高速増殖炉サイクル技術の研究開発を巡る最近の状況

平成13年8月10日
文 部 科 学 省

 文部科学省では、平成12年11月に原子力委員会にて策定された「原子力長期計画」を踏まえて、エネルギー資源に乏しい我が国が長期的なエネルギー安定供給を確保し、将来のエネルギー問題を解決する技術的選択肢として最も有望なものとして位置付けられている「高速増殖炉サイクル」の実用化に向けた研究開発を、高速増殖原型炉「もんじゅ」及び核燃料サイクル開発機構が中心となって進めている「実用化戦略調査研究」を相互に活用し、効率的に進めていくことにしている。

1.高速増殖原型炉「もんじゅ」を巡る最近の動向

○これまでの経緯
 平成6年4月に初臨界、平成7年8月に初送電に至ったが、同年12月8日、2次主冷却系ナトリウム事故が発生、以来原子炉の運転を停止中。事故原因の究明、安全総点検等の結果、安全性向上対策、改造工事の方針をとりまとめ、行政庁及び原子力安全委員会にも報告。
 サイクル機構が福井県及び敦賀市と個別に締結している「安全協定」に基づき、改造工事のための原子炉設置変更許可の申請(国の安全審査入り)や実際の改造工事着手には、福県知事及び敦賀市長の了承・了解が必要とされている。

○原子力長期計画策定後の動向

  • 平成12年11月24日:「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画(原子力長期計画)」の原子力委員会決定。


  • 平成12年11月26日:大島科技庁長官(当時)一行訪福。「もんじゅ」視察、河瀬敦賀市長、栗田知事らと会談。国の原子力政策における「もんじゅ」の位置付けを明確にした上で、「もんじゅ」運転再開への協力を要請。

  • 平成13年12月8日:核燃料サイクル開発機構は、安全協定に基づく「改造工事に係る事前了解願い」を栗田知事及び河瀬市長に提出。

  • 平成13年2月16日:内閣府及び文部科学省は、福井県議会及び敦賀市議会に対して、原子力長期計画の説明を行うとともに、あわせてサイクル機構から「高速増殖原型炉もんじゅのナトリウム漏えい対策等に係る工事計画」について説明を行う。その後、県議会等で安全審査入りについて議論が行われる。

  • 平成13年5月19日:遠山文部科学大臣一行訪福。「もんじゅ」視察、河瀬敦賀市長、栗田知事らと会談。新内閣においても原子力政策・「もんじゅ」の位置付けが変わらないこと、「もんじゅ」の改造工事の安全審査入りについて理解を求める。

  • 平成13年6月5日、栗田知事、河瀬市長から、サイクル機構に対し「安全審査入り」の了承を回答。同日、西川副知事が上京し、福田官房長官、遠山文部科学大臣、松田経済産業副大臣、藤家原子力委員長、松浦原子力安全委員長、佐々木原子力安全・保安院長に対し、「もんじゅ」全体の安全性を確認すること等を求める要請書を手交。

  • 平成13年6月6日、サイクル機構が原子力安全・保安院に「もんじゅ」の原子炉設置変更許可を申請。

 現在、経済産業省原子力安全・保安院にて「もんじゅ」のナトリウム漏えい対策等に係る改造工事の安全審査中。タブルチェックを経て、地元の了解を得た上で改造工事に着手予定。