第1回 原子力発電・サイクル専門部会 議事録

1.開催日時:平成13年8月10日(金)14:30〜16:40

2.開催場所:三田共用会議所 3階 大会議室

3.出席者

専門部会委員
 竹内原子力委員(部会長)、遠藤原子力委員長代理、近藤参与、清水参与、
 青木委員、芦野委員、岩崎委員、齊藤委員、宅間委員、中神委員、根岸委員、
 増田委員
招聘者
 佐々木東芝電力システム社原子力技師長、築舘東京電力(株)常務取締役
原子力委員会
 藤家委員長、木元委員
内閣府
 浦嶋審議官、青山参事官、嶋野企画官
経済産業省
 原子力政策課 安井原子力産業企画調整官
文部科学省
 中原核燃料サイクル研究開発課長

4.議 題
(1)新たな原子力委員会の体制について
(2)長期計画策定後の主な動きについて
(3)その他

5.配布資料
資料サ第1−1号 21世紀の原子力委員会の発足に当たって
資料サ第1−2号   原子力委員会からの緊急メッセージ
資料サ第1−3号   我が国の原子力政策と米国との協力について
資料サ第1−4−1号   原子力委員会部会及び懇談会の設置について
資料サ第1−4−2号   原子力委員会部会の構成員
資料サ第1−5号   原子力発電・核燃料サイクルを巡る最近の状況
資料サ第1−6号 高速増殖炉サイクル技術の研究開発を巡る最近の状況
参考資料第1号    原子力委員会専門部会等運営規程

6.議事概要
 (1)開会挨拶
○開会に当り、藤家委員長より以下のとおり挨拶があった。

【藤家委員長】昨年末、新しい長期計画を策定。多方面からの御参加を得て、見事21世紀の原子力政策のもととなる長期計画ができたものと理解。原子力委員会は、この長期計画に基づき、これを具体化し、実際に進めていくことが重要。今回の専門部会等の設置はこれを円滑に進めるためのもの。
専門部会、懇談会の審議を通じ、原子力政策全体がよく見え、社会との接点が深まるよう、これからの具体化を進めていきたい。当原子力発電・サイクル専門部会は、社会との接点が一番強い現実的な課題を扱うところ。従来は、ともすれば長期計画が年次計画を中心に動いてきたが、そういった開発途上型のタイムスケジュール優先型ではなく、21世紀に向けての原子力政策の全体像を示し、長期展望を見せる中で、理念を明確にし、課題を解決するという方向で努力していくべきとして、これまでの原子力委員会の政策の企画、立案、調整機能に加え、評価機能、広聴機能を重視するのが今回の特徴。この専門部会はその両者に大変強く関連している。日本においては、原子力発電を増やしていくことは将来展望において大変重要。同時に、今日における核燃料サイクルの中のプルサーマル問題も、国民の御理解と御支援を得る中で解決しなければいけない大変難しい問題。委員の忌憚のない御意見を承りながら御議論いただき、方向を示していただくのが、この専門部会の役目と認識。

 (2)資料確認
○事務局より、配付資料の確認があった。

 (3)委員紹介
○事務局より、専門委員及び参加者の紹介があった。

 (4)部会長の互選について
○今回新しく設置した部会、懇談会については、原子力委員が責任を持ってその運営に当たる旨が原子力委員会委員会で示されている。このため主任である竹内原子力委員を当専門部会の部会長に推薦する旨、事務局より提案があり。異議無く了承され、竹内原子力委員が部会長に選任された。引続き、竹内部会長から就任挨拶があった。

 (5)新たな原子力委員会の体制について
○事務局より、資料サ第1−1号の朗読の後、資料サ第1−4−1号に基づき原子力委員会部会及び懇談会の設置について説明があった。
○引続き、竹内部会長から、本専門部会の運営について以下のとおり補足説明があった。

【竹内部会長】長期計画の策定が昨年11月に行われたが、この専門部会は、そのときの第二分科会に相当するもの。第二分科会では、エネルギー問題、廃棄物問題、サイクル等を中心に行った。これらの審議事項は、委員長の冒頭の挨拶にあったように重要であり、着実に進めるとともに、進捗状況をチェックしていくことが必要。更に、国民からの意見を聞くことが非常に重要。委員には、この機会にそういう面の御発言や御発意をいただきたい。
今回の長期計画については、理念を先行させているが、完全なフレキシビリティを持っているということではなく、その示された方向性について、進捗状況等をフォローし、新たな問題や課題がないか議論し、把握に努め、必要であればこれに対して早めに機動的な対応を図るようにしていくことが必要。本専門部会はこのような活動を予定。
具体的には、行政府や事業者から話を聞き、政策の内容や事業の進展状況、こういうものが長期計画に沿っているかどうか、問題がないかどうか等を確認し、議論し、問題がある場合には、皆さんの知恵を借りて、政策及び事業の円滑な推進に役立てていく。また、この場を通じ、国民や地元に対しても情報発信を行っていきたい。更に、原子力委員会として果たせる役割についても、この場の中で検討していきたいので、これらに関する発言も期待する。

