なく、炉心の出力密度は過去の小型高速炉の設計例並であること、計測・制御系が簡素化できる可能性があることなどから、他の小型高速炉プラント以上の経済性を達成できるポテンシャルを持つ。
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E主眼とする利用目的:発電及び地域熱利用
F安全性
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炉心の大規模損傷に繋がる可能性がある起因がほぼ排除されている。すなわち、
- 運転中の制御棒誤引き抜きによる反応度挿入は起こりえない。
- 過冷却による反応度添加、出力上昇が生じても、高温側冷却材温度は上昇しない。
- 自然循環により、事故後の冷却機能は維持できている。
- 除熱喪失事象に対しても、大幅な冷却材上昇に至ることなく炉停止(高温停止)できる。
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G立地性・市場性
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小型分散電源として都市近接プラント、あるいは僻地立地等の市場性がある。
小型PSR(1次系加圧式2次系削除Na冷却小型炉)
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@型 式:ナトリウム冷却高速炉
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開発者:三菱重工業株式会社、新型炉技術開発株式会社
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A適用する燃料サイクル:先進湿式再処理(今後、開発される方式に柔軟に対応)
B特徴及び独自性(キーとなる要素技術)
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小型PSRは、従来のナトリウム冷却FBRとは逆に、1次系を水蒸気系より1MPa程度高圧(約6MPa)にすることにより、万一のSG伝熱管破損時にNaを伝熱管内側へ流入させ、Na-水反応事象を抑制させ(伝熱管破損が最大1本以内で収束)、また反応生成物が伝熱管内に留まり炉心まで混入することを防げるため、2次系設備を完全に削除できる合理的なプラント概念である。
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C現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
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PSRは、プラント構想及ぶ安全シナリオ等の概念を構築した段階であり、実用化のためには、1次系高圧化の有効性(Na−水反応の緩和見通し、2次系削除による建設費低減効果等)を定量的に試験評価し、また、PSRの課題(1次系高圧化に伴う問題点等)を検討・評価する必要がある。
なお、Na−水反応に関する基礎試験により、Na−水反応の緩和見通しを得ている。
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D経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等)
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PSRは2次系を削除できることから、2次系を有するFBRより約5%以上の建設費低減が得られ、軽水炉並の建設費、発電単価になることが期待できる。
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E主眼とする利用目的: 発電
F安全性
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FBRの弱点であるNa−水反応の拡大を防止でき、また、1次系の高圧化により炉心安全の向上が期待できるため、従来FBRより安全性を向上することができる。
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G立地性・市場性
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小型分散電源として都市近接プラント、あるいは僻地立地等の市場性がある。
4S(Super Safe, Small and Simple)炉
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@ 名称、形式、開発者(共同研究者含む)
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名称: 4S(Super Safe, Small and Simple)炉
型式:ナトリウム冷却小型高速炉
開発者:(財)電力中央研究所、株式会社東芝
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A 適用する燃料サイクル
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金属燃料乾式サイクル
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B 特徴及び独自性(キーとなる要素技術)
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C 現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
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○ 概念設計の段階は終了している。1988年から現在までに投入した資金は約10億円。
○ 実用化に向けて以下の課題が挙げられる。
- 金属燃料炉心の安全性: U-Zr合金燃料については米国ANLに豊富な開発実績あり。実機サイズの燃料(1〜2m)、TRU含有燃料については実証が必要。
- 反射体(照射挙動、応答特性): 反射体制御の成立性については臨界集合体(NCA)にて確認済み。実機体系の機能確証と長期健全性の実証が必要。
- 環状大口径電磁ポンプ: 中規模電磁ポンプ(40m3/min)は実証済み。規模はほぼ同等(48m3/min)であるが環状大口径であるため実体系での確認が必要。
○ 以上の課題については、実機相当の実証試験炉により確認し、商用化する戦略を立案している。下表のスケジュールにより、プロジェクト開始から最短約9年で商用炉の着工が可能。
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D 経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等)
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○ 初号機の建設単価(単位出力あたりの建設コスト)は、設計簡素化の効果により、大型LWRの約2.2倍、同出力の小型LWR(IAEA報告)の約0.7倍、スケール則から推定される同規模高速炉の約1/4を達成。
○ 量産効果によるコスト低減は、習熟の進んだ機器では期待できないが、原子炉系・冷却系で大幅な低減が見込まれ(下図)、量産機では大型LWR並みの建設単価を達成。
○ 発電コストは10万MWd/tの燃焼度を達成することで他の分散電源より優れる(5円/kWh以下)。
金属燃料FR/乾式リサイクルシステム
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1.名称:金属燃料FR/乾式リサイクルシステム
2.形式:Na冷却金属燃料高速炉
3.開発者:(財)電力中央研究所、共同研究者:核燃料サイクル開発機構、日本原子力研 -
究所、EU超ウラン元素研究所
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4.適用する燃料サイクル:乾式再処理(金属電解法)、軽水炉酸化物燃料には電解還元を適用
5.特徴とキーとなる要素技術(図1にシステムとともに主要要素技術を示す)
(1)特徴
- 増殖性、安全性等に優れた金属燃料高速炉と乾式法による燃料リサイクルシステム
- 軽水炉使用済み燃料(UO2,MOX等)も電解還元処理して高速炉燃料として使用する
- 六ヶ所再処理施設から生じるPuも電解還元からの製品に混合して使用する(現行の軽水炉サイクルとの整合性)
(2)キーとなる要素技術
-
@乾式リサイクル
【電解精製、TRU抽出、射出成型、廃棄物塩処理】
- 電解精製により固体陰極にUを、液体陰極にPu, マイナーアクチニド(MA:Np,Am,Cmを総称)を一括して回収する
- 電解質である溶融塩中に残留するU,Pu,MAを抽出により99.9%以上回収する
- 高速炉燃料U-Pu-Zr-MA合金が射出法により、一度に数十本単位で製造できる
- 高レベルの放射性元素を含む廃棄物は人工鉱物の形に固化処理する
【酸化物の電解還元】
- 酸化物燃料を電解還元で金属に転換すると同時に燃焼に毒となる元素を除去することにより直接金属燃料の原料が生産できる
A金属燃料FR
【炉心・燃料】
- 燃料密度が高く、内部転換比が良い、規模・燃焼度・倍増時間が同程度の酸化物燃料炉心に比べ、ブランケット所要量が20-30%削減できる
- 高い増殖比が達成できる(~1.4程度まで)
- 熱伝導度がよく、運転時の燃料温度が1000℃以下と低いため、受動的安全確保に有利である.
-
6.現状の開発段階、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
(1)現状の開発段階
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@日本:我が国にあったプロセス技術開発、工学技術開発の段階
A米・欧の状況
- 金属燃料炉については米において実験炉(EBR-II)の稼動で実証されている
- 乾式技術については米において工学実証段階にあり。欧においても開発が活発化してきており国際分担、協力により効率的な投資、リスクの低減が図れる
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(2)実用化への課題、実用化までのマイルストーン(1号基設置まで)
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- 2005年(実用化戦略調査研究フェーズ3の開始年)から要素技術の工学実証試験
- 2010年ごろ高速実験炉「常陽」を用いた燃料照射、乾式リサイクル一体化試験(許認可取得データの収集を含む)
- 2020年頃実用化一号炉、サイクル施設の建設
-
7.主眼とする利用目的:エネルギーセキュリティーの確保、多目的利用中小型炉、長寿命炉心小型炉
8.経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等):リサイクルプロセスがバッチ処理で簡素であるため、数10t-HM/yの小規模サイクル施設でも高い経済性が達成可能
9.安全性:
-
【金属燃料炉心】
- 従来と同様の原子炉保護系を設置すれば先行炉と同等以上の安全性を確保できる.
