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メールマガジン
第105号 原子力委員会メールマガジン 柔軟な核燃料サイクル政策とは:国民的議論にむけて

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.105 ━━━━━
    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2012年7月6日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 鈴木委員長代理からひとこと
┃        柔軟な核燃料サイクル政策とは:国民的議論にむけて
┣ 定例会議情報 原子力規制委員会設置法等の概要について
┃        東京電力(株)福島原子力事故調査報告書について
┃        第10回ITER理事会の開催結果について
┃        日経・CSISバーチャル・シンクタンク提言-原子力発電に
┃        関する4つの政策ビジョン-について 等
┣ 部会情報等  
┣ 事務局だより 人を動かす原動力
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●メールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.htmlまで、ぜひお寄せください。

━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

柔軟な核燃料サイクル政策とは:国民的議論にむけて
                             鈴木 達治郎

 革新的なエネルギー・環境戦略の決定に向けて、いよいよ国民的議論が始ま
ります。核燃料サイクルの選択肢については、6月21日に原子力委員会がエネ
ルギーミックスに対応した3つの選択肢を提示しましたが、エネルギー・環境
会議からの提示は、「概括的な表示」となっており、わかりにくいとのご意見
をいただいています。そこで、今後の国民的議論に向けて、より理解を深めて
いただくために、核燃料サイクル政策選択肢の原子力委員会決定(以下、「委
員会決定」と呼ぶ。)について私の個人的見解を述べさせていただきます。
 核燃料サイクル政策の選択を一言で言えば、使用済燃料の取扱いをどうする
か、に尽きます。「全量再処理して燃料としてリサイクルする(全量再処
理)」、「そのまま地層処分する(全量直接処分)」の選択ですが、現実には
その両方を選ぶことのできる「併存」も重要な選択肢として位置付けられます。
委員会決定では、原子力発電比率に応じた核燃料サイクル選択肢として、0%
の場合は「全量直接処分」、15%は「再処理・直接処分併存」、20〜25%は
「全量再処理」と「併存」を並列して「有力」としています。これは、原子力
発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会(以下、「技術小委」と呼ぶ。)の
報告に基づき、エネルギー・環境会議の要請に応じて、最も有力と思われる選
択肢を忠実に提示したものです。
 国民的議論をする際、この原子力発電比率毎の核燃料サイクル選択肢に注目
が集まりますが、今回の委員会決定では、どの選択肢を選ぶにせよ重要な課題
をまとめたところに注目していただきたいと思います。今回最も強調したい点
は、やはり技術小委報告にもあるように、「どの選択肢を選ぶにせよ、将来の
政策変更に対応できるような備えを進めることが重要」と提言した点です。
 この「柔軟な核燃料サイクル政策」を実現するために重要な施策が、「使用
済燃料の貯蔵」と「最終処分」への取組です。委員会決定でもこの二つを「い
ずれの選択肢を選ぶ場合でも…国がリーダーシップを発揮して、強力に推進し
ていく必要がある」最重要課題としています。また、福島第一原子力発電所の
使用済燃料対応などを考えると、直接処分を可能とすることが重要であり、委
員会決定では直接処分への取組を「早急に着手すべき」と提言しています。一
方で、「全量直接処分」を選択したとしても、将来の不確実性に柔軟に対応で
きるよう、主に廃棄物処理として有用な「高度再処理・高速炉技術等の基礎・
基盤研究は継続することが重要」としています。
 次に、「全量直接処分」を選ばない限り、六ヶ所再処理事業、高速増殖炉
(FBR)の研究開発については、「継続する」としています。全量再処理政策で
はこれらのプロジェクトが継続されることが大前提です。
 しかし、六ヶ所再処理事業については、これまでも計画通りに進んでいない
ことや巨大な費用を要する点などを踏まえ、原子力委員会では「その稼働状況、
プルトニウム利用の進展状況、国際的視点など」の観点から「数年以内に総合
評価を実施すべき」としています。また、FBRについても、「長年にわたって
多くの費用が費やされたにもかかわらず、いまだに実用化されていない」との
認識の下、チェック・アンド・レビューが「確実に機能する取組を構築する必
要がある」としています。「併存」政策では、共に「廃止」も選択肢の対象と
なり得ます。
 もう一つ重要な課題は、「国際的視点」で核燃料サイクル政策を考えること
です。FBRにおいても、「我が国内で完結する考え方にとらわれることなく、
今まで以上に国際協力を活用」すべきとしています。また、核燃料サイクル全
体について、国際的視点、特に「世界の原子力発電の安全性向上、核不拡散、
核セキュリティのリスク低減に十分に配慮した核燃料サイクル政策を構築すべ
き」としています。
 最後になりますが、政策変更を決定した場合、その責任は国が負うべきもの
であり、これまで国策に協力していただいてきた地元自治体との信頼関係を失
わないよう、最善の努力を尽くすことが重要である点も、強調させていただい
ています。

