御意見・御質問 内閣府共通検索 ENGLISH
利用規約 リンク 所在地情報 ウェブアクセシビリティ
原子力委員会について 会議情報 決定分・報告書等 活動紹介 分野別情報 メールマガジン

原子力委員会ホーム > メールマガジン配送サービス > バックナンバー

メールマガジン
第163号 原子力委員会メールマガジン エネルギーと安全保障

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.163 ━━━━━
    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2014年11月28日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 委員からひとこと エネルギーと安全保障
┣ 会議情報 
┃  (11月25日)
┃   ・フランスの放射性廃棄物処分に関する現状について−第三者評価機
┃    関を中心として−
┃   ・第15回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合の開
┃    催結果について
┣ 事務局だより 原子力発電所の耐震安全性の確保について
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・

エネルギーと安全保障

                               岡 芳明
                              
 大学にいた時は、エネルギーは必須の社会インフラなので、需要は安定して
おり仕事がなくなることはない、就職先として優れていると学生に話してきた。
現在は景気の改善により人手不足と言われているが、少し前までは、厳しく長
い就職活動を強いられていた学生にはこれは魅力的だったようである。

 エネルギーの自給は、国家の安全保障と密接に関係している。米国はこの観
点よりエネルギーの輸入依存度を25%以上にしないことを、エネルギー政策
の基本的目標にしてきたと言われている。米国本土からの原油輸出は今年6月
まで40年間禁止されていた。最近はシェールガスやシェールオイルの利用が
可能となり、米国のエネルギー輸入依存度は10%台に大きく低下している。
この結果、石油や天然ガスの安定輸入のため、米国が中東を始め世界の安全を
自ら守る必要性が低下したと言われている。一方、日本の石油輸入の中東依存
度は、80%を超えている。

 現在の日本の1次エネルギーの輸入依存度は、約95%である。これは、人
口の多い先進国の中でも極めて高く、国家安全保障の点で日本は特異的に脆弱
である。今後、中国やインド、東南アジア諸国、東欧諸国の経済発展によって、
世界の勢力図が大きく変化する可能性がある。地球温暖化問題も立ちはだかる。
安定で安価で安全なエネルギーの供給と、エネルギー自給率の向上は、日本に
とって必須の課題である。

 1965年ごろの日本の原油輸入の中東依存度は80%を超えていた。日本
が経済成長を遂げた後の2000年代以降もほぼ同じである。原油輸入の中東
依存の問題は長年解決できていないことになる。原子力で電力の大部分を供給
するフランスでも、1次エネルギーの輸入依存度は約50%である。ほとんど
の先進国では、1次エネルギーの大部分は、化石燃料で供給されている。

 エネルギー自給率の向上の課題とともに、温暖化ガスを放出しないエネル
ギー源に変えていくのは長期的課題であるが、エネルギー技術の革新は極めて
遅い。約250年前に発明され産業革命を生み出した蒸気動力は、技術改良さ
れて、なお現在も火力発電で用いられている。大量供給できる新しい発電技術
では、原子力発電が当時の火力発電技術を基盤として約50年前に、ガスター
ビン発電技術が航空機エンジンとしての半世紀の実用経験をもとに、それを大
型化し天然ガスを燃料とすることで約25年前に実用化された。

 発展途上国が経済発展に必要なエネルギーをどう獲得できるかは、国の発展
による国民の生活向上が可能か否かの死命を制する課題である。エネルギー資
源の獲得のため、軍事力が行使され、紛争、戦争となった例は枚挙にいとまが
ない。

 第二次大戦後、日本では軍事的な話はタブーになり、国民は自分の子供が戦
争に行って死ぬ可能性など考えたこともない。日米同盟で守られているとは言
え、米国民が自分の子供が日本のエネルギー資源の確保のために中東の戦争で
死ぬのをよしとするとは考えられない。少し高くてもよいので買ってくれば良
いと考えるかもしれないが、日本が輸入する天然ガスは米国の4倍、ドイツや
イギリスの2倍と高い。石炭も約2倍である。

