原子力委員会 研究開発専門部会 革新炉検討会(第2回)議事録(案)

1.日 時   2002年 2月14日(木)16:00〜18:00

2.場 所   中央合同庁舎第4号館 4階 共用第2特別会議室

3.出席者

専門部会委員
 竹内原子力委員(研究開発専門部会部会長)、岡委員(座長)、清水参与、
相澤委員、饗場委員、井上委員、大瀬委員、小川委員、佐々木委員、
鈴木委員、早田委員、平井委員、松井委員、山下委員
原子力委員会
 藤家原子力委員長
内閣府
 榊原参事官、和田参事官、嶋野企画官、渡辺参事官補佐
文部科学省
 研究開発局 核燃料サイクル研究開発課 坂口課長補佐
経済産業省
 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 原子力政策課 森本企画官

4.議 題
(1)第4世代原子力システムの開発に係る取り組みについて
(2)革新炉概念の整理と検討
(3)革新炉概念に係る論点整理
(4)その他

配布資料
資料革第2−1号「革新炉検討会(第1回)議事録(案)」
資料革第2−2号「第4世代原子力エネルギーシステムの技術ロードマップ」
資料革第2−3−1号「電力中央研究所における乾式サイクル・金属燃料FBRと小型炉の
研究開発(電力中央研究所)」
資料革第2−3−2号「原子力中長期炉型戦略と日立の革新炉開発(日立製作所)」
資料革第2−3−3号「革新炉の開発に関わる検討(核燃料サイクル開発機構)」
資料革第2−4号「革新的原子力技術(革新炉)について(論点整理メモ)」

5.議事次第

(1) 第4世代原子力システムの開発に係る取り組みについて、松井委員より資料革第2−2号に基づき説明があり、概ね以下のとおり質疑応答があった。

(早田委員)3.3の「最も有望な原子力システム」の「有望な」というのは、どういう観点で議論されたものか。
(松井委員)「有望な」というのは、評価によって選ぶということだと理解している。但し、選んだ後は、その是非は問わないということになっている。
(山下委員)1頁目一番下の「核拡散抵抗性」のところで、"将来のシステムとしては必要ではないかもしれないが云々"というのは、将来的には必要ないということか。
(松井委員)原文の文章上はIf not necessary。必要ではない場合もあるということ。完全に必然なことと認識しているわけではないという意味の表現だと思う。
(井上委員)今後の原子力開発に対する位置付けを伺いたい。ここで6つから8つのコンセプトがセレクトされれば、それが今後研究開発されていくワールドスタンダードとなるのか。
(松井委員)そういうことを含めてこの場でご議論すべきかと思う。

(2) 革新炉概念の整理と検討について、井上委員より資料革第2−3−1号に基づき説明があり、引き続き山下委員より資料革第2−3−2号に基づき説明があり、最後に相澤委員より資料革第2−3−3号に基づいて説明があった。概ね以下のとおりの質疑応答があった。

