防波堤の津波低減効果(事故再考4)福島第一と第二の違い(1)

○年齢    :56歳〜60歳

○性別    :男性

○職業    :無職

○都道府県名 :滋賀県


○御意見の内容:

東電の事故調査報告書では、わずか12kmしか離れていない福島第一
と第二を襲った津波の検潮所での推定高は13mと9mで4mの差があり、
その理由は広範囲の波源から発生した波の重なり方の違いによる、とし
ている。この解釈は誤りである。東電は、防波堤による津波低減の効果
を全く考慮に入れていないからである。今年2月に警戒区域内で初めて
行われた東大と福島県による調査でも、大熊町から富岡町にかけて、お
おむね12〜14m程度であり、津波高に明瞭な差はない。なお、第一原発
と第二原発の間に位置する崖の上のレストランで21.1mという高い値が
計測されているが、これは小さな湾状の崖で津波が吹き上がったための
例外的なケースと思われる。
防波堤は津波を防ぐ目的で造られたものではないが、堤端では海底か
ら十数mの高さがあり、津波の頂部より低くても、港湾内に流入する海
水の量を減少させたり、津波の到達を遅らせたりして、被害低減に一定の
効果がある。沖合3km近くまでに二重の長大な防波堤が配置されて
いる小名浜港では、国交省の調査によると、津波高は、港外の沿岸では
8m、港内では3〜5mであり、防波堤の効果が認められた。