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第21号 原子力委員会メールマガジン 2008年12月12日号
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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
           2008年12月12日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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┣ トピックス  近藤委員長からひとこと 「年の瀬にひとこと」
┣ 定例会議情報 松田原子力委員会委員の海外出張報告について
┃        第9回FNCA大臣級会合の結果概要について など
┣ 部会情報等  第32回市民参加懇談会について
┣ 読者コーナー
┣ 事務局だより
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━・・・━ トピックス 近藤委員長よりひとこと ━・・・━・・・━

「年の瀬にひとこと」

 今年も残すところわずかとなったいま、我が国の原子力界は、J−PARC
 がビームを発生し始め、マラソン交渉の結果フランスにサイトが落ち着いた
 ITERプロジェクトから機器製造の注文を受けるなど計画の着実な前進が
 見られる一方で、4月1日から始まった京都議定書の第一約束期間において重
 要な役割を担うことが期待されている原子力発電が、柏崎刈羽原子力発電所
 が昨年から停止していることもあって稼働率が想定外の低さで、いまのとこ
 ろこれに十分貢献できていないこと、六ヶ所再処理工場の本格操業開始が遅
 れていること、高速増殖炉原型炉もんじゅの再起動に向けての取組みが遅れ
 ていることなどの厳しい状況を抱えている。世界に目を転じれば、リスク管
 理に失敗した金融界の信用喪失が世界の実体経済に打撃を与え始めている。
 その影響は急激で大きく、回復に数年を要するといわれている。しかし、現
 在6基の原子力発電所を建設しているインドは、この状況にあってしかも大
 規模なテロを経験した直後にも関わらず、今後とも年間数基のペースで原子
 力発電所を建設していく計画を発表したし、中国においても活発な新設計画
 が進められている。一人当たりエネルギー使用量が我が国よりかなり小さい
 これらの国である。これらの計画がスムーズに実現されることを祈りたい。

 原子力委員会は今年1月、年頭にあたって、私たちは克服するべき課題をた
 くさん抱えていて容易ならざる状況にあるけれども、高度技術社会の持続可
 能な発展は、遭遇する困難を克服してそれを通じて得た知見を技術の設計や
 利用システムの運営に適切に反映していくことによってのみ実現されると考
 え、エネルギーの安定供給と地球温暖化対策に貢献できる頑健な原子力利用
 推進体制を構築していくことを目標に、直面している課題に丁寧に取り組む
 ことが肝要とした。そして、この取組に当たっては、原子力発電の価値につ
 いての冷静な分析を新しい環境を見据えて絶えず更新し、これを享受するた
 めに効果的で効率的な活動を客観的で冷静なものの見方に立って新たに得ら
 れた知見や経験を遅滞なく活用しつつ一貫性のある姿に再設計しながら推進
 し、同時に、国民との間でそうした取組を行っていることの相互理解を追及
 していく必要があるとした。

 2000年代の前半、原子力界は、現場において不正行為が露見し、これに
 は現場の課題に疎い中央の不作為も原因していることを反省し、「“後で”
 では遅すぎる、いまから取組むべし。」として、各方面において現場との距
 離を短くした新しい取組を設計し、着手してきた。原子力委員会も、上に述
 べた取組によって本格的に持続可能な、しかも適用性の高い解決策を整備す
 ることができる、この道こそ原子力科学技術が国民に信頼され、エネルギー
 安全保障に、地球温暖化対策に貢献する社会につながっていると考えるとこ
 ろ、こうした取組は必須と考え、これを応援してきた。

 一方、原子力の価値の分析については、東京大学生産技術研究所の山本良一
 教授に取りまとめの労をお願いしてビジョン懇談会を開催し、「地球環境保
 全・エネルギー安定供給のための原子力のビジョン」を取りまとめた。この
 検討においても、原子力はもたもたしているから、これに依存するのは無理
 ではという意見もいただいた。しかし、原子力関係者が国民に信頼されるこ
 とを第一に上の方針で努力していることを説明し、相当の貢献が可能である
 とのご了解をいただいた。

 上に述べた今日の状況は、私どもが、それぞれの所掌にある人々とともに、
 この取組を今後とも継続していかなければならないことを意味している。オ
 バマ氏が勝利演説で述べたように、目指す変化はすぐには達成出来ないかも
 しれない。しかし、Yes, we can.を唱和し、徹底したリスク管理の下、この
 取組を倦まず弛まず続けることを期待したい。