 (6)原子力発電・核燃料サイクルを巡る最近の状況及び高速増殖炉サイクル技術の研究開発を巡る最近の状況
○経済産業省原子力政策課・安井原子力産業企画調整官より資料サ1−5号「原子力発電・核燃料サイクルを巡る最近の状況」に基づき説明があった。
○引続き、文部科学省中原核燃料サイクル研究開発課長より資料サ1−6号「高速増殖炉サイクルの研究開発を巡る最近の状況」に基づき説明があった。

【竹内部会長】長期計画が制定された去年の11月から約9か月間の進捗の大綱を所管庁から説明いただいた。この後事業者側から補足いただき、引続き、議論、提言等あらばお願いしたい。

【根岸委員】日本原燃から、少し補足したい。ウラン濃縮事業に関し、ウラン濃縮技術開発センターを設立して、新しい遠心機の開発を始めた。具体的には、核燃料サイクル開発機構(以下「サイクル機構」という)、メーカー、日本原燃のそれぞれの技術者が1か所に結集したということ。開発のための道具としては、新たに六ヶ所のサイト内に、実際にウランを使って試験のできる試験施設(CTF)を昨年新設。それを使って現在開発を進めている。
MOX燃料加工事業に関しては、先ほど立地申入れについて青森県などと準備中。COGEMAと粉末調整工程に関する技術導入の契約を結び、実際に資料も入手し、基本設計に関する評価を終了。なるべく早い時期に青森県と六ヶ所村に対して立地の申入れをしたいと考えている。
軽水炉使用済燃料の再処理事業に関しては、現在、建設それから試運転への準備を進めている。東海工場の人材、技術を部分的に入れているが、基本的なところは、フランスCOGEMA社のラ・アーグ工場の設計が主たるものになっている。このためCOGEMAとの間で技術支援を受けることを合意、これから個別契約に入る。この技術支援の内容は、実際にラ・アーグ工場での知識、経験を六ヶ所での試運転、操業に最大限取り入れるためのもの。向こうからの技術者がこちらに来て私たちに技術を伝えることと、こちらの社員がラ・アーグへ行って訓練をすることという、主として二つの種類の支援を受けるということで進めている。
いわゆる高βγ廃棄物については、これに関する法令の改正を受け、地元に対し、これの処分に関する調査について話をしている。予備調査が開始され、また並行して、実際に処分する施設の概念設計にも取組んでいる。調査終了後、地元に対し施設の申し入れを行いたいと考えている。

【岩崎委員】東海発電所については、今年の6月に最後の燃料を取り出し、船積みを終了、今月イギリスに到着した。発電所には燃料がないという状況。廃止措置を開始するための準備中であり、今後、解体届が必要。廃止措置関係の基準等の報告書が出ており、承認されたので、これに基づいて準備を始めている段階。

【増田委員】高レベル放射性廃棄物に関する事業の状況について説明したい。昨年10月18日に原子力発電環境整備機構(以下「原環機構」という)が発足。昨年度は初年度であり、昨年度中に組織を運営するためのさまざまな規程を作成。特に組織運営の透明性は非常に重要であるため、情報公開の規定をつくり、運用を図っている。また全国47都道府県すべてに挨拶を兼ねて事業概要の説明を実施。現在、概要調査地区の選定のための準備を行っている。今年の秋には、選定のための手順を公表したい。来年には選定のための要件と、処分場がどういうものになるかということを取りまとめて公表し、来年度から文献調査を進めていきたい。

