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1. いま何故革新的原子力システムが求められているのか
1.1 最近の原子力を巡る内外の情勢
(1) 国内の情勢
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a. エネルギー及び電力を巡る動向
(a) エネルギー供給及び地球環境問題における原子力の位置付け
我が国のエネルギーをめぐる情勢に鑑みれば、我が国は一次エネルギー資源の80%を輸入に依存しており、このような脆弱なエネルギー基盤をどのように強化するかが常に大きな課題となっている。そのために我が国では原子力発電の導入が積極的に進められてきた。現在原子力発電は、52基の軽水炉により総発電電力量の3分の1以上を担う基幹電源であり、重要な役割を担っている。この理由として、ウラン資源は比較的政情の安定した国に分布していることから、原子力発電は化石燃料資源に比較して供給安定性に優れていることが挙げられる。さらに、核燃料サイクルを導入することにより、輸入したウランをより高い効率で利用し、一層長期にわたり安定的にエネルギーを供給することが可能となっている。
また、地球温暖化対策の観点から、発電過程で二酸化炭素を排出しない原子力発電は重要な役割を担っている。平成14年3月に決定された「地球温暖化対策推進大綱」においても指摘されているとおり、引き続き増加が見込まれるエネルギー需要を満たしつつ、二酸化炭素排出量を削減するためには原子力発電所の新増設が不可欠とされている。
このように、原子力はエネルギー需給や地球環境問題において重要な役割を担っているが、一層社会の要望に応え、社会からより受容されるものとなるためには、より優れた安全性や環境負荷の低減が求められる。
(b) 原子力発電の現状
現在、国内で52基の軽水炉が操業中であるが、今後の増設について見ると、現在4基が新規建設中であるものの、従来2010年度までに16〜20基を運転開始するとされていたものが、平成14年度電力供給計画においては12基に減少しているように、原子力発電所の新規立地及び増設については年々厳しい状況となってきている。
この背景としては、もんじゅ事故、JCO事故など90年代後半からの一連の事故による原子力の社会的受容性の低下等の社会情勢がある。特に、社会的受容性の低下の主な要因としては、安全への不安・不信及び運転に伴って発生する放射性廃棄物の処理・処分に対する懸念が挙げられる。
一方、昨今の景気の低迷に伴う電力需要の伸び悩み、平成12年より始まった電力自由化の一層の本格化を控え電力の経営環境が益々不透明さを増していること等の情勢により、初期投資リスクが大きく広大な敷地を要する大型軽水炉の新規立地が困難さを増しつつある。
(c) 関連業界の動向
これまで我が国の原子力産業においては、軽水炉システムを中心に高度な水準の技術基盤を確立してきており、これにより近年は年10件台の低いレベルでの計画外停止や約80%の高い設備利用率を達成してきたところである。
しかしながら、産業界においては、新規立地の減少による受注の低迷を受け、経営環境は一層の厳しさを増している。日本原子力産業会議等の調査では、原子力産業の人員数についても近年減少傾向にあり、人材の確保、育成などに関して適切な方策がとられなければ、将来的には現在の水準の技術基盤が維持できなくなる恐れがある。
そのためには、新しい市場開拓を通じて原子力産業を活性化することが求められる。このため、産業界は研究開発や生産設備に対して大規模な資金投入を行うことが困難ではあるが、このような閉塞した状況を打破すべく、現行の大型軽水炉システムに替わり得る革新的な原子力システムの開発を目指した様々な概念検討を各社において進めている。
b. 原子力二法人の動向
日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構は、昭和30年に制定された原子力基本法にその根拠を有する組織であり、原子力長計の下で、我が国の原子力研究開発における中核的な役割を担ってきたが、平成13年12月に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画において、両法人を統合し、新たに原子力研究開発を総合的に実施する独立行政法人を設置することとなった(平成16年度中に関連法案を提出)。現在、文部科学省において統合に向けた準備作業中であり、新法人の具体的なミッションは検討中ではあるが、国における革新炉開発の中核的機関としての役割が期待されている。
従来の革新炉の研究開発に関する取組みとしては、日本原子力研究所において、高温ガス炉の基盤技術の確立、高度化及び高温工学に関する先端的基盤研究を進めるため、高温工学試験研究炉(HTTR)の研究開発を進めてきている。高温ガス炉は安全を確保しやすい特性に優れているうえに1000℃程度の高温の熱が供給できるため、発電のみならず水素製造など様々な分野での原子力エネルギーの有効利用が可能となる。
一方、核燃料サイクル開発機構においては、高速増殖原型炉「もんじゅ」の研究開発および高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究が進められている。両プロジェクトは、エネルギーセキュリティ確保の観点からその潜在的可能性が最も大きいものの一つとして位置付けられる高速増殖炉サイクル技術の実用化を目指しているものである。今後は、実用化戦略調査研究ともんじゅの間で、十分な連携を図りながら、FBRサイクルの実用化技術を2015年頃を目標に確立することを目標にプロジェクトを進めていく予定である。
c. 発電分野以外での利用ニーズ拡大
原子力エネルギーはこれまでほとんど軽水炉による発電にしか利用されてこなかったが、水素製造、熱供給、海水の淡水化、RI製造、希少核種製造などの分野で原子力利用が一層普及することが考えられる。例えば、原子炉から取り出された高温の熱により水素を製造し、水素電池の燃料を供給することで、二酸化炭素排出削減に寄与することが可能である。また、地域熱供給や海水の淡水化については、経済性の向上が課題ではあるものの、技術的には各国で実績が積み重ねられている。このようなアプローチにより、原子力エネルギーによる新しい市場開拓を通じた新産業の創出が見込まれることから、様々な分野における原子力利用の技術的可能性について検討すべき時期に来ている。
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(2) 国外の情勢
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a. 21世紀のエネルギー情勢
国際的なエネルギーを取り巻く状況を見ると、今後、アジア地域を中心とする発展途上地域におけるエネルギー需要の急速な伸び(2020年には1997年比で57%増加)が見込まれている。中でも化石燃料消費の増分に占めるアジア地域のシェアは大きく、地域全体としてエネルギー供給のリスクが高まってきている。我が国は先進国の中でも一次エネルギー供給における石油依存度が高いことから、エネルギー源を可能な限り石油以外のエネルギーに代えていくことが重要である。一方で、アジア地域などで原子力発電の導入・増加が見込まれることから、将来的にはウランの需要も世界的に見て増大するものと考えられる。したがって、我が国のエネルギー安定供給に対する潜在的リスクはますます高くなっていく懸念がある。
b. 核拡散防止に係る取組み
