革新炉に係る文部科学省の取り組み(公募型研究制度)について

平成14年1月
文 部 科 学 省

1.平成14年度文部科学省原子力関係予算案について

○基本的考え方

(1)科学技術基本計画及び原子力長期計画の実現に向けて

 科学技術の振興の観点からの原子力行政に責任を持つ文部科学省としては、「科学技術基本計画」及び「原子力長期計画」の実現に向け、高速増殖炉サイクルのための研究開発、核融合研究開発、加速器等の原子力科学技術を推進。

(2)原子力研究開発システムの変革
 政府全体の予算が厳しい状況にある中で、原子力についても、政策ニーズに照らした事業の再評価や、事業の一層の効率化、重点化を図るとともに、優れた成果の創出・活用のため、競争的研究開発や産学官の連携を促進するための研究開発システムの変革を行う。

(3)大学、教育等との連携
 省庁再編を契機として、日本原子力研究所、核燃料サイクル開発機構等の研究機関と大学及び大学共同利用機関等との連携を図るとともに、原子力に関する教育への取組を行う。

(4)新たな国際的な動向への対応
 米国のエネルギー政策の見直しや、国際的な革新的原子炉研究への取組などの動向を的確に捉え、次世代の革新的原子力技術開発等への取組を推進。

2.産学官連携による革新的原子力技術の開発(公募型研究)について

(1)背 景

(2)目 的

 公募による競争的環境のもと、産学官のポテンシャルを最大限発揮できる環境を整備し、革新的原子力技術の研究開発を実施。これにより、原子力の基盤的研究における産学官の連携の強化や関連技術の涵養を図るとともに、将来期待される革新的原子力技術に関する検討を実施。

(3)開発分野

a. 革新的原子炉技術開発(35億円)
 高い安全性、経済性等を有する革新的原子炉等の研究開発について、第4世代原子力システム開発に係る取組等諸外国における動向にも留意しつつ、戦略的な取組を実施。

b. 核燃料サイクルシステム技術開発(19億円)
 従来の先進的な核燃料サイクルに関する技術開発事業を抜本的に見直し、核燃料サイクル開発機構における実用化戦略調査研究との連携を図りつつ、先進的な核燃料サイクルの技術開発を戦略的に実施。

(4)開発期間・事業規模
1課題につき、概ね、3〜5年程度。
(革新的原子炉)  大課題:約5億円、小課題:約1億円程度
(サイクルシステム)約2億円程度

(5)実施機関
 産学官のポテンシャルを幅広く活用するため、企業、大学、特殊法人、独立行政法人、公益法人等から公募。

(6)選定・評価
 有識者により構成される検討会において、選定・評価を実施。

3.革新的原子力技術の開発(公募型研究)のポイント

(1)明確な研究開発の方向性に沿った多様なアイデアの吸い上げ

 革新的な原子力技術を検討するにあたっては、公募による競争的環境のもと、産学官の多様なアイデアを効率的に吸い上げるとともに、総花的な取組ではなく、明確な研究開発の方向性に沿って事業を実施することが必要。このような観点から、現在原子力委員会で検討が進められている革新炉の取組内容を踏まえて事業を実施。

(2)産学官の連携強化
 技術開発を自ら実施する研究機関、企業、大学等の連携チームが基本。 また、連携チームの総括代表者(機関)を設定し、総括代表者(機関)を中心とした連携チームにおける情報交換や円滑な研究開発実施のため、連携チームにおける研究推進委員会等を定期的に開催。
 また、本制度による競争的資金を獲得した連携チームにおける研究開発環境の改善や連携チーム全体の機能の向上に活用するため、30%程度の間接経費を確保。

(3)厳格な研究開発評価の実施
 課題の選定にあたっては、有識者により構成される検討会を設置。また、適時に中間評価を行い、検討会が別途定める評価基準に照らして継続する意義の薄い課題については大胆に絞り込みを実施。

(4)国際的な研究開発との連携
 欧米その他革新的原子力システムの研究開発を推進する国の研究開発機関や革新的な原子力システムに関する国際コミュニティーであるGIF (Generation W International Forum)等の国際的な取組と整合性のある研究開発を実施。
 また、得られた成果については、GIF 等において積極的に発信。