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第15号 原子力委員会メールマガジン 2008年9月19日号
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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
 2008年9月19日号
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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┣ トピックス   伊藤委員からひとこと「イギリス報告」
┣ 定例会議情報  我が国のプルトニウム管理状況について など
┣ 部会情報等   
┣ 読者コーナー  
┣ 事務局だより
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※ メールマガジンをより良いものにするため、皆様のご感想やご意見を募集
  しています!送付先等は「読者コーナー」をご覧ください。

━・・・━━ トピックス 伊藤委員よりひとこと ━━・・・━━・・・━
イギリス報告

9月初めに英国に出張しました。WNA (World Nuclear Association)の年次シ
ンポジウム基調講演で日本の原子力政策の現状を提示すると共に、英国の原子
力関係者と意見交換をしてきました。正式な出張報告は原子力委員会ホームペ
ージでご覧いただくとして、ここではこれに書ききれなかったことをお話した
いと思います。

英国は、この1月に新規原子力発電所建設の推進を目指すとした原子力白書を
出し、6月には高レベル廃棄物地層処分の実現を目指した、官・民関係機関の
役割分担や地域関与の手順などを示した白書を公表し、受け入れに関心のある
地域の募集を開始しました。更に8月には、英国内でのガス冷却炉の使用済み
燃料を再処理して回収し、貯蔵している約100トンのプルトニウムの今後の取
り扱いについての案を提示してパブリックコメントを求め、その結果を踏まえ
て、今後の施策を決定するとしています。

振り返ってみますと、2003年のエネルギー白書での原子力の位置付けは「原子
力発電は現在、カーボン低減上重要な役割を担ってはいる。しかしながら、現
在の経済性では将来魅力あるものとはいえず、また廃棄物処分問題も未解決。
従ってこの白書では、原子力の新規建設は提案しない」というものでした。こ
れに対して、この1月に公表された原子力白書は「政府は、原子力発電は、他
の低カーボンのエネルギー源と共に将来のエネルギーミックスの中で重要な役
割を果たさねばならないと信じる。電力産業の新規原子力建設への投資は公益
>に適うので、政府はその促進のため積極的な行動をとる」と劇的に変わりまし
た。そして、高レベル廃棄物の地層処分の実現に向けての具体的な一歩を踏み
だすと共に、英国内で過去の遺産と言われているプルトニウムの後始末にも手
をつけようとしています。これらから、英国は、いまや、昨今の気候変動とエ
>ネルギー安定供給への取り組みが喫緊の課題との認識の下、新規原子力建設、
そして高レベル廃棄物処分の具体化など原子力新設のための課題の解決に向け
て精力的に動き出したように思います。

官・民の原子力関係者との意見交換でもその気概を感じました。そして、どの
意見交換の場も締めは、大多数の一般の市民の方々にいかにこの議論に参加、
賛同をいただくかが、今後の課題であり、そしてその為の更なる努力とたゆま
ぬ工夫が必須だ、というものでした。

最後に、サイズウエル原子力発電所を訪ねた折の2時間余りの鉄道の旅での経
験です。列車は約1時間に1本でした。いつものように、発車時刻に少し余裕
を持って駅に着きました。屋根もない素朴なホームにやや不似合いの液晶表示
の発車時刻表を早速見ましたが、いくら目を凝らしても、乗る予定の列車が出
ていません。出ているのは2時間後の列車です。また、次第にホームには乗客
とおぼしき人が増えてくるのですが、彼らに表示盤を気にしている様子はあり
ません。いいのかなと気をもんでいるうちに5分遅れくらいで列車が来きまし
た。どうなっているのかと思いつつも、ホッとして乗り込みました。

2003年の白書には、「この白書では新規建設は提案しない」の後に以下の件が
ありました。「しかしながら、もし将来、英国のカーボン低減目標のため、必
要となれば、新規建設を締め出すつもりはない」。この駅の出来事にも、これ
に似た、悠然とした構えの中にも2枚腰というか、したたかさをもつこの国の
姿を見たような気がしました。

<リンク>
伊藤原子力委員会委員の海外出張報告 ↓
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2008/siryo40/siryo5.pdf

