U238について

○職 業   :学生

○年 齢   :20歳以下

○性 別   :男性

○御質問の内容:

 イラク戦争の影響でまた問題視されている劣化ウラン弾ですが、日本の原子炉では放射性廃棄物として、U238は出てくるのですか?またそれをどのように処分しているのですか?もしU238によって健康被害を被った人がいるのなら、差し支えなければ是非、具体的な数字や状況を教えていただきたいです。あと、米国などが劣化ウラン弾を使っている事について日本政府はどう考えているのでしょうか?是非、教えてください。


○回 答

 一例として軽水炉での燃焼により、初期に装荷された濃縮ウラン1000kg(内、ウラン238は955kg、ウラン235は45kg)を取出した後、使用済み燃料のウラン238の量は926kgとなるというデータが示されています。
(参考:http://sta-atm.jst.go.jp/atomica/pict/04/04070205/03.gif
 現在わが国では、原子力発電に利用したウラン燃料の再処理を行い、ウランやプルトニウムなどの有用資源を分離回収して燃料として再利用する「核燃料サイクル」を政策の基本としています。回収されたウランについては、天然ウランと同様に濃縮し、燃料として再利用することが可能です。
 926kgのウラン238は、再処理を行うことにより使用済み燃料からおよそ98%が回収することができますが、残りのウラン238は高レベル放射性廃液に含まれ、ガラス固化された後に地層処分されることになっています。

○国内の原子炉施設等の従事者は、原子炉等規制法、放射線障害防止法等に基づいて、ウラン238に限らず施設内に存在する放射性物質により受ける線量が許容被ばく線量を超えないよう原子炉施設設置者等の責任において管理されているところです。

○劣化ウラン弾の人体や環境に与える影響については、日本も加盟しているWHOのホームページなどに、調査結果等についての情報が掲載されています。
(参考:WHOホームページより)
http://www.who.int/ionizing_radiation/pub_meet/en/DU_Eng.pdf