- 燃料が低融点であることを活用した再臨界回避概念の可能性あり
【乾式リサイクル施設】
- 高温バッチ処理という特性に適合するサイクル施設安全論理の確立が課題である
-
10.在来炉との役割分担
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- 電解還元、乾式再処理の適用により現在の軽水炉サイクルと高速炉サイクルを統合化した炉・サイクルシステムとすることができる
- プルサーマル燃料等を電解還元しそこに湿式再処理からのPuを添加することで高速炉用の燃料とすることができるため、現在建設中の六ヶ所再処理工場との整合性を図ることができる
高温ガス炉(ペブルベッド型)
-
1. 開発目的・開発主体
ペブルベッド型高温ガス炉は、球状燃料を用いた固有の安全性に優れた高温ガス炉で、900℃を超える高温の熱エネルギーを供給できる。これを利用して、高効率のガスタービン発電や水素製造などの高温熱利用が可能である。ガスタービンと組み合わせた高温ガス炉ガスタービン発電プラントSHTR-GTは、単純なシステム構成で、高い固有の安全性を備え、単基モジュール出力約10万kWeの、比較的小さな需要に対し高い経済性と柔軟性(プラント容量、立地)に富む、世界標準小型発電プラントを目指すものである。富士電機(株)、川崎重工業(株)を中心とする第一原子力産業グループ(FAPIG)が国際協力を視野に入れて開発中である。
2. 特長
-
| (1) | 経済性の向上: 直接サイクルガスタービンの採用による高効率化(約45%)と系統簡素化、高い固有安全性による安全設備の簡素化、モジュール出力の抑制による一層のシステム簡素化、標準設計による量産効果等により、大幅な経済性向上を図る。また、ペブルベット型炉心の採用により、運転中に連続的に燃料交換が可能なため、燃料交換のための原子炉停止は不要である。このため、高稼動率を達成できる。以上により、将来の大型軽水炉に匹敵する高い経済性の達成、すなわち、建設単価15〜20万円/kWe、発電単価約4円/kWhを目指す。
|
| (2) | 高い固有の安全性 : 高温ガス炉固有の安全性と、炉心寸法・炉心出力密度の適切な選定により、事故時に全冷却系の機能が失なわれた場合等にも、原子炉からの自然放熱による崩壊熱除去が可能で燃料の健全性が失なわれることはない。この場合、制御棒などの原子炉停止系による緊急停止がおこなわれなくても、炉心の負の反応度温度係数により、原子炉は自然に停止する。したがって、大量の放射能が環境に放出される事故の心配がなく、周辺公衆の緊急避難が不要で、需要地近接立地にも適している。
|
| (3) | モジュール型炉としてのフレキシビリティ : 単基電気出力約10万kWのモジュールを需要に応じて複数設置することにより、同一設計で幅広いプラント容量に柔軟に対応でき、投資リスクの低減が可能である。また分散型電源としての利用にも適している。
|
| (4) | 燃料サイクル上の特長 : 被覆燃料粒子の採用により9万MWD/tに達する高燃焼度が得られる。この結果、原子炉内で生成したプルトニウムも大部分が炉心内で燃焼し、使用済み燃料中の分裂性核種の量は少ない。したがって、炉心内での1回の燃焼によっても、核燃料物質を有効に利用できるということができる。また、燃料のセラミック被覆を除去すれば、既存の軽水炉と同じ湿式再処理システムで再処理することが可能で、セラミック脱被覆技術も実用化可能な技術が開発済みである。更に、燃料のセラミックス被覆は化学的、物理的に極めて安定なので、使用済燃料の長期保存にも適している。
|
| (5) | 原子力エネルギーの有効利用 : ガスタービンサイクルの採用により、発電効率を低下させることなく海水淡水化、地域暖冷房に排熱を利用することができる。また将来的には、高温の熱を用いた水素製造など化学プロセスへの熱供給も可能である。 |
-
3. プラントの概要
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原子炉は球状燃料を用いるぺブルベッド型炉心で、冷却材にヘリウムを用いる。原子炉出力は約200MWtで、冷却材原子炉出口温度は約900℃である。燃料は低濃縮ウランをセラミックス(炭素及び炭化珪素)で被覆した被覆燃料粒子(直径約1mm)を、黒鉛マトリックス内に分散させた直径6cmの球状燃料である。燃料球は運転中に連続的に交換しながら複数回循環させて使用するため、余剰反応度が小さくてすむ。
ぺブルベッド型炉心はドイツの実験炉、原型炉で実績があるが、本プラントの原子炉のような事故時に自然放熱だけで十分除熱できる小型のモジュール型炉は設計概念例があるだけでまだ実現はしていない。
原子炉から出た高温のヘリウムガスは、ガスタービンを駆動し、再生熱交換器で原子炉への戻りガスを加熱し、前置冷却器を経て、低圧圧縮機に入る。さらに中間冷却されて高圧圧縮機に入り、最後に再生熱交換器で熱回収して原子炉に戻る。このガスタービン再生サイクルにより高効率の発電を行なう。ガスタービンシステムはタービン、圧縮機、発電機を一体とした1軸縦置き型で、熱交換器とともに動力変換容器中に格納したコンパクトな設計である。磁気軸受け、コンパクト熱交換器を採用する。
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4. 開発の現状と今後の計画
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現在は予備的フィージビリティ検討を開始し、基本仕様のつめを行っている段階である。原子炉およびガスタービンシステムの基本設計を進め、海外との協力により、2010年頃までにプラント概念の実証を行い、2010年代に実用1号炉の運転開始を目指している。
高温ガス炉(プリズマティック型) GT-MHR
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1. 開発目的・開発主体
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GT-MHR (Gas-Turbine Modular Helium Reactor)は、小型モジュール高温ガス炉とガスタービンを組合せた、高効率発電プラントである。ブロック型炉心の採用により、高い固有の安全性を維持しながら単基モジュール出力を約30万kWeまで増大した、比較的大きな需要に対し、高い経済性と柔軟性(プラント容量、立地)に富む、世界標準中小型発電プラントを目指すものである。現在、高温ガス炉の優れたプルトニウム燃焼特性に着目し、米国エネルギー省とロシア原子力省の資金援助の下、米、露、日、仏の企業(General Atomics社、OKBM、富士電機、フラマトムANP)が参加して、核兵器解体プルトニウムの燃焼処分と次世代発電炉の開発を目的に共同開発を推進中である。
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2. 特長
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| (1) | 経済性の向上 :直接サイクルガスタービンの採用による高効率化(約45%)と系統簡素化、高い固有安全性による安全設備の簡素化、ブロック型燃料炉心の採用による単基出力増大、標準設計による量産効果等により、大幅な経済性向上を図り、建設単価 約1100$/kWe、発電単価 約3〜3.5¢/kWhを目指し、天然ガスコンバインドサイクル発電との競合をねらう。
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| (2) | 高い固有の安全性 : 高温ガス炉固有の安全性と、炉心寸法・炉心出力密度の適切な選定により、事故時に全冷却系の機能が失なわれた場合等にも、原子炉からの自然放熱による崩壊熱除去が可能で燃料の健全性が失なわれることはない。したがって、大量の放射能が環境に放出される事故の心配がなく、周辺公衆の緊急避難が不要で、需要地近接立地にも適している。
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| (3) | モジュール型炉としてのフレキシビリティ : 単基電気出力約30万kWのモジュールを需要に応じて複数設置することにより、同一設計で幅広いプラント容量に柔軟に対応でき、投資リスクの低減が可能である。また分散型電源としての利用にも適している。
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| (4) | 燃料サイクル上の特長 : 商用発電炉の場合には低濃縮ウラン燃料を使用するが、被覆燃料粒子の採用により10万MWD/tを超える高燃焼度が得られる。また、燃料のセラミックス被覆を除去するだけで、既存軽水炉と同じ再処理システムの適用が可能で、化学的・物理的にきわめて安定な燃料体は、使用済燃料の長期保存にも適している。
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| (5) | 原子力エネルギーの有効利用 : ガスタービンサイクルの採用により、発電効率を低下させることなく海水淡水化、地域暖冷房に排熱を利用することができる。また将来的には、高温の熱を用いた水素製造など化学プロセスへの熱供給も可能である。 |
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3. 開発の現状と今後の計画
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現在までに基本設計を完了し、今年から最終設計および動力変換システムを中心とした要素・システムの実用化に向けた技術開発を進め、2006年にロシア国内の安全審査終了、2009年第1号モジュール運転開始を目標としている。第1号モジュールによリ、発電プラントとして実証し、被覆燃料粒子の燃料核を低濃縮ウランに変更した商用プラントの建設につなげる。
高温高性能軽水冷却炉(超臨界圧軽水冷却炉)
東京大学/(株)東芝/(株)日立製作所