原子力の平和利用を円滑に推進するためには、国際的な核不拡散に対する取組みは極めて重要であり、「核兵器の不拡散に関する条約(NPT)」に基づき、現在の国際的な核不拡散体制が構築されている。原子力の利用を進めるためには国際的な理解が必要不可欠であり、我が国の原子力利用が平和に徹したものであることを世界に向かって発信し続けなければならない。
我が国がNPTに基づく国際原子力機関(IAEA)の保障措置を厳格に実施していることは、核不拡散体制を厳に遵守していることを態度で示すことに他ならない。しかし、IAEAの保障措置をより強化した追加議定書については、NPT加盟187ヶ国中わずか14ヶ国の受け入れにとどまっており、このような国際的枠組みの構築による核不拡散達成と併行して、原子炉や核燃料サイクル施設に対する技術的なアプローチから核不拡散を達成しようという動きが、OECD/NEA等の国際機関を中心に出てきている。
c. 各国の原子力研究開発利用に関する取組み
1970年代から原子力発電所の新規発注が無かった米国が、エネルギー源の多様化、地球温暖化ガスの発生抑制、原子力技術の維持・発展等の観点から原子力重視に政策転換している。
また、ロシアでは高速炉を中心に革新炉の開発が進められ、カナダではCANDU炉の改良型を中心に、フランスでは新たにガス炉に集中した革新炉の開発が進められている。その他、韓国、中国、アルゼンチン等においても、革新炉の研究開発が進められている。
一方、南アフリカにおいては、実証炉を兼ねたPBMR実用炉の本年度の着工を目指して開発が進められており、従来のステップに囚われない導入形態も現れて来ている。
近年、原子力分野における研究開発においても、一国のみで開発を進めるよりは、人的・資金的に国際分担を行い、成果を共有するという考え方が広まっている。現在、米国あるいは国際機関を中心として、経済性/エネルギーの安定供給性/安全性、核拡散抵抗性等の高い次世代の原子力システムに関する検討を行うための国際フォーラム(GIFあるいはINPRO)が形成され、我が国も検討に参画するなどしている。
このような内外の情勢を踏まえると、エネルギー資源の大半を海外に依存する我が国が、地球温暖化防止を念頭に置きつつ21世紀においても国民生活や経済基盤を維持・発展していくためには、原子力が「エネルギーセキュリティの確保」にこれまで以上に重要な役割を果たすことが求められている。また、最近の景気低迷や新規立地難などの経済社会情勢を受け、原子力の技術基盤の維持や経済社会へのイノベーションの喚起のために、新たにクローズアップされてきた視点として、「新しい市場開拓を通じた原子力産業の活性化、新産業の創出」があげられる。つまり、市場を見据えて、国際的に評価され得る有望な自主技術を我が国に蓄積することも長期的に極めて重要な視点である。21世紀における革新的原子力システムは、これらの課題に対応していくべきものである。
一方で、JCO事故など原子力に関する一連の事故がもたらした国民の不安感・不信感は、原子力の社会的受容性の問題を浮き彫りにした。社会的受容性の確保は、原子力利用にあたっての大前提であり、「社会的受容性の向上」は前述の課題を解決する際に共通的に考慮すべき課題としてあげられる。
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1.2 革新的な原子力システムによって何をなし得るのか
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原子力システムは、1.1で提示された「エネルギーセキュリティの確保」ないしは「新しい市場開拓を通じた原子力産業の活性化、新産業の創出」を目指すとともに、いずれの場合にも「社会的受容性の向上」に向けた努力を行うことが求められている。現行の大型軽水炉システムも、我が国の基幹電源として、社会的受容性を保持しつつ、エネルギーセキュリティの確保に大きな役割を果たしてきたが、その一方で、上述の目標の追求を目指すに当たり、現行システムに起因する限界が徐々にあらわれるとともに、原子力利用に伴う課題もあらわれつつある。
軽水炉由来の問題点としては、現行の軽水炉はスケールメリットの追求により大型化しており、大型化に伴う建設コストの増加は、初期投資リスクの増大を招くと同時に、電力需要の大幅な増加が見込めない情勢下において、柔軟な増設を困難にしていること、軽水炉は燃料の増殖をしにくい(核分裂しにくいU238を核分裂しやすいPu239に転換しにくい)ため、ウラン資源の有効利用度が必ずしも高くないこと、原子力は高温熱供給や中性子利用など様々なポテンシャルを有しているが、現在は軽水炉による発電にしか実用化されていないことが挙げられる。
また、軽水炉が直接の要因ではないものの、その導入にあたって障害となっている要素としては、もんじゅ事故やJCO事故など近年の原子力事故により、原子力全体の安全性が社会から不安視されていること、核分裂エネルギーの利用は長期間の管理が必要な放射性廃棄物の発生を伴うことから、原子力利用そのものに対する否定的な意見もあること、国際的には核不拡散の観点からより核拡散抵抗性の高い原子炉及び核燃料サイクル技術の開発が期待されていることが挙げられる。
革新的原子力システムは、現行の軽水炉システムの持つこれらの限界を超えることにより、エネルギーセキュリティの確保、原子力産業の活性化による技術基盤の維持、新産業の創出による経済社会への貢献及び社会的受容性の一層の向上といった社会的な目標を達成することを目指している。これによって、現に原子力エネルギーが大きな役割を担っている我が国において、原子力が社会の中で安全・安心をもたらしうる存在になると期待される。
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1.3 革新的原子力システム開発に向けた国の取組み
(1) 各省の取組み
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このような状況を踏まえ、現在、国においては、文部科学省及び経済産業省が革新的な原子力システムに関する公募型研究制度を実施中あるいは開始しようとしている。
文部科学省においては、原子力長計を踏まえ、産学官連携を通じた競争的な環境下での優れた成果の創出及び新たな国際的な動向へ対応した将来性に富んだ革新的原子炉技術の開発及び核燃料サイクルシステムの技術開発の2分野について、平成14年度より公募を開始することとしている。
さらに経済産業省においては、原子力に係る安全性・経済性を追求する革新的・独創的な技術を発掘し、競争環境下での技術開発を推進するため、原子力発電、ウラン濃縮、再処理、放射性廃棄物処分等に関し、安全性・経済性について実用化を見込んだ革新的・独創的なテーマについて、平成12年度より公募事業を開始している。
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(2) 原子力委員会の取組み
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原子力委員会は、このような国内外の情勢や革新的原子力システムの必要性及びそれに対する社会の期待を踏まえ、研究開発専門部会の下に革新炉検討会を設置した。同検討会においては、革新的原子力システム開発に取り組むためのファーストステップとして、我が国としての革新的原子力システムの開発の現状把握及び革新的原子力システムの概念整理(主要なもののリストアップ)を行った。
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2. 革新的原子力システムの開発戦略
