原子力の停止について

○職 業   :会社員

○年 齢   :41歳〜45歳

○性 別   :男性

○御質問、御意見:

新聞報道によると、再処理を放棄した場合、順次原子力発電所が停止し、2028年にすべて停止するとの趣旨を貴委員会が発表したとの趣旨の報道がみられましたが、報道は真実でしょうか。また真実であれば、HPのどこに掲載しているのでしょうか。真実でない場合は、どうしてあのような報道になったのでしょうか。以上教えてください。


○回答: 

 原子力委員会新計画策定会議において、今後の使用済燃料の取扱いに関して次の4つのシナリオを定め、それぞれについて、安全性、技術的成立性、経済性、エネルギー安定供給、環境適合性、核不拡散性、海外の動向との整合性、政策変更に伴う課題及び社会的受容性、将来における不確実性への対応能力という10項目の視点からの評価を行いました。
シナリオ1:使用済燃料は、適切な期間貯蔵した後、再処理する。
シナリオ2:使用済燃料は再処理するが、利用可能な再処理能力を超えるものは直接処分する。
シナリオ3:使用済燃料は直接処分する。
シナリオ4:使用済燃料は、当面全て貯蔵し、その後再処理するか、直接処分するかのいずれかを選択する。

 評価の結果、我が国においては、核燃料資源を合理的に達成できる限りにおいて有効に利用することを目指して、安全性、核不拡散性、環境適合性を確保するとともに、経済性にも留意しつつ、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用することを基本方針としました。
 この評価の過程で、再処理路線から直接処分路線に政策変更を行った場合、立地地域との信頼関係の維持に時間を要することから、その間、原子力発電所からの使用済燃料の搬出が困難になって原子力発電所が順次停止する事態が予想される可能性が高いとの指摘がなされました。
 ちなみに、各原子力発電所の使用済燃料を六ヶ所施設へ払い出すことができないと仮定すると、2015年頃までにはほぼ全ての発電所で使用済燃料プールの管理容量を超過し、発電所の運転ができなくなる事態が想定される、という試算結果が得られています。(新計画策定会議第8回資料第8号)

 参考:核燃料サイクル政策についての中間とりまとめ
 http://aec.jst.go.jp/jicst/NC/tyoki/sakutei2004/ronten/20041112.pdf