貫流ボイラの原子炉版である超臨界圧軽水冷却炉は軽水炉の理論的発展形である。超臨界圧では沸騰がなく、再循環も不要で高エンタルピーの冷却水で直接蒸気タービンを駆動できる。流量も少なく、最も単純でコンパクトな原子炉になり熱効率も向上する。
ボイラは丸ボイラ、水管ボイラ、貫流ボイラと発展してきた。軽水炉は冷却水の循環のある丸ボイラの一種である。高温高性能軽水炉はボイラ発展法則に合致している。貫流ボイラは最も発達した形式のボイラであり超臨界圧火力発電プラントとして40年間以上用いられている。最近11年間に日本では28基の超臨界圧火力が運転開始しており、日本はこの分野で世界最高の技術を有している。火力と原子力プラントの機器は同じ工場で作られている。高温高性能軽水炉は出口温度は高いが主要機器の使用温度はすべて火力や軽水炉で経験している温度以下となっており、その経験が生かせる。動的機器の高信頼性が期待できる標準化が拡大し高温材料開発とともに火力のように性能向上が可能である。日本の優れた超臨界圧火力発電技術、鉄鋼材料技術を生かすことができ産業戦略上優れている。
超臨界圧軽水炉は高圧給水ポンプを装備しているが、流量が軽水炉の数分の一なのでポンプの動力の点で稠密燃料格子の高速炉に適している。出口冷却水密度は0.1g/ccより少し低く、BWRの出口平均冷却水密度の1/3以下であり増殖できる。
高速炉は減速材が不要で出力密度が高いため、同じ径の原子炉容器でも熱出力は大きくできる。熱中性子炉に経済性で優る高速炉の実用化という原子力開発における長年の夢を実現できる可能性がある。燃料サイクルは湿式再処理、今後開発される方式に柔軟に対応できる。
炉心、プラント、熱収支、安全性、制御、起動、安定性等、設計や安全評価にかかわる主要点を検討し、高温高性能軽水炉の概念とその成立性示されている。
日本学術振興会の未来開拓事業で水化学、伝熱等の研究が東大の研究グループにより1998年より4年間の計画で行われている。2000年から欧州共同体の研究予算で、高性能軽水炉の名称のもと欧州の6つの研究所とドイツフラマトムと東大のグループで研究が行われている。東大の設計をリファレンスとして検討しそのほとんどを採用している。全機関が2003年よりの次期計画への参加を表明している。
2000年よりエネルギー総合工学研究所の革新的実用原子力技術開発提案公募事業として東芝を代表者とし日立、東大、九大、北大のグループに5年間の予算が認められ、プラント概念、伝熱流動、材料腐食、水化学について研究が開始されている。
米国エネルギー省の原子力エネルギー研究戦略(NERI)では合計4件の研究グループに予算がついている。それぞれの代表機関はアルゴンヌ国立研究所、アイダホ国立研究所、ウィスコンシン大学、スタンフォード国際研究所で材料腐食、熱流動関係のテーマが中心である。
米国の第4世代原子炉に水冷却炉グループに提案された約30の炉概念の中で唯一選ばれている。カナダと米国との国際原子力戦略研究(I-NERI)のテーマの一つになっている。韓国も米国に昨年I-NERIのテーマとして提案している。ロシアとインドが共同研究中である。これ以外にも興味のある研究者は世界中に大勢いる。日本で開発された炉概念を欧州の主要原子力機関が研究するのは最初であり、世界の研究開発をリードしている。
発電利用が主目的であるか、再循環ポンプ、気水分離器などが不要で原子炉容器が小型化する。格納容器内にある冷却水の保有エネルギー(エンタルピー)が減少し、格納容器は小型化する。原子炉容器の重心の高さも制御棒が上部から挿入できるため低下する。熱効率は約28%向上し、燃料の有効利用が図れる。高温の超臨界圧水は単位体積当り保有エネルギー(比エンタルピー)が大きく、流量も少ないので主蒸気管本数、低圧タービンと復水器の台数が低減する。タービン自身もフルスピード(3000rpm)のものを用いることができ小型化する。原子炉系のみならずタービン系もコンパクトになるのは本概念の特徴である。高温高性能軽水炉は500℃台の高温が得られるので水素や高品質の化石燃料製造に用いうる。250℃で炭化水素含有物から水素を製造する触媒も米国で発明されているので、このシステムをタービン系に組み合わせて用いることも考えられる。
安全設計基準は軽水炉と類似でありその経験を生かすことができる。単相流なのでバーンアウトがない。軽水炉は事故による公衆の死亡ゼロの素晴らしい実績がある。安全性は軽水炉と同等である。貫流型のため不純物が炉水に滞留せず無沸騰なので微小クラックでの不純物濃度の上昇も生じない。この結果長年軽水炉を悩ませてきた応力腐食割れ問題から開放される水冷却炉を実現できる可能性がある。コンパクト化により資本費が低下し、投資絶対額の減少が可能で規制緩和された市場での新規建設における原子力発電の競争力を増す。更に、出力柔軟性があり、小型炉としてもタービンなど火力機器との共通化により経済性のスケールデメリットを克服できる可能性がある。
高温ガス炉(原研)
| @ | 名 称、形式、開発者(共同研究者含む)
名称:高温ガス炉、形式:黒鉛減速ヘリウム冷却型熱中性子炉(プリズマティック炉心)、開発者:原研
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| A | 適用する燃料サイクル: 燃料被覆層を除去の後、既存軽水炉と同様の湿式再処理。燃料被覆層の除去については基盤技術開発を完了。
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| B | 特徴及び独自性(キーとなる要素技術):高い安全性を有しつつ、高い経済性を達成可能。水素製造等の多用なエネルギー供給が可能。多用な燃料利用に対応可能。平均120GWd/ton以上の高燃焼が可能な被覆燃料粒子の特長を活かし、2年間の長期燃焼、稼働率の向上が可能。
キーとなる要素技術として、HTTRを用いて確立される原子炉技術及び燃料・材料の高度化技術、原子炉出口冷却材温度850℃で約45%の熱効率(発電用高温ガス炉GTHTR300)、950℃で約50%の熱効率(改良型発電用高温ガス炉)が可能な直接サイクルヘリウムガスタービン技術、改良型発電用高温ガス炉を基にした水素製造用高温ガス炉の原子炉技術、水と核熱だけから水素を製造する熱化学法ISプロセス技術。
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| C | 現状の開発段階(資金の投入状況を含む)、実用への課題、実用化までのマイルストーン:2002年度からのHTTR安全性実証試験等のHTTRを用いて確立される原子炉技術をベースに、発電用高温ガス炉GTHTR300については2010年代の早期実用化を目指しており、要素技術開発、概念設計、経済性評価を2007年度まで実施する。水素製造用高温ガス炉については、2020〜2030年代の実用化を目指して、HTTR水素製造(水蒸気改質法)システムの実規模単一反応管模擬試験及び要素技術開発、並びに熱化学法ISプロセス工学基礎試験を2004年度まで、HTTR水素製造システム実証試験を2008年開始、熱化学法ISプロセスベンチ規模試験を2010年度まで、その後、改良型発電用高温ガス炉の実用化、水素製造実証高温ガス炉プラントを建設する。
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| D | 経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等): GTHTR300は、簡素な設備であることにより、合計建設コストは約538億円、単位電力あたりの建設コストは約19.7万円/kWeである。発電コストに関しては、減価償却を60年とした場合、建設コストに燃料コスト(1.1円/kWh)及び軽水炉の実績から推定した運転維持コストの1.5円/kWhを加えて、合計の発電コストは約4.2円/kWhとなる。今後、建設工程を詳細評価し効率化することで、さらなる建設工期の短縮が可能であり、約10%程度のコスト低減は可能であり、発電コスト約4円/kWhが可能と考えている。1基あたりの建設コストが小さく、初期投資リスクが低いことも特徴である。水素製造単価は、従来の化石燃料水蒸気改質法の水素製造単価(二酸化炭素の処理処分費を含めて計算)の約7割が可能。
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| E | 主眼とする利用目的: 発電、水素製造等の高温熱利用。また、プルトニウム等の多用な燃料利用に対応。
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| F | 安全性: HTTR安全性実証試験により、現行軽水炉と同程度以上の安全性の確保が可能であることを示す。また、受動的炉容器冷却設備の採用による高温ガス炉の高い安全性を活かし、軽水炉に必要な鋼製の格納容器を削除し、可能な限り安全設備を簡素化することが可能となる。
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| G | 立地性・市場性: 現行軽水炉のリプレイス、新規立地に対応。高い安全性を活かして複雑な安全設備を用いることなく、需要地近接立地が可能。
他電源に優る高い経済性による発電市場への参入が可能。燃料電池自動車での大量需要が予測される水素市場の開拓が可能。
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| H | 海外での高温ガス炉開発状況: 中国ではHTR-10が出力上昇試験中、南アフリカのPBMR建設を計画、米国・ロシアのGT−MHR計画が進行中、最近ではフランスが最終的には高温ガス高速炉を目指し、まずは高温ガス炉の実用化に本腰を入れると宣言するなど、高温ガス炉開発が世界的に盛んな状況になっている。また、米国GEN-IVロードマップ作成においては、GEN-IVの4つのミッションの一つとして水素製造/高温熱利用が取り挙げられており、また、GEN-IVのゴールである6つのコンセプトのうち、ガス冷却炉から超高温ガス炉とガス高速炉の2つが採択されようとしている。 |
分散型小型炉
| @ | 名称、形式、開発者
名 称: 分散型小型炉、
形 式:軽水冷却軽水減速熱中性子炉(簡素化一体型炉)
開発者:日本原子力研究所
