第4世代原子力エネルギーシステムの技術ロードマップ
ロードマップレポート概要、第1次草稿骨子
2002年、1月

1.ヴィジョン

1.1拡大する原子力の役割

 半数が貧困に喘いでいる現在の60億の民は2050年には100億となり、すべてが生活向上を目指す。清浄、安全、経済的でかつ地球温暖化を抑制するエネルギー生産手段を確保する必要がある。

 現在、世界に438基の原子力発電所があり、17%の発電を担っている。今世紀には発電以外にも利用拡大、輸送用の水素、海水脱塩など。

 先進国、発展途上国を問わず世界の諸国は、もしエネルギーセキュリティが環境を損なうことなく確保すべきならば、原子力の利用拡大が必要と信じている。

1.2 拡大する役割に対する挑戦

 原子力の廃棄物;リサイクルのワンススルーに対する優位。高速炉の特性。処分場が運転されるまで、原子力発電の長期的可能性は疑われ続ける。

 安全性;チェルノビルならびにテロ攻撃に対する脆弱性など、しかし原子力発電の安全性と環境影響の実績は優秀。一般には、危うく、危険で汚染技術とみなされている。将来大きな役割を果たすべしとするなら、潜在する危惧に対応すべき。

 経済性;既設プラントは十分に競争できるが、新設は東方の数カ国をのぞいて、広範の興味を助長するほど経済的ではない。

 拡散抵抗性;現在民間は十分に保護されているが、将来のシステムとしては必要ではないかもしれないが、高度の抵抗性は特に利用が世界的に拡大するとするなら、有利となろう。

2.技術ロードマップ概要


2.1 第4世代ロードマップへの参加者

 第4世代国際フォーラム;GIF:、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、フランス、日本、韓国、南ア、スイス、英国、米国

 既存炉の多くが寿命となる2030年以前に広範の実用を可能とすることを目的

 世界の原子力エネルギー研究計画は第4世代の基礎となるコンセプトを開発してきていて、GIF諸国の協力強化によりその実現に向けて前進

 2000年初頭に、米国は技術ロードマップの策定をGIFに提案。ロードマップ作業とは合意を取り付けつつ、大規模研究開発計画と実施をマネージする方法。米国ではエネルギー省が原子力研究諮問委員会;NERACの諮問により実行。米国外のGIF諸国の専門家が約半数のプロジェクトチームが、NERAC内の分科会の監督ならびにGIFの勧告と情報により策定。

2.2 第4世代の目標

 目標の目的;システムの評価、比較の基準、革新的なシステムの探求を助長、研究開発に刺激を与える

 2000年5月の国際ワークショップ、8月のソウルGIF会議での議論を踏まえ、目標のドラフトが分科会により作成され、その後NERACおよびGIFが承認(2001年3月)。

 八つの目標が持続可能性、安全性と信頼性、経済性の三つに分類。

 持続可能性とは、遠く将来にわたる社会の要請にこたえるべく将来世代の能力を破滅させずに強化しつつ、現代世代の要請にこたえる能力である。

 資源の節約、環境の保護、将来世代がそのニーズに対応する能力の保全、および正当化できない重荷を負わせないことが必要。効率的な燃料利用とエネルギー製品、廃棄物管理、拡散抵抗性
持続可能性―1;清浄大気の目的に合致し、システムの長期的な利用可能性と世界全体のエネルギー生産にとって効率的な資源利用を促進
持続可能性―2;廃棄物を最小化し管理、とくに将来の長期的な世話の重みを減じ、人々の健康と環境の保護を改善
持続可能性―3;兵器利用可能原料の拡散と盗難にとって魅力がなく、かつもっとも望ましくないルートである保証の増大

 安全性と信頼性は原子力システムの開発と運転にとって必然の優先事項である。
 安全性の裕度、事故の防止、重大事故防止と同時に高度の信頼性が要求される。三つの目標は安全性と信頼性の向上というトレンドを継承しかつ、安全で重大事故とその被害を最小とする設計と言う規制政策と調和する。
安全性と信頼性―1;安全性と信頼性においてぬきんでている
安全性と信頼性―2;大変低い炉心損傷頻度と程度
安全性と信頼性―3;サイト外緊急時対応の不要

 経済的競争力は市場における要求事項であり、必須である。
 今日の原子力発電プラントはおおむね、保護された公共ないし民間によって購入され、運転されてきたベースロードである。将来の原子力システムは種々の所有形態に対応し、また分散電源としての利用も予期すべき。不可追従や小型プラントを含む多様な役割やオプション。
経済性−1;生涯コストの他のエネルギーシステムに対する明らかな優位性
経済性−2;他のエネルギーシステムと比較できるようなレベルの財政的リスク

2.3 第4世代ロードマッププロジェクト

 第4世代候補の公募に対して、世界中から約100件の応募

 コンセプトの分類、評価、さらには選択されたコンセプトの研究開発計画作成のための技術WG;水冷却炉、ガス冷却炉、液体金属冷却炉、非古典炉

 横断的課題検討WG;燃料サイクル、経済性、リスクと安全性、燃料と材料、エネルギー製品

 100名以上が参画、GIF諸国、OECD/NEA、IAEA。米国NRCと国務省がオブザーバー参加

2.4 評価方法

 個々のコンセプトが目標に到達できるポテンシャルを評価する一貫した共通の評価方法が求められる。目標に関する性能を表す因子、基準、を定式化し、定量化された尺度、メトリックス、により評価。将来の研究開発の不確実性により、メトリックスは確率分布で表現。それぞれの目標はおのおののメトリックスを合成してスコアとする。ついでそのスコアも三つの目標別に結合。

 最終選考法はNERAC分科会およびGIFによる議論で

2.5 短期導入

 第4世代を補完して、2010年までに米国で導入する施策と候補を検討

3.ロードマップで見出されたこと

3.1 燃料サイクルと持続可能性

 WECおよびIIASAによる21世紀エネルギー予測に基づき、4種の燃料サイクルオプションを比較

 ワンススルーでも今世紀半ばまでウラン資源は持つが、廃棄物処分場のスペースが問題となる。

 核種変換、経済的な崩壊熱管理、柔軟な中間貯蔵、地層環境に合わせた廃棄体形状などの先進的廃棄物管理戦略は処分場の限られた容量を効率的に利用し、全体的な安全性を向上

 燃料サイクルはコストの約2割。経済性と安全性、信頼性の戦略と持続可能性の戦略の切り離し可能。

3.2 コンセプトの調査
水冷却原子力システム
1次系一体型
単純化BWR
圧力管型
超臨界水冷却
高転換炉
ガス冷却原子力システム
ペブルベッド
プリズマティック
超高温炉
ガス冷却高速炉
金属冷却原子力システム
ナトリウム冷却、酸化物燃料、先進湿式再処理
ナトリウム冷却、金属燃料、乾式再処理
中型鉛ないし鉛ビスマス冷却
小型鉛ないし鉛ビスマス冷却
非古典的原子力システム
溶融塩炉
高温溶融塩冷却炉
ガス炉心

3.3 もっとも有望な原子力システム(複数)

3.4 推奨される研究開発計画

3.5 結論

3.6 第4世代ロードマッププロジェクトチームメンバー