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メールマガジン
第77号 原子力委員会メールマガジン この度の原子力災害について


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.77━━━━
    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
           2011年5月27日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 尾本委員からひとこと この度の原子力災害について
┣ 定例会議情報 東日本大震災に関する日本原子力学会の活動について
┃                今後の原子力政策に関する有識者ヒアリング
┃                「福島支援本部」の設置について
┃        東京電力(株)福島原子力発電所事故への原子力損害賠償
┃        法に基づく対応の状況について 等
┣ 部会情報等  
┣ 事務局だより ライフスタイル
┃          
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●メールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.htmlまで、ぜひお寄せください。

━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
この度の原子力災害について
                                尾本彰

 この度の原子力災害により避難退避をはじめ多くの方々に様々な艱難辛苦を
強いているのを、原子力関係者の一人、とりわけIAEAに勤める以前は東電の原
子力技術者だったという立場から、誠に申し訳ないと考えている。一部の避難
先に赴き、痛恨の思いを深くしたところである。言い訳じみるが、原子力委員
会は原子力災害に際して果たすべき機能は法律上では無く、原子力基本法及び
委員会設置法でも安全を除くと規定されているので、個人として赴いた。安全
確保と言う前提が守られなかったとの事実に立って、原子力委員会は事故を踏
まえて今後の原子力政策をどう考えるかが問われるのは当然である。
 避難生活を強いられている方々にとっては、一体何時になったら郷里に帰れ
るのかが最大の関心事と思う。当然、土壌汚染の程度と汚染除去による恢復と
いう面と、事故の収束という2つの面がある。前者については、汚染マップを
作成し早期に環境修復計画と復興プランを策定実行する必要があり、官邸各省
庁総力を挙げて優先課題とすべきで、かような働きかけをしている。後者につ
いては、安定的な長期冷却、水のリサイクルによる漏れ防止、建屋の覆いによ
る飛散防止の3つが貢献するが、津波による構内の被害と、津波と水素爆発に
より建屋内部の作業環境が水(津波による海水と冷却用注水を併せ夥しい水の
存在)と放射線の為に極端に悪いという問題から、早期に進まないのが実態と
見える。世界は3件の重大な炉心損傷事故を経験することになった訳だが、他
2件は今回に比べて短期に収束に至っている。スリーマイル島原子力発電所事
故では、機器が健全で動力が利用でき放射性物質の格納容器外への漏れが少な
い中での早期収束。チェルノブイル原子力発電所事故では、反応度事故による
蒸気の大量発生と水素爆発で短時間のうちに炉心が大気に晒され火災を起こし
鉛とドロマイトと砂を空から投下し原子炉を埋もれさせて収束させた。福島で
は、崩壊熱が既に2MWth以下と1/1000以下にまで低下し、これまでの各原子炉
への大量の給水でその水がどこまで有効に冷却に寄与しているかという問題ゆ
え順調とは言えないまでも温度指示を見ると冷却は進んでおり、更に上記のう
ち水のリサイクルを6月半ば迄には実現を、建屋の覆いを秋迄には完成を目指
すと聞いている。これらが一日も早く完成することを祈ってやまない。
 6月のIAEA大臣級会合による今後の安全再構築や既存炉の安全評価では、教
訓事項抜きでは話にならないのでこれについて私見を述べたい。今月初めに仏
で開催の国際会議でも教訓について私見を述べたところである。多様性と外部
動力に依らない安全確保の重要性、最終的な熱の逃がし先からの隔離と長時間
に亘る交流/直流電源喪失という事態への耐性評価の必要性、シビアアクシデ
ントマネジメントが悪い環境条件でも効果的に運用されるための改善、事故時
計装、リアルタイムのシミュレーションによる操作補助など様々な教訓がある
と考えているが、ここでは「信頼」という問題に係る2点に絞りたい。
 第一に、安全設計における自然現象の考慮という点でより謙虚さと想像力が
要るという点。2002年には土木学会の評価手法を用い、各電力は断層地震と海
溝型地震を考え波源の不確かさを考慮した津波シミュレーションを行い既往津
波をも包絡して設計津波高さを新たに設定し、施設の改造も行った。耐震新指
針(2006)と柏崎刈羽原子力が被災した中越沖地震(2007)の経験に立って、2009
年、福島について一万年から百万年に一回の超過確率を考えての設計地震力を
国/東電/専門家による場で再評価がなされたものの、津波はその後の審議対象
とされたようである。津波高さに対する超過確率は2002年評価手法でも論議さ
れていなかった。
 国の地震本部は3.11地震のすぐ後に、岩手県沖から茨城県沖までの多数
の震源域が「連動して発生する地震については想定外であった」との声明を出
している。5月20日号のサイエンス誌は、「地震占い」という記事で、世界的
なデータ収集とモデル検証の必要性、未知をどうするかを論じている。今後、
原子力施設だけでなく、安全目標に照らして適切な地震動と津波高さを社会全
体の防災基盤整備のベースとして再構築する必要がある。とりわけ、人工物で
ある原子力施設は「避難」が出来ず土地汚染の危険性を孕むこと、更には、内
因事象は世界中の原子力発電所における合計440基からのデータの蓄積が可能
であり、これに基づいてリスク評価の精度を上げてゆくことが可能であるが、
自然現象による外因事象は書かれていない歴史を掘り起こし、あるかもしれな
いシナリオを考えて一万年に一回より低い超過確率を探るという点で、謙虚さ
が要ると思う。
 第二に、国境を越え多様な考えを持つ専門家による安全設計レビューに触れ
たい。旧ソ連の閉鎖体制に対して西側諸国は、チェルノブイル型の「正のボイ
ド係数」を運転条件によっては持つ原子炉、言わば坂道を転がり始めたら止め
られない原子炉の設置を止めようとしなかった、あるいは、それ自体が知られ
ていず英国以外の国はおかしいという声を挙げなかったようである。このよう
に国際的な専門家レビューシステムの欠落自体がチェルノブイル事故の大きな
教訓だと私は考えてきた。今回の事故を契機に国際的な安全評価により、謙虚
に他人の意見に耳をかし、考え落しがないように万全を期する信頼のおけるシ
ステムと国境をも超えた相互信頼システムの構築に繋げるべきと考える。
 社会の為にと考えて造って来た人工物が及ぼした環境への影響、とりわけ地
域の人々に与えている艱難を見るのは辛い。置き去りにされたペットや家畜の
写真は涙無しには見られない。原子力に携わる人が原子力利用の前提である安
全確保に決意を新たにしあらゆる努力を惜しまないことが求められているのは
言うまでもない。事故を踏まえて今後の原子力政策をどう考えるかの問題は、
需給/低炭素社会への移行/将来技術開発等々複雑な方程式もさることながら、
この努力にたって事業者/規制への信頼を含め「前提である安全確保」の程度
に皆がどう得心するかの問題、至りつくところ人への「信頼」の問題であると
思う。

