原子力委員会 研究開発専門部会 革新炉検討会(第1回)議事録

1.日 時   2002年 1月10日(木)13:00〜15:00

2.場 所   中央合同庁舎第4号館 2階 共用第3特別会議室

3.出席者

専門部会委員
 竹内原子力委員(研究開発専門部会部会長)、岡委員(座長)、秋山参与、
 清水参与、相澤委員、饗場委員、井上委員、大瀬委員、小川委員、佐々木委員、
 鈴木委員、関本委員、早田委員、平井委員、松井委員、山下委員
原子力委員会
 遠藤原子力委員長代理
内閣府
 浦嶋大臣官房審議官、榊原参事官、嶋野企画官、渡辺参事官補佐
文部科学省
 研究開発局 原子力課 中西課長、核燃料サイクル研究開発課 坂口課長補佐
経済産業省
 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 原子力政策課 森本企画官

4.議 題
(1)革新炉検討会の当面の進め方について(検討用たたき台)
(2)革新炉に係る関係省庁の取り組みについて
(3)内外の革新炉研究開発について
(4)革新炉概念の整理と検討
(5)その他

配布資料
資料革第1−1号  「革新炉検討会の当面の進め方について(検討用たたき台)」
資料革第1−2−1号「革新炉に係る文部科学省の取り組み(公募型研究制度)について」
資料革第1−2−2号「革新炉に係る経済産業省の取り組み(公募型研究制度)について」
資料革第1−3号  「革新炉の開発状況[概括]」
資料革第1−4−1号「将来炉開発への取り組み(三菱重工業)」
資料革第1−4−2号「革新的原子炉の研究開発(日本原子力研究所)」
資料革第1−4−3号「東芝の革新炉開発(東芝 電力システム社)」
参考資料第1号 研究開発専門部会 革新炉検討会の設置について
参考資料第2号 原子力委員会 第1回研究開発専門部会記事録