(松井委員)意見ではないが、相澤委員の説明で、第4世代原子力システム国際フォーラム(GIF)の評価は、持続可能性、安全性、経済性それぞれがイコールウェイトと言われたと思うが、ウェイトは付けていない。
(岡座長)皆さんが開発費を得て産業化されるようになった場合、その後の展開−特に国際的な市場をにらんで、どのような戦略があって、切り札は何か−についての考え方をそれぞれの方にお聞きしたい。
(山下委員)私の革新炉サイクルシステムの移行期システム(低減速炉/先進再処理)は、日本の置かれている燃料サイクルをめぐる状況に対する一つの青写真という意味合いを持っている。従って、これ自身を海外へ展開するためには種々の観点でのブラッシュアップが必要。また、エネルギーの急増という観点を考えると、平衡期のFBRサイクルシステムはそれに対応できるシステムだと思う。もちろん移行期の低減速炉も市場があれば海外輸出も視野に入れている。
(相澤委員)FBRサイクルシステムについては、現在種々の形で国際協力を主にR&Dの部分で始めている。時間の経過とともに、設計作業についても役割分担あるいは協業化があるとは考えている。また、相手は限られるであろうが、その先の産業化についても、話合いが持てると思う。
(相澤委員)山下委員の資料で、基幹電源と多目的利用の2つに分けるのは理解できる。しかし、多目的利用について、原子力利用の主要部分ではないのでリサイクルは考えなくてよいと言われたが、リサイクルというのは必ずしもウラン資源だけで律せられない。最近はリサイクルの必要性が強調されているので、市場の中で優勢でないというだけで不要だとは単純に結論できないと思う。ところで、「移行期」、「平衡期」とあるが、これはどのぐらいのスパンで、何を尺度に考えているのか。また、9頁目に"燃料サイクルへの柔軟性確保"とあるが、これはどの様な視点でどの様な柔軟性を確保するのか。 また、それがこの低減速炉で可能なのか。
(山下委員)多目的利用のところは、廃棄物の転換という意味では考慮する必要はあるが、例えば燃料材としての再利用という観点では緩和しても良いのではないかという意味。表現方法については今後詰めたい。移行期システムの実用化時期は、大体2015年ないし2020年ぐらいが可能な時期かと思う。次に移行期については、最重要課題は経済性とフレキシビリティの問題。例えば6頁を見ていただくと、原子炉は同じでも、炉心を稠密化させて高速中性子炉心に出来るし、UO2あるいはMOXで高減速にして今の軽水炉に近い使い方も出来る。そういう中性子スペクトルの要求に対して柔軟に対応できれば、燃料サイクルの柔軟性を確保出来るという趣旨。
(鈴木委員)山下委員のご説明に関連して、15頁に試験炉とあるが、今の話では2010年乃至2015年までに実績を得るためには、それまでに試験炉を作るということのようだが、そのためには今提案されているような稠密な燃料では、健全性についてしかるべき期間をかけて試験する必要があろうかと思う。そういう開発計画のシナリオはあるのか。また、一体どこにマーケットを想定しているのか。
(山下委員)試験炉はある程度柔軟性を持って、炉心性能、炉内構造と成立性との兼ね合いで最終的な目標とする炉システムの実現を目指す。その中でいくつかのステップを分けて要素技術の確認が出来ればと思う。また、マーケットについては、他の炉も同じと思うが、なかなか見えて来ない。見えないが、こういう炉を日本として準備しておく必要性があると思っている。
(鈴木委員)マーケットの方は了解したが、時期について質問した意味は、試験炉を作るためには稠密な燃料集合体について数年間リードテスト用にアセンブリを作ってやらないと技術的には試験炉が出来ないのではないかという趣旨。その辺りのシナリオが先程の2010年乃至2015年には合わないように思われる。
(山下委員)ご存知の通り、稠密格子での熱水力試験や炉の基本的な反応特性試験などは随分以前に行われている。だが、炉内の構造をインテグレイトした形の試験は世界的に行われていない。そういう状況下で、少しずつステップを踏んで稠密にしていくという運用が必要になると思う。
(岡座長)やや実用化を強調し過ぎているかもしれない。このシステムは新しい。BWR技術で日本は最先端を行っているところはあるが、むしろ実用化した後の話は皆さんあんまり言わないのでそういう視点も必要だということで伺った次第。
(早田委員)相澤委員の資料の9頁(システム要素の特性と組合せの例)と10頁(特性を考慮したシステムの組合せの例)は、システムとして全体を考える非常に重要な視点だと思う。9頁の中で水大型炉とあるが、10頁では水大型炉についての記載がない。仮にこれを10頁に加えるとどうなるか伺いたい。また、山下委員の資料の15頁で、実用化の進め方とあるが、 山下委員の考えておられる全体のシステムを逆に相澤委員の資料の10頁に書き込むとどうなるか。また、先程の鈴木委員のご指摘はもっともだと思う。試験炉そのものが実用化の第1歩になるような形に出来ないかという検討を実は行っているところ。
(相澤委員)9頁には様々な選択肢について大所は押さえるよう拾っているので、水大型炉も残っている。一方10頁はこれしか考えていないわけではなくてもっとたくさんある。従って、水大型炉が原子炉にくる組合せも当然ある。但し、水大型炉を入れた場合の一つの特徴は、核燃料サイクル側の方にかなり負荷がかかるということになると思う。