2.1 革新的原子力システムに対する社会的ニーズ
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第1章では、最近の原子力を巡る内外の情勢を踏まえ、我が国が抱える2つの重要課題
(1) エネルギーセキュリティの確保
(2) 新しい市場開拓を通じた原子力産業の活性化、新産業の創出
を挙げた。また、その前提としては、革新的原子力システムによる
(3) 社会的受容性の向上
が期待されている。現行の大型軽水炉及び湿式再処理システムが有する問題点への対応がこれら重要課題の解決につながるため、革新的原子力システムが求められており、本節では、革新的原子力システムに対する以下の具体的社会的ニーズについて述べる。
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@ 核燃料資源の有効利用(エネルギー長期安定供給の選択肢を与えること)
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技術立国を目指す我が国にとってエネルギー産業は基幹産業であるが、1次エネルギー資源の約80%を輸入に頼っているのが現状である。このような脆弱なエネルギー基盤しか持たない我が国において、近隣諸国に迷惑をかけることなく、また、原子力の平和利用を堅持しつつ、長期にわたって1次エネルギー資源、経済、並びに、地球環境を安定に維持するため、核燃料資源を有効に利用するなど、エネルギー長期安定供給の選択肢を用意することが革新的原子力システムに求められている。
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A 電力需要、設備投資等における柔軟性
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変化の激しい社会情勢のなか、長期にわたる原子力開発では、研究開発から産業化に至るまでに存在する大きなリスクを回避するため、例えば電力自由化への対応が求められる経済環境では、研究開発計画、原子力システム自体等が柔軟性を持つことも含め、多様な要求に対応できる原子力システムの開発、初期投資額が小さく、短期間に建設が可能な原子力システムの開発等の様々な柔軟性が革新的原子力システムに要求されている。
- B 経済性の大幅な向上
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科学技術立国を目指す我が国では、エネルギーは基幹産業であり、革新的原子力システムによって安価なエネルギーを供給することにより、産業界のみならず、結果として多くの人が恩恵にあずかることができるため、経済性の大幅な向上が革新的原子力システムに求められている。
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C 熱利用等の多様なエネルギー供給を可能にすること
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原子力は様々な可能性を秘めた素晴らしい技術であるが、我が国では、これまでほとんどが発電用として利用されるにとどまっていた。熱エネルギー供給における安定供給、新産業の創出等の観点から、原子力を用いて供給される熱によって水素を作るなど、多様なエネルギー供給を可能にすることが革新的原子力システムに求められている。また、世界では、地域暖房用、海水脱塩用といった原子力システムが存在するが、我が国では大きな暖房需要、淡水需要があまりない。そこで、小さな熱需要に応えることができる革新的原子力システムも求められている。
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D 優れた安全性
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原子力事故の被害は、個人の好むと好まざるにかかわらず受けるものであり、多くの人々に広い地域に長年にわたって及びうることから、また、放射線が目に見えないという一種の恐怖から、原子力システムに対して優れた安全性が求められてきた。我が国で発生した幾つかの原子力事故に対して、誤操作によっても安全が確保されるよう、人的要因に極力依存しない安全システム・技術、固有の安全性を有するシステム・技術、わかりやすい安全性確保のためのシステム・技術等の優れた安全性が革新的原子力システムに求められている。
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E 環境負荷の低減
- 数万年という長期にわたって管理し続けなければならない放射性廃棄物を、たとえその量が他の廃棄物量に比べて非常に小さく、また、保管地域が限定されるといえども、放射性廃棄物量の低減及び管理期間の短縮化は、原子力における大きな課題である。また、環境に排出される大量の熱を環境温度程度まで下げるには冷却材流量が膨大となり、生態系への影響が懸念されるため、放射性廃棄物とともに排熱等、地球環境への排出物量を、少なくとも社会及び環境が許容できる範囲内に抑えることのできる革新的原子力システムが求められる。
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F 核拡散抵抗性の向上
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地域紛争、テロ等で核兵器が使われることがないように、核燃料輸送、製造、燃焼、貯蔵、再処理時等における機器・設備・システムなどにおいて、核拡散に対する十二分の抵抗性を有することが世界的に求められてきた。また、原子力平和利用の徹底のため、我が国はこれまで余剰Puを持たないと諸外国に公言してきており、Puの需給バランスも含めた核不拡散抵抗性の向上が革新的原子力システムに求められている。
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以上のような革新的原子力システムに対する社会的ニーズに答えることができれば、原子力システムは、結果として社会に受け容れられるようになり、科学技術立国を目指す我が国が原子力分野の未踏領域を切り開くフロントランナーとして、我が国に対する「技術ただ乗り論」に対する明確な反証を与え世界をリードしつつ、諸外国での原子力エネルギー利用に貢献することができる。我が国の産業の成長分野がソフトウエア開発をはじめとした情報通信分野に移行していくなか、原子力システムなど先端的研究開発の基盤インフラを支える技術の空洞化が急速に進みつつあり、原子力技術を伝承する技術者が途絶えることのないよう、原子力分野における人的資源を今後とも確保するため、魅力ある革新的技術等の提案により原子力技術の維持・開発を担う若者が夢を持ち続けることができる社会環境を再生・拡大することが、合わせて可能となる。
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2.2 社会的ニーズ達成のための技術とその課題
以上を踏まえ、革新的原子力システムが21世紀の社会的ニーズを達成するための技術とその課題としては、以下の項目が挙げられる。尚、技術的課題の中には、その解決が複数の社会的ニーズ達成に寄与できるものもあるが、ここでは最も深く関連すると思われる社会的ニーズに対応させて示している。
(1) 核燃料資源の有効利用