5.議事次第
(1)開会にあたり、冒頭、会長より挨拶が行われた。

(2)革新炉検討会の座長として、岡委員が選任された。

(3)革新炉検討会の当面の進め方について、事務局より資料革第1−1号に基づき説明があり、概ね以下のとおり質疑応答があった。

(早田委員)革新炉の概念整理に当って、10年から15年以内に実用化という目標を仮に掲げたということだが、この数字には何か意味合いがあるのか。また、コンセプトブックとして取りまとめた後どうするかについては、今後この会議で検討するのか。
(事務局)研究成果を目に見える形で示すことも考えると、ターゲットが30年のものでも10年ごとにブレイクダウンすることが可能かと思う。従って、仮にそういう区切りを置いた時に、それ以後の開発が必要なのか、あるいは非常に短期を目指して出来るのかというような検討を行うこともやり方の一つであり、その一つの目安として、10年、15年という切り口もあるのではないか。また、コンセプトブックの取扱いは、本検討会が研究開発専門部会の下に設置されているため、研究開発専門部会或いは原子力委員会での議論も必要。コンセプトブックの使い方については、関係省庁の施策への反映も考えられるが、これについてもここでご議論頂ければありがたい。
(関本委員)かなり短期間で議論する必要があるが、出席の委員からたくさんのアイデアが出てくると考えられるので、委員から資料を提出して頂いて、それを事務局で整理頂いてから議論してはどうか。
(事務局)そのような手法もあると思う。また、何人かの先生にプレゼンテーションをお願いし、その時の議論については議事録としてまとめるとともに、論点の整理を適宜行いたい。
(清水参与)革新炉の開発の議論には、革新炉のシステム概念の構築だけでなく、革新炉の市場の開発が必要である。ニーズのポテンシャルや、原子炉を適用する際のメリット等についての調査・分析は必要であるが、この中にそれが含まれていると考えてよいか。
(竹内部会長)審議の過程でのシーズとニーズの議論だと思うが、将来的には海外への輸出や国内での建設を目指すべき。いずれ議論の後半で、世界や東南アジアといった市場を意識して、利用目的に対してどういうメリットがあるかという議論を行い、発信しなければならない。
(相澤委員)2頁目から3頁目に書いてある具体的な検討の進め方に関して、全般的には異議は無いが、この検討の中には核燃料サイクルも含めるという定義からすると、こうした検討をどう取り込むかについて具体的な記述が無いが、これを意識して書き表した上で検討することを確認した方がよい。また、炉概念を類型化すると書いてあるが、原子炉だけだとそんなに種類は無いが、核燃料サイクルを含める場合、組合せは非常に多くなる。これを概念毎にどう整理するかについては、最初の段階である程度議論しておいた方が良い。
(井上委員)核燃料サイクルを前提に考えて、炉・燃料を検討する方が、整合性の取れたシステムが組めると思う。炉概念を類型化する場合は、必ずその後のサイクルをどうするかについても重点を置いて検討して欲しい。
(竹内部会長)21世紀を展望すると、原子力利用のサイクルがどういう方向に向かうのかという議論を今後2回目か3回目の検討会で紹介してもらいたい。
(平井委員)先程清水参与が言われたような市場の開発については同感であるが、例えば各委員から紹介される革新炉についての将来展望、推進戦略等が併せて説明されることになっているか。
(事務局)そうして頂ければと考えている。
(佐々木委員)コンセプトブックが出来た後の検討の方向性を示して頂けると有り難い。
(竹内部会長)コンセプトブックという話が出たので、スタートからたくさんのご意見を頂けたのだと思う。このコンセプトブックのまとめ方についても、一通り議論したところで整理方法についてのご意見を出して頂いて、そのフレームに合わせた方が良いと思う。
(岡座長)それぞれの概念に特徴があるので、ある一つの見方で全部を評価するのではなく、燃料サイクルもその一つだと思うが、特徴を生かして整理すべきではないか。概念の整理に特化するのではなく、革新炉に期待されるブレークスルーをもたらすという視点や市場の開発といった点も含めて議論できればと思う。
(鈴木委員)開発主体の観点からの整理のみならず、社会が求めているものについて、我々がどう理解をして、それにどうこたえていくかという観点の評価や開発のあり方についての整理も重要。
(小川委員)コンセプトブックについては、社会の受容性ということを考えれば、一般社会への発信も考えていくべき。
(事務局)あらゆる形で社会に対して情報発信をし、それに対する反応を見て、また必要な発信方策の検討を行いたいと事務局では考えている。

(4)革新炉に係る関係省庁の取り組みについて、文部科学省 中西課長より資料革第1−2−1号に基づき説明があり、続いて経済産業省 資源エネルギー庁 原子力政策課 森本企画官より資料革第1−2−2号に基づき説明があった。概ね以下のとおりの質疑応答があった。