(3) 革新炉概念に係る論点整理について、事務局より資料革第2−4号に基づき説明があり、概ね以下のとおり質疑応答があった。

(鈴木委員)前回、関本委員からも質問があったと思うが、コンセプトブックの検討にあたって、技術面についてどこまで検討し、どの程度まで妥当性の議論をするのかが未だ課題として残っていると思う。
(岡座長)コンセプトブックのまとめ方もこの議題で検討すべきことだと思う。よって、時間的制約で余り細かい話は出来ないことは、ご理解頂けるかと思う。
(竹内部会長)革新炉開発を何のためにするのかということと、日本で何をしなければならないのかという議論をもう少しやった方が良い。化石燃料が燃料に使えなくなって、原子力しかないという時に、我々は国として何を用意しておくか。これも議論の切り口だと思う。また、日本は軽水炉を電源として3,40年使ってきており、使用済み燃料やプルトニウムを保有している。したがって、革新炉は使用済燃料の環境負荷やプルトニウム再利用、ウラン資源は使わない、といったことにマッチした物が必要だと思う。そういう場合、最終的には高速増殖炉になるかもしれないが、新しいバトンタッチとなる炉をどこかに作る必要があるのかどうかという議論もすべき。低減速炉のようなものが必要かどうかなどというマクロな議論を一度行った上で、コンセプトブックとして何をまとめるかという議論をしたほうが良いと思う。
(山下委員)私も竹内部会長のお話に非常に同感で、日本の基幹エネルギーとしての原子力と多目的利用を分けて、そのミッションを認識し、開発投資の配分を考えるべきだと思う。そして、低減速炉については、これまでの各委員のご発表、各社の検討状況に鑑み日本としてある程度のコンセンサスはほぼ出来つつあると思う。
(清水参与)ナショナルセキュリティーの話は大事なことであるが、新しい原子力産業の開発、今でいう産業の構造転換の視点が必要だと思う。また、革新的なシステム概念を作るときには、併せて実用化の戦略を議論する必要がある。私の意見では、やる気のある民間企業が力を出せるような体制を組むのが必要で、他に国際協力、特にアメリカとの協力をどうするかということも議論すべきだと思う。
(相澤委員)この資料に対して何点か意見を述べたい。まず、1. 開発の視点に関しては、検討の過程で原子力長計との整合性を取ることが必要。次に2. システム概念の2番目にサイクルが大事と書いてはいるが、実際は別紙を見てもほとんど炉のことが書いてある。同様の視点で別紙を見てまず感じたことは、そもそも革新炉のコンセプトを検討整理する際に、類型化指標を用いてすべてやるのがよいのかどうかということ。玉石混交では困るので、評価という視点は持つべき。社会的受容性の(1)の中で、いろいろ類型化の視点を挙げているが、これらは客観的な評価を行った上で整理する必要がある。例えば、熱力学的指標などは必要ないのではないか。また、3.では実用化時期を細かく分けているが、こんなに細かな世代交代となるのだろうか。実用化見通しや技術的成立性見通しの観点で整理するような工夫が必要である。また、サイクルとのトータルで評価することが大事である。最後に、コンセプトブックの検討は後でやりましょうと竹内部会長から言われたが、その際には何のために、どういう目的でやるかという議論を最初にすることが必要。
(事務局)ここでいう類型化の指標は専門委員の皆様からお示しいただいたものをあくまで一例としてまとめたもの。また、コンセプトブックというと炉のコンセプト、炉の評価というものを前提に考えてしまうが、むしろ、例えば開発の視点のところにあるような政策コンセプトについてまずご議論頂くことが重要かと思う。技術的側面からのみにより炉の類型化をしてしまうと、炉を定量的に評価するような話になりがちである。そのような評価の仕方もあるかと思うが、社会的な受容の側面から類型化をするというのであれば、定量的評価を必ずしも用いない方法もあると思うので、そういう提案も含めた資料のまとめ方としている。
(相澤委員)炉型とサイクルは全体のシステムとして評価をするという視点が大事である。また、私は定量的なやり方以外にも方法はあると思っている。しかし、何れにせよ評価の視点を総合的に持って、整理すること抜きで、評価もなしにただ束ねるということではいけない。2.の(1)に書いてあるのは社会的な指標も要素を見れば技術指標である。そのようなものをきちんと考えて評価指標を整理すべきである。
(平井委員)この革新炉を長計のリサイクル路線の範囲内でどう見るのかという問題と、多目的炉をサイクルから切り離したグループで見るかという問題があると思う。そこを強制的に全部込みにすると非常にまとまり難い。また、サイクル路線をしっかり守っている時に、どのような革新炉があるかを一度検討してはどうか。それから戦略としては、日本は今後長期に渡って原子力を推進していくが、日本が先導的になって他の国ではやらないこともやることとなる。そういうことを意識した中で社会的受容性を考えた場合、まずはいきなり大型の炉を建設するのではなく、ある程度国民に親しみやありがたみを持ってもらう形でのアプローチもあると思う。時間軸を念頭に置いた戦略を立てるにあたって、革新炉をどのように取り入れていくかという検討の仕方もある。
