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メールマガジン
第87号 原子力委員会メールマガジン 世界の反応と日本の役割

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.87━━━━━━
    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2011年10月14日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 尾本委員からひとこと 世界の反応と日本の役割
┣ 定例会議情報 国際原子力エネルギー協力フレームワーク(IFNEC)
┃        第2回執行委員会会合結果について
┃        ベトナム電力公社との原子力発電導入可能性調査実施に
┃        関する契約の締結について
┃        ベトナム電力公社とのニントゥアン第二プロジェクトに
┃        関する協力覚書の締結について
┃        放射線量等分布マップ(ヨウ素131の土壌濃度マップ
┃        の作成等について 等
┣ 部会情報等  第7回新大綱策定会議の開催について 等
┣ 事務局だより 機会、確実、信頼、継続
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●メールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.htmlまで、ぜひお寄せください。

━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

世界の反応と日本の役割
                               尾本 彰

 東電福島第一原子力発電所事故以降、事故原因、収束状況、教訓等について
話をしてくれとの依頼に応え、幾つかの国の原子力関係の学会や国際原子力機
関(IAEA)総会などで話をした。この経験を基に、原子力関係者という限られ
た範囲ではあるが、世界が何に関心を持ち、どんな風に感じているかを紹介し、
私自身の感想も述べてみたい。世界の関心は変遷し、当初の「何が何故起きた
のか」から「教訓」へ、そして今は、今後の安全確保にむけ「何を為すべきか」
に向かっている。
 質問や彼らからの意見を大まかに類型化すれば、以下の4つに分類される。
1.  日本固有の問題という理解:チェルノブイリ事故を欧米型とは違う設
    計と文化のせいにして差別化を図ったように、地震・津波という日本
    の特殊事情によるもの、危機管理の不備により拡大防止に失敗、日本
    のシビアアクシデントマネジメントの不十分さを指摘して自国設備を
    守る反応が少々ある。なお、地震による損傷が炉心損傷に果たした役
    割について欧州で疑問が提示されている。
2.  危機管理:米国人からwho is in chargeという質問を度々受けるほか、
    非常用発電機等を大型ヘリで運ぶなど、何故自衛隊を早期に上手く使
    わなかったのかという質問がロシア、東欧及び韓国の専門家に見られ
    るのはお国振りを反映か。交流電源が無くても原子炉に水を送る原子
    炉隔離時冷却(RCIC)系の動いていた3日間(2号機の例)にもっと出
    来ることがあったのではとの質問もよく聞かれた。
3.  原子力の今後:世界中で国民の原子力に対する信頼が揺いだのは間違
    いないが、47カ国でのGallup調査(米国の調査会社が実施する世論調
    査)に見られるように、影響の度合いはチェルノブイリ事故に比して
    限定的(事故以前の原子力発電への賛否が賛成57%-反対32%から49%-43%
    へと変化)で、それは地震・津波という特殊な事故原因にあるのではと
    の見方があり1.に関係。IAEAは事故にも拘わらず、2030年時点での
    原子力発電容量は増加(2030年までに90〜350基増)で、背景は低炭素
    電源とエネルギーセキュリティ上の位置づけとの見方。事故コストは
    どれ位なのか強い関心があるのは当然。日本の原子力政策はどうなる
    のか、日本が原子力から撤退するのは困るとの意見もアジアでは聞く。
4.  今後の安全確保:事故の教訓を生かして不断の安全性向上に役立てる
    との決意は共通。ストレステストで耐性を確認する一方、自然災害対
    策、受動安全の一層の活用で冷却確保による炉心損傷防止、環境放出
    防止など、設計と運用の改善を図る方針。安全思想では、確率論的な
    評価の知見を生かしつつ、決定論的な考え方の重視と深層防御の厚み
    を増すべきとの見方をよく聞く。国際的には世界原子力発電事業者協
    会(WANO)とIAEAの機能強化の声の一方、国の主権重視と、国により
    意見の相違がある。規制の独立性よりも重要なのは規制の技術能力だ
    というのは、ロシア連邦原子力企業(ROSATOM)という巨大な国家組織
    の一部として規制機関をもつロシアの反応であるが尤もと思う。
5.  意外なことに、土地汚染や避難に関する質問が少ないのは聴衆の偏り
    のせいであろう。何故原子炉事故と津波や化石燃料利用と比較した死
    者数について、話さないのかという批判的な質問もある。私は、その
    数値は皆さんがよくご存知だし、その指標だけで見るのは適切でなく、
    避難者数/土地汚染/事故コストなど多数の指標で見るべきと返してい
    る。最近では環境除染にわが国が積極的に取り組んでいることに、当
    然ながら諸外国は高い評価を与えている。チェルノブイリ事故との相
    違点でもある。