 以上を整理しますと、核燃料サイクル政策の課題として原子力委員会が決定
したことは、I.将来の不確実性(原子力規模)に対応できる柔軟な核燃料サイ
クル政策の実現、II.どの選択肢を採用するにせよ重要な使用済燃料貯蔵、直
接処分を含む最終処分場の取組を国の主導で強力に進めること、III.六ヶ所再
処理事業、FBR研究開発を継続した場合には総合評価を実施すること、IV.国際
的視点で核燃料サイクル政策を構築すること、V.政策変更も含め政策決定の責
任は国が負うこと、の5点が重要ということになります。
 なお、今回の委員会決定は技術小委報告に基づいています。現在、その報告
の作成過程について検証が行われています。技術小委座長としては、その報告
内容は全委員の確認を得ていることを改めて明言したいと思います。一部報道
で作業会合にていろいろ議論が行われたこととなっていますが、会合における
事業者の発言が最終報告案につながったわけではありません。技術小委として
は、4月27日に全委員に最終報告に向けた意見書提出をお願いし、それに基づ
いた素案を5月8日に公開の場で議論をし、それを受けて16日にまとめの議論を
行いました。また、23日の大綱策定会議においても確認していただきました。
さらに、6月5日の原子力委員会への報告の前にも、技術小委委員全員に報告内
容についてもう一度確認していただいており、今回の委員会決定は委員の確認
を得た内容に基づいています。
 核燃料サイクル政策は、極めて広範囲かつ専門的な知識や情報が必要となる
ため、技術小委の報告には、大量のデータと核燃料サイクル選択に有用な情報
が含まれています。エネルギー・環境政策を議論するうえで、これらの情報が
少しでも参考になれば幸いです。

●次号は秋庭委員からのひとことの予定です!

━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●6月26日(火)第27回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】原子力規制委員会設置法等の概要について
<主なやりとり等>
 内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室より、6月20日に成立した原子力
規制委員会設置法について説明がありました。具体的には、原子力規制委員会
の組織及び機能、原子炉等規制法の改正点並びに原子力防災会議の設置等の説
明がありました。
 各委員からは、原子力規制庁の職員にノーリターンルールを適用しているが、
今後は規制庁独自で職員を採用することになるのか、技術的判断能力を有して
いる原子力安全基盤機構を原子力規制庁にどのように統合していくのか、等の
質問がありました。

【議題2】東京電力(株)福島原子力事故調査報告書について
<主なやりとり等>
 東京電力(株)原子力品質・安全部長福田氏より、東京電力(株)が6月20日に
報告した福島原子力事故調査報告書の概要について説明がありました。具体的
には、中間報告書から記載の充実・追加が行われた点を中心に、炉心損傷防止
のための具体的な実施手順、要員・体制及び訓練などの運用面での対策等につ
いて説明がありました。
 各委員からは、原子力発電所の安全確保において、地震と津波といった複合
災害に対する具体的な対策は何か、米国では、テロの発生によって社会の安全
問題を考える際には、「通常では考えられないようなこと」に対してもきちん
と備えるという思想の転換が図られたが、何故このような新しい思想を原子力
発電所の安全性向上に取り込まなかったのか、等の質問がありました。

●7月3日(火)第28回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】第10回ITER理事会の開催結果について(文部科学省)
<主なやりとり等>
 文部科学省より、2012年6月20日、21日に米国のワシントンDCで開催された
第10回ITER理事会について説明がありました。理事会では、ITERサイトの建設
工事の進捗状況、機器製造の進展状況、等について報告がありました。
 各委員からは、ITERの活動によって得られる知見について、参加国の知的所
有権の取扱いはどのようになっているのか、参加国、特に欧州の予算確保の状
況は問題無いのか、等の質問がありました。