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エネルギーの長期安定供給というニーズを達成するために核燃料を有効に活用する方策としては、以下が挙げられる。
a. 高転換/増殖
b. 海水ウランの回収
高転換/増殖の最終的な目標は、高速増殖炉サイクルの実用化であるが、原子炉の開発だけではなく、燃料サイクル、すなわち炉・再処理・燃料製造の整合に関する課題の解決が重要である。特にサイクルの経済性を向上させるための低除染再処理技術、低除染燃料製造技術及びこれを受け容れられる炉心技術の実用化は長期的な課題として挙げられる。中期的な課題としては軽水冷却の低減速炉心による高転換/増殖の開発が挙げられる。この実現のためには、核的成立性および熱水力的な評価等による技術的成立性の確認が必要であるとともに、経済的な成立性の確認が必要である。更に、この核燃料サイクルに対する柔軟性を確保する上で簡素な使用済み燃料の中間貯蔵技術が短期的な課題である。また、ウラン資源に頼らない燃料サイクルとして、トリウムを核燃料として用いることも提唱されている。既存の原子力システムはウランをベースとしたものであることから、トリウムを用いる場合には、トリウム炉自身とその再処理技術の構築やサイクル全般にわたるインフラ整備(トリウム対応再処理工場)の実現が長期的な課題となる。
現在はウラン鉱物資源が使用されているが、資源の有効利用の観点から、海水ウランの回収技術への取組みも提唱されており、吸着材の高性能化と経済性の向上が長期的な課題である。
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(2) 電力需要及び設備投資に対する柔軟性
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電力自由化の環境下における電力会社の経営上の要求である投資リスクの低減に対する方策としては以下が挙げられる。
a. 立地の不確実性に対する柔軟性
b. 立地多様性
不確実性のある電力需要や建設計画への投資リスクを低減するには、社会的・制度的な整備の他に、技術的な課題として、初期コストが小さく段階的に増設が出来る小型モジュール炉の導入が考えられる。小型モジュール炉には軽水炉、ガス炉、液体金属炉で多数のコンセプトが提唱されているが、現時点ではいずれの炉型もコンセプトの段階であり、キーコンポーネントの開発・実証と、炉型によっては実証炉の建設が必要である。また、炉の実証試験にあたっては、従来の実機ベースの試験による方法に替わる小型もしくは部分試験と解析を用いた合理的な開発方法の確立も技術課題の一つである。
また、立地地域、需要地域やグリッドの環境等の様々な周辺条件に適合するには、出力ラインナップ化や、建屋/機器をサイト条件(軟弱地盤立地、海上式、地下式等)に係わらず適用できる建屋制振/免振装置の開発が中期的技術課題として挙げられる。
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(3) 経済性の大幅な向上
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他電源、他プロセスに競合できる経済性を達成するための方策としては、以下が挙げられる。
a. 炉システムの合理化・簡素化
b. 高性能化(高熱効率等)
c. 建設期間・リードタイムの短縮
d. 燃料サイクル費の低減(高燃焼度化等)
炉システムの合理化・簡素化については、従来の実績に基づいて簡素化する方法の他、従来個別に考慮していた設計余裕を統合的な設計手法・解析手法を開発することにより最適化することが短期的な課題である。さらに、革新システムの導入による合理化、簡素化が必要であり、例えば、気水分離システムや再循環システムが不要になる超臨界圧水炉のように原理的にシステムを簡素化できる技術の開発が長期的課題となる。
高性能化については、熱効率を向上する超臨界圧水炉や高温ガス炉などが提唱されており、キーコンポーネントや燃料/材料の開発から実証炉の建設が長期的課題である。
建設期間・リードタイムの短縮については、鋼板コンクリート構造や船穀構造とそれらを組み合せた大型モジュール化などの従来工法を高度化する他、中期的開発課題である小型炉では工場での一体組み立て、輸送というような新工法の適用が考えられる。
燃料サイクル費の低減については、前述の高速増殖炉サイクルでの再処理技術や、その燃料製造技術の実用化による経済性の向上は長期的課題である。また、軽水炉等現行発電炉における高燃焼度化による燃料サイクル費の低減は、従来から段階的なアプローチが採られているが、さらなる高燃焼度化にあたっては、高中性子照射に耐える材料の開発と燃料サイクル全般に渡る臨界安全上の対応(高濃縮ウラン燃料もしくは高プルトニウム富化度MOX燃料の取り扱い)が長期的技術課題となる。
設備利用率向上については、オンラインメンテナンスや状態監視保全等の大幅な導入やそれを可能とするシステム構成などが設計段階の工夫となるが、数年以上の超長期運転サイクルの採用については燃料/材料の開発や制御棒・制御棒駆動装置、炉内核計装機器等の周辺機器のメンテナンスフリー化や長寿命化が長期的課題となる。
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(4) 環境負荷の低減
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原子力システムは二酸化炭素の排出が極小であることから、環境負荷の小さい発電システムと評価されるが、ゼロエミッションを目指した環境負荷要因の更なる低減の方策としては、以下が挙げられる。
a. 放射性廃棄物の発生量の低減
b. 長寿命核種の核変換(MAの分離・回収・燃焼等)
c. 排熱量の低減
放射性廃棄物の発生量の低減については、現状技術でも充分な低減効果が得られているが、二次廃棄物の発生を低減させる浄化技術、廃棄物の高減容分解処理等が短期的課題である。また、廃止措置廃棄物に関してはクリアランス以下に除染並びに検認する技術、廃材のリサイクル利用技術が短期的課題である。さらに、長期間運転可能な長寿命炉心、メンテナンスフリーなどの革新概念による低減が中期的課題である。
長寿命核種の変換技術については、高速増殖炉サイクルによるMAや長寿命の核分裂生成物(LLFP)リサイクル(分離・回収再処理技術や、高速中性子による核変換・燃焼技術)が挙げられる。このMAの核変換技術を経済的に実施するためには、MAをPuと随伴させ回収できる再処理技術の開発が必要でありその技術基盤の確立は中期的課題である。一方、LLFPの分離・回収・核変換を効率的に行うためには、群分離、場合によっては同位体分離が必要となり、長期的課題である。
廃熱量の低減については、超臨界圧タービンや高温ガスタービンによる熱効率向上技術を適用できる原子炉の開発が中期的課題である。また、水素製造、地域冷暖房、海水淡水化などの発電以外への複合的利用によりエネルギー効率向上を図ることも考えられ、各技術の経済性向上が課題である。
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(5) 優れた安全性
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現行の商用発電炉は技術的には十分な安全レベルを達成しているが、実質上緊急避難不要とするなど現行炉を上回る社会的受容性を向上し、多様な立地条件への対応を可能とするためには、より優れた安全性を実現していく必要があり、その方策としては以下が挙げられる。