 わが国が今後原子力依存度を減らそうが、世界が同様に動くわけではなく、
例えばお隣の中国は現在27基の商業炉を建設中で、あと10年で日本を上回る原
子力発電容量を持つと推定されている。わが国は事故からの教訓を深く考え、
事故の知見と併せてしっかり伝え、増加するであろう世界の原子力発電の安全
確保に貢献の義務がある。
 事故を起こした国として原子力界の自己省察も踏まえ、(1)確率論的な考えと
決定論的な考えをどう併用してゆくべきか、(2) 深層防御をどう改善してゆく
べきか、(3)安全文化教育はどう変わるべきか、(4)環境法に言うprecautionary
 principle(s)[日本語では予防原則としているが必ずしも適切な訳とは思わな
い]の観点から今回のような事故をどう見てどう扱うべきか、といった問いかけ
に答えを見出し、発信する必要がある。その点で私自身は、不確かなこと不測
事態への謙虚さと幅広い柔軟な対応能力の改善、深層防御の深みを増す中にあ
って炉心損傷が起きても重大な土地汚染に至らないようにするなど、幾つかの
点で安全理念を考え直すことが必要と思っている。

●次号は近藤委員長からのひとことの予定です!

━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●10月4日(火)第38回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】国際原子力エネルギー協力フレームワーク(IFNEC)第2回執行委員会
会合結果について
<主なやりとり等>
 9月29日にポーランド ワルシャワ工科大学において開催された、IFNEC第2回
執行委員会会合(閣僚級会合)について説明がありました。日本からは、園田
内閣府大臣政務官、近藤原子力委員会委員長等が参加されました。各国代表挨
拶では、園田大臣政務官より福島事故に対する各国からの支援への謝意、我が
国の原子力を巡る現状と今後の見通しが述べられました。近藤原子力委員会委
員長からは、福島第一原子力発電所事故の概要が報告されました。また、原発
建設の際のファイナンスの課題について議論がありました。
 委員からは、福島第一原子力発電所の事故を原因として、途上国が原子力発
電を導入する際のファイナンシャルリスクが高まっている、というのが新興国
の共通認識となっているのか、国際的な原子力安全向上のために規定の強化に
向けた具体的な取組の提言があったかなどの質問がありました。
 
【議題2】ベトナム電力公社との原子力発電導入可能性調査実施に関する契約の
締結について(日本原子力発電株式会社 常務取締役 野中洋一氏)
<主なやりとり等>
 日本原子力発電株式会社(以下、原電)の野中氏より、9月28日に原電とベト
ナム電力公社が、ベトナム・ニントゥアン省第二サイトにおける原子力発電導
入可能性調査(以下、FS)の実施に関する契約を締結するとともに、原電がベ
トナム側との連絡・調整等を行うために、ハノイ市内に現地事務所を開設した
との説明がありました。
 委員からは、福島第1原子力発電所の事故の前後で契約内容の変更があったの
か、FSの実施が受注につながると考えてよいのか、調査はIAEAの基準をベース
としてすすめるのか、等の質問がありました。

【議題3】ベトナム電力公社とのニントゥアン第二プロジェクトに関する協力覚
書の締結について(国際原子力開発株式会社 業務執行取締役 高橋祐治氏)
<主なやりとり等>
 国際原子力開発株式会社の高橋氏より、ニントゥアン第二原子力発電所プロ
ジェクトに関する協力覚書をベトナム電力公社(EVN)と締結したことについて
説明がありました。
 委員からは、人材育成支援が覚書に含まれているとの説明であるが具体的に
どのようなことを想定しているのか、EVNは最新で実証済みの原子炉を提示され
ているとのことだが、その定義は何か、等の質問がありました。

●10月11日(火)第39回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】放射線量等分布マップ(ヨウ素131の土壌濃度マップ)の作成等につ
いて(文部科学省)
 文部科学省より、東京電力(株)福島第一原子力発電所から放出された放射
性セシウムの森林内における移行調査結果、同発電所から概ね100km内における
ヨウ素131、プルトニウム(238,239+240)・ストロンチウム(89,90)の放
射線量等分布マップ(土壌濃度マップ)について説明がありました。
 委員からは、プルトニウムとストロンチウムによる被ばく線量の評価結果が
セシウムより小さいというが、内部被ばくの影響を考慮しているのか、今回の
結果を他省の除染作業にどのような形で役立てるのか、発電所から20km以内の
生態系への影響をどのように確認しているのか、等の質問がありました。

※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●次回定例会議は10月18日(火)に開催します。議題は以下のとおりです。
・原子力発電に係るシンポジウム等の不適切な運用に関する今後の対応方針に
 ついて(経済産業省)
・その他

●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞ヶ
関にある合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や
配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。

