原子力委員会ホーム > メールマガジン配送サービス > バックナンバー

メールマガジン
第34号 原子力委員会メールマガジン 2009年7月10日号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ bR4━━━━
    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
           2009年7月10日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃
┣ トピックス  松田委員からひとこと 
┃        「スウェーデンにおける最終処分地の決定」
┣ 定例会議情報 平成22年度原子力関係経費の見積りに関する基本方針に
┃        ついて など
┣ 部会情報等  第31回政策評価部会
┣ 読者コーナー
┣ 事務局だより
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━・・・━ トピックス 松田委員からひとこと ━・・・━・・・━
「スウェーデンにおける最終処分地の決定」

6月4日は筆者にとって待ち遠しい日だった。4月20日にスウェーデン核燃料
・廃棄物管理会社(SKB)のクラエス・テゲルストロム社長と日本でお会いした
折、順調に行けば6月3日にSKBは最終処分地を決定すると伺っていたからであ
る。スウェーデンは92年から地層処分場のサイト選定を、8自治体に絞り、さ
らに2000年には3自治体まで絞り込んだ。その自治体の中のエストハンマルとオ
スカーシャムが2001年に調査の受け入れを決め、8年かけて両自治体とSKBは
協議を続け、とうとう今年の6月に、どちらか一つを最終処分地に決定すること
になったのである。

縁あって、1996年からオスカーシャムを5回、フォルスマルクを1回訪ねた
筆者は、まるで自分のことのように6月4日(現地では6月3日)を待っていたので
ある。その日の朝、在日スウェーデン大使館の主席商務官 竜氏からのメールは、
「最終処分地は、エストハンマルに決定」だった。大方の予想は、中間貯蔵施
設のあるオスカーシャムが有利と思われていたのだが、「エストハンマルに決定
した有力な選定理由は、埋設予定地のフォルスマルクの地下は、割れ目のほとん
どない岩石で占められ、地下水もほとんど出ない。従ってオスカーシャムより小
さなスペースで施設が建設でき、埋設ができる」という選定の理由を聞くと、な
るほどと思える。

それにしても、どちらの自治体も積極的に誘致合戦をしていたので、「落選した
自治体は、さぞがっかりされたのではないでしょうか」と、竜さんに伺うと「実
は、落選した自治体も損にならないような見事なシステムがとられているのです」
と以下の話をしてくれた。

「SKBは、地域支援金として両自治体にあわせて20億SK(約360億円)を支払います
が、処分場サイトに選定されたエストハンマル自治体に25%、落選したオスカー
シャム自治体に75%を数十年にわたる処分事業の操業期間中に支払います。WINN
ER が25%、LOSERが75%というルールです。なお、地域支援金はSKBと両自治体
に共通の目的に使われる予定です。例えば施設周辺へのアクセス道路の整備、地
元の教育機関での原子力関連学科の新設、職業訓練施設の設置、訪問者用の宿泊
・会議設備の新築などです。また、WINNER/LOSERと言いましても最終処分場の現
場がエストハンマル自治体に建設されるだけで、それに至る前の諸施設は既にオ
スカーシャム自治体にあるか、今後建設されます。見てくださいこの写真(※)。
オスカーシャムの市長さんとエストハンマルの市長さんが、SKBのテゲルストロ
ム社長と3人で、スウェーデンのエネルギー政策の基盤を支える原子力発電の最
終処分政策をしっかり支えていくと笑顔で手と肩を組んでいます。三方一両得で
す。」

両自治体には今後このほかにエストハンマルに350億SK(4550億円)、オスカー
シャムに320億SK(4160億円)、合計670億SK(約8710億円)が投資されて
いく。いずれも新たな施設建設費関連である。フォルスマルクには新たに225名
の雇用も創生されるそうだ。

地層処分の地質環境に恵まれた街だからこそと合意に応じた地域市民の選択。
放射性廃棄物の地層処分地の決定にふさわしい地質のある自治体は、「神様から
宝物をもらったまち」なのだと、筆者は思う。

スウェーデンが地層処分決定に至る道筋は、筆者の報告書「スウェーデン・フラ
ンスでは放射性廃棄物の最終処分地選定はどのように進められているか―2008年
海外視察報告―」(2009年5月刊、145p,7M程度)をご覧ください。報告書をお求め
の方は、以下のフォームにて事務局までご連絡をお願いします。
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0002.html

※スウェーデンの核燃料廃棄物管理会社のHPに写真が掲載されています。
http://www.skb.se/Templates/Standard____26400.aspx


●次号は広瀬委員からのひとことの予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●6月30日(火)第24回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・核物質防護規制に関する実施状況の報告について(原子力安全・保安院、文部
科学省、国土交通省)
<主なやりとり等>
核物質防護規制に関する実施状況について、原子力安全・保安院、文部科学省及
び国土交通省より報告がありました。委員より、IAEAでセキュリティの見直
しもされているという状況であり、核物質防護は非常に大事な仕事である等のコ
メントや、関係者間の情報共有について質問がありました。

