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メールマガジン
第20号 原子力委員会メールマガジン 2008年11月28日号
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	  @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
			     2008年11月28日号
	 ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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┣ トピックス  伊藤委員からひとこと 「再び茶の間です」
┣ 定例会議情報 放射性同位元素の供給の現状と課題について など
┣ 部会情報等  政策評価部会及び研究開発専門部会の開催について
┣ 読者コーナー
┣ 事務局だより
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━・・・━ トピックス 伊藤委員よりひとこと ━・・・━・・・━
「再び茶の間です」

先日ロッシーニのオペラ「オテッロ」を観ました。シェ−クスピアの4大悲劇
の一つ「オセロ」を、オペラにしたものです。「オテッロ」は「オセロ」のイ
タリア語読みです。粗筋は、ご存知のとおり、トルコ艦隊を打ち破り凱旋した
キプロス島の総督オテッロが、部下の奸計にはまり、貞節な妻デズネモーナの
不義を疑いついに殺してしまうという悲劇です。

この悲劇は、「不信」から生まれた「妄想」により留まるところがないくらい
膨らんだ「嫉妬」が生み出したものです。そしてこの不信は、妄想に悩まされ
る中で、二人の対話の場が無いままどんどん膨らんでゆき、ついに破局を迎え
ざるを得なかったところまで行ってしまったのです。素晴らしいテノールとソ
プラノを聴きながら、筋は知っていながらも、何とか二人が話し合えないもの
かと、気を揉みながら観ました。

以前このコーナで、情報と共に価値観を共有する「場」としての「茶の間」の
復活が家庭にも社会にも今こそ求められるのではないか、との想いを書かせて
いただきました。信頼の元はまず目と目を合わせての話し合いということは、
洋の東西を問わず、また世代を越えて通じることだと思います。

原子力委員会政策評価部会は、この9月に高レベル放射性廃棄物の処理・処分
などに関わる政策評価の報告書を出しましたが、その中で、原子力関係者と国
民との相互理解活動につき以下のように述べています。「廃棄物の処分施設は、
放射性廃棄物であるとないとを問わず、なお迷惑施設として認識されています。
関係行政機関等は、このための処分施設の立地と運用に当たっては、その計画
段階から、この認識が誤りであると言えるように万全を期すとともに、この処
分の必要性や安全性について国民が学習できる機会や双方向の情報交流の機会
等を充実するなどして、相互理解活動を推進していくべきです。」

普段は、何かと忙しくなかなか高レベル廃棄物の処分問題にまで、時間を割く
ことが難しい方々に対しても、相互理解に資する出会いの「場」をどうすれば
作れるのか、更なる工夫と努力が、原子力関係者には求められていると思いま
す。

もう一つ、「Global Zero」活動のお話をさせていただきます。前回のこのコ
ーナは広瀬委員の「パキスタンの核開発」でした。その最後は「核兵器さえあ
れば自国の安全は保障される、という神話こそ打破されるべきものであり、そ
のためには、核兵器を保有していることがかえって危険を招くことになるとい
う国際レジームを構築していくことが大事ではないでしょうか。」で締めくく
られていました。

全世界から全ての核兵器を無くそうという、究極の核廃絶を目指した動き
「Global Zero」、が米国で始まりました。国務長官、国防長官などを務めた、
ジョージ・シュルツ、ビル・ペリー、ヘンリー・キッシンジャー、サム・ナン
の4氏が連名で、昨年1月と今年1月の2回にわたり「ウォール・ストリート・
ジャーナル」に「核兵器のない世界を目指して」との趣旨の寄稿をしましたが、
これが契機となり、米国内の戦略問題に関するオピニオンリーダの間で、この
趣旨を実現しようとの動きが始まりました。オバマ次期大統領もこの動きを支
持しているといわれています。4氏は、この動きを進めるにあたって、国際的
規模での核の専門家だけでなく非専門家も含めた対話の重要性を説いています。
第1回の準備会合が、来る12月8日、9日世界から参加者を集めてパリで開
かれようとしています。

今回は、信頼を生み、育むために無くてはならない対話の「場」のお話をさせ
ていただきました。

○伊藤委員の紹介
  伊藤隆彦 (いとう たかひこ)
  元中部電力株式会社代表取締役副社長、同社顧問
  2007年(平成19年)1月より原子力委員会委員(非常勤)
  ご紹介のページはこちら ↓
       http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/iin/ito.htm