━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━
●原子力委員会には、調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されてい
ます。これらの部会や懇談会等は原則として一般に公開しており、どなたでも
傍聴することができます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームペ
ージでご覧いただけます。

●10月3日(月)に新大綱策定会議(第7回)を開催しました。
詳しくはホームページに掲載される議事録をご覧下さい。
<主なやりとり等>
 内閣府および電気事業連合会から、それぞれ『東京電力福島原子力発電所の
事故から現在までに得られた教訓とその取組みの進捗状況について』と『原子
力発電所における取組状況』について説明がありました。
 その後、議論再開後の新政策大綱策定会議において議論すべき点について、
各委員のお考えを伺いました。各専門委員からは、原子力発電に関する現状の
認識から始め、短期と長期の二つの観点で議論すべき、エネルギーセキュリティ
を考える際、国内だけでなく世界の情勢も踏まえて議論すべき、新しい安全基
準を設ける際には、原子力に批判的な専門家を入れた第三者委員会がこれを検
証し、結果を公開すべき、等の意見がありました。
 
●10月4日(火)に第4回東京電力(株)福島第一原子力発電所における中長期措
置検討専門部会を開催しました。
詳しくはホームページに掲載される議事録をご覧下さい。
<主なやりとり等>
 福島第一原子力発電所の中長期措置に必要となる研究開発項目、研究開発を
実施するにあたっての基本姿勢、研究開発体制について議論が行われました。
専門委員からは、研究開発の実施推進体制については、中長期的に存在し、実
行力のある体制が重要である、調整役ではなく、責任権限を明確にした推進体
制とする必要がある、等の意見がありました。

●10月11日(火)に第1回原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会を開
催しました。
詳しくはホームページに掲載される議事録をご覧下さい。
<主なやりとり等>
 原子力発電・核燃料サイクルの総合評価に資するデータの整理を行うための
小委員会が開催されました。同小委員会では、(1)使用済燃料の直接処分方法
等の概念、(2)原子力発電・核燃料サイクルの経済性試算、(3)原子力発電
・核燃料サイクルオプション等の整理をすることとしています。
 第1回小委員会では、小委員会の設置目的を確認するとともに、核燃料サイク
ルコストの試算モデル・条件の確認を行いました。
 各委員からは、コストを試算するに当たっては、将来の不確実性を考慮して
コストの幅を示すべき、回収ウラン等のクレジットも考慮すべき、合理的な時
間スケールをモデルに適用すべき、等の意見がありました。

●10月13日(木)に第2回原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会を開
催しました。
詳しくはホームページに掲載される議事録をご覧下さい。
<主なやりとり等>
 第2回小委員会では、原子力発電所の事故リスクコスト試算の考え方につい
て、東京電力に関する経営・財務調査委員会報告書等様々な試算の実例紹介と
あわせて説明がありました。
 各委員からは、損害費用の算出に当たっては、過去の試算を参考にするのか、
最新知見である福島第1原子力発電所の事故の実績に基づくのか、事故の発生頻
度については、最新のプラントに基づいて考えるか、日本の実機プラントに基
づいて考えるか、等について意見がありました。

+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

機会、確実、信頼、継続
 
この10月に原子力委員会の事務局に着任しました。この事務局便りを書いてい
る時点では、着任して4日目です。着任して日が浅いのですが、着任して早々に
これまでに無い経験をすることができました。まずは、着任初日に原子力政策
大綱策定会議で、参加委員ご発言のメモ取りを行いました。2日目には、中長期
措置検討専門部会に事務局として参加しました。両方とも、マスコミ関係者の
皆様が傍聴に来られる関心の高い会議で、これまでの業務では経験しないよう
な会議でした。

このような未経験の世界に足を踏み入れたとき、最初は何をすればよいのか?
と一瞬戸惑いますが、こういうときこそ日頃自分で心がけている『機会、確実、
信頼、継続』の輪を実践しようと思い、ここで簡単に紹介したいと思います。

まずは『機会』。世の中何かやりたいと思っても、機会を得ることが出来なけ
れば実際に携わることが出来ないことが多々あります。ですから、まず、機会
を得ることが重要であると思っています。次に、『確実』。幸運にも機会を得
たならば、その中でやるべきことを、一つ一つ確実に実行していきたいと思っ
ています。次に、『信頼』。確実に実行していくことで信頼を得て、次の機会
につなげていきたいと思っています。最後に、『継続』。前述の『機会→確実
→信頼』のサイクルを継続的に回していくことで、よい仕事の流れを作ってい
ければと思います。 
最初にこのようなことを言って自分を追い込むことが好きな私ですが、今後と
も皆様宜しくお願い致します。
(尾上)

●次号配信は、平成23年10月28日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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