(清水参与)文科省の公募事業では、サイクルシステムを開発するのではなく、要素技術を開発するとのことだが、要素技術とはどの様なイメージのものを言っているのか。また、一般的にはシステムの概念がまずあって、それに必要な要素技術を開発するという順序になると思うが、順序についてはどの様に考えているのか。
(中西課長)具体的な技術で今思いつくのは、先進再処理方法としての乾式の再処理技術、先進燃料製造法としての振動充填法、或いは中性子による核変換、陽子による核破砕、マイナーアクチニド(MA)低減のための技術開発等がある。また、システムと要素技術の順序は、ご指摘の通りシステムが先にあって議論されて、そして要素技術が抽出されるという順序かと思う。
(早田委員)文科省の資料で、原子力委員会における革新炉の検討については、先進的核燃料サイクルを含むということが明記された方がよい。また、公募のテーマは当初はオープンだと思うが、将来的に例えば活性化したい分野を決めて公募するということがありうるか。それから間接経費はこの予算の内側に入るのかどうか。
(中西課長)この検討会で有望なものが示されれば、それを設定して公募するというのが理想形だと思う。革新的原子炉技術或いはサイクルシステムであれば何でもどうぞ、というよりは、有望なシステム概念が提示されれば、それを設定した上で公募にかけるという段取りを考えたい。また、間接経費30%は内数である。
(森本企画官)方向性については、実は2年間運用してきた中で、毎回審査委員会等で議論になる所であり、この検討会での結果は我々としても重視していきたい。ただ、1課題1億円3年間というのを基本形とすると、非常に有望なものが出てきたときの次のステップはどうするかとか、逆に小さなものは無いのかという議論がいつも出てくるので、方向性については引き続き検討していきたい。
(関本委員)文科省の資料について、原子力委員会の定める革新炉システムに関する目標に対し、文科省で炉型を詰めてから公募するのか、或いは原子力委員会の革新的システムの定義を文科省がリファインし、応募する者がそれに対して具体的な炉型の提案をし、それを実現させるための要素技術の研究を応募する、ということになるのか。
(中西課長)まだ確定的なことは不明だが、今念頭にあるのは、例えば経済性に着目するとこういった炉が非常に有効であるとか、小型炉としてはこのような炉型が非常に有望である、といった有望概念の提示があれば、そういった炉型を分野として設定したい。
(関本委員)了解。ただ、公募する側にかなり自由度を持たせて、いろいろなアイデアが出てくるような形にしていただきたい。
(井上委員)文科省と経産省における課題採択の整合性はどう計るのか。また、文科省資料の2頁目にある開発分野の"a.革新的原子炉技術開発", "b.核燃料サイクルシステム技術開発"で、b.のところだけ実用化戦略研究との提携を図りつつ、と特に書いてあるが、何か特別な理由があるのか。
(中西課長)b.の方にだけ記述があるのは、実用化戦略調査研究とこのサイクルシステム技術の開発資金は非常に密接に関連しているので書いたということ。また、2つの制度の整合性については、経産省の事業は実用化に非常に近いものをターゲットに公募・選定されていると思っている。我々は将来の実用化をにらみつつも、非常に技術開発の要素が多く、少し時間のかかる案件について、科学技術振興の立場から研究開発を実施するという役割に徹してこの制度を運用したい。そういうフェイズの違いはあるが、具体的な個々のテーマについては、省庁間で調整を図って重複などが無いようにしたい。
(森本企画官)中西課長のご説明通りであり、現在調整中である。
(鈴木委員)文科省の制度について、研究機関、企業、大学の連携チームが基本と書いてあるが、これはかなり必須条件に近いのか。或いは大学と企業だけとか、組合せについての許容度はどの程度考えられているのか。また、GIFとの連携や、海外研究機関の連携チームに入ることについての考え方は如何か。
(中西課長)産官学の連携の推進、又は連携による効果的な研究活動の推進を目指しているが、三位一体でないと採択しないということではなく、組合せに係らず良いテーマは採用される。また、国際的な取り組みへの貢献をどの様に実現するかは思案中であるが、GEN-IV等の国際共同研究に対応するための研究開発については、優先度を上げて積極的に支援したい。但し、直接的な外国の研究者への委託は考えていない。
(相澤委員)文科省の資料の革新的原子炉技術開発の例示で、液体金属冷却炉の扱いがGEN-IVと異なる。液体金属冷却炉に係る炉技術開発については長年やってきているので、非古典的概念炉という範疇に入れるのはなじまない。
(中西課長)炉型や規模にとらわれないという事で様々な概念をランダムに並べただけであり、そういう意図はない。非古典的概念炉で念頭に置いているのは、加速器駆動型の原子炉等で、液体金属冷却炉はここに入らないと思うが、公募の念頭に置いていないわけではない。GEN-IVの中で何が抽出されるか、この検討会で何が示されるのか、よく見据えて分野設定をしたい。
(早田委員)両省の公募研究を併せると、全体で毎年80億円ぐらいの資金がある。世界的に見てもこれだけの規模で革新的原子力技術システムの研究をしている例はない。これを有効に使って、是非我が国の原子力技術の進展・展開に生かせるよう、行政庁の方にもご指導いただきたい。