●次号は近藤委員長からひとことの予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

●11月18日(火)第47回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・放射性同位元素の供給の現状と課題について
FNCA Tc-99mジェネレータ開発プロジェクトリーダーの源河様より、 放射性同位元素の供給の現状と課題についてご説明いただきました。委員より、 待ったなしの切迫した状況であるということが世界に認知されていないのでは ないかとの懸念や、こうした問題に対処するには関係国間での協力が不可欠で あるとの指摘がありました。 ●11月25日(火)第48回定例会議の概要は以下のとおりでした。 ・核燃料サイクルの国際化に係る米露科学アカデミー報告書の概要について (日本原子力研究開発機構) <主なやりとり等> 日本原子力研究開発機構の担当者より、核燃料サイクルの国際化に係る米露科 学アカデミー報告書の概要についてご説明いただきました。委員より、信頼が あり高く評価されているレポートであり、把握しておくべき内容が多く含まれ ているとのコメントがありました。 ・独立行政法人日本原子力研究開発機構東海研究開発センター原子力科学研究 所の原子炉の設置変更 [放射性廃棄物処理場、JRR−3原子炉施設、JRR −4原子炉施設、NSRR原子炉施設及びSTACY(定常臨界実験装置)施 設の変更]について(諮問) ・独立行政法人日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(北地区)の原 子炉の設置変更(JMTR(材料試験炉)原子炉施設の変更)について(諮問) <主なやりとり等> 文部科学省の担当者より、日本原子力研究開発機構 東海研究開発センター原 子力科学研究所及び大洗研究開発センターの原子炉の設置変更について説明が ありました。委員より、使用済燃料の取扱いなどについて質問がありました。 ・第9回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合の開催について <主なやりとり等> 事務局より、第9回アジア原子力協力フォーラム大臣級会合を11月28日に マニラ市(フィリピン)において開催することについて、説明がありました。 ●次回は12月2日(火)に開催します。議題は以下の予定です。  ・松田原子力委員会委員の海外出張報告について  ・独立行政法人日本原子力研究開発機構大洗研究開発 センター(北地区)  の原子炉の設置変更(JMTR(材料試験炉)原子炉施設の変更)について  (答申) ●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞 ヶ関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や 配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。 ━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━ ●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されていま す。これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴でき ます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけ ます。 ●11月14日(金)の政策評価部会(第27回)の概要は以下のとおりでし た。 <議題>  ・関係行政機関等からのヒアリング    @資源エネルギー庁からのヒアリング    A電気事業連合会からのヒアリング    B日本原燃からのヒアリング    C日本原子力研究開発機構からのヒアリング
<主なやりとり等> 関係行政機関等より「核燃料サイクル」についてヒアリングを行いました。委 員より、ウラン資源の確保や核燃料サイクル事業の国際競争力、ウラン濃縮工 場の遠心機リプレイスに係る除染等について、質問及び意見がありました。 ●11月14日(金)の研究開発専門部会(第5回)の概要は以下のとおりで した。 <議題>  ・関係機関等からのヒアリング(電気事業連合会、電力中央研究所)  ・海外における原子力研究開発の状況について  ・研究開発専門部会の今後の進め方について <主なやりとり等>
原子力研究開発の国内の取組状況について、これまでの関係行政機関からのヒ アリングに続き、民間における取り組みやそれぞれの立場からの国への要望を 把握する観点から、電気事業連合会及び電力中央研究所からヒアリングを行い ました。また、海外の研究開発の状況も踏まえつつ、今後の原子力研究開発の あり方について意見交換を行いました。 ━・・・━━ 読者コーナー ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━ ●皆さまからのお便りをお待ちしています!このメールマガジンや、原子力委 員会の活動に関するご意見・ご感想等を、melmaga-iken@aec.go.jp まで、ぜ ひお寄せください。なお、お寄せいただいたご意見・ご感想などは、個人情報 を除きこのメールマガジンに掲載させていただくことがあります。また質問に つきましては、そのすべてには回答できない場合がありますので、ご了承をお 願いいたします。 +-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ 最近、職務室に「原子力の日」ポスターコンクールの優秀作品が掲載されたポ スターが貼られました。優秀な作品は、「原子力が温暖化に貢献できること」 や「原子力発電が身近にある」ということをテーマに描かれています。 自分が気になったのは、作品の作者達が小学生、中学生であることです。小中 学生枠での応募なので、当たり前と言えば当たり前ですが、自分が思っている よりも子供達に対してエネルギー教育はなされているのかなと思いました。 すべての小中学生が原子力発電のことを知っているとは思いませんが、少なく ともポスターコンクールの応募者達にとっては、自分で原子力のことを知るき っかけにはなったと思います。原子力のことを知ってもらうために、こういっ たきっかけを作ることが大切なのかなと、ポスターを見ながら思いました。 原子力委員会についてより知っていただけるよう、業務に励んでいこうと思い ます。今後とも宜しくお願いします。(大塚) ●次号配信は12月12日(金)午後の予定です。 ====================================================================== 発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局) ○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ   mailto: melmaga-iken@aec.go.jp ○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ  http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm ○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/ ○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。 ======================================================================

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