・日本原燃株式会社濃縮・埋設事業所における核燃料物質の加工の事業の変更許
可について(諮問)(原子力安全・保安院)
<主なやりとり等>
日本原燃株式会社濃縮・埋設事業所における核燃料物質の加工の事業の変更許可
について、原子力安全・保安院より説明がありました。委員より、平和利用の担
保について質問がありました。

・独立行政法人日本原子力研究開発機構が達成すべき業務運営に関する目標(中
期目標)の変更について(諮問)(文部科学省)
<主なやりとり等>
独立行政法人日本原子力研究開発機構が達成すべき業務運営に関する目標(中期
目標)の変更について、文部科学省より説明がありました。委員より、研究開発
施設の共用環境整備について質問がありました。

・第4回ITER理事会の開催結果について(文部科学省)
<主なやりとり等>
第4回ITER理事会の開催結果について、文部科学省より説明がありました。
委員より、文言の解釈や翻訳に関しての質問等がありました。

・市民参加懇談会の開催報告及び廃止について
<主なやりとり等>
市民参加懇談会の開催報告及び廃止について、事務局より説明がありました。委
員より、懇談会が果たした役割の評価やメンバーへの感謝のコメントがありまし
た。

・近藤原子力委員会委員長の海外出張報告について
<主なやりとり等>
近藤委員長が6月19日〜23日の間でロシア(モスクワ)を訪問し、日豪イニ
シアティブ第3回「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」に出席するとともに
原子力関係者との意見交換を行った結果概要について、近藤委員長より報告があ
りました。


●7月7日(火)第25回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・日本原燃株式会社再処理事業所における核燃料物質の加工の事業の許可につい
て(一部補正)(原子力安全・保安院)<主なやりとり等>
日本原燃株式会社再処理事業所における核燃料物質の加工の事業の許可の一部補
正について、原子力安全・保安院より説明がありました。

・平成22年度原子力関係経費の見積りに関する基本方針について
<主なやりとり等>
平成22年度原子力関係経費の見積りに関する基本方針について、事務局より説
明がありました。委員より、研究開発や人材育成の重要性の指摘や新たな取組み
を期待するコメント等がありました。

・国際専門部会の設置及び国際問題懇談会の廃止について
<主なやりとり等>
国際専門部会の設置と国際問題懇談会の廃止について、事務局より説明がありま
した。委員より、国際専門部会における議論に期待する旨のコメントがありまし
た。


●次回は7月14日(火)に開催します。
 ・日本原子力技術協会 中長期ビジョンについて(日本原子力技術協会)


●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞ヶ
関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布
資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━

●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されています。
これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴できます。
開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。

●原子力委員会 研究開発専門部会報告書「原子力政策大綱に示している原子力
研究開発に関する取組の基本的考え方の評価について(案)」に対するご意見の
募集を7月17日(金)まで行っております。皆様からの率直なご意見をお待ちし
ております。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/kenkyuukaihatu/bosyu/090703/bosyu090703.htm


●6月25日(木)の第31回政策評価部会の概要は以下のとおりでした。
<議題>
 ・報告書(案)に頂いた御意見への対応について
<主なやりとり等>
事務局より、報告書(案)に頂いた御意見への対応について説明があり、その後
、ご意見への対応振りについて議論が行われ、改めて文章の表現を見直すことと
なりました。コメントの反映については部会長預かりとして了承され、政策評価
部会「エネルギー利用」については終了することとなりました。


━・・・━━ 読者コーナー ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

●皆さまからのお便りをお待ちしています!このメールマガジンや、原子力委員
会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0002.htmlまで、ぜひお寄せくだ
さい。なお、お寄せいただいたご意見・ご感想などは、個人情報を除きこのメー
ルマガジンに掲載させていただくことがあります。また質問につきましては、
そのすべてには回答できない場合がありますので、ご了承をお願いいたします。


+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

内部で準備を進めてきた国際専門部会の設置が、7月7日の定例会で委員会決定
されました。設置に向けた準備作業の中で、委員就任のお願いや、委員就任を承
諾していただいた方々へ原子力を巡る国際的な動きなどをご説明する際のメモ取
りのため、様々な方をとお会いしました。

どの方もそれぞれご専門の分野では一流の方々で、原子力については専門でない
と前置きをされていましたが、横でメモをとりながら聞いているだけで勉強にな
り、為になるコメントやご意見ばかりでした。これからの部会でどのような議論
が交わされるのか、(適切な表現ではないかもしれませんが)とても楽しみです。


再来週の木曜日(7月23日)午後に開催する第一回部会を皮切りに、「国際社
会の原子力平和利用推進に向けた取組において我が国が果たすべき役割について
の基本的考え方」や「今後の我が国の原子力利用推進のために必要な国際対応に
ついての基本的考え方」についての検討を進めていく予定です。

当日どんな議論が行われるのか、傍聴席に人数の制約はございますが、ぜひ会場
に足を運んでいただけたらと思います。(平山)


●次号配信は、平成21年7月24日(金)午後の予定です。

======================================================================
発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
 https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0002.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0001.html
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
======================================================================


ページの先頭へ