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第232号 原子力委員会メールマガジン 放射線の利用についてーその13(食品照射)

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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2017年11月2日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 委員からひとこと
┣ 会議情報
┃  (10月20日)
┃   ・第18回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合の結
┃    果概要及び岡原子力委員会委員長の海外出張報告について
┃   ・岡原子力委員会委員長の海外出張について
┃   ・大学における原子力基盤教育の充実について(東京工業大学、東京
┃    大学、京都大学、九州大学、日本電機工業会)
┃  (10月23日)
┃   ・「根拠に基づく情報体系の整備について」(原子力発電環境整備機
┃    構、高度情報科学技術研究機構、電気事業連合会、電力中央研究所、
┃    日本原子力学会、日本原子力産業協会、日本原子力研究開発機構、
┃    日本原子力文化財団、日本電機工業会、放射線医学総合研究所、他)
┃  (10月31日)
┃   ・東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所の発電用
┃    原子炉の設置変更許可(6号及び7号原子炉施設の変更)について
┃    (諮問)(原子力規制庁)
┃   ・阿部原子力委員会委員の海外出張について
┣ 原子力関係行政情報
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━・・・━━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・

放射線の利用についてーその13(食品照射)
                              中西 友子

「食品照射」という言葉はあまり馴染が無いかもしれないが、放射線を照射す
ることにより食品中の微生物を死滅させる技術である。食品照射は、20世紀の
初頭、イギリスにおいて穀物にラジウム226(Ra-226)からの放射線を照射した
ところその腐敗が防げることがわかり、その技術特許を取得したことに始まる。
米国とフランスにおいても、X線を利用した食品照射の特許申請が行われたもの
の、強い強度のX線が安定して得られなかったこともあり、これらの技術は実用
化には至らなかった。その後、どんな放射線が食品照射に有効かという検討が
行われるようになり、1960年代に入ると、γ(ガンマー)線照射装置の線源コ
バルト60(Co-60)が米国各地の大学や研究所に設置されるようになった。1950
〜1960年代は、イギリス、フランスに加えて、ベルギー、ソ連(当時)、西ド
イツ(当時)などでも食品照射の研究が進展し、1950年代後半に西ドイツ(当
時)では世界初の商業用の食品照射が香辛料を対象に行われた。カナダでもジ
ャガイモへの照射が行われるようになったが、その後、 国際連合食糧農業機関
(FAO)、国際原子力機関(IAEA)と世界保健機関(WHO)が共同で、食品照射が
人に与える影響についての検討が行われ、1980年には、10kGy(グレイ)まで
の食品照射は人には害を及ぼさないとの結論に至った。

 筆者が食品照射について詳しく知るようになったのは、約20年前、科学技術
庁(当時)の放射線利用の経済規模に関する調査の委員会に加わった時である。
この委員会では、原子力発電に代表されるエネルギー利用だけでなく、全ての
分野における放射線利用についての市場規模が調査対象になった。その結果、
エネルギー利用とエネルギー以外の放射線利用の市場規模はほぼ同じ大きさで
あることがわかり、驚いた科学技術庁が、結果の再度の見直しも含め、米国で
の状況もあわせて調べることとなった。委員会には工学系、医学系、農学系の
有識者が集められ、農学系は筆者も含め4人で、その内米国調査では筆者は食品
照射を調査することになった。

 調査の結果、米国が食品照射に注目した理由は、これからの高齢化社会を考
え、食品の安全性を確保するために食品照射を推進すべきとの、複数の上院議
員からの提案書が提出されたためであることがわかった。食中毒でどの位の人
が通院しているのか、それを経済の損失として換算するとどの位になるのか。
食品照射と言っても、食品そのもの以外の包装材や扱う用具の照射も同時に考
えていくべきなど、様々なことがその調査の中で判ってきた。当時から米国で
は、照射した食品には消費者にひと目で判る表示がされているので、好まない
人は選べるようになっている。実際の食品照射の効果は明らかで、照射により
微生物が死滅するため、鮮度を長く保つことが可能である。例えばイチゴの場
合には2週間ほどは全く腐らないとのことであった。