a. 固有の安全特性の向上
b. 静的安全システムによる分かり易い安全性
c. 人的要因に極力依存しない設計
異常事象が生じても自律的に安全な状態へ移行する、ガス炉や高速炉を中心とした固有の安全特性追求のための開発は、いずれも炉心構成、核特性等、プラントの基本構成に関わるものであり、現在までに多くの概念が提唱されているが、実用化を視野に入れた戦略と絞り込みが必要である。
分かり易い安全性を実現する技術としては、自然力(重力、対流、凝縮等による駆動力)を利用した炉心冷却・崩壊熱除去や、触媒による可燃性ガス処理等の静的安全システムがあり、技術的知見が蓄積されつつあるが、発電炉への導入の観点からより一層の性能向上や付加価値の創出が必要と考えられる。
プラント異常事態の拡大を防ぎ終息させるために運転員の介在が極力不要となる設計についても、受動安全システムや情報技術活用など多面的なアプローチが課題と考えられる。
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(6) 核拡散抵抗性の向上
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核拡散抵抗性について制度面と技術面の方策があるが、技術面の課題としては以下が挙げられる。
a. 核燃料の存在形態(転用を回避する状態)の管理
b. Pu蓄積量のミニマム化
c. 解体核の利用
核燃料の不拡散性を上げる為の兵器転用を回避する技術としては、Puの単独での取扱いの回避、MA、FP等の放射性核種を混入しアクセス性を困難にして盗難防止を図る方法などが挙げられる。MA、FP等の放射性核種の混入による方法に関する技術課題は(4)項の高速炉増殖炉サイクルによる低除染リサイクルと同様である。
Pu蓄積量のミニマム化については、プルサーマルの活用、高速炉をPu燃焼及びPu増殖に柔軟な運用等により解決が図れる。
解体核の利用についても、短期的にはプルサーマルでの利用が挙げられ高速炉が実用化されれば、その技術を適用することで対応できる。さらに、Pu専焼炉(高速炉あるいは高温ガス炉)によるPuの効率的な燃焼が考えられるが、そのためには高富化度のPu燃料の開発が課題である。
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(7) 原子力エネルギーの発電分野以外への有効利用
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原子力エネルギーの発電以外への有効利用については、環境負担の軽減の中での排熱量の低減でも示したが、新規市場創造、社会的受容性向上、国際貢献等の観点から以下が挙げられる。
a. 水素製造
b. 熱供給(産業用、地域冷暖房)、海水淡水化
水素製造については、天然ガスの水蒸気改質、化学的触媒を介した水からの水素製造の方法があり、何れも原子力プラントとのインターフェイスが技術的な課題である。原子炉と直結したシステムの実証が最終的に必要であり中期的な課題である。
熱供給については、既に廃熱利用として有効利用の実績があり、原子力による海水淡水化も実績がある。
以上、革新的原子力システムが社会的ニーズを達成するための技術課題を示したが、更に、原子力が広く社会的に受け容れられるためには、これから提案される革新的原子力システムが「社会的受容性」の観点で優れたものである必要がある。
「社会的受容性」を有する革新的原子力システムとは、社会が不安感、抵抗感無しに受け容れられるものであるだけでなく、社会(市場もその一部)から積極的に支持されることが必要であり、これを念頭に革新的原子力システムの概念を構築していくことが必要である。
具体的には、上記で述べられた、ゼロエミッション、緊急避難不要の達成等、社会の不安を解消するための対応技術に加えて、投資リスクの低減や他電源、他プロセスに競合できる経済性の確立の技術課題等、市場にも受け容れられる対応技術の確立を高水準で達成していく必要があり、社会が求めるところに応じて、段階的にその要件を満たしていくことが肝要である。
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2.3 革新的原子力システムの研究開発における役割分担の考え方
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原子力システムのような多種多様な技術を組み合わせた巨大システム構築における研究開発ではサイエンス、エンジニアリング、インダストリーのプロセスを踏まえることから産・学・国の連携が重要であるが、各々の得意分野を十分に発揮できる柔軟な組織体系と役割分担を明確にしておく必要がある。役割分担の前提として、例えば「エネルギーセキュリティ確保」などのように、技術的に困難な部分があるか、初期投資リスクが大きい等の資金的な理由で産の積極的な参入が期待できないが、国家戦略として推進する必要があるものは、国主導でシステム開発をすすめていくやり方や、「新しい市場開拓を通じた原子力産業の活性化、新産業の創出」などのように原子力システムの多様な展開を通じ、ビジネスチャンスを拡大していくものについては民主導で進めていくやり方の2つの進め方があることに留意すべきである。
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(1) 産・学・官それぞれの果たすべき役割
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国主導によるシステム開発では、「エネルギーセキュリティの確保」を目指した研究開発では、ウラン資源の有効活用を目指した高転換炉(FBRや低減速スペクトル炉)を代表とする原子力システムのフロントエンドからバックエンドまでの構想を国、及び国の研究機関がまとめ、大学や産業界の協力も得ながら要素技術を開発し、基本設計(システム設計、機器設計)を行うとともに、試験炉等の建設・運転を行い商業炉建設に向けた実証を行う。
一方、民主導によるシステム開発では、国及び国の研究機関は試験炉の設計・製作および試験・実証を通して産業界の育成(技術移転)を実施していくプロセスが望まれる。
次に、革新的原子力システムは、その性格上 開発の初期の段階では実用化の見通しが得にくいこと、実証段階では投資リスクが大きいことより、実用化のためには産業界が主導で国、及び国の研究機関が技術的、人的、及び資金的支援を行いつつ開発することが望まれる。
a. 産が特に果たすべき役割
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国が主導すべきものに対しては、産の役割は、
- 国、及び国の研究機関がまとめた構想、基本設計に基づき原子力システム、および機器の詳細設計・製作を行うこと。
- 試験炉の建設を通して早期に製品化技術を獲得し、商業炉としての成立性の見通しが得られた後を引き継ぎ、実用化を進めること。
- プラントの安定運転維持を達成するための要員の教育・訓練を実施していくこと。
である。一方、産が主導すべきものについては、産の役割は、
- 魅力ある構想の構築から、要素技術の抽出、これを基にしたプラントシステム、燃料サイクル概念の開発、基本設計、実証、および建設・運転までを担当し、中長期的に求められる要件を満足する革新的原子力システムを早期に商業炉として実用化すること。
である。
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b. 学が特に果たすべき役割
