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第110号 原子力委員会メールマガジン 「原子力政策の180度転換」と核燃サイクル:政策移行期間が必要

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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2012年9月21日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 鈴木委員長代理からひとこと
┃    「原子力政策の180度転換」と核燃サイクル:政策移行期間が必要
┣ 定例会議情報 高レベル放射性廃棄物の処分に関する取組みついて
┃        我が国のプルトニウム管理状況について
┃        近藤原子力委員会委員長の海外出張について
┃        安全性向上に向けた電気事業者の取組みについて
┃        原子力と情報公開の在り方について
┣ 部会情報等  
┣ 事務局だより 変化の秋
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

「原子力政策の180度転換」と核燃サイクル:政策移行期間が必要

                             鈴木 達治郎

 9月14日に「革新的エネルギー・環境戦略」が発表されました。そこには
「原発に依存しない社会の一日も早い実現」、「2030年代に原発稼働ゼロを可
能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」、「安全性が確認された原発は
重要電源として活用する」との方針が明記されています。これは、これまで
「原子力を基幹電源として位置づけ、原子力比率を拡大していくこと」を基本
方針としていた従来の原子力政策を180度転換させる、歴史的な政策決定であっ
たと言えます。これに対し「即ゼロでないのは決定先送り」、「将来原発ゼロ
は無責任」、「核燃料サイクル維持は矛盾」と、いろいろ批判が出ています。
しかし、批判しているだけでは前に進めません。この歴史的政策の意味と課題
をきちんと整理し、今後の問題解決に向けて真摯に取り組んでいく必要があり
ます。
 まず、「原発に依存しない社会」の実現は、必ずしも原発ゼロを意味するも
のではありません。例えば「脱石油依存」は「石油火力ゼロ」を達成したわけ
ではなく、「電力の安定供給が石油火力出力規模に依存しないこと」が事実上
実現した状態と考えられています。したがって、「脱原発依存」という状態は、
代替電源の導入が進めば原発ゼロになる前に十分達成可能です。そういう意味
では、ここまでは「可逆的な意思決定」(原子力の選択肢を維持しておく可能
性を残す)と言えます。
 次に、「新増設をしないで原発をゼロにする」という決定は「非可逆的決定」
のように読めますので、十分吟味が必要です。様々な不確実性を考慮して「不
断に見直していく」としたことは、合理的判断だと考えられます。
 いずれにせよ、「拡大」から「縮小」に180度方向転換したわけですから、
これまでの法制度や産業構造など、全てを大きく変革する必要があります。エ
ネルギーシステムはタイタニックのような巨大な船で、一気にUターンは難し
いと考えられます。完全に方向転換が実現するまでの時間(政策移行期間)が
必要であり、その間にも引き続き国民的議論を続けていく必要があります。
 その典型が「核燃料サイクル」政策だと考えられます。今回の戦略では「従
来の方針に従い再処理事業に取り組みながら...関係自治体や国際社会とコミュ
ニケーションを図りつつ、責任を持って議論する。」となっています。これは、
一見すると「原発ゼロ方針」と矛盾するように見えます。しかし、過去50年に
わたり、核燃料サイクルの確立に向けて、予算、制度、地方自治体との協力関
係などを構築してきたので、これらを一気に転換させることには課題が多く、
実際には相当の時間もかかると思われます。原子力発電・核燃料サイクル技術
等検討小委員会(技術小委)においても、「政策変更の課題」の重要性が議論
され、また原子力委員会決定でも、その点を考慮して、「将来の不確実性を考
慮して柔軟な核燃料サイクル政策への転換」を強調しました。そのためには、
第一歩として、「直接処分」の研究に着手し、これを実現可能な選択肢として
位置づけることが必要です。今回のエネルギー・環境会議の決定は、そういっ
た観点から「再処理・直接処分併存政策」を取ったものとも解釈できます。英
国、ベルギー、スイスなど、再処理政策から撤退した国も、移行期間(併存政
策)を経て実現しています。
 政策移行期間中の再処理事業については次の3点を私は重要と考えています。
まず、「プルトニウム利用計画がない再処理はできない」という大原則を守る
ことです。技術小委においても、この大原則を守ることの重要性が議論され、
「政策選択肢のまとめ」にはどの選択肢を選ぶにせよ「余剰プルトニウムを持
たないこと」、「既存の在庫量は削減させることが必要である」と明記されて
います。
 第二に、「六ヶ所再処理事業」について、ガラス固化技術の完成は必要であ
り、原子力委員会決定でも併存の場合は「本格稼働に向けて操業すること」と
しています。その上で、稼働状況、プルトニウム利用計画、国際的視点などを
考慮して、「総合的な評価を数年以内に実施すること」を原子力委員会決定は
求めています。日本原燃(株)によると、本格操業の時期が来年10月まで遅れ
るとのことですので、こういった時間を有効に利用し、事業内容や運営体制も
含めて総合的な評価を実施することが重要だと考えます。
 第三に、「もんじゅ」を含めた高速増殖炉開発についても、原子力委員会決
定は、「有効なチェック・アンド・レビュー」の実施体制の確立、国内の枠に
こだわらず国際協力を有効に活用する方法などを提案しています。
 これらのほかに、使用済燃料貯蔵容量の確保、高レベル放射性廃棄物処分計
画の見直し、原子力発電所を減少させていくうえでの人材確保、原子力賠償制
度の改正など、課題は山積みです。このような課題を一つ一つ解決していくこ
とが、原子力政策に今求められているのだと思います。
 最後に、原子力委員会の役割について一言述べたいと思います。今回の戦略
には「政府は、...原子力政策を、エネルギー・環境会議の場を中心として、
確立する。なお、原子力委員会については...組織の廃止・改編も含めて抜本
的に見直す」と明記されましたが、原子力政策が180度転換したことを考えれ
ば、原子力委員会の在り方を検討し、廃止・改編の必要に応じて原子力基本法
を見直すことは当然の可能性として検討されるべきと考えています。また、新
原子力政策大綱についてもその責任は原子力委員会を離れるものと考えられま
す。ただ、今後どのような体制になるにせよ、原子力政策の大転換の移行期間
を円滑に進めることができるよう、上記に述べた課題解決に向けて、任期終了
(今年末)まで最善の努力を果たす所存でおります。