○伊藤委員の紹介
  伊藤髟F (いとう たかひこ)
  元中部電力株式会社代表取締役副社長、同社顧問
  2007年(平成19年)1月より原子力委員会委員(非常勤)
  ご紹介のページはこちら ↓
       http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/iin/ito.htm

●次号は近藤委員長からひとことの予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━

●9月9日(火)第39回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・我が国のプルトニウム管理状況について
<主なやりとり等>
我が国のプルトニウム管理状況について、事務局より説明しました。委員より、
数値の標記の仕方が国際標準と違っているようだが、誤解を生まないように注
に明らかにするか、国際標準に合わせるか工夫することが望ましいとのコメン
トがありました。

・アジア原子力協力フォーラム(FNCA)第2回アジアの原子力発電分野に
おける協力に関する検討パネルの結果について
<主なやりとり等>
9月1日〜2日に三田共用会議所で開催されたアジア協力フォーラム(FNC
A)「第2回アジアの原子力発電分野における協力に関する検討パネル」の開
催結果について、事務局より報告がありました。これに対して、参加した委員
より、各国の参加姿勢が積極的であった、このような安全確保のためのインフ
ラ整備に係る取組に関する対話は今後も継続が望ましい等のコメントがあり、
それを踏まえて今後の取組のあり方について意見交換がなされました。


●9月16日(火)第40回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・原子力試験研究の中間評価結果及び事後評価結果について
<主なやりとり等>
研究開発専門部会原子力試験研究検討会の岩田座長より、同検討会がとりまと
めた平成18年開始の10課題の中間評価及び平成19年度終了の21課題の
事後評価結果について報告がありました。これに対して、事後評価において半
数が計画以上の成果を得たと評価されたことについて関係者の努力を評価する
意見や、こうした成果が今後効果的に活用されるよう研究機関や関係行政機関
に働きかけるべきとの意見がありました。

・平成21年度原子力関係経費概算要求ヒアリング(文部科学省、経済産業省、
原子力安全委員会事務局、他)
<主なやりとり等>
平成21年度原子力関係経費の概算要求について文部科学省、経済産業省、原
子力安全委員会事務局の担当者及び事務局より説明がありました。委員よりは、
それぞれの取組の重要性に鑑み、今後これらの要求が実現するように努力され
たい、予算の使い方が大事である、そのためにも社会・経済環境の変化を踏ま
えた取組の哲学についてもレビューするべき、研究開発の実施にあたっては、
我が国社会の将来に対する科学技術の重要性を踏まえて、基礎から応用に至る
取組のバランスを考え、それぞれを効率的・効果的に推進する工夫を期待する、
等の意見がありました。


・中国電力株式会社島根原子力発電所の原子炉の設置変更(2号原子炉施設の
変更)について(一部補正)

・原子力供給国グループ(NSG)における「インドとの民生用原子力協力に
関する声明」の採択について
<主なやりとり等>
委員長より、我が国も参加するNSG総会において「インドとの民生用原子力
協力に関する声明」が全会一致で採択されたことについて、原子力政策大綱に
示した基本方針を推進する観点から、委員会の見解を明らかにすることが適当
と考えたとして、見解案が示されました。委員より、適切な内容であるとの意
見やこのことに関する所見が披露され、異議なく、これを原子力委員会として
の見解とすることに決しました。
<リンク>
 ○原子力委員会の見解の掲載ページ
  http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/kettei/seimei.htm

・伊藤原子力委員会委員の海外出張報告について
<主なやりとり等>
9月1〜7日に伊藤委員がロンドンを訪問し、WNA年次シンポジウムにおい
て基調講演を行ったほか、英国原子力関係者と意見交換を行ったことについて、
そして、英国で唯一の軽水炉であるサイズウエル原子力発電所を訪問したとこ
ろ、そのハウスキーピングの水準は世界一と思っていた我が国の水準を超え
るものであった等の報告がありました。

・その他(プルトニウム管理状況について)
<主なやりとり等>
第39回原子力委員会定例会で報告のあった「我が国のプルトニウム管理状況
について」に関して、定例会での指摘を踏まえ修正したファイルを原子力委員
会ホームページに掲載したとの報告が事務局よりありました。
<リンク>
 ・第39回原子力委員会定例会のページ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2008/siryo39/tei-si39