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学においては各教官のかなりの自由裁量のもとで研究と教育が行われている。革新的原子力システムの開発を考えた場合、研究の方に大きな比重がかかるが、教育においても革新的原子力システムを将来担える人材の供給に配慮すべきであるし、学生に夢を与えることからも革新的原子力システムの教育にはそれなりに力を注ぐべきである。研究が重要であると述べたが、ミッション性の高い国や利潤追求せねばならない産に比べ、また日々のルーチン研究の多いこれらに比べ、学では自由な発想のもとで、多様な研究をするのに適している。この意味で産、国に比べ独創的で真に革新的なアイデアの供給が望まれる。
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c. 国が特に果たすべき役割
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国が主導すべきことについては、国の役割は、
- 要素技術開発の人的・資金的支援
- 実用化に向けた試験炉、実証炉の建設に対する政治的・資金的支援
- 実用化に向けた法令・規格・基準の整備
である。一方、民が主導すべきことについては、国の役割は、
- 立地活動に対する支援
- 実証のためのデータ整備に対する支援
- 開発資金の援助:成立性が見極められ(基本設計完了)、実用化に相応しい概念に対する開発資金援助及び確証試験に対する資金援助
- 実用化に向けた法令・規格・基準の整備
である。
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(2) 社会的受容性の向上
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産の分担は、社会的受容性の向上について、産業界として3つの観点からの対応が必要である。まず、高度な技術を駆使した高い安全性と信頼性を持ったシステム、コンポーネントの製作、およびプラントの設計・建設と、適切な運転・保守要員の教育・訓練によって原子力システムの安定した運転を長期にわたり継続することである。
また、発電以外の分野として水素製造、熱供給、RI製造など原子力の有効利用の観点から幅広い応用範囲を開発し、社会への貢献を広く示すことが必要である。
更に、革新的原子力システムであることから、在来とは異なる冷却材、安全システム、熱変換システムなど社会になじみの薄いものが出現する。すなわち、これまでの生活環境で不慣れなもの、それの影響を判断しがたいものとなるので社会の容認度は低いものとなることを十分配慮する必要がある。したがって、革新的原子力システムはエンドユーザに魅力的であることに加えて、革新技術の適用に際してはこれらを技術的に克服するとともに、非技術的分野における社会の受容性を意識し、社会的受容性向上に向けた努力が必要である。
学の分担は、独創的で真に革新的な社会的受容性を向上させる革新的原子力システムのアイデアを供給することである。これは研究開発初期において決定的に重要な貢献をする可能性を秘めており、極めて重要である。但し国や産からなる開発主体がはっきりし、開発が進んだ段階においても要素技術等において独創的で革新的なアイデアを供給することも重要である。
国の分担は、原子力エネルギーの利用分野拡大に大きく貢献する革新的原子力システムの研究開発、試験炉や実証炉による安全性の実証や要素技術開発を通じて、安全性を判り易く実証し、多様な利用形態を実証するだけではなく、立地地域に対する電力会社等の草の根運動的広報活動を直接・間接的に支援することにより、広く国民との対話を行いつつ信頼関係を醸造し、原子力エネルギー利用についての国民の理解促進に努めることである。
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(3) チェック&レビュー
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産・官・学が各々の得意分野で要素技術開発を分担し、それらを統合してシステム、プラント製品に仕上げる形態をとることが効率的であることが、研究開発の各段階で責任主体(国の研究機関または産(メーカー))がチェック&レビューを受けることが技術的成立性、コスト、市場性、社会的受容性の見極めの観点から必要である。
チェック&レビューの時期は、@製品イメージの段階、A要素技術開発の完了段階、B基本設計(システム設計)完了段階、C確証試験の計画およびD完了段階の5段階程度が望まれる。
学の分担は、学識経験者の立場及び中立的な立場から評価助言すること。
| (a) | 安全性、環境適合性、核拡散性等に関し専門家の立場から評価する。
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| (b) | 研究体制や計画に無理がないか研究者の立場から検討する。
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| (c) | 取り入れるべき技術や知識が充分に取り入れられていない場合は助言する。
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| (d) | 進んでいく進路が適切であるかどうか議論する。 |
国の分担は、国が資金的な援助を行った研究について、その成果が将来に向けた国の長期的なエネルギー源確保の観点から、有効活用されているかどうかについて評価することである。
| (a) | エンジニアリング段階まで開発が進んだとしても産業化の見込みがあるか、特に社会的設備に対する社会的な容認の観点からの見極め。
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| (b) | エネルギーセキュリティの観点から予期せぬ開発リスクを見込み、多様な技術候補が採用され、引き続き開発される仕組みを整備する。 |
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2.4 開発の進め方のイメージ
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原子力は我が国のエネルギーセキュリティを担うとともに、将来の産業戦略となり得る戦略技術である。従ってその研究開発に当たっては適切な競争原理の下で関係機関の活性化を図りながら優れた概念・技術の創出と共に、産・学・官の協力・協調による効率的推進と国際的競争力の確立が重要である。
革新的原子力システムの今後の開発の進め方のイメージとしては次のようなステップで行うことが考えられる。
以下、各開発段階の開発内容について説明する。
なお、革新的原子力システムの開発及び実用化に当たっては、社会の要望に応え、社会から受容されることが必須である。従って、これらの開発は社会のニーズ、状況変化、評価に適切に対応し必要な見直し、フィードバックをかけられるよう柔軟性を持ちながら進めることが重要である。
[概念開発段階]