【中神委員】サイクル機構から二、三補足したい。まず高レベル放射性廃棄物については、原環機構が設立されたことから、サイクル機構は、これから原環機構が進めていく概要調査研究等々について支援をしていく立場。本年5月に原環機構との役割分担、あるいは技術協力に関する協定を定めた。岐阜県瑞浪と北海道幌延の研究成果、そして東海事業所における放射性核種の移行等も含めた実験等も踏まえ、これまでの基礎研究の信頼性、また安全規制に供するデータ等々で、我々は貢献していきたいと考えている。
RI研究所等の廃棄物の処分については、関係者における準備会が平成9年に設置され、また、原子力委員会専門部会の報告書も平成10年に出され、検討が進められた結果として、昨年の12月に原子力研究バックエンド推進センター(略称RANDEC)が設立された。これにより、原研、サイクル機構、日本アイソトープ協会(以下「RI協会」という)の支援のもと、RI研究所等の廃棄物の処分方策の検討を進めているところ。
高速増殖炉については、「もんじゅ」について、高速増殖炉懇談会で示された方向のもと、現在改良工事についての安全審査入りをし、この安全審査を経た上で改造工事に取りかかるという段取り。
また、将来、安全を大前提とした、より経済性のある、競争力のある次世代の高速炉を構築し、必要な技術の提供を図るため、実用化戦略調査研究を進めている。2年ほどをかけて、電力、サイクル機構、各研究機関、メーカー等の協力を経てフェーズIの作業を終了。経済性について、将来の軽水炉、あるいは、他のエネルギー源と比肩し得るものの方向性について目処を得た。これから、フェーズUとしてこれらの実現へ向けより詳細な検討を進めていく。

【青木委員】所管庁からの御説明に関し、原子力発電について一言触れたい。原子炉出力一定運転について、原子力安全保安部会で検討とのこと、利用率の向上という点でかねてから望んでいたことであり、何とか実現方努めたい。
効果的、かつ効率的な安全規制については、安全規制が一般社会、地元等によりわかりやすい形になってきている面は、非常にいいこと。一方、いわゆる保安検査の導入により、安全規制は非常にきめ細かくなった。発電所の安全管理運営の面は大変ロードが増している。効果的、かつ効率的な安全規制の観点から、そのねらいにかなうよう努めている。

【竹内部会長】これまでの説明を踏まえ、御要望、御提案等あれば、議論願いたい。

【宅間委員】「廃棄物の発生量低減と有効利用の推進」に関連して、リサイクル、リユースについては、アメリカやスウェーデンではビジネスとしての展開が行われている。このあたりを今後の一つの課題として、東海の廃止措置、解体ということもにらみながら民間としても検討していきたい。

【竹内部会長】クリアランスレベル等検討は進んでいるが、実際にリサイクルに移すというのは、まだこれからの課題。リサイクルしていくことが、地球の資源の温存という面では大事。諸外国、特にアメリカは非常に活発にそういう方向で動いていると聞いている。

【経済産業省】でき得ることについて検討することは重要。ただ、今はまだクリアランスレベルそのものや、処分のための検認等について検討している段階。まずそちらを固め、安全性はもちろん、社会に認められる形にしていくことが必要。そのため、一つ一つ積み上げていくことが重要。原産会議の方で御提案等あれば、承りたい。

【竹内部会長】これも恐らくプルサーマルの議論と共通しており、国民合意を図る上で、そんなもの嫌だ、あんなもの嫌だという面が今後出てくるかもしれない。

【近藤参与】経済産業省からの資料の再処理のところに、COGEMAとの訓練の話が書いてあるが、ここにサイクル機構との関係もきちんと書いておくべきではないか。

【経済産業省】重要性は御指摘のとおり。今般の原子力部会での議論も含め、核燃料サイクル分野の事業を円滑に進めていくため、安全性あるいは人的資源の有効活用も含め、あらゆる面において、サイクル機構からの技術移転についての取組みの重要性は、十分認識している。技術移転自身を議論するような場も用意をし、それからまた両者の間での実際の人の交流もここ数年で大幅に拡大してきている。

【文部科学省】再処理について一言コメントしたい。本日行革の事務局から、特殊法人改革の検討の一環として、事務局の指摘とそれに対する各省の意見が発表された。サイクル機構に関しては、軽水炉の使用済ウラン燃料再処理について1点指摘があった。その指摘は、軽水炉の使用済ウラン燃料再処理の新規契約を行わないことというもの。現在の使用済燃料の契約は、大体2005年ぐらいを目途に終了することができるものと思っている。タイミング的には2005年を目標に六ヶ所の民間の再処理工場も立ち上がっていくことから、民業の圧迫といった観点から再処理から手を引くべきであるというのが行革事務局からの指摘。しかしサイクル機構としては、あるいは国としては、六ヶ所の再処理工場を技術的にサポートしていくことは非常に重要な使命であると認識しており、東海再処理施設等々を使い、人的、技術的支援をしていきたい。