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| A | 適用する燃料サイクル
本炉は燃料サイクルについては特段の革新性を有せず、現行の湿式再処理を想定している。ただし、原子炉は今後開発される方式に柔軟に対応できる設計である。
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| B | 特徴及び独自性
原子炉は標準熱出力100MWの一体型炉であり、一次系に自己加圧・自然循環方式を採用し、原子炉系統・機器の簡素化を図っている。安全性向上には、内装型制御棒駆動装置の採用による制御棒飛出事故発生の可能性削除、浄化系及び体積制御系の排除による原子炉容器貫通配管の大幅削減によってLOCA発生確率の削減により、大型炉では実現が難しい事故発生確率の大幅低減を図り、さらに受動的な炉停止機構、受動的な事故時炉心冠水機構、及び受動的な崩壊熱除去系を採用し、受動安全性の向上を図っている。このような安全性向上により、需要地近接立地が図られる。
このうち、キーとなる要素技術としての内装型制御棒駆動装置は、原研が新たに開発した電気駆動方式であり、水圧駆動方式と比較して、制御棒位置の微調整が可能で、かつ単純な制御システムを有している。
なお、分散型小型炉には、熱供給専用と発電用の原子炉があり、それぞれ利用システムの要求条件が異なるので、運転条件(温度、圧力)及び工学的安全設備に違いがある。
・運転条件:熱供給専用=240℃の飽和圧力、発電用=310℃の飽和圧力
・工学的安全設備:熱供給専用=工学的安全作動信号により格納容器に注水し水張格納容器となる、発電用=常時、水張式格納容器
原子炉の立地方式においても、熱供給の場合は大深度地下空洞及びビルの地下への立地、発電炉の場合はバージ等の洋上立地とし、このような革新的な原子炉立地により、仮想事故時の住民の被ばく量を抑え、需要地に近接立地する場合の住民退避不要への可能性を高めている。
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| C | 現状の開発段階、実用化の課題、実用化までのマイルストーン
基本的に軽水炉技術に立脚しているため、技術開発要素は少ない。一体型炉については、原研では、これまで大型船舶用原子炉MRX(Marine Reactor )の工学設計研究を完了しており、その研究成果を継承している。要素技術としての内装型制御棒駆動装置については、MRXに開発済みの本装置を分散型小型炉の運転条件(水蒸気中)で使用できる様、改良する。
現状の開発段階は、多様な利用システムについての概念を構築し、その有用性を安全性、経済性、社会受容性等の観点から総合的に評価するところである。有用性評価の後、利用ニーズの絞込みがなされ、需要地住民の受容性を確保することができれば、技術的課題は少ないので、実用化は近い。すなわち、原子炉を含むシステムの最適化、法規との整合性確認、基本設計、パイロットプラント建設、総合的な性能確認を行って、実用プラント建設となる。
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| D | 経済性
簡素化一体型炉として、小型化、系統・機器の簡素化、長期運転炉心、運転・保守の簡素化、放射性廃棄物の低減化、量産化等により、小型炉のスケールデメリットの克服を図っている。建設単価及び発電単価は、現在、検討中である。
他のエネルギー源と比較して、一般に、原子力は、初期投資額は高いが、燃料費が安いので、例えば熱供給として天然ガスと比較した場合、30年を超える長期運転においては十分競合できることが予備的な検討で示されている。
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| E | 市場性
熱供給炉は冷暖房、給湯用の熱源あるいは、海水淡水化の熱源として利用するものであり、需要地に建設して設置することが不可欠である。そのため、需要地住民が安心感をもって便利さと経済性を享受できなければならない。近い将来、都市防災の向上、職住接近の社会生活の向上、緑豊かな潤いのある自然の回復等、国の計画に基づく都市の再生が進められると予想される。原子炉による熱供給は、火災の要因となるガス、灯油等を使用せず、燃焼ガス及び冷房用代替フロンを排出しないので、地球環境に優しいエネルギー源の一つである。そのため、今後の利用が期待される。
一方、小規模発電などの分散型エネルギ−源としての原子力利用は、電力自由化、燃料価格の変動などを考慮すると、特に離島、遠隔地において安定したエネルギ−源の供給として期待できる。
わが国で分散型小型炉によるこの様な未利用分野への原子力利用の実績が得られれば、東南アジア等国外での小規模発電又は海水脱塩用としてのプラント輸出が期待でき、国際貢献に役立つと同時に国内での原子炉技術開発及び原子力産業の活性化が期待できる。
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BWR型低減速スペクトル炉
| @ | 名 称、形式、開発者(共同研究者含む)
名称:BWR型低減速スペクトル炉
形式:沸騰軽水冷却高速中性子炉
開発者:原研/原電/日立/東芝
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| A | 適用する燃料サイクル: MOX燃料サイクル(湿式或いは乾式の低除染再処理にも対応可能)。経済性の向上と既存技術基盤を活用した早期実現の観点から、PUREX再処理法における精製工程を削除し、FPに対する平均的な除染係数が約1/100程度の約105の革新的PUREX法の採用を炉概念と併せて提案している。燃料製造工程は、現行のMOX製造工程が使用可能。
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| B | 特徴及び独自性(キーとなる要素技術):MOX燃料サイクルによるプルトニウム多重リサイクルが可能。これにより、プルトニウムの需給バランスに柔軟に対応し、余剰プルトニウムを持たないプルトニウムの有効利用が実現できる。また、プルトニウムの増殖によるウラン資源の有効利用が可能となり、その結果、長期的なエネルギー安定供給の実現が可能となる。プルトニウムの多重リサイクルが可能なことから、使用済燃料の再処理の価値が保たれ、使用済燃料蓄積量の低減につながる。さらに、燃焼反応度が小さいことにより、高燃焼度・長期サイクル運転を目指すことも可能で、使用済燃料発生量の低減や経済性に向上に寄与できる。尚、この特徴は、転換比を1以下に下げるとより強く表れ、100GWd/tの超高燃焼度や10年程度の超長期サイクル運転を目指すことも可能となる。
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| C | 現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用への課題、実用化までのマイルストーン: 本研究は平成9年以来実施してきており、平成10年以降は原電,東電及び東北電との共同研究を進め、日立,東芝及び三菱の国内軽水炉メーカー3社の技術的な協力を得て、一体的な体制で進めてきた。これまでに1以上の転換比と負のボイド反応度係数を実現可能な低減速スペクトル炉心の概念を創出し、その成立性を計算により確認するとともに、詳細な検討及び転換比,燃焼度等の炉心性能の向上を進めてきた。これまでの設計で得られている最大の転換比(核分裂性プルトニウム残存比)は、1.06で、また、最大の燃焼度は、101GWd/tである。
実用化への課題としては、37本バンドル規模以上での稠密炉心の除熱性能の確認,臨界実験等による核設計精度の確認及び被覆管も含めた燃料の照射特性の確認が必要である。今後15年程度の開発期間において、試験炉等による照射特性確認を経て、2020年頃の実用炉の実現を目指す。
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| D | 経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等): 1,356MWeの炉心規模に対しては、現行ABWRと同程度以下の建設費が実現可能との検討結果を得ている。今後期待される軽水炉プラントの建設費低減技術の活用が十分期待できるのも本炉概念のメリットである。また、発電単価に関しては、高燃焼度化やMOX再処理費用の低減により、将来想定される軽水炉の発電単価と同程度の低減化が可能である。
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| E | 主眼とする利用目的: 基幹電源としての利用を想定。短中期的にはプルトニウムの需給バランス確保に対応できるとともに、長期的には資源の有効利用が可能でりエネルギーセキュリティ確保に貢献する。
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| F | 安全性: 現行軽水炉と同程度以上の安全性の確保が可能である。今後、軽水炉における安全性向上技術を活用できる点も、本概念のメリットの一つである。さらに、特に小型炉概念において、受動的安全設備の導入も可能であり、現段階では、能動的安全設備も併用するプラントシステム概念を中心に考えているが、完全に受動的機器のみで構成される概念の可能性も高い。
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| G | 立地性・市場性: 300MWe級から1,700MWe級までの大小の出力規模に対する設計を実現し、立地や市場の需要動向,既存送電設備,投資規模等の要求に合った形で対応することが可能。
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加速器駆動核変換システム(ADS)
@名称、形式、開発者
加速器駆動核変換システム(ADS) 液体重金属冷却未臨界高速中性子炉 日本原子力研究所
A適用する燃料サイクル
マイナーアクチニド窒化物燃料/高温化学再処理(乾式再処理)
B特長及び独自性
未臨界システムの特長