●次号は近藤委員長からのひとことの予定です!

━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●5月17日(火)第15回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

・東日本大震災に関する日本原子力学会の活動について(日本原子力学会)
<主なやりとり等>
 日本原子力学会より、福島第一原子力発電所の事故に関して、社会からの問
い合わせ対応や事故処理に向けての提言等、同学会の活動について説明があり
ました。
 委員より、提言している内容のスケジュールはどのようになっているか、事
故調査や原子力発電全体のレビューをする予定はあるのかなどの質問がありま
した。

・今後の原子力政策に関する有識者ヒアリング(京都大学原子炉実験所教授 
山名元氏)
<主なやりとり等>
 京都大学原子炉実験所の山名教授より、福島第一原子力発電所事故後の取り
組むべき原子力政策の課題について説明がありました。説明では、過去の安全
実績に基づいた原子力発電の拡大路線から、より厳しいリスク評価を前提とし
た慎重な原子力利用の路線に転換することを前提とし、安全に継続することの
妥当性の検証とそのために必要な取組について述べられるとともに、事故の収
束へ向けた課題、福島の環境修復に向けた課題など7つの課題についても述べ
られました。
 委員より、原子力発電を継続する妥当性の検証として具体的に何をするべき
か、発電所周辺の環境修復するための道筋をどのように考えているかなどの質
問がありました。