エネルギーセキュリティ確保には、高転換炉(FBRや低減速スペクトル炉)や増殖性によりウラン資源の有効利用を要として、経済性、安全性、環境負荷低減、核不拡散抵抗性等の基本性能に優れた原子力システムが求められる。この場合、原子炉はもとより再処理、燃料加工、分離・変換等幅広い分野の技術が必要である。一方、原子力の利用を一層拡大し、原子力産業の活性化を図る上では、発電設備容量の小型化や、短リードタイム等により、投資リスクを低減し対需要柔軟性により電力市場の拡大が考えられる。小型化した場合、スケールデメリットも顕在化するため、これを如何に克服するかに革新的技術開発の課題がある。また、固有の安全性により緊急退避不要性や高い核拡散抵抗性等により遠隔地や需要地近接等の立地拡大を図ることが考えられる。さらに、原子力は発電以外に水素生成、熱供給、有用RI製造、希少核種製造等多種多様のものが考えられ新しいビジネス展開が期待される。
このように、原子力の持つ優れた特性や新しい視点に立ったシステムの創出には従来にとらわれない自由な発想が重要であり、優れたアイデアや新しい発想の基に革新的技術や概念の開発が求められる。従って、概念開発段階においては、産、官、学を問わず広く自由な競争の下で研究開発が行われることが重要である。この段階において国の公募研究制度等により競争メカニズムが導入され、一層優れた技術やシステムの創出が促進され、開発が加速されることは重要である。
[開発プロジェクト段階]
開発プロジェクト段階においては概念開発段階で提案された技術、システムの中から成立性があり具備すべき開発目標を満たすと判断されたものについて基本設計が行われる。この際、製造技術等を含む基本設計に必要な要素試験、解析などが同時に行われ、実用化レベルに相当する経済性、信頼性の評価、確認が行なわれる。開発プロジェクトの進め方としてはエネルギーセキュリティの確保に関しては、燃料サイクル関連技術を含め長期に渡る研究開発を伴うものであり、開発の効率及び将来の実用化段階での技術移転等を考慮し国又は国の研究機関の基で関係機関の協力により集中して行われることが望ましい。一方、新産業創出技術開発に関しては国際的競争等機動的対応をする必要があり、先駆的企業体による開発(ベンチャー型)や複数企業の連合体による開発(アライアンス型)などが考えられる。
[実証試験段階]
革新炉システムの事業主体が確定すると、実用化に向けて実証試験段階に入る。実証試験段階においては選定されたシステムの基本要素を成す技術、機器の実規模条件下での実証試験が行われる。この段階を経ることにより基本的には革新的技術の成立性は確認され信頼性は確保されたものとなる。同時に商用炉の許認可等に必要なデータ等は整えられる。
この段階の開発の進め方としては、エネルギーセキュリティ確保については、原子燃料やサイクル技術等を含め試験は相当大規模となり、国又は国の研究機関を中心に関係機関の協力のもとに行われるべきである。一方、新産業創出についてはベンチャー企業やコンソーシアム企業体が主導的に推進するものであるが、国や関係機関の人的、資金的支援を受けながら進めることが望まれる。
実証試験段階を終えた革新的原子力システムについては採用技術の難易度等にもよるが、実用化に際して試験炉又は実証炉により建設・運転を含めた総合試験が必要になる場合があると考えられる。
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3. 革新的原子力システム概念(コンセプトブック)
3.1 コンセプトブック
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ここでは現在我が国で提案されている各種の革新炉の概念について記述する。次世代の原子力システムではそこから発生する燃料の取り扱いに対する考え方(方針、方法)を提示することは不可避なことであり、炉概念に加え付随する燃料サイクルについても記述することとした。一方、革新炉といってもエネルギーセキュリティの確保や、熱利用、水素製造などこれまでに実用化されていない分野での利用が考えられ、その目的に応じて炉型なども異なる場合があるため、その革新炉が目指す利用目的についても述べた。
各概念の記述にあたっては、その炉と燃料サイクルが持つ特徴とそれを構成する主要要素技術に加え、経済性のみならず、資源の有効利用性、安全性、放射性廃棄物処分に係わる環境負荷への影響、ならびに原子力システムをグローバルスタンダードとするために配慮が必要となる核拡散抵抗性の面からもその概念が持つ特徴を記述した。
さらに目的や利用形態により立地条件や炉の出力規模も異なるため、それらもできるだけ分かるようにした。又、革新炉の開発にあたっては、技術革新度や社会のニーズによっても、その実用化時期の見通しが異なるため、市場性に加え、1号基設置までのマイルストーンも記述した。
ここに述べた革新炉システムは現在提案されているものを取り上げたが、今後も新たな革新技術を取り入れたシステムが提案され原子力利用が拡大していくことも期待される。
なお、各コンセプトブックのシート上には、2.1の@〜Fで示した革新炉に求められる条件のうち、特に当てはまるもの3つを選んで記入し、分類の助けとしている。
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3.2 革新炉開発ポートフォリオマネージメント
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コンセプトブックの記載内容を参考に、ポートフォリオを作成する。
ex.
縦軸 実用化可能性 短期−長期
横軸 エネルギーセキュリティ確保−新産業創出


















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4. 国際協力について/新しい国際協力のあり方、あるいは、を目指して
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革新的原子力技術開発の目的のひとつは、我が国のエネルギーセキュリティーの確保であるが、これは広く一般的に原子力技術にいえることであり、また、また人類全体としての温暖化対策としても、アジア近隣諸国のエネルギー自給率向上によるエネルギー安全保障がこの地域の広い意味での安全保障となることから意義が認められる。
もうひとつの大きな目的として、原子力科学技術の多様な展開(新しい産業の創出)が議論されているが、グローバリゼイション、電力市場の自由化の動きは不可避であって、その中で原子力技術がそしてその開発が、国際的な技術としての評価や競争の洗礼を受けずに存在し続けるわけはない。いずれ我が国の原子力市場にも海外の企業が単独あるいは国内と手を結んで乗り込んでくるであろうし、またその逆も考えられる、あるいは考えなければならない傾向は一段と強まる。その意味で、革新的原子力技術開発が国際協力と密接にリンクしている所以である。
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4.1 基本的考え方
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我が国における革新的原子炉システム開発において、国際協力を行う際の基本的考え方、進め方について述べる。
(1) 国際協力の対象
何を協力して行うかについて、革新的原子炉システムに関連する国際協力を分類する。
a. プロジェクト ;研究開発における人的・資金的分担を行い、成果を共有する。
b. 国際基準作り等;世界共通の基準・規格を協力して作成する。
c. その他 ;自然・社会科学における研究、世界的公共性の高い技術開発、協力 が有効な技術開発等を協力して行い、人類の発展に資する。
なお、ここでは、プロジェクトを一つの達成目標を持つ体系的研究開発の計画・事業と定義している。
(2) 国際協力のメリット・デメリット
a. プロジェクトにおける国際協力