 最近、腸管出血性大腸菌(O157)の被害が話題となり、また、レバーの刺身
は禁止となっている。食品照射を行えば、サルモネラやO157の被害を防ぐこと
ができ、レバーの刺身を食べられるようになるかもしれない。安全性の検討を
行うことは当然であるが、我が国でも食品照射の利用についてきちんと考えて
みる必要があるかもしれない。

━・・・━━ 会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━・
●原子力委員会の会議を傍聴にいらっしゃいませんか。会議は霞ヶ関周辺で開
 催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料は、すべて原子
 力委員会ウェブサイト(以下URL)で御覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●10月20日(金)の会議の概要は以下のとおりです。詳しくはウェブサイ
トに掲載される議事録を御覧ください。

【議題1】第18回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合の結果
概要及び岡原子力委員会委員長の海外出張報告について
<主なやりとり等>
 第18回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合の結果概要に
ついて、事務局より御説明を行った後、岡原子力委員会委員長より海外出張に
ついて御報告を頂き、その後、質疑を行いました。

【議題2】岡原子力委員会委員長の海外出張について
<主なやりとり等>
 岡原子力委員会委員長の英国原子力関係者との意見交換及びロンドンで開催
される第6回日英原子力年次対話への出席について、事務局より御説明を行い、
その後、質疑を行いました。

【議題3】大学における原子力基盤教育の充実について(東京工業大学、東京
大学、京都大学、九州大学、日本電機工業会)
<主なやりとり等>
 大学における原子力基盤教育の充実について、東京工業大学小原教授、東京
大学笠原教授、京都大学高木教授、中島教授、九州大学守田教授、日本電機工
業会多田部長にお越しいただき、現在の状況について御説明頂いた後、質疑を
行いました。

●10月23日(月)の会議の概要は以下のとおりです。詳しくはウェブサイ
トに掲載される議事録を御覧ください。

【議題1】「根拠に基づく情報体系の整備について」(原子力発電環境整備機構、
高度情報科学技術研究機構、電気事業連合会、電力中央研究所、日本原子力学
会、日本原子力産業協会、日本原子力研究開発機構、日本原子力文化財団、日
本電機工業会、放射線医学総合研究所、他)
<主なやりとり等>
 根拠に基づく情報体系の整備について、原子力関係機関等の方々から現在の
状況について御説明を頂き、質疑と議論を行いました。

●10月31日(火)の会議の概要は以下のとおりです。詳しくはウェブサイ
トに掲載される議事録を御覧ください。

【議題1】東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所の発電用原
子炉の設置変更許可(6号及び7号原子炉施設の変更)について(諮問)(原
子力規制庁)
<主なやりとり等>
 東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所の発電用原子炉の
設置変更許可(6号及び7号原子炉施設の変更)について、原子力規制庁より
御説明を頂き、質疑を行いました。

【議題2】阿部原子力委員会委員の海外出張について
<主なやりとり等>
 阿部原子力委員会委員のワシントンDCで開催されるIAEA60周年会議
への御出席について、事務局より御説明を行い、阿部委員から補足説明をいた
だいた後、質疑を行いました。

●次回の委員会開催については、以下の開催案内から御確認ください。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/topic/kaisai.htm

━・・・━━ 原子力関係行政情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・
 原子力関係の他の行政における委員会等のリンク情報は以下のとおりです。
直近で開催された委員会等がある場合には、◆【New】マークを付けておりま
す。

※URLが改行されてリンクが認識されない場合
 URLはクリックせず、文字列全体をURL欄に Copy & Paste してください。

■首相官邸
 ┣◆【New】原子力防災会議
 ┃(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku_bousai/ )
 ┣原子力災害対策本部
 ┃(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku/ )
 ┗原子力立地会議
  (http://www.kantei.go.jp/jp/singi/index/gensiryoku/ )