 読者の皆さんに本年のご愛顧を感謝します。来るべき年が皆様に、我が国に、
 そして世界にとって良い年でありますように祈念します。

○近藤委員長の紹介
 近藤駿介(こんどう しゅんすけ)
  原子力委員会委員長(常勤)
  元東京大学大学院工学系研究科教授、東京大学名誉教授
  2004年(平成16年)1月より原子力委員会委員長
  紹介のページはこちら ↓
          http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/iin/kondou.htm

●次号は原子力委員会委員からの新年挨拶の予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

●12月2日(火)第49回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・松田原子力委員会委員の海外出張報告について
<主なやりとり等>
松田委員がスウェーデン及びフランスの放射性廃棄物処分等に関する情報収集
を行うために、11月16日から24日にかけて行った出張の概要について、
事務局及び松田委員より報告がありました。委員より、フランスの国家公開討
論委員会の位置付けや役割等についての質問がありました。

・独立行政法人日本原子力研究開発機構大洗研究開発 センター(北地区)の
原子炉の設置変更(JMTR(材料試験炉)原子炉施設の変更)について(答
申)
<主なやりとり等>
前回の定例会において諮問を受けていたJMTRの設置変更について、「妥当
と認める」との答申を決定しました。


●12月9日(火)第50回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・照射試験炉JMTRについて(日本原子力研究開発機構)
<主なやりとり等>
独立行政法人日本原子力研究開発機構より、照射試験炉JMTRの今後の利活
用の基本方針とこれを実現するための取組の現状について説明がありました。
委員より、諸外国の類似施設と比較した際の特徴についての質問や顧客第一の
姿勢の重要性の指摘がありました。

・第9回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合の結果概要につ
いて
<主なやりとり等>
11月28日にフィリピン・マニラ市で開催された第9回FNCA大臣級会合
の結果概要について、事務局より説明しました。委員より、IAEAやGNE
Pとの関係等についての質問がありました。


●次回は12月16日(火)に開催します。議題は以下の予定です。
・米国エネルギー省原子力諮問委員会報告書「原子力:21世紀の政策と技術」
について・株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパンにおける
核燃料物質の加工の事業の変更許可について(諮問)


●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞
ヶ関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や
配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━

●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されていま
す。これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴でき
ます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけ
ます。


●12月8日(月)の市民参加懇談会(第32回)の概要は以下のとおりでした。
<議題>
 ・市民参加懇談会in京都の開催結果について
 ・次回の地域市民参加懇談会の開催について
<主なやりとり等>
事務局より6月2日に京都で開催した地域市民参加懇談会の結果概要について
説明し、次回の地域市民参加懇談会に向けて開催地や会場意見の活発化につい
て検討を行いました。委員より、女性参加者が多く集まった一方で学生の参加
者が少なかったのが残念等のコメントがありました。


━・・・━━ 読者コーナー ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

●皆さまからのお便りをお待ちしています!このメールマガジンや、原子力委
員会の活動に関するご意見・ご感想等を、melmaga-iken@aec.go.jp まで、ぜ
ひお寄せください。なお、お寄せいただいたご意見・ご感想などは、個人情報
を除きこのメールマガジンに掲載させていただくことがあります。また質問に
つきましては、そのすべてには回答できない場合がありますので、ご了承をお
願いいたします。


+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

餃子に始まった一連の食品の安全性に関する問題、荒川沖駅や秋葉原での無差
別殺傷事件、洞爺湖サミット、北京オリンピック、首相交代、6年ぶりの日本
人研究者のノーベル賞受賞、米国次期大統領選挙、株、為替、原油の乱高下、
といったことがありました平成20年も残すところあと2週間と少しとなりま
した。

今年1年の我が国の原子力関係の主な話題を振り返ってみますと、2月には日
本原子力研究機構の新型転換炉原型炉「ふげん」の廃止措置計画が認可されま
した。5月には電源開発椛蜉ヤ原子力発電所の着工がありました。また、非破
壊検査用の放射線源が盗まれて横浜市内の川に捨てられるという事件がありま
した。12月には日本原子力研究機構の新しい研究施設であるJ−PARCの
>運用が始まりました。一方で、六ヶ所村の日本原燃轄ト処理施設の営業運転開
始や日本原子力研究機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」の運転再開がまたも延
期となり、今のところ、来年2月の見込みとなりました。

>月並ですが、来年は事故や事件といった話題ではなく、明るい前向きな話題が
多いことを願ってやみません。

本年のメルマガの配信は今号が最後となります。来年は1月9日より配信いた
します。本年2月より始まりました原子力委員会のメルマガをごらんいただき
ました読者の皆様に、厚く御礼申し上げます。来年も引き続きよろしくお願い
いたします。少々早めではございますが、皆様、よいお年を。(千葉)

●次号配信は平成21年1月9日(金)午後の予定です

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
 mailto: melmaga-iken@aec.go.jp
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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