- メリット :少ない人的・資金的投資で、多くの成果を挙げることができる。
- デメリット:成果を共有するため、技術的優位性を喪失する可能性がある。
b. 国際基準作り等
- メリット :自国の基準を世界の基準に反映し、産業活動を有利に行える。
- デメリット:後発国の企業も、基準を守れば、競争に参加できる。
世界的流れの創出、デファクトスタンダード、国際貢献、将来の市場開拓など、国際協力の副次的目的・効果も考慮に入れるべきである。
(3) 技術の進展度
技術の進展度に応じて国際協力のメリット・デメリットの大きさが変わりうる。
我が国が技術的優位性を持つ分野・領域におけるプロジェクトの国際協力の実施は、成果を共有できること以上に、技術的優位性を喪失するデメリットが大きくなる場合がありうる。もし、技術的劣勢にある分野・領域では技術的に進んでいる他国のプロジェクトに参加することは、短期間に技術を吸収できると考えられる。
本来技術開発は他者との競争であり、技術立国を目指す我が国では、国際協力を行う場合には、分担のメリットが成果共有のデメリットに優っている場合である。その場合、技術移転や供与の短期的、長期的な分担のメリットも含めて考える必要があることは言うまでもない。
一方、我が国が技術的優位性を持つ分野・領域における国際基準作り等の国際協力の実施は、ある規定路線に後発国を従わせ、主要技術を特許等で抑えることにより、すでに確立された技術的優位性をさらに堅固にすることができる。技術的劣勢にある場合には、国際基準作り等への参加は、できる限り我が国に有利となるよう基準を作成することに全力が注がれることとなる。
(4) 革新的原子力システムの開発
我が国における革新的原子炉システム開発を、例えば核融合開発のような世界的共同開発とするのか、例えば燃料電池自動車のような世界的競争の下で行う開発と考えるのか議論のあるところである。
世界的共同開発は、世界的公共性が強いプロジェクト、まだ産業化までに期間を要する段階にある大規模プロジェクト、世界共同で進めるとの合意が得られたプロジェクトなどが対象となると考えられる。
一方、産業化を目前にしたプロジェクトは、一般的には他国との競争的な環境の下で行われている。技術立国を目指す我が国にとって我が国を代表する産業での国際協力は市場の拡大、確保さらには技術覇権の確立を意図するはずである。
世界的共同開発と競争的開発とでは国際協力の進め方が異なると考えられるが、実態としてはそのおのおのの性格の違いを認識して進めていく必要がある。
(5) 基本的考え方
国際協力を実施する場合には、個々の革新的原子炉システムにおいて、技術的進展度、世界的公共性、開発段階、さらには国際協力の副次的効果等の観点から、総合的にメリットがデメリットを上回るように国際協力を実施することになる。
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4.2 国際協力の進め方
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上記の基本的考え方に従い、各革新的原子力システムの進め方について記述する。また、現在の世界的規模の国際協力にどう対応するかについて記述する。
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我が国は原子力先進国の中で、比較的大きな開発計画と研究予算を今まで維持してきた世界でもまれな貴重な存在であって、そのおかげで、特に高速炉など新型炉開発のポテンシャルならびにモメンタムは大きい。この特質に基づく原子力技術の国際展開戦略を積極的に指向すべきではなかろうか。また、国際的な合意を得た原子力技術開発計画は近隣諸国のみならず、国内に対しても透明性があり、説明責任を果たしやすい。
米国エネルギー省のお声がかりで始まった第4世代原子力システム開発計画は、本年秋にはその対象とするコンセプト群の選定と関連する研究開発計画を策定することになっている。選定されるであろうコンセプトの多くは、将来の核燃料サイクルの確立を前提としたものであり、我が国の基本的な考え方とも一致する。またその技術評価の中で議論されてきた技術のいくつかは我が国発のものであり、また関連する試験施設や、試験炉など多くを我が国が保有している事実を忘れるべきではない。無論、既存の研究協力協定や、INPROのようなIAEAベースでの仕組みなども考えあわせていく必要があろう。
研究開発から試験炉、原型炉、実証炉と進むに従い、国際協力の形態も変化していくと考えられるが、ひとつのビジネスモデルとしては南アフリカ国営電力ESCOM社によるPBMR計画がある。フィージビリティースタディとして8千万ドルを集め、続いて実証炉兼初号基を作る予定である。このように、国際的に民間資金を集めつつ、多数基建設による事業の展開を図るビジネスモデルもある。
さらに革新的原子炉システム開発に関連して開発途上国への経済あるいは技術援助を通して、CDMなどの温暖化防止のための市場メカニズムへの革新的原子炉システム活用などへの適用努力、理解促進が考えられる。
また、革新的原子炉システム開発の国際協力は技術開発だけではなく、廃棄物やプルトニウムの共通広域的管理/利用計画への展開も大きくは視野に入れるべきと考える。
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今後の課題
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本報告書においてコンセプトブックとしてまとめられた革新的原子力システムについては、今後の経済社会の情勢の変化や国民の求める社会的ニーズの動向を見極めつつ、個々のシステムの技術的特徴や実現可能性などを判断した上で、そのシステムに最もふさわしい研究開発体制によって進められることとなる。
今後、革新的原子力システムの研究開発を進めるに当たっては、以下の項目について更に検討を進めていくことが必要であると考える。
(1) 産学官の連携を中心にした研究開発のあり方
厳しい経済状況の下、限られた資金、人材を投じて研究開発を効果的・効率的に実施するためには、産学官がそれぞれの役割を明確にした上で、有機的に連携を保ちつつ進めることが重要となる。そのため、産学官の緊密な連携を実施するための研究開発のあり方について検討を行う。
(2) 民間企業の研究開発を促進する制度のあり方
革新的原子力システムの研究開発においては、その成果を実用化につなげていくという観点から民間企業の積極的な参加が強く期待されるため、民間企業における研究開発を促進する制度について検討を行う。また、民間企業が革新的原子力システムの研究開発に対してインセンティブを持つためには、実用化されたシステムの市場開拓について配慮することが必要である。そのため、ユーザーが実用化されたシステムを利用することを容易にするための方策のあり方を検討する。
(3) 世界をリードするための国際展開のあり方
革新的原子力システムの研究開発を進めていくに当たっては、諸外国の研究開発と連携していくことが必要であるが、その際に、原子力の研究開発においては、我が国の研究開発活動が世界的水準から見ても活発であることを踏まえると、我が国がリーダーシップを取って進めていくことが期待される。そのための、国際展開のあり方について検討を行う。
更に、将来的には、これらのコンセプトブックで取り上げられた革新的原子力システムが開発されることが期待されるが、その際に、重点的に開発すべきシステムの考え方について整理していくことが必要になるが、そのための考え方について検討を行うことも考えられる。