■内閣官房
 ┣原子力関係閣僚会議
 ┃(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genshiryoku_kakuryo_kaigi/ )
 ┣最終処分関係閣僚会議
 ┃(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/saisyu_syobun_kaigi/ )
 ┗原子力損害賠償制度の見直しに関する副大臣等会議
 (http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genshiryoku_songaibaisho/index.html )

■経済産業省
 ┣東京電力改革・1F問題委員会
 ┗高速炉開発会議
 (http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment.html )
  ┗◆【New】高速炉開発会議 戦略WG

■資源エネルギー庁
 ┣総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会
 ┃┃(http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/21.html )
 ┃┣原子力小委員会
 ┃┃┣自主的安全性向上・技術・人材WG
 ┃┃┣放射性廃棄物WG
 ┃┃┣地層処分技術WG
 ┃┃┗原子力事業環境整備検討専門WG
 ┃┗電力基本政策小委員会
 ┣総合資源エネルギー調査会基本政策分科会
 ┃┃(http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/ )
 ┃┗基本政策分科会
 ┃ ┣長期エネルギー需給見通し小委員会
 ┃ ┣発電コスト検証WG
 ┃ ┣電力需給検証小委員会
 ┃ ┃(http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/18.html#denryoku_jukyu )
 ┃ ┣電力システム改革貫徹のための政策小委員会
 ┃ ┃(http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/kihonseisaku/denryoku_system_kaikaku
     /001_haifu.html)
 ┗エネルギー情勢懇談会
 (http://www.enecho.meti.go.jp/committee/studygroup/#ene_situation)

■原子力規制委員会
 ┗◆【New】原子力規制委員会
  ┃(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/index.html )
  ┣合同審査会(原子炉安全専門審査会・核燃料安全専門審査会)
  ┃(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/roanshin_kakunen/index.html )
  ┣放射線審議会
  ┃(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/houshasen/index.html )
  ┣国立研究開発法人審議会
  ┃(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nrda/index.html )
  ┣量子科学技術研究開発機構部会
  ┃(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nirs/index.html )
  ┣日本原子力研究開発機構部会
  ┃(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/jaea/index.html )
  ┣原子力規制委員会政策評価懇談会
  ┃(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/seihyou_kondan/index.html )
  ┣帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム
  ┃(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/kikan_kentou/index.html )
  ┣原子力規制委員会行政事業レビューに係る外部有識者会合
  ┃(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/gyousei_gaibu/index.html )
  ┗◆【New】原子炉安全専門審査会 原子炉火山部会
   (https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/roanshin_kazan/00000002.html )

■文部科学省
 ┣原子力科学技術委員会
 ┃┃(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/055/index.htm )
 ┃┣原子力人材育成作業部会
 ┃┃(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/079/index.htm )
 ┃┣核融合研究作業部会
 ┃┃(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/056/index.htm )
 ┃┣核不拡散・核セキュリティ作業部会
 ┃┃(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/076/index.htm )
 ┃┗研究施設等廃棄物作業部会
 ┃(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/057/index.htm )
 ┣核融合科学技術委員会
 ┃┃(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/074/index.htm )
 ┃┗原型炉開発総合戦略タスクフォース
 ┃ (http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/078/index.htm )
 ┗調査研究協力者会議等(研究開発)
  ┗もんじゅの在り方に関する検討会
   (http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/019/index.htm)

■復興庁
 ┣福島12市町村の将来像に関する有識者検討会
 ┃(http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-4/20141226184251.html )
 ┗原子力災害からの福島復興再生協議会
 (http://www.reconstruction.go.jp/topics/000818.html )

■環境省
 ┗東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関す
  る専門家会議
 (https://www.env.go.jp/chemi/rhm/conf/conf01.html )

■厚生労働省
 ┗薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会放射性物質対策部会)
 (http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-yakuji.html?tid=127896 )

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●次号配信は、平成29年11月17日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
原子力委員会:岡 芳明委員長、阿部 信泰委員、中西 友子委員
○メルマガへの御意見・御感想はこちらへ(お寄せ頂いた御意見に対しては、
原則として回答致しませんが、今後の原子力委員会の業務の参考とさせていた
だきます。)
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、御返信いただけません。
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