【遠藤委員長代理】行革の指摘事項は、ウラン燃料の新規契約に限られているのか。

【文部科学省】行革の指摘は、「軽水炉使用済ウラン燃料の再処理は、新規契約を行わないこととする。」となっている。

【近藤参与】FBRの実用化戦略調査研究については、長期計画の議論の場でも紹介され順調に進んでいると聞いている。問題提起になるが、一つは全体のスケジュールについて、平成17年とか、この辺の数字はどれだけ意味があるのか。世界の原子力界の動向を見ると、ウラン需給の問題というのは非常に緩くなっている。地球温暖化問題等によって急速に世の中が変わるとしても、FBRの実用化がすぐに求められるようなシチュエーションにないことはおよそ常識。そういう中でいついかなる場合でも対応できるように開発していくというのは、非常にハイコストになるのではないか。適切な未来予測に基づいてタイミング、いつをゴールにすべきかということは、真剣に見直していくべき。私自身の個人的な印象では、やや後ろ倒しでもいいのではと認識。
この調査研究のスコープは、ドメスティックなグループでの議論を離れ、海外の違う意見を持っている方々に積極的に御意見をいただく形が必要ではないか。2050年を超えると、日本の社会は恐らく人口が1億を割ると見通されている。このFBRの検討が生かされるのは、むしろ今の途上国であるという言い方もできるぐらいに、さまざまな世界モデルに基づく計算の結果は示している。そういう意味でインターナショナルなマーケットで使えるということは非常に重要なクライテリア。先ほどのコストの数字もややドメスティックだと認識。そういうことも含めて必ずしも既定のスケジュールにとらわれず、ややリラックスすべき。気分的にという意味ではなく、慎重な検討の上にリスケージュリングということはあっていいということ。
また、ここで議論されていることと、俗に言う革新型炉というのはオーバーラップするのではないか。革新型炉の研究と、これの関係がどのようにつけられるのか。これは原子力委員会が分けて考えておられる節もあり、長期計画がそう書いてあると読むか読まないかで若干意見の分かれるところ。私の理解では、内容がオーバーラップするところがある。効率的な研究開発を進めるという観点から検討されるべきものと考える。既にFBRと言いながら、冷却材に水を使うようなものも検討されており、この辺りは軽水炉とのオーバーラップがある。そういう意味で、国内のタレントを動員する、あるいはリソースを効果的に使うという観点から、慎重な検討を期待する。

【中神委員】今何点か御指摘があったが、まずスケジュールについては、近藤先生がおっしゃったとおりと思う。スケジュールありきで走るつもりは全くない。ここに書いてある2015年頃という唯一出ている年についても、ウラン需給の関係から言えば、2015年まではロシア等の軍需の濃縮ウランがマーケットに出てきて、ウラン価格は低いレベルで推移していくものと考えられる。つまり、ウランの逼迫というのは、少なくともその時点までは考えられず、それ以降ということだと理解。また、実用化調査研究も5年というタイムスケジュールで常に外部評価を受けながら、方向性、あるいは選択肢のあり方等を議論した上で、次に進むかどうかというステップを踏みながら計画を進めている。つまり、スケジュールありき、あるいはターゲットを固定して考えている、ということはない。常に御批判を受け止めながら、また国際的な視野を持ち進めていく。更に、これからは海外との協力ということが重要と認識。特殊法人改革で厳しい状況が予測される中、予算の面でも国際協力等で互いが相補うということが必要であり、次の原子炉の開発等、アメリカも含めていかに協力しながら効率的に研究を進めるということも大事と認識。
アメリカのジェネレーションWについても、積極的に参画する計画であり、サイクル機構からも、部会によっては、チェアマン的なポジョンをとり積極的に参画していきたい。これにより我々の実用化プラントの方向性について国際的なコンセンサスを得ながら進めることも可能となる。その結果、ジェネレーションWで議論される様々な技術の方向性というものが我々の開発に取り入れられることにもなると認識。そういうことで近藤先生の御指摘の点は、我々として、十分踏まえつつ今後研究を進めていく。

【竹内部会長】原子力委員として補足したい。近藤参与からの発言に関し、現在、研究開発専門部会で、革新炉の開発の検討についても開始すべく準備を進めている。次の原子力エネルギー供給技術の主流は何かという議論や、開発研究の将来についても議論しようと考えており、FBRの実用化戦略調査研究についても、その中で一体として扱う方向で考えている。なお、この部会で対象としているFBRについては、「もんじゅ」を考えている。
残りの時間、プルサーマル関連について議論したい。国民に対する理解方策ということも含めて討議いただきたい。