(5)内外の革新炉研究開発について、資料革第1−3号に基づき大瀬委員から説明があった。

(6)革新炉概念の整理と検討について、饗場委員より資料革第1−4−1号に基づき説明があり、引き続き小川委員より資料革第1−4−2号に基づき説明があり、最後に佐々木委員より資料革第1−4−3号に基づいて説明があった。概ね以下のとおりの質疑応答があった。

(鈴木委員)小川委員の資料で、加速器駆動原子炉で長半減期の核分裂生成物(FP)やMAを燃焼させるという話があったが、同じことは高速炉でも出来る。役割分担についてはどう考えているか。
(小川委員)我々の提案は、FBRでは発電・プルトニウム消費に専念して頂いて、加速器駆動変換型の方で放射性毒性の低減だけをやるということも一つの選択肢と考えている。
(相澤委員)小川委員の資料でメリット・デメリットの評価を示しているが、これは最初の事務局の資料でいうメリット・デメリットの類型化の一つのサンプルかなと思う。ただ、もうすこしかみ合うためには、同一の指標や座標軸というものをベースにして、どうやって評価するかということについても議論した方がいい。また、佐々木さんの資料のポートフォリオなる概念図で、縦軸の革新度については何らかの判断で感覚的に設定できるとは思うが、横軸をリスクと開発期間に一括した上で値を設定するのは困難だと思う。
(小川委員)メリット・デメリットについては、おっしゃる通り、いろんな評価の指標があると思う。ただ、評価は相対的なものなので、相対的な基準も違ってくる、ということがこれからの議題となると思う。
(佐々木委員)相澤委員のおっしゃる通り、ポートフォリオは一般論という断り書きを入れて独断と偏見で書いたもので、これでダメというのはその通りだと思う。また、小型高速炉というのは一般名称ではなく、4S(Super Safe, Small and Simple)を発展的に改良していったものをイメージしている。そういう意味では、比較的実績のある技術+アメリカで実績ある金属ウラン燃料みたいな形でいくと、先ずリスクその他が比較的左よりになるというイメージで書いている、デジタルな量はない。
(岡座長)リスクというのは開発リスクか。
(佐々木委員)投資リスクも含めた開発リスクです。
(関本委員)それぞれの発表について、技術的・専門的な観点で客観的に見てどうであるのかという判断をどうするのか。今回はある程度までやっておいて、深くはもう少し突っ込んで議論するのかご検討願いたい。
(岡座長)今後検討したい。次回以降の発表は今日お願いできなかった方の中からお願いしたい。
(竹内部会長)関本委員もおっしゃった様に、この評価を技術的な問題まで含めてこの場で出来るか出来ないかを検討する必要がある。先ほどの発表のポートフォリオを見ていて感じたことは、将来的に国として行うことは何かということを議論しておくべきということ。国が将来的に何かしなければならないことは、恐らくはナショナルセキュリティーに結びつくような開発であろう。そうすると、ナショナルセキュリティーに結びつくような型式は、将来燃料サイクルも含めてどのようなものかという議論を別にしなければならない。
本日のような発表を一、二回続けて、コンセプトブックの整理の仕方や会議の進め方について委員の意見を聞いて軌道修正をしながら進めてはいかがか。その間に将来を見通したような核燃料サイクルやGEN-IVの紹介をしていただきたい。

(7)その他
事務局より以下の説明があった。
(事務局)この部会については、議事は公開されており、議事録についても概要版を事務局で作成し、委員の方々にご確認をいただき、了解を得られたもので公開したい。なお、次回の検討会の開催については、座長と相談の上、別途ご連絡させていただきたい。

以上