原子力の?

○職 業   :学生

○年 齢   :20歳以下

○性 別   :男性

○御質問の内容:

原子力が人体に及ぼす影響はたくさんあるのに、どうして使用し続けるのですか。
どんなメリットがあるのですか。


○回 答

原子力の利用としては、「エネルギーとしての利用」と「放射線の利用」に大きく分けることが出来ます。

1.エネルギーとしての利用
 エネルギーとしての利用に当たる原子力発電は、我が国においては電源多様化の観点からその導入が積極的に図られて、現在、電力供給の3分の1を超える基幹電源となっています。
 我が国は、原子力発電を除くと、1次エネルギーの95%以上を、海外からの輸入資源に頼っていますが、原子力発電は資源等の供給における海外の短期的事情に左右されにくいので、自給エネルギーに含めることにより、その自給率を20%まで高めています。また、原子力発電は、発電過程において二酸化炭素を発生させないという特徴もあります。したがって、施設内外において放射性物質を人々の健康に悪影響を与えないように適切に管理することにより、今後とも、我が国における基幹電源として電力供給を担っていくことが適切であると考えています。

2.放射線の利用
 放射線の利用は、医療を始めとして農業、工業等の分野において幅広く行われています。医療分野での例を挙げますと、病気の医療検査では心臓の異常や肺を診断する「胸部X線(レントゲン)検査」、胃などを診断する「胃のX線検査」、身体を輪切り状に撮影するX線CTスキャン(X線コンピュータ断層撮影検査)等があります。
 放射線は取り扱いを誤れば健康に悪影響を及ぼしますが、放射線障害防止法に基づく管理を行うことにより安全は確保されます。したがって、この規制に基づき管理しながら使うことで社会に多くの便益をもたらし、活力を与えるものであり、分かりやすい情報の提供と積極的な情報公開によって国民の理解を得ながら、今後も、医療、工業、農業等の幅広い分野で活用できるように、研究開発を進めつつ放射線利用の普及を図っていくことが重要と考えています。

放射線利用方法とその際の人体への影響についてはこちらで詳細に回答しています。