【青木委員】電気事業者を代表し、現況を説明したい。電気事業者においても、それぞれ社長をチーフにした推進会議を置くとともに、電気事業連合会の中にも推進連絡協議会を発足。理解活動の推進と、各社の取組み方策、取りまとめを行っている。この取組みが効果的に進むように、国の諸施策と連携をとり、理解活動の推進を図りたい。
プルサーマル計画の現状について、色々反省する中で、私どもとしては、理解活動を改めて再構築していくこととしており、原子力発電に対する世の中からの信頼感が少ない点に対して、私どもの事業への取組み姿勢をフルオープンにするという考え方を徹底しようとしている。つまり、発電所の仕事とか設備などが見えるように、具体策を検討している。
当然のことながら、それぞれのサイトにおけるプルサーマルの採用計画は、個別にその会社が全責任をもって進める。世の中に対して、プルサーマルの必要性と安全性を説明するときに、その会社だけではどうしても世の中からの信頼感が十分でないと事実感じている。今後とも様々な局面で国の力を借りたい。プルサーマルの理解を得る説明の前に、そもそも原子力発電にどこまで依存していかなくてはいけないのか、エネルギー全体を今後日本としてどうしていくのか、あるいは国民一人一人としてそれぞれどのように考えるのか、といった点について、まずプルサーマルの前に原子力、原子力の前にエネルギー全般と、こういった観点をそれぞれの一般の方にも持ってもらう、それが結局はプルサーマルの理解につながるのではないかということを、非常に強く感じている。
先ほどの理解活動において、国の力をもっと借りたいということは、このような点。いずれにしても、こうした連絡協議会の発足は、事業者としても大変心強く、また今まで以上に努めていきたい。

【竹内部会長】個別の議論に入る前に、プルサーマル関連の説明が残っているので、経済産業省からお願いする。

○経済産業省より、「プルサーマル連絡協議会における中間的な取りまとめ(平成13年8月8日)」の説明があった。

【竹内部会長】プルサーマルの推進は、まず、原子力利用に関する国民理解が重要。木元委員は市民参加懇談会等の開催に向け精力的に活動されている。コメントあらば、お願いしたい。

【木元委員】市民参加懇談会では、新しい手法を導入したいと考えている。例えば、原子力委員会の主催でイベントをやるというような今までの手法では、だめだと思う。具体的なアイデアとして、例えば、市民参加懇談会と、原子力に反対する団体など立場を異にする方々との共催という形で実施する。両者で相談の上、日時も決める、呼ぶ人も決める、そして公正に中立に、立場は違っても同じテーブルで討論を行う。こういうことをしないと、それぞれが一方的にのろしを上げるだけで、やっていることが全く見えてこない。したがって、一堂に会してやろうと考えている。なお、政府の広報活動について、広聴・広報活動と改められたことについては、従来から私どもが申し上げていたように、姿勢としてまず広聴があるべきという点が反映されており、大いに感謝している。

【芦野委員】青森の弘前に住んでいるが、青森県という所は、原燃の施設があり、また原子力発電所ができる予定もある。反対運動もある。私が感じていることであるが、反対している方は、発電所にも行かない、パンフレットも読まない、原燃の施設にも行かないという人がほとんどではないか。そういう方たちからどう理解を得たらよいのか、いつも考えている。
私は、この間まで扶桑社の歴史の教科書に関係していた。とてもいい本だし、右でもなければ、戦争賛美でも無いが、反対の方たちは、その教科書を読まないで反対している。それと似ていると思う。結局はバッシングにあってどこも採用しないというのが今の歴史教科書の現状だが、原子力発電に対しても、高レベルの廃棄物の場所にしても、そういう傾向があると考える。こういうものは、両者同席して話し合っても議論にならないのではないかという気がする。どうしたら理解を得られるのかということを、本部会への参加を通し、私なりにこれから考えていきたい。身近なところから、理解を得る努力をしたい。
また、様々なものを自分の目で見てもらいたい。私もラ・アーグにも行ってきたし、国内の様々な施設は、フォーラム「エネルギーを考える会」を通じて見ている。そういうことを発表する機会をつくるために、小さいグループをつくった。そういうところから波及して理解が広がるようにはしている。しかし、根本的に反対している方は、目が汚れるから読まないとか、極端な人が多い。そういう方たちについては一体どうしたらよいか。何かよい方法はないか。