・「福島支援本部」の設置について(日本原子力研究開発機構)
<主なやりとり等>
 日本原子力研究開発機構より、5月6日に同機構が設置した「福島支援本部
」の取組等について説明がありました。
 委員より、線量分布マップの作成にあたり関係機関間の役割分担はできてい
るのか、土壌回復について校庭だけでなく水田や畑等にも拡大する予定はある
のかなどの質問がありました。

●5月24日(火)第16回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

・東京電力(株)福島原子力発電所事故への原子力損害賠償法に基づく対応の
状況について(文部科学省)
<主なやりとり等>
 文部科学省より、4月28日に公表された福島原子力発電所事故による原子力
損害の範囲の判定等に関する一次指針について説明がありました。
 委員より、損害賠償の法的スキームができるまでに時間を要した場合賠償の
支払いが遅れることはないのか、被害があった地域の状況を把握するために被
害地の首長等からヒアリング等は行っているのかなどの質問がありました。

・今後の原子力政策に関する有識者ヒアリング〜土壌汚染問題とその対応〜
(原子力発電環境整備機構フェロー 河田東海夫氏)
<主なやりとり等>
 原子力発電環境整備機構フェローの河田氏より、福島原子力発電所事故によ
る土壌汚染問題とその対応について説明がありました。説明では、福島地方の
セシウムによる土壌汚染状況等について述べられるととともに、今後の対応と
して、福島地方の土壌・環境汚染問題を住民との間で民主的な方法によって解
決することが重要であることなどが述べられました。
 委員より、民主的な方法で解決するためには具体的にどのような方法が考え
られるか、土壌修復のための具体的なプロジェクトのプランニングをどのよう
に進めたらいいかなどの質問がありました。

・尾本原子力委員会委員の海外出張について
<主なやりとり等>
 尾本委員より、5月28日から6月2日にかけてアラブ首長国連邦へ出張する
ことについて説明がありました。ドバイで開催される原子力発電に関する国際
会議(Nuclear Power World MENA 2011)に出席し、福島第一原子力発電所の
事故に関する説明等を行う予定です。

※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●次回定例会議は5月31日(火)に開催します。議題は以下のとおりです。
・今後の原子力政策に関する有識者ヒアリング〜“3つの25”は達成可能だ〜
(特定非営利活動法人気候ネットワーク代表 浅岡美恵氏)
・今後の原子力政策に関する有識者ヒアリング〜既存原発止まれば、影響は10
年単位に〜(日本経済研究センター理事長 岩田一政氏)
・第2回国際原子力エネルギー協力フレームワーク(IFNEC)運営グループ会
合の結果について
・鈴木原子力委員会委員長代理の海外出張について
・その他

●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞
ヶ関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や
配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。

━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━

●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されていま
す。これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴でき
ます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけ
ます。

※現在、開催が予定されている部会はありません。

+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
ライフスタイル

 今年の夏はこれまで以上に、省エネルギーに努めなければならない。東北地
方太平洋沖地震直後には、社会全体が急激に不要・不急のエネルギー消費を極
力控えるようになった。一部では、その自粛ムードが行き過ぎた感があったと
ころもあり、徐々に修正されたが、無駄なエネルギーの消費を控えること自体
は今回の震災がなくても大切である。
 その“無駄な”とは何かと考えていると、分からなくなってくる。生活に必
須でないものは無駄なのか。例えば、旅行やスポーツ、音楽、映画などの娯楽
は、無駄なのか。いや、個人にとっても、社会にとっても、必要であろう。じ
ゃあ、遊園地やゲームセンターは無駄なのか。余暇の娯楽のために働いている
という人も少なくなく、そのような個人の行動が関連する産業を発展させ、現
代の社会を豊かにしてくれている。
 いま、低エネルギー消費のライフスタイルを変えていかなければならないと
考えるが、一方で“無駄な”活動に、豊かさを感じている。そう思うと、個人
が豊かさを感じ、社会全体が豊かさを持ち、無駄なエネルギー消費をしないラ
イフスタイルというのはなかなか難しい。
(朝岡)

●次号配信は、平成23年6月10日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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