高レベル放射性廃棄物中で再処理後100年以降の長期の放射性毒性を支配するマイナーアクチニド(MA)を効率良く核変換するには、MAの高速中性子による核分裂の連鎖反応を利用する必要がある。しかし、MAを主成分とした燃料で臨界原子炉を構築すると、実効遅発中性子割合が小さい、負のフィードバック効果が小さいといった問題が生じる。そこで、体系を未臨界とすることでこれらの問題を解決し、MA燃料による効率的な核変換に目的を特化したシステム構築を可能にした。
超伝導陽子加速器と核破砕中性子源の特長
核変換の効率を上げるには、未臨界といえども高い出力密度が要求される。このため、これまでにない大強度の中性子源が必要になり、1GeV近辺の陽子を用いた核破砕反応を利用する。核破砕反応は発生中性子あたりに必要な除熱量が少ないのが特長である。陽子ビームの出力としては10MW以上が必要である。また、未臨界炉心で生じる核分裂エネルギーで発電し、加速器に給電するため、加速器の効率は高くなければならない。このような大出力と高効率を達成でき、かつ信頼性の高い加速器として、超伝導線形加速器を採用する。
鉛ビスマス溶融合金の特長
核破砕中性子源としては、冷却が容易な液体ターゲットを用いる必要があり、融点が比較的低く、沸点が高い鉛ビスマス溶融合金を採用する。また、未臨界炉心は高速中性子体系とする必要があるため、冷却材としてはナトリウム、鉛ビスマス、ヘリウムガス等が考えられる。この内、鉛ビスマスは、核破砕ターゲットとしても使用すること、ナトリウムに比べて化学的に安定であること、ボイド反応度が小さいこと、沸点が高いこと等の特長が多いため、第1候補とした。
窒化物燃料の特長
核変換を効率よく行うためには、MAを主成分とした燃料が必要である。これまでに、酸化物、金属、窒化物の中ではMAの安定性の観点から、窒化物が最も優れているいることが分かった。窒化物燃料は、この他、熱伝導度が高い、融点が高い、乾式処理に適している等の特長がある。但し、窒素-14は(n,p)反応度で放射性の炭素-14を生成するため、窒素-15の濃縮と再利用技術が必要となる。
C現状の開発段階、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
現状の開発段階
概念検討と実験室レベルの要素技術開発段階である。大強度陽子加速器プロジェクトにおいて、未臨界炉心技術、核破砕ターゲット技術、超伝導加速器技術などの課題に対して成立性の検証と工学データの取得を行うための核変換実験施設建設を目指している。
実用化への課題
- 大強度、高効率、高信頼性を兼ね備えた超伝導陽子線形加速器の開発
- 未臨界炉心の炉物理特性、運転制御性、核変換特性の把握と経験蓄積
- 核破砕ターゲット及び炉心冷却材としての鉛ビスマス溶融合金の技術開発と耐照射材料の開発
- ビームダクト、ビーム窓、炉心タンク等の炉構造具体化
- MA窒化物燃料の照射挙動把握と、高温化学処理の技術開発
実用化までのマイルストーン
- 2010年頃の核変換実験施設完成。 → ADSに関する基礎的知見の取得。
- 2020年頃の実験炉級ADS完成。 → ADS運転経験の蓄積、核変換の実証。
- 地層処分が具体化する2030年頃の実用化を目指す。
D経済性
ADSを含んだ分離変換サイクル導入は、FBRによる核変換と同等で、電力料金を5〜10%増加させるとOECDが試算。
E主眼とする利用目的
長寿命放射性廃棄物(MA及び核分裂生成物の一部)の核変換。再処理後100年以上の長期の放射性毒性を支配するMAを約1/200に低減できる。これにより、燃料製造に用いた天然ウランの毒性を下回るのに要する時間が数十万年から数百年に短縮できる。(図1参照)
F安全性
加速器からの陽子ビームを停止することにより、即座に深い未臨界状態に移行させることができる。
G立地性・市場性
導入規模が小さいため、再処理工場に隣接して、群分離プラント、燃料製造・処理プラント、ADSを一体として建設できる。これにより、MAを分散させずに集中的に管理することが可能となり、燃料輸送の負担も低減できる。
H階層型概念の特長
核変換システムを中心とした階層型核燃料サイクル概念(図2参照)では、発電を主目的として安全性及び経済性の向上を目指す第一サイクルと、効率の良い核変換を目指す分離変換サイクルが独立しているのが特長である。これにより、MAをコンパクトに取り扱え、第一サイクルの構成に左右されにくい分離変換技術の導入が可能となる。熱出力800MWのADS1基で、電気出力1GWのLWR約10基分のMAを核変換できる。
革新的リサイクル型低減速スペクトルBWR
| @ | 名 称、形式、開発者(共同研究者含む)
名称:革新的リサイクル型低減速BWR
形式:沸騰軽水冷却高速中性子炉
開発者:東芝
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| A | 適用する燃料サイクル: 革新的MOX燃料サイクル(酸化物乾式処理の低除染処理と振動充填燃料からなる革新的リサイクル型燃料サイクルを基本とするが現行の軽水炉向け湿式再処理にも対応する)。経済性の向上の観点から、工程簡素化が期待できる乾式再処理法と乾式再処理から得られるMOX粒を用いた振動充填燃料採用を前提に提案している。再処理や燃料製造工程は、現行の湿式処理、軽水炉MOX製造工程も使用可能。
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| B | 特徴及び独自性(キーとなる要素技術):MOX燃料サイクルによるプルトニウム多重リサイクルが可能。これにより、プルトニウムの需給バランスに柔軟に対応し、余剰プルトニウムを持たないプルトニウムの有効利用が実現できる。また、プルトニウムの転換によるウラン資源の有効利用促進ができ、その結果、高速増殖炉の投入までの長期代替利用により長期的なエネルギー安定供給の実現が可能となる。プルトニウムの多重リサイクルが可能なことから、使用済燃料の再処理の価値が保たれ、使用済燃料蓄積量の低減につながる。さらに、低減速型の軽水炉では負ボイド係数を維持する設計をどのように実現するかが課題となるが、この炉概念ではストリーミングチャンネルと呼ぶ中性子漏洩を静的に制御する構造の集合体を導入して過度に短尺の炉となるのを回避している。
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| C | 現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用への課題、実用化までのマイルストーン: 本研究は平成8年以来東芝で研究を実施してきたが、平成10年以降には東京電力殿との共同研究を行っている。また平成12年度からはエネルギー総合工学研究所が募集する経済産業省予算による革新的実用原子力開発公募事業に岐阜大学とともに提案し採択され、5年間の予定で開発を継続している。これまでに1程度の転換比と負のボイド反応度係数を実現可能な革新的リサイクル型低減速スペクトルBWRの概念を創出し、その成立性を解析により確認するとともに、詳細な検討及び転換比,燃焼度等の炉心性能の評価を進めてきた。さらに上記公募事業では臨界集合体による模擬稠密燃料の核特性測定と伝熱試験装置による小型稠密格子の限界熱出力試験にも着手している。これまでの設計で得られている最大の転換比(核分裂性プルトニウム残存比)は、約1.0で、また、平均取出燃焼度の最大は、60GWd/tである。
実用化への課題としては、十分に実規模サイズに近い燃料集合体での稠密炉心の除熱性能の確認,軽水炉MOX炉心の各種の条件を満たす臨界集合体装置による反応度係数の確認及び核設計手法の妥当性確認が必要である。今後15年程度の開発期間において、軽水MOX炉等による照射特性確認等を経て、その後実用炉の実現を目指す。
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| D | 経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等): 本設計概念は既存の最新BWRプラントへの炉心互換性を重視しており、炉まわり以外のプラント設計への影響は最小限となるよう考慮されている。従って、プラントの建設費は最新のBWRと同等とできる。また今後期待される軽水炉プラントの建設費低減技術はそのまま活用できるのも本炉概念のメリットである。また、発電単価に関しては、革新的リサイクルの適用によって将来想定される軽水炉の発電単価と同程度の低減化が可能である。
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| E | 主眼とする利用目的: 基幹電源としての利用を想定。短中期的にはプルトニウムの需給バランス確保に対応できるとともに、長期的には資源の有効利用が可能でありエネルギーセキュリティ確保に貢献する。
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| F | 安全性: 最新のBWRと同じ安全性の確保が可能である。今後、軽水炉における安全性向上技術を活用できる点も、本概念のメリットの一つである。もちろん将来的にBWR大型炉で受動的安全設備が導入されればその導入も可能である。
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| G | 立地性・市場性: BWRへの炉心置換を前提としており、500MWe級から1,700MWe級までの大小の出力規模に対する設計が可能であり、立地や市場の需要動向,既存送電設備,投資規模等の要求に合った形で対応することが可能。
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高い固有の核拡散抵抗性を有する長寿命原子炉
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@ 名称:高い固有の核拡散抵抗性を有する長寿命原子炉
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形式:PWR
開発者:齊藤正樹、Vladimir Artisyuk(東京工業大学)他
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A 適用するサイクル:U-Pu−MAサイクル
