ITERから発生する低レベル放射性廃棄物の処分について

 

○職 業    : 公務員

○年 齢    : 31歳〜35歳

○性 別    : 男性

○御質問の内容 :

 ITERの誘致に関しては、10月18日開催の文科省の専門家会合でITERサイト適地調査報告書が報告され日本誘致への動きも活発になっております。

 そこで、質問ですが、ITERから発生する低レベル放射性廃棄物の処理について、現状では規制法令や処分場所など整備されていないと聞ききましたが、今後、国としてITERから発生する低レベル放射性廃棄物の処分をどのように取り進めていくのか教えてください。

 また、低レベル放射性廃棄物の処理処分方法という重要な問題を解決しないうちに日本誘致を取り進めることに問題がないのか合わせて回答願います。

○回 答 :

 ITERから発生する低レベル放射性廃棄物は、放射性物質の濃度に応じて、つぎの3種類に分類されますが、それぞれに対し、処分の考え方は既に示されています。

(1)政令濃度上限値)を超える低レベル放射性廃棄物(高ベータ・ガンマ濃度区分低レベル放射性廃棄物)

(2)低濃度区分低レベル放射性廃棄物

(3)極低濃度区分低レベル放射性廃棄物

 原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会が平成10年5月28日にとりまとめた「RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について」及び平成10年10月16日にとりまとめた「現行の政令濃度上限値を超える低レベル放射性廃棄物処分の基本的考え方について」では、上記分類に対する低レベル放射性廃棄物は、それぞれ、以下のような方法で処分することとしています。

  (1)コンクリートピット等で地下50〜100m程度に埋設

  (2)コンクリートピット等で浅地中処分

  (3)素掘り等による浅地中処分

(1)及び(3)のうち金属等についての安全規制等については、原子力安全委員会や行政庁で検討を実施しており、(2)及び(3)のうちコンクリートについては、安全規制等の検討が済んでいます。

 ITERで発生する放射性廃棄物については、これらの処分の考え方が適用可能であり、これに従って廃棄物の処分を進める予定です。

*)政令濃度上限値:原子炉施設から発生する放射性廃棄物を容器に固形化したものを浅地中のコンクリートピット処分場に埋設処分する場合の廃棄体に含まれる放射性物質濃度の上限値(「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令」第13条の9)