10㎞先の原子力発電所について

○職 業   :学生

○年 齢   :20歳以下

○性 別   :女性

○御質問の内容:

 私の住む町の付近には玄海原子力発電所がそびえたっています。
 昨年、人から「そこでプルサーマル計画という人類史上初めての核の融合実験が行われるかもしれない」と聞きました。
 しばらくして、新聞にはその計画に反対する者の方が多いと掲載されていました。けれど計画を中止するとの文字は見あたりませんでした。
 その計画を止めてほしいです。
 私はこの土地の人も自然も好きです。安全の保証が向上されることを願います。
 そこで、あなたがたはどうお考えですか?また、これからのそれに関する方針につきましても教えていただきたいです。


○回 答:

 プルサーマルについて及びそれに対する国の方針について回答いたします。

・プルサーマルとは、今の原子力発電所で使われているウラン燃料の一部を、ウランとプルトニウムを混ぜた燃料(MOX燃料と言います)におきかえて「核分裂」させて発電する方法です。このMOX燃料とは、一度、発電所で使い終わった燃料(使用済燃料)から、まだ燃える(核分裂する)プルトニウムを取り出し、再び発電所用の燃料としてリサイクルしたものです。なお、現在の原子力発電所でも、プルトニウムは発電中に生成し、かつ、それ自身が燃えており、発電した電気の約3割はプルトニウムが燃えて出来たものです。
 (参考:http://www.fepc-atomic.jp/basic_study/plut/
・プルサーマルを行うことにより、ウランの利用効率は、10%程度向上させることができます。このようにプルサーマルは、資源の乏しい我が国にとって、ウラン資源の有効利用を図るとともに、我が国のエネルギー自給率を向上させる有力な手段であることから、着実に推進していくことが適切と考えております。
・プルサーマルは、世界で初めて行われるものではなく、既に海外(フランス、ドイツ、スイス、アメリカなど)の53基の原子力発電所(MOX燃料3,537体)、国内では2基の原子力発電所(MOX燃料6体)、更に新型転換炉「ふげん」(MOX燃料772体)で行われており、実績のある確実な技術です。
 (参考:http://www.atom.meti.go.jp/siraberu/recycle/02/main02s.html
・この様に、プルサーマルは実績もあり、またその安全性も確認されている技術です。このことは国の原子力安全委員会も確認しています。
・最後に、御質問につきましては、既に原子力委員会、関係行政庁、事業者において提供されるウエッブサイトのホームページにて、関連する情報が用意されていますので、こちらの方も御参照下さい。

①原子力委員会ホームページ:http://aec.jst.go.jp/jicst/NC/senmon/old/index.htm
②経済産業省のホームページ:http://www.atom.meti.go.jp/fuelcycle/index.html
③電気事業連合会のホームページ:http://www.fepc.or.jp/menu/cycle/cycle3.html
④九州電力(株)のホームページ:http://www.kyuden.co.jp/elec/panfu/katarai/07/no07.htm