(竹内部会長)日本では長年の原子力研究でたくさんのシーズを持つ国になっている。ただし、そのシーズはどこに使うのか解らないものかも知れない。しかし、原子力分野での産業を活性化のためには、これは何かに使えないか、という意識を持った開発は是非とも進めなければならない。また、日本は30年以上軽水炉路線で電源の2,3割を賄っており、使用済燃料を将来どうするか考えないといけない。将来的にウランは70年で無くなると言われているので、日本がシェアできるウラン資源にマッチするような炉がどのようなものか、あるいは途中でリレーする炉が有るか無いか、またその転換期はいつ頃であればどの様なバランスとなるか、そのような議論を一度した後にコンセプトブックについての議論をすれば良いのではないか。
(井上委員)最初から炉型や指標をたくさん並べてみても、まとめるポイントがわからないと思う。基本的には、何のために革新炉を推進し、なぜそれが必要なのかということについて、まず統一した認識を持たないと、議論がまとまらないと思う。
(鈴木委員)私はコンセプトブックあるいはこの革新炉の検討は、現在の閉塞した状況を踏まえて原子力の将来ビジョンを、国民にわかり易く理解できるように示すことが大きな役割だと思う。類型化の例については、社会が原子力に希望するもの、といった切り口で類型化の指標をいくつか提案した。
(佐々木委員)コンセプトブックが出来たあとに、それをどのように使って、逆にそこから先どのような形でこのビジョンを実現していくのかがはっきりしないが、それによって類型化自身もやり方が変わってくる。その点を明確化して欲しい。
(岡座長)日本のコンセプトブックをどうするかであるが、今鈴木委員からあったように、どう使うかということが解り易いことが重要だと思う。しかし余り詳細には記載できないので、載せられないものについては引用していくということになると思う。また、類型化については今いろいろ重要な議論が出ているが、類型化すると特徴を殺してしまうようなところがあって、そこは工夫しないといけない。炉の概念以外のところ、技術的特徴、市場といった視点で類型化というのはあるかもしれない。
(井上委員)コンセプトブックは今ひとつ概念がはっきりしないが、基本的にGEN-IVや実用化戦略研究でやっていることと同じことをしても意味がない。だから、何をポイントに作るかも最初に議論する必要がある。
(岡座長)私は、やはり皆さんががんばっているのをサポートするようなものでないといけないと思う。お互い妨げあわないようなものでないといけない。だから評価の視点も多様であった方が良い。今、燃料サイクルについて意見が分かれているが、それは両方あったほうが良いと思う。国としてどう関わるか、予算をどうするかはまた別問題。R&Dは共通化できるところは共通化すれば良い。
(平井委員)コンセプトブックを作った後を考えたい。コンセプトブックとは、どの様なシーズが有るかまとめ、日本としてあるべき方向性やそこから出てくる要求を示すインデックスというものであるとすると、この検討会はパート1でコンセプトブックを作るまでをして、その後パート2で将来どう有るべきかについて検討するのか。
(竹内部会長)最初にコンセプトブックありきの議論をすると、言語が無いのに辞書が有るというようなことになるので、まず革新炉とは何かを決めなくてはならない。また、革新炉について世の中では様々な捉え方をされているので、そのような意味でPRすることが必要である。それで、繰り返しになるが、革新的な野望を持って原子炉を売りたい、つまり、原子力産業を活性化するためのシーズについての縦軸の議論と、日本の核燃料サイクルを長期的にどうするかという横軸の議論がある。今はどちらかというとシーズ志向で、マージャンでいうと国士無双のようにバラバラに並んで、一気通貫みたいなのがない。21世紀を一気通関で見たような議論を少しして頂かないと、国士無双ばかりではなかなかあがれないと思う。
(岡座長)今日の議論はまた次回も続けたいが、国の果たす役割についてももう少し議論していただきたいと思うので、またご意見を頂きたい。

(4) その他
事務局より以下の説明があった。
(事務局)この部会については、議事は公開されており、議事録についても概要版を事務局で作成し、委員の方々にご確認をいただき、了解を得られたもので公開したい。なお、次回の検討会の開催については3月13日(水)で調整中であるが、正式なご案内は後日差し上げたい。

以上