 地方の活性化が叫ばれるが、エネルギーコスト上昇や国際競争などのため、
多くの企業が地方の国内工場を閉鎖し、海外で生産するようになった。地方の
雇用は失われ、若者がいなくなり、消滅する可能性のある町や村が多いと報道
されるようになっている。長年の顧客から電気料金が高くて日本ではやってい
けないので海外に工場を移転しますと挨拶されたとの話も聞いた。

 日本におけるエネルギー供給の課題は、東京オリンピックが開催された19
60年代と変わらない。むしろ、現在のほうが、中国や新興諸国などの発展に
エネルギー資源が必要なこと、地球温暖化問題、さらには東電事故により、は
るかに厳しくなっている。

 エネルギー問題は好き嫌いで考えると危険で、歴史や国内外の現実を踏まえ
て戦略的に、論理的に、多面的に考えないといけないのではなかろうか。

●次号は阿部委員長代理からのひとことです!

━・・・━━ 会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━・
●原子力委員会の会議を傍聴にいらっしゃいませんか。会議は原則として霞ヶ
関にある合同庁舎8号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内
や配布資料は、すべて原子力委員会ウェブサイトで御覧いただけます。

●11月25日(火)の会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはウェブサイト
に掲載される議事録を御覧ください。
【議題1】フランスの放射性廃棄物処分に関する現状について−第三者評価機
関を中心として−
<主なやりとり等>
 公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センター 技術情報調査プロ
ジェクト 稲垣氏より、フランスの放射性廃棄物処分に関する第三者評価の現
状についての説明があり、委員からは、評価機関の報告書に記載されたことを、
どのように地層処分事業に反映していっているか等についての質問がありまし
た。

【議題2】第15回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合の開
催結果について
<主なやりとり等>
 事務局より、11月19日(水)に、オーストラリア・シドニーで開催された
第15回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合の結果概要につ
いて説明がありました。

※資料等は以下のURLで御覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●次回は12月2日(火)に会議を開催する予定です。詳しくは、以下の開催案内
を御覧ください。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/topic/kaisai.htm

+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

原子力発電所の耐震安全性の確保について

 原子力発電所の安全確保、その中でも皆様の関心が高いものとして、耐震安
全性の確保というものがあるのではないかと思います。
 原子力発電所の耐震安全性の確保において、基本となるのは、その地域で原
子力発電所が稼働中にどれくらいの大きな地震が起こり得るのか、それにより
原子力発電所がどれだけ揺れるか、すなわち地震動というものを評価し、それ
に耐えるように必要な措置をとるということです。
 この地震動の評価には幅広い調査が必要となります。よく活断層調査という
言葉を聞きますが、これは地表面の活断層の存在を調査し、さらに詳しくトレ
ンチ調査などを行い、活断層の位置、長さなどを把握することを目的とするも
のです。
 さらに、地表面の痕跡だけではなく、地下に広がる(隠れた)活断層の構造
を把握することも必要です。地表面及び地下の活断層構造を把握することによ
り、過去にその地域で起こった地震の規模をより正確に想定することが可能と
なります。
 地下に対する調査には、地面に深い穴をほり、地質構造の把握を行うボーリ
ング調査というものがあります。約3kmという深さの調査が可能という技術報
告書を見たことがあります。ただし、日本の地震発生層の厚さは場所にもより
ますが、深いところで約15〜20kmと聞いたことがあります。こうなると地表面
の痕跡や数km程度のボーリング調査では地下構造をしっかりと把握すること
は困難ということとなるのでしょうか。
 実際には、その他の調査方法として、山や谷、河川などの地形から、その地
域の活断層の位置・構造などを想定する変動地形学や、地表で衝撃波を発生さ
せその反射により地下構造を把握する、反射法地震探査など複数の評価方法に
よる地下構造の総合的な把握が重要となります。
 地震という現象は、どんなに調査をして、それをもとに地震動の評価をして
も、それを超えるリスクは否定できない、すなわち残余のリスクというものが
あると言われています。しかしながら、このように単一の手法ではなく、様々
な手法を用いて安全に必要なデータを多面的に取得することで、多くの可能性
を包含したリスク評価が実現できるのではないかと考えます。

(前田)

●次号配信は、平成26年12月12日(金)午後の予定です。

======================================================================
発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○メルマガへの御意見・御感想はこちらへ
 https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、御返信いただけません。
======================================================================
            


ページの先頭へ