B 特徴及び独自性
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原子力の平和利用を地球規模で円滑に進めて行くためには、核不拡散に向けた国際的信頼性の確立に努めることが不可欠である。このためには、核物質の全てについて、平和利用を担保するための「保障措置」及び「核物質防護措置」の実施は当然重要ではあるが、これらは、国際的信頼性に基づく約束ごとで、本質的な意味における核不拡散の問題の解決策ではない。国際的な破壊行為集団(国際テロ集団)のような組織に対しては何の抵抗力もない。より本質的に重要なのは、使用する核物質そのもの自身が、核拡散に対して固有の物理的に強い防護特性(核拡散抵抗性)を有することであり、平和利用以外には物理的に転用不可能な核燃料に変換することである。
さらに、最近、使用済み燃料の永久処分として「直接処分」や「再処理後の処分」の選択肢の他に、将来の永久処分方策の決定に対し十分な時間的余裕を持たせるために暫定的な「中間貯蔵」を加えることが提案されている。この提案は、我が国の将来の核燃料サイクルにおける何よりも重要な「柔軟性」を提供するものであるが、しかし、わが国が使用済み燃料を暫定的(30-50年)にせよ「貯蔵」することは、「余剰プルトニウムの蓄積」に対する国際的な懸念を強める。
この「中間貯蔵」による「余剰プルトニウム蓄積」の国際的な懸念を払拭するための一方策として、使用済み燃料中に、Pu−239のみならずより高濃度のPu-238を含ませ、固有の物理的核拡散抵抗性を高めることが挙げられる。(現行軽水炉の使用済み燃料中の全Puに対するPu‐238の含有量は約2%程度である。)
現在、高レベル廃棄物として地層処分の対象とされているマイナーアクチニド例えばNp-237は、大きな中性子吸収断面積を持ち、中性子を吸収するとPu‐238に核変換し、更にPu‐239やU−235に核変換するため、単なる親物質としてだけではなく、初期の余剰反応度を抑える可燃性毒物として効果的に働く特性を有し、炉心の長寿命化に貢献する。
一方、Np−237から生産されるPu‐238は高い崩壊熱(238Pu :560W/kg、239Pu:1.9W/kg)を持ち、また、高い自発核分裂性(238Pu:約2.6×103 n/g・sec、239Pu:約2.2×10-2 n/g・sec)を有するためPre-detonation確率が高いため、Pu−239の他に、Pu‐238を多く含むPuは熱的及び核的な観点から、固有の物理的核拡散抵抗性が非常に高い物質である。
本原子炉では、このような特性を利用して、マイナーアクチニド(Np、Am、Cm(例えば、Cm−242は、大きな中性子吸収断面積を持つAm−231の中性子捕獲により生ずるAm−242のβ崩壊で生成され、半減期約163日でα崩壊してPu−238に変換する。))をウラン燃料やMOX燃料に添加することにより、高レベル廃棄物を消滅(低減)すると同時に、使用済み燃料中にPu‐238を多く生成することにより、高い燃焼度(軽水炉の場合、100GWd/t以上)が達成でき、かつ、使用済み燃料中のPuは高濃度のPu-238を含むため、非常に高い固有の物理的核拡散抵抗性を有する。
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C 現状の開発段階、実用化への課題、実用化までのマイルストーン
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本原子炉概念は、文部科学省の科学研究補助費(平成11年度−平成13年度:16,000千円)による「超ウラン元素を装荷した超長寿命炉心の研究」の研究成果により得られたものである。対象とする原子炉は現行のPWRであり、原子炉そのものは、特段新しい開発要素はない。新しい燃料サイクル技術としては、MA回収、燃料加工技術である。また、Pu−238を多く含む使用済み燃料は、現行使用済み燃料と異なり、崩壊熱が高く、また高い自発核分裂性を有するため、現行使用済み燃料と異なる。従って、使用済み燃料の輸送・貯蔵時における除熱限界特性や中性子遮蔽特性を明確にすることが必要であるが、従来の技術の応用で可能である。
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D 経済性:
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原子炉は現行のPWRが適用可能。MAサイクル技術コストに依存する。しかし、核廃棄物のMAの減量、炉心の長寿命化、固有の核拡散抵抗性向上等の長所を鑑みると、世界市場へのインパクトは非常に大きいと予測される。
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E利用目的、F安全性、G立地性・市場性
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現在、高レベル核廃棄物として処分の対象とされているマイナーアクニチドのNp、Am、Cmをウラン燃料及びMOX燃料に添加することにより、炉心の安全特性(反応度係数)を損なうことなく、高い固有の物理的核拡散性を持ち、かつ高い燃焼度を有する本長寿命原子炉は、高レベル核廃棄物の低減のみならず、地球規模での積極的な原子力平和利用の促進、すなわち海外輸出等新たな市場や用途の可能性を開くものである。さらに地球規模での原子力の平和利用の促進は世界のエネルギーの安全供給や地球環境保全、人類社会の持続可能な発展に貢献するであろう。
ぺブルベッド炉心二酸化炭素ガスタービン直接サイクルモジュール型炉
1.名称と型式: ぺブルベッド炉心二酸化炭素ガスタービン直接サイクルモジュール型炉
| 2. 開発者: | 加藤恭義、仁田脇武志、吉澤善男(東京工業大学)、尾崎博、中野正明(富士電機)、武藤康(日本原子力研究所)、藤間克己(前川製作所)、Stephen Dewson(Heatric、英国)
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3.適用する燃料サイクル: 燃料として同一炉心構造で、濃縮U、MOX、Th、核兵器解体Puを使用することができ、セラミック及び金属被覆いずれの型式も採用可能である。燃料サイクルには、一回通過方式(Once through scheme)、Pu及びTh循環方式、Pu及びTh増殖方式などが適用できる。
セラミック被覆燃料を用いた球状燃料を装荷するぺブルベッド型を基準炉心として採用する。この場合、黒鉛に内蔵されているため、長期安定性(構造的、化学的)に優れ、長期貯蔵が容易である。また、再処理のためには新たな技術開発を要するため、核拡散抵抗性が高い。金属被覆燃料は代替案とする。この場合、原子炉出口温度が650℃*で英国AGRにおいて実績のあるステンレス鋼被覆−酸化物燃料が使用でき、再処理は軽水炉と同じPUREX法が適用可能となる。
*650℃において900℃のPBMR(45.5%)より若干高い46.5%の熱効率が得られる。
3.特徴、独自性: 特徴:二酸化炭素(CO2)を冷却材に用い、臨界点近傍の分子間力の特異性、凝縮性及び比熱の温度依存性を利用した新型熱サイクルを採用することで、PBMRと比較して約10%高いサイクル熱効率を達成する(図1参照)。球状燃料と減速材の表面はTiN(またはSiC)でコーティングし、CO2とグラファイトの反応を防止する。ガスタービン採用により、蒸気タービンと比較して系統の単純・簡素化及びプラントの大幅なコンパクト化が達成でき、モジュール炉の量産化で次世代大型軽水炉(200k\/kWe)以下の建設費(kWeあたり)を実現する。モジュール型高温ガス炉の固有安全性を継承し、更に、CO2を使用することで、Heと比較して3.6倍長い減圧時間、2.7倍大きい自然循環特性などと相俟って、減圧事故時の安全裕度向上を図る。前置・中間冷却器の排熱は、吸着式冷凍機とヒートポンプにより回収・利用することで、環境への排熱放出ゼロと総合熱効率〜80%を実現する。
独自性:ガスタービンサイクルの効率改善は、これまで、タービン入口温度の上昇、機器の効率改善で達成されてきた。この炉での効率改善は、気体の臨界点近傍において分子間引力が急増することによる圧縮仕事の急減効果**に着目したものであり、これまでにない新規な試みである。この手段により、サイクル熱効率は、Heと比較して、4〜6%高くなる。更に、加圧仕事の小さい液体状態で圧縮する新型「部分凝縮サイクル」を採用することで、PBMRと比較して約10%高いサイクル熱効率を達成する。前置・中間冷却器での除熱には液体CO2を用い、効率の高い沸騰熱伝達により機器の小型化を達成し、気化したCO2をヒートポンプの作動流体として直接利用することで効率的な排熱回収を実現する。原子炉及び排熱回収システムの全システムで自然冷媒が用いられる。
**気体の圧縮仕事W (1モル当たり)と圧縮率因子z (図2参照)の間には以下の関係がある。
ここで、V = 体積、P = 圧力、R = 気体定数、T = 絶対温度。z の値が急激に落ち込む臨界点近傍(Tr =〜1.0、Pr =〜 1.0)で圧縮すれば、圧縮仕事が最大1/5程度に低減される。
4.現状の開発段階
新型CO2直接サイクルを用いたシステム設計と熱効率の評価を完了した。機器設計については、主要機器の圧力容器、格納容器、ガスタービン、熱交換器のサイズを評価して、次世代軽水炉との発電コストの比較を行った。新型熱サイクルの実証について、平成14年度科学研究費補助金交付が内定し、3年間で総額49,000k\の規模で基本概念の実証試験を計画している。
実用化の課題として、CO2の臨界点近傍の伝熱流動試験、グラファイト減速材のコーティング技術(SiCやTiNなどによる)の開発と炉内照射試験、高効率再生熱交換器などの機器開発等がある。これらの試験及び機器開発を10年間で実施し、10年後に5万kWe程度のプロトタイプ機を完成させ、その運転経験を反映し、15年後に20万kWe程度の商用機を運開させることで、実用化する。
