原子力委員会ホーム > メールマガジン配送サービス > バックナンバー

メールマガジン
第17号 原子力委員会メールマガジン 2008年10月17日号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ bP7━━━━
    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
           2008年10月17日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃
┣ トピックス   田中委員長代理からひとこと 「海と原子力」
┣ 定例会議情報  平成21年度原子力関係経費の見積りについて など
┣ 部会情報等   政策評価部会及び研究開発専門部会の開催
┣ 読者コーナー  「原子力の日」関連行事のご案内(再掲)
┣ 事務局だより
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※ メールマガジンをより良いものにするため、皆様のご感想やご意見を募集
  しています!送付先等は「読者コーナー」をご覧ください。

━・・・━ トピックス 田中委員長代理よりひとこと ━・・・━・・・━

「海と原子力」

20年ほど前になるが、海中での原子動力利用を調査研究したことがある。当時
は、原子力船「むつ」の放射線漏れ事故の影響があり、海と原子力を議論する
ことが時代錯誤と思われるような状況であったが、海のことを学ぶほどに、原
子動力を海中において利用することによって、計り知れない利益が我が国にも
たらされるはずであるという確信をもった。

このところ、地球の3分の2の炭素を蓄積している海の環境が地球温暖化の観点
から重視され、また海底資源やメタンハイドレードの開発が注目され、国際間
の課題にもなっていることを思うと、その思いはますます強まっている。当時
を振り返ってみると「地球表面の約70%を占める海洋は、宇宙と比べるとはる
かに身近であるにもかかわらず、その大部分は神秘のベールに包まれている。
地球が誕生して45億年、この間48万年の周期で北極と南極が移動してきたこと、
マントルの流れに乗り、海底と陸地が移動していること、こうした地殻変動に
伴って海溝や海嶺ができ、地震が発生し、海底火山が出来ること生命誕生の謎
をにぎる深海底生物の生態、マンガン団塊、コバルトクラスト、熱水鉱床など
有用鉱物資源の存在、エルニーニョ、ラニーニョ現象を引き起こす海洋循環の
メカニズムなど、その実態を紐解くためには、海洋空間と深海底の詳細な調査
が必要である。特に、海中、海底における課題の中で、海洋鉱物資源の開発、
海洋生物資源の調査・活用、海底地震の予知技術の開発は我が国特有の課題と
して、とりわけ重要であり、世界で6番目の広さを持つ経済水域の開発は21世
紀に向けての重要課題である」との認識の下、それぞれの目的にあった原子動
力について検討した。中でも、沸騰点以下で運転する直接発電方式の数MWの超
小型原子炉であれば、極めて安全で信頼性もあり、これを動力とした自走式の
深海調査船ができれば、圧倒的な知見が蓄積できると夢を膨らました。因みに、
「しんかい6500」は、その動力源であるAg-Zn電池の性能は90kWh程度であり、
最大水中速度が2.5ノット、標準運転時間が9時間と広大な3次元空間を有する
海洋の調査には限界があった。

昨年4月に海洋基本法が制定され、今後、海洋の研究開発が進展し、大きな成
果が期待されているが、全ての科学技術、研究開発の基本は詳細な調査に始ま
ることは自明である。昭和49年9月1日、原子力船「むつ」が出力上昇試験中に
放射線漏れが発生し、「むつ」は、その後、改修工事、関根浜への母港移転、
実験航海を経て、平成7年に原子炉室を撤去し、20年に及ぶ苦難の航海を終え
た。海洋国家である日本が、大きな期待と希望をもって原子力船の開発に臨ん
だのであるが、我が国における海と原子力の関わりは「むつ」の後は停まった
ままである。世界的には、未だ海中での原子動力の平和利用が進んでいないが、
海洋国家として世界で圧倒する知見と技術を持つためには、「むつ」のトラウ
マを克服して、海中での原子動力の利用を真剣に検討するときが到来している
ように思われる。