【議題2】日経・CSISバーチャル・シンクタンク提言-原子力発電に関する4つ
の政策ビジョン-について(公益財団法人地球環境産業技術研究機構 理事 山
地憲治氏、東京大学大学院工学系研究科 助教 小宮山涼一氏)
<主なやりとり等>
 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事山地氏より、同シンクタンクで
議論を行った原子力政策への提言について説明がありました。具体的には、原
子力規制体制の整備、原子力大学校の設立、福島第一原発廃止措置機関の設置、
原発事故への備えの再構築の4項目について提言がありました。
 各委員からは、国民から信頼される独立性、透明性、実効性のある新しい原
子力規制行政の実現に向けて何か具体的な検討をしたのか、減原子力政策の下
で原子力大学を作っても学生は集まらないのではないか、等の質問がありまし
た。

※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●次回定例会議は7月10日(火)に開催します。議題は以下のとおりです。
 (1) 日本保健物理学会の福島第一原子力発電所事故対応について(日本保健
   物理学会 副会長 服部隆利氏)
 (2) IAEA技術会合(不測事態への対応能力向上)の状況紹介について
 (3) 平成25年度原子力関係経費の見積りに関する基本方針(案)について
 (4) その他

●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、
霞ヶ関にある合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催
案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。

━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━
●原子力委員会には、調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されてい
ます。これらの部会や懇談会等は原則として一般に公開しており、どなたでも
傍聴することができます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホーム
ページでご覧いただけます。

●専門部会等の開催はありませんでした。

●次週の専門部会等開催情報
・次週は専門部会等の開催は予定されていません。

●その他
・原子力委員会は「東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃炉に向けた中長期
 的な取組について御意見を聴く会」を開催します。
 開催日時:平成24年7月7日(土) 13時30分〜16時30分
 開催場所:いわきワシントンホテル アゼリアBの間
      (福島県いわき市平字一町目1番地)
 次第:
  第一部 東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組について
  第二部 参加者から御意見を聴く会 

 ※発言及び傍聴の受付は終了しました。

+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

人を動かす原動力

 電力からの出向者の方々が、先週の金曜日を最後に、出向元に帰られた。一
つの島が役人一人を残しがらんとしている。
 彼らは「親元が電力会社である」という、ただそれだけでここを去って行っ
た。
 世間の風のなんと冷たいことか。まるで彼らが何かものすごく大きな力を持っ
ていて、何がなんでも原子力発電を推し進めるべく、その力を揮っているかの
ように思われていると、報道から私にはそう感じた。彼らはここではむしろ親
元の不利益になることをさせられ、その意義の大きさがなければ、耐えられな
かったのではないかとすら思う。彼らは皆、私と同じ弱い一個人であり、仕事
の上では一職員でしかないのだ。
 なんと理不尽な事か。
 大綱の議論を先生方に適時適切に行っていただくため、連日夜遅くまで働い
ていた。さぞ悔しかったに違いない。

 茨城県東海村にある日本原子力発電株式会社東海第二発電所。去って行った
電力出向者の中の一人が働いていた場所だ。
 3.11の際にはここも外部電源が喪失し、さらに津波の被害に遭い、非常用
ディーゼル発電機を冷やしている海水ポンプが1台使用不能になった。もし全
ての海水ポンプが使用不能になっていたら、非常用ディーゼル発電機も停止し、
原子炉を冷やす事ができなくなっていただろう。海水ポンプの水密化工事が一
部完了していたおかげで、最悪の事態は免れることができた。

 ここで、あることに気づいてほしい。「原電は海水ポンプの水密化工事を実
施していた」という事実の持つ意味の大きさである。
 畑村先生を委員長とする東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証
委員会の中間報告(H23.12月)において、「なぜ津波・シビアアクシデント対策
は十分なものではなかったのか」という項目の中で次のように書かれている。
 「民営事業者である電力事業者が、必要と認めない対策を講じることに前向
きでないのは、ある意味、事業者の論理としては当然かもしれない。想定を超
える津波に対する対策を盛り込むことができなかったことは、自主保安の限界
を示すものであろう。」
 東電はできなかった。しかし、原電はできていたのである。

 今回の事故に対し、できなかった事に対する反省は当然重要だが、「なぜ他
の会社はできなかったのに、この会社はできたのか」に、原子力の安全性を高
める上での根本的な問題が潜んでいると思う。もっとそこに目を向けるべきだ。
 原電も海水ポンプの水密化工事を検討するにあたり、社内では様々な議論が
なされただろう。安全性の向上に対する使命感が強く、また実現できる環境に
あったのだろうと推察される。

 去って行った電力出向者の方々。
 原子力安全に対する熱意と情熱を、今後も変わらず持ち続けて欲しいと、
願ってやまない。
(反町)

●次号配信は、平成24年7月20日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ
 https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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