日本は何年位原子力発電をする事が可能なのか

○職 業   :無職

○年 齢   :36歳〜40歳

○性 別   :男性

○御質問、御意見:

原子力発電をすると放射性廃棄物が出ますが。日本の陸地面積や環境への影響や管理面から考えて放射性廃棄物を貯蔵埋設する施設を日本はどれ位の容量の施設まで作る事が限界ですか。その放射性廃棄物を貯蔵埋設の容量を限度に日本の原子力発電可能年数は何年位ですか。又意見として正しい判断と観点から日本の本土以外の地(日本から離れた島など)にまで日本の放射性廃棄物の処理施設を作り原子力発電の維持や研究をするという維持や研究の方法は執ってはけない方法だと思います。


○回答: 

 日本では放射性廃棄物を、放射能レベルに応じて「高レベル放射性廃棄物」と「低レベル放射性廃棄物」の2つに区分しています。

○高レベル放射性廃棄物
 原子力発電で使用された燃料(使用済燃料)を再処理施設でリサイクルし、まだ燃料として使えるウランやプルトニウムを取り出した後に残る、放射能レベルの高い廃液が発生します。この廃液はガラス原料とともに高温で溶かし合わせ、ステンレス容器(キャニスター)にいれて冷やし固め、ガラス固化体にしています。日本では、このガラス固化体を高レベル放射性廃棄物と言っています。
 2003年末までの原子力発電によって約17,700本のガラス固化体に相当する使用済燃料が発生することを見込むとともに、2020年頃までには約4万本のガラス固化体に相当する使用済燃料が発生することを見込んでいます。この高レベル放射性廃棄物については、30〜50年程度地上で冷却貯蔵した後、地下300mより深い安定した地層中に処分(地層処分)することを基本方針としています。
 従いまして、処分施設の容量について当面問題になることはなく、処分場については「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に基づき、認可法人である原子力発電環境整備機構が2030年後半の操業開始に向けて、処分地選定の第1段階(調査段階)として、全国の市町村に調査候補地を公募(2002年12月)している状況です。処分場の大きさは地下深度、立地場所等により異なりますが、地下施設の平面規模は数キロメートル四方程度と想定しており、日本国内に処分する場所(面積)がなくなるということは考えられません。

○低レベル放射性廃棄物
 低レベル放射性廃棄物のうち原子力発電所から発生する廃棄物は、青森県六ヶ所村にある日本原燃(株)「低レベル放射性廃棄物埋設センター」で順次埋設処分しています。これまでに処分されているものは、原子力発電所で使用された冷却材などを蒸発濃縮し、固型化材(セメント等)で固めたものや、定期検査に取り替えた配管等を必要に応じて圧縮減容し、固型化材(モルタル等)で固めたものです。これらは比較的放射能レベルの低いものです。2003年度末で、200リットルドラム缶換算で約16万5千本が処分のために受け入れています。また、原子力発電所の専用貯蔵庫に保管されている廃棄物は2003年度末で、200リットルドラム缶換算で約53万本です。処分施設は、処分される廃棄物に種類等に合わせて計画されており、現在の施設を含めて200リットルドラム缶換算で約100万本を処分する計画です。また、最終的には、200リットルドラム缶換算で約300万本の規模にすることも考えられています。

 国外に放射性廃棄物を持ち出して日本の原子力発電の維持等を行うべきではないとの御意見ですが、低レベル放射性廃棄物の一部は既に国内において埋設処分されており、高レベル放射性廃棄物についても、処分に関する、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」では、国内で処分することを前提にしています。また、日本も加盟している原子力の平和利用等を活動分野とする国際原子力機関(IAEA)が策定した国際条約である「使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約」があります。この条約の前文には、放射性廃棄物は発生した国内において処分すべきであることを確認し、協定するとの認識が示されています。
 一方、欧州の小国においては、原子力利用が国の地理的条件により制限されるべきでなく、人類が等しくその利益を享受できるように国際共同処分場の設置などに取り組むべきという意見もあります。

以 上