海洋科学と原子力科学のシナジー効果を先導することは、原子力先進国で、海
洋国家である日本の国際的な責務というのは云いすぎだろうか。

○田中委員長代理の紹介
 田中俊一(たなか しゅんいち)   原子力委員会委員長代理(常勤)   元日本原子力研究開発機構特別顧問、工学博士   2007年(平成19年)1月より原子力委員会委員長代理(常勤)   紹介のページはこちら ↓        http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/iin/tanaka.htm ●次号は松田委員からひとことの予定です! ━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━ ●10月7日(火)第42回定例会議の概要は以下のとおりでした。 ・平成21年度原子力関係経費の見積りについて <主なやりとり等> 平成21年度原子力関係経費の見積りについて事務局より説明し、委員会決定 を行いました。委員より、財政事情は厳しいが無駄の排除等により実効性を確 保する事に期待する旨のコメントがありました。 ・第52回国際原子力機関(IAEA)総会の結果について ・第2回国際原子力エネルギー ・パートナーシップ(GNEP)執行委員会会合の結果について ・近藤原子力委員会委員長の海外出張報告について <主なやりとり等> 近藤委員長がIAEA総会及びGNEP執行委員会会合、日仏原子力専門家会 合に参加した9月28日から10月4日にかけての出張の概要について、事務 局及び委員長より報告がありました。委員より、インドを始めとする各国の対 応振りや感触等についての質問がありました。 ・政策評価部会の構成員について <主なやりとり等> 政策評価部会において「エネルギー利用」に関する政策分野を担当する専門委 員について事務局より説明を行い、委員会決定を行いました。 ・田中原子力委員会委員長代理の海外出張について <主なやりとり等> 田中委員長代理が10月12日〜19日にかけてベルギー及びフランスを訪問 し、OECD/NEA設立50周年式典に出席し、併せて現地の原子力関係者 との意見交換及び研究所の視察を行う予定であることを事務局より説明しまし た。 ●次回は10月21日(火)に開催します。議題は以下の予定です。  ・国際原子力機関(IAEA)第52回総会の結果概要  ・中国電力株式会社島根原子力発電所の原子炉の設置変更(2号原子炉施設  の変更)について(答申) ●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞 ヶ関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や 配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。 ━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━ ●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されていま す。これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴でき ます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけ ます。 ●10月8日(水)の政策評価部会(第26回)の概要は以下のとおりでした。 <議題>  ・原子力政策大綱「エネルギー利用」に関する評価の進め方  ・関係行政機関等からのヒアリング(資源エネルギー庁、電気事業連合会、 日本電機工業会) <主なやりとり等> 原子力政策大綱「エネルギー利用」に関する評価の進め方について事務局より 説明すると共に、関係行政機関等より「原子力発電」についてヒアリングを行 いました。委員より、保全の高度化や次世代軽水炉の開発に向けた取組等につ いて、質問及び意見がありました。 ●10月8日(水)の研究開発専門部会(第4回)の概要は以下のとおりでし た。 <議題>  ・関係行政機関等からのヒアリング(原子力安全委員会、経済産業省、原子 力安全基盤機構) <主なやりとり等> 前回に引き続き、原子力研究開発の国内の取組状況について把握するため、原 子力安全委員会、経済産業省及び原子力安全基盤機構からヒアリングを行いま した。委員から、原子力安全研究の目指すべき方向性、プロジェクト全体の中 での位置づけ、安全研究を実施するための施設の維持の重要性等についての意 見がありました。 ━・・・━━ 読者コーナー ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━ ●皆さまからのお便りをお待ちしています!このメールマガジンや、原子力委 員会の活動に関するご意見・ご感想等を、ぜひお寄せください。なお、お寄せ いただいたご意見・ご感想などは、個人情報を除きこのメールマガジンに掲載 させていただくことがあります。また質問につきましては、そのすべてには回 答できない場合がありますので、ご了承をお願いいたします。 ●「原子力の日」関連行事のご案内(再掲) 原子力利用の推進のため、広く国民一般の原子力についての理解と認識を深め ることを目的として昭和39年7月31日の閣議において、毎年10月26日 を「原子力の日」とすることが決定されました。10月26日は、昭和31年 に日本が国際原子力機関(IAEA)へ加盟を決定した日であり、また昭和38年 10月26日に日本で初めて原子力発電に成功した日でもあります。10月2 6日前後には毎年様々な原子力関連行事が催されており、原子力公開情報セン ターにおいて、以下のとおり関連行事が開催されますので、ぜひご来場下さい。  日時: 平成20年10月23日(木)〜24日(金)10時〜16時  場所: 原子力公開資料センター(虎ノ門三井ビル2階)  内容: (1)原子力のやさしい解説      (2)放射線測定器による身近な物の測定(測定体験を含む)      (3)その他、原子力何でも相談コーナー +-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ 先週の3連休に御前崎市の佐倉地区のお祭りを見に行ってきました。このお祭 りでは、紙の花で飾った屋台の引き回しがあります。今年は20周年目という ことで、4台ある花屋台が一堂に会すると聞き、見に行ってきました。 私自身はこれまでこういったお祭りに参加する機会が少なかったことから、興 味があり、このお祭りに、昨年、一昨年と参加していました。今年は参加はで きませんでしたが、祭りに参加している仲間や発電所で一緒に働いていた同僚 との再会を楽しんできました。 そして、お祭りには発電所の所員も多く参加しており、こういった地域の行事 での交流も発電所と立地地域との信頼関係を築く一端を担っていると感じた一 日でした。(稲場) ●次号配信は10月31日(金)午後の予定です。 ====================================================================== 発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局) ○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ  http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm ○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/ ○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。 ======================================================================

ページの先頭へ