【文部科学省】今回のプルサーマル推進連絡協議会の中における議論で教育の問題が取り上げられた。第1回の協議会の議論にあったように、これまでは立地地域の広報活動としての理解を得る活動が中心であった。速効的なものではないが、電力を使っているところだけではなく、日本全体でエネルギーに対する考え方に関心を持たせ、理解をかさ上げしていくことによって、最終的には原子力発電等の立地しているところの理解も深まっていく。そういうトータルとしての観点から、文部科学省として、今回エネルギー教育という項目を挙げたもの。やはり、エネルギーの問題というのは国民生活に非常に関係の深い大事な課題であるということを、小さい時からきちんと教えていくことが、遠回りではあるけれども、一つの回答になるのではないか。

【経済産業省】ある特定の方々だから、どうこうという考え方はとりたくはないと思っているが、もちろん、意見には大きな幅があろうかと思う。また、その中には、どうしても施設を見ない方もいるかもしれない。しかしながら、私どもの反省の一つは、もし賛成と反対と中間というゾーンを考えた場合、これまでは、どちらかというと理解を得やすい方に多くアプローチしてきたのではないか。中間層、あるいは反対の方でも1回は見てもいいかという方も含めて、全体にバイアスなしに、もとを理解した上で、きちんと議論していくというように取組むことが、私どもの大きな役割であると認識。もちろん非常にたくさんの方の中には、今言われたような方がいるかもしれないが、それが日本の中の九十何%というわけでも決してないわけであるから、きっちりとした取組みをするということが大事。強いお考えをお持ちの方でも、主張を互いに、顔と顔が見える形で実際にやりとりするというところからコミュニケーションが始まるのではないか。そこに努力をしたいというのが私どもの考えているところ。

【齋藤委員】この問題は、国民レベルでエネルギーをどうするのかという話がなされなければいけない。私自身は、国会で賛成・反対の議論をして、テレビ中継を通して、国民が関心を持って、じゃあ、やっぱり原子力だというような関心を持ってもらうというのが本当は重要な問題だと考える。
教育の問題も重要。一つの例で言えば、たまたまイギリスのAGRを見せてもらった時に、小学生の一団が来ていた。ガラス越しに原子力発電所の現場を見られるようになっていて、社会科の勉強か何かであろうか、三、四十人来ていた。そこでは比較的年を取った女性が、わかりやすく説明をしていた。教育においても、そういった意味で身近な教育として取り上げるのがいいのではないか。

【宅間委員】2点プルサーマルの問題に関して意見を述べたい。一つは、今、プルサーマルについては理解活動を進めている。その前提は、恐らく理解が進めば、信頼してプルサーマルをやらせてくれるということではないか。実際は、理解はするけれども、信頼できないからやらせないよということになる場合もある。立地の時には、いきなり必要性や安全性の説明をするのではなく、その人が信頼できるかどうかということがまずベースにあって、それじゃ理解に向けて耳を傾けようかということになる。そうすると信頼の醸成というのが一つの大きなポイントだと思うので、情報公開、透明性、インフォームドコンセント、広聴、そういうことによって、ブラックボックスと思われている原子力界、電力界あるいは発電所、そういうものに対して透明性を高めていくことにより信頼を得、その上で理解に耳を傾けてもらうと、こういうことが大事。
もう1点は、電力消費地と立地生産地域の対話についてであるが、これは非常に大事。例えば、首都圏の世論は日本の世論をある程度形成している、あるいは地方であれば、地方の大都市の世論がその県の世論を形成している、ということがあると思う。消費地というのは、そこにマスコミも集まっており、したがって、そこから世論が発信される。前に広瀬隆さんが活躍した反原発の騒ぎのときに、私は発電所にいて、首都圏の世論が全国の世論を形成すると考え、首都圏の皆さん方にできるだけ発電所に来てもらった。東京電力の支店、支社、営業所は、お客様に対してネットワークを張っていることから、様々な事業所からお客様をどんどん連れてきてもらい、発電所を見学されての感動と共感、それが首都圏の世論形成の一部に役立ったと思う。この経験から、そういう意味でも、人の集まっている電力消費地の大都市の方々が情報の発信地、世論の形成場所だというふうに考えて対応する、そういう視点もあっていいと考えている。

【事務局】この会議は公開されているが、議事録については、概要版を事務局で作成し、皆さんの確認を得て、配付、公開したい。
次回の開催については、関連事業等の進捗も含め、部会長と相談の上、別途連絡したい。

(以上)