●次号は秋庭委員からのひとことの予定です!

━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●9月11日(火)第39回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】高レベル放射性廃棄物の処分に関する取組みついて(回答)(日本学術
会議 高レベル放射性廃棄物の処分に関する検討委員会委員長 今田高俊氏)
<主なやりとり等>
 日本学術会議高レベル放射性廃棄物の処分に関する検討委員会委員長今田氏
より、平成22年9月に原子力委員会委員長が日本学術会議に審議を依頼した
「高レベル放射性廃棄物の処分に関する取組みについて」の回答について概要
説明がありました。
 委員からは、諸外国において、原子力発電の割合について社会的合意をした
上で、高レベル放射性廃棄物の処分地を決定した事例はあるのか、最終処分の
方策確立のためにモラトリアム期間を設けることは問題の先送りとなるのでは
ないか、等の質問がありました。

【議題2】我が国のプルトニウム管理状況について
<主なやりとり等>
 事務局より、我が国の分離プルトニウムの管理状況について、平成23年末時
点におけるデータの説明がありました。本データに基づいて、我が国のプルト
ニウム保有量が国際原子力機関(IAEA)に報告されることになりました。

【議題3】近藤原子力委員会委員長の海外出張について
<主なやりとり等>
 事務局より、近藤委員長が9月15日から21日までオーストリアのウィーンへ
出張する旨の説明がありました。委員長は、第56回IAEA総会に出席し、IAEAの
幹部等原子力関係者と意見交換を行う予定です。

●9月13日(木)第40回臨時会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】安全性向上に向けた電気事業者の取組みについて(電気事業連合会 
原子力開発対策委員会委員長 豊松秀己氏)
<主なやりとり等>
 電気事業連合会原子力開発対策委員会委員長豊松氏より、安全性向上に向け
た電気事業者の取組として、各事故調査報告書指摘事項に対する対策、諸外国
の動向も踏まえた安全対策の推進等を行う新組織の設立、等について説明があ
りました。
 委員からは、指摘事項への対応だけではなく他の事故要因に対する検討は行っ
ているのか、電気事業者の取組を国民に伝えるためのコミュニケーションの場
を設けているのか、等の質問がありました。

●9月18日(火)第41回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】原子力と情報公開の在り方について(元米国原子力規制委員会委員
ピーター・ブラッドフォード氏)
<主なやりとり等>
 元米国原子力規制委員会(NRC)委員ブラッドフォード氏より、米国のスリー
マイル島原子力発電所における事故の対応を踏まえたNRCの透明性に関する取
組の例について紹介がありました。
 委員からは、NRCの資料はどのステータス(ドラフト版、最終版など)から公
開するのか、NRCの各委員を支えるスタッフの人数はどの程度か、等の質問が
ありました。

※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●次回は9月25日(火)に定例会を開催します。議題は以下のとおりです。
 (1) 平成25年度原子力関係経費概算要求ヒアリング(文部科学省、経済産業
   省、原子力委員会)
 (2) 革新的エネルギー・環境戦略について(内閣官房)
 (3) その他

●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、
霞ヶ関にある合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催
案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。

━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━
●原子力委員会には、調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されてい
ます。これらの部会や懇談会等は原則として一般に公開しており、どなたでも
傍聴することができます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホーム
ページでご覧いただけます。

●専門部会等の開催はありませんでした。

●次週の専門部会等開催情報
・次週は専門部会等の開催は予定されていません。

+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

変化の秋

 9月も下旬に入り、暦の上では秋を迎えました。まだまだ、日中表に出れば、
陽ざしに目を細め、ワイシャツに汗がにじむような暑い日が続いていますが、
日の光もいくらか和らぎ、朝晩はいくらか過ごしやすくなってきました。過ご
しやすくなったのは良いのですが、温度の変化が激しいせいか、近頃、鼻がぐ
ずついています。
 季節の変わり目に合わせて、ということではありませんが、原子力政策も変
わり目に差し掛かっているように感じます。19日には、原子力規制委員会が発
足し、新しい原子力安全規制体制がはじまりました。これまで、原子力安全委
員会のフロアは、60人を超えるスタッフで賑わい、狭く見えていましたが、引っ
越しも済み、今はガランとしています。原子力利用の方でも、「革新的エネル
ギー・環境戦略」が取りまとめられ、しばらくは、大きな動きが続いていくの
ではないかと思いますが、変化の時だからこそ、しっかりと課題に取り組んで
いきたいと思います。
(氏原)

●次号配信は、平成24年10月5日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
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○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
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○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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