5.経済性: ガスタービン直接サイクル化することで、水蒸気系がなくなり系統が大幅に簡素化され、大型蒸気タービンが小型ガスタービンに置き換わることにより、物量が低減される。さらに、小型モジュール炉として量産化することで、次世代大型軽水炉(2020年ごろの実用化を目指す)以下の経済性が達成される。CO2サイクルでは、タービン段数がHeの段数は約1/4となり、物量が約1/4となる。一方、再生熱交換器などの熱交換器の伝熱面積(重量)は、HeとCO2間でほぼ同じとなる。その結果、タービンの物量が少なく、発電効率の高い分、単位発電量あたりの発電コストはCO2の方が低くなる。
6.主眼とする利用目的: ガス冷却小型炉の特性を活かした、熱電併給分散エネルギー源。
7.安全性: セラミック被覆燃料では、高温ガス炉における次の固有安全基本特性を引き継ぐ。
「セラミック被覆粒子燃料を使用するため、1,600℃まで核分裂生成物(FP)の閉じ込め機能が維持され、被覆溶融の恐れもない。黒鉛の熱容量が大きく、事故時の温度上昇が緩慢であり、炉心溶融に至らない。冷却材は単相のため、熱的、核的、化学的に安定である。」
小型モジュール炉とした場合には、更に次の安全特性が付加され、事故時に放置されても環境への放射性物質の大量放出の心配がない。
| @ | 事故時の熱除去特性:全冷却系機能喪失時にも、原子炉周囲の大気や土壌等への放熱(伝導、放射)により、燃料最高温度は制限温度1,600℃以下となる。
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| A | 事故時の緊急炉停止機能:炉心に大量の黒鉛を使用するため温度反応度係数が負で大きい。このため、冷却材による冷却機能が失われた場合でも、固有の温度反応度フィードバック特性のみで、原子炉は未臨界となり、燃料破損に至らない。
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| B | 事故時の放射性物質格納性:上記特性により、事故時に特別な系統・機器の作動または運転員の操作が一切なくとも、炉心のFPは燃料中に保持される。
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8.立地性、市場性: 高い固有安全性のため、都市などの需要地近接が可能となり、小型炉であるため熱供給量と需要のマッチングができ、熱電併給分散エネルギー源としての新たな原子力市場が開ける。
CANDLE高温ガス炉
| @ | 名称:CANDLE高温ガス炉
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| A | 形式:ブロック型高温ガス炉,CANDLE燃焼を採用
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| B | 開発者:東京工業大学・関本 博
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| C | 適用する燃料サイクル:ワンススルーまたはリサイクル
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| D | 特徴及び独自性(キーとなる要素技術):CANDLE燃焼を採用することにより現在設計されているブロック燃料型高温ガス炉とは異なり、燃焼に伴う余剰反応度が必要でなく、このため運転が容易となり、制御棒の誤操作による事故等を無くすことができる。冷却材の流量配分の最適化が容易となるとともに、一度決めるとその後の変更の必要がなくなる。炉心高さを調節することにより、長寿命炉を容易に設計できる。新燃料の種類が少なくなり製造コストが少なくなる。平均燃焼度と最大燃焼度の差を小さくできる。ぺブルベッド炉と比べても、運転時の燃料交換がないので、原子炉は単純となり運転も簡単になる。
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| E | 現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストーン:まだ大学での概念設計段階であるが、技術的に困難な問題はなく、よい設計が可能なら、即実用化が可能といってよい。
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| F | 経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等):制御棒が省略できることなどプラント建設及び、運転に関する経済性の改善が期待できる。燃料に関しても初装荷燃料は高くなるが、取替燃料は安くなり、全体としては安くなると期待できる。さらに取り出し燃焼度を揃えることにより安くすることができる。
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| G | 主眼とする利用目的:発電,熱利用
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| H | 安全性:現在の高温ガス炉より安全。従来のブロック型との比較は既に述べたが、ぺブルベッド型に比べても、運転時の燃料交換が必要でないのでより安全となる。
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| I | 立地性・市場性があるか:高温ガス炉並
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| J | その他自由記述 |
鉛ビスマス冷却・直接接触沸騰水型小型高速炉
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@ 名称: 鉛ビスマス冷却・直接接触
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沸騰水型小型高速炉
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A 形式:鉛ビスマス冷却小型高速炉
B 開発者・共同研究者:
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東工大・原子炉研 高橋・関本、他
新型炉技術開発梶@内田・長田、他
ニュークリア・デベロップメント梶@羽田、他
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C 適用する燃料サイクル
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高速炉ウラン-プルトニウムサイクル
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D 特徴及び独自性
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直接サイクル高速炉。炉上部鉛ビスマスー水直接接触沸騰部にガスリフトポンプと蒸気発生器の機能兼用(図1参照)。鉛ビスマス冷却小型高速炉SVBR(ロシア)と沸騰水型軽水炉を組み合わせた概念。耐震・安全性・長寿命・電力自由化対応のための小型炉設計(表1参照)。水接触化学対策に独自性(日本原子力学会「2002年秋の大会」発表予定)。
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E 現状の開発段階
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核特性・安全評価、流動技術・耐腐食、酸素濃度制御、ポロニウム対策の研究を実施中(科研費報告書11308017参照)。詳細設計を計画中。
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F 実用化への課題
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(i)直接接触沸騰部熱化学流動、(ii)鉛ビスマス中酸素濃度制御、(iii)ポロニウム対策、(iv)タービン内ミスト対策、(v) 耐腐食材料開発、(vi)燃料交換法。設計条件を緩和し軽水炉・鉛ビスマス炉既存技術による実用化をめざす。
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G 経済性(建設費、発電単価等)
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未評価。ナトリウム冷却炉に代わる経済性の高い高速炉。自然循環沸騰水型炉と同程度と推定。
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H 利用目的
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高速炉Pu増殖によるU有効利用とMA燃焼。
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I 安全性
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化学的不活性な鉛ビスマスと負のボイド係数からナトリウム冷却炉より高い固有安全性。
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J 立地性・市場性
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都市近郊立地、軽水炉の代替、開発途上国向け輸出を期待。
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K その他
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この原子炉の概念は米国MIT,INEELグループによりはじめて提案され中型炉の検討がされている(J. Buongiorno, et al.: 1999ANS Winter Meeting; J.Buongiorno, et al.:ICONE-8739)。
タンク型高速溶融塩炉
| @ | 名称:タンク型高速溶融塩炉
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| A | 形式:タンク型高速溶融塩炉
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| B | 開発者:東京工業大学・関本 博
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| C | 適用する燃料サイクル:塩化物電解法
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| D | 特徴及び独自性(キーとなる要素技術):原子炉と燃料サイクルシステムが一体化している。燃料の転換が不必要。燃料やFPを含む溶融塩は材料腐食が心配であるが、パイプ中を流れたりしないので、問題が格段に軽減される。
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| E | 現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストーン:大学での概念設計の段階である。塩化物電解法は電中研で研究が続けられているが、本原子炉の実現までには材料及びシステムに関する多くの研究開発が必要となるであろう。
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| F | 経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等):臨界条件を満たすためにかなり大型になるのが、構造は簡単であり燃料サイクルまで含めた建設費は現在の原子炉+再処理システムと比べて安価になると考えられる。
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| G | 主眼とする利用目的:発電,熱利用
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| H | 安全性:燃料の漏れが最大の問題だが、ループ型に比べると、格段に優れており、ガードベッセルをつけることによりほぼ解決できる。臨界事故の発生は極めて考えにくい。1次系ポンプの停止は原子炉が未臨界になるので問題はない。2次系ポンプの停止に対しても原子炉は未臨界になるが、ヒートシンク喪失は厳しい問題となるので、1次系2次系共に自然循環の炉を検討中である。
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| I | 立地性・市場性があるか:現在特には考えていない。
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| J | その他自由記述:参考文献:H. Sekimoto & T. Murakami, Molten Salt Fuel Fast Reactor in the Future Equilibrium State, ICENES 2000, pp. 264-269 (2000). |
高密度中性子利用炉
| @ | 名称:高密度中性子利用炉
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| A | 形式:高速炉心型中性子束炉,熱中性子束部は高レベルの中心部の大体積の外側部があり、黒鉛または重水を減速材として用いる。
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| B | 開発者:東京工業大学・関本 博
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| C | 適用する燃料サイクル:プルトニウムまたはアクチニドリサイクル
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| D | 特徴及び独自性(キーとなる要素技術):現在中性子を利用している原子炉は、本来研究目的のものが殆どで、中性子束が低かったり、利用場所が限られていたりして、経済性は極めて悪い。これを高密度化し経済性の成り立つ炉にする。高速炉は出力密度に比べて中性子束レベルが高くなる。これを熱化することにより1016n/cm2程度の熱中性子束レベルを得る。
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| E | 現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用化への課題、実用化までのマイルストーン:現状は設計段階である。
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| F | 経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等):建設費は高速炉よりは高くなるが、中性子の単価は現在の研究炉よりは安くなると考えられる。
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| G | 主眼とする利用目的:種々の中性子利用。具体的にはRI製造(特に中性子束が高いので短寿命のものを大量に製造できる)、中性子反応を利用した一様な添加物材料の製造、医療(中性子束が高いので短時間で治療等ができる)等が可能である。また長寿命放射性廃棄物の核変換の有力な原子炉となる。
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| H | 安全性:高速炉と同レベルか複雑さのためこれよりは少し危険になる。
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| I | 立地性・市場性があるか:電気以外の利用なので、今まで考えられなかったようなところに市場がでてきたり(どれだけ多くの製品のニーズがあるかが問題)、誘致を希望する地方がでてきたりするかもしれない。
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| J | その他自由記述:参考文献:H. Sekimoto and Y. Anmo, A Neutronic Study on the Concept of Using a Fast Reactor Core for High Flux Reactors, Ann. Nucl. Energy, 19[8], 431-439(1992). |
ABWR−II
| @ | 名 称、形式、開発者(共同研究者含む)
名称:ABWR−II
形式:軽水減速沸騰水型原子炉
開発者:BWR6電力(東電、原電、東北電、北陸電、中部電、中国電)及びGE/日立/東芝/の共同開発
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| A | 適用する燃料サイクル:酸化物燃料(UO2、MOX):湿式(PUREX)再処理/乾式再処理も可能。
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| B | 特徴及び独自性(キーとなる要素技術):設備容量の増大、大型機器の採用による合理化で経済性を向上。静的安全システムの適用拡大、過酷事故を設計上考慮して多重化の促進による炉心損傷頻度の低減により安全性の強化。燃料格子の大型化により制御棒駆動機器の低減のほか、燃料設計の自由度を拡大し、高燃焼化、MOX燃料の利用拡大。
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| C | 現状の開発段階(資金の投入状況含む)、実用への課題、実用化までのマイルストーン: 1991年からBWR6電力と日立/東芝/GEのBWRメーカ3社の電力共同研究として概念設計を開始し、ABWRに続く次世代炉としての性能要求調査後、基準炉心と主要な要素技術の選定を行い、設計・改良評価を経て2010年代後半に導入する標準原子炉を設定した。今後は、新規開発となる要素技術、要素機器の実証試験を産業界主体で2010年までに完了するとともに、並行してプラントの基本設計、詳細設計を推進する計画である。また、2000年代の半ばから立地点の選定、環境影響調査を開始し、原子炉設置許可を2010年頃に取得、2015年頃には初号機の運転開始を予定している。
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| D | 経済性(建設費(kWeあたり)、発電単価等):設備容量を1700MW級に増量することと設備合理化により、建設コストの低減、投資回収期間の短縮を図り、発電原価を既設炉の耐用年以降の(償却済)平均発電原価と同等として、リプレース炉としての経済性に遜色の無い設計としている。
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| E | 主眼とする利用目的:既設の軽水炉は高経年化対策が図られるもののいずれ廃炉を迎える。電力の安定供給からも代替電源の確保が必要となる2010年代の後半にリプレース炉として、既設炉での発電原価に十分に比し、更に安全性を向上した原子炉として導入を図る。
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| F | 安全性: 海外の次世代炉設計要求に鑑み、過酷事故の可能性の大幅に低減し、また地震、津波等の外因事象への対応強化、並びに静的システムの導入による安全系のハイブリッド化している。すなわち、ECCS構成を4区分化して非常用電源の多重化による所内電源喪失への対応を図り、静的除熱系の導入による最終ヒートシンクの多様化を行い、炉心損傷頻度を低減して信頼性向上するとともに、立地地点における住民の安心感醸成等の社会的受容性も促す設計としている。
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| G | 立地性・市場性: 設備容量の増大により、今後の新規立地地点確保の困難をカバーしている。また、経済性、安全性の向上により既設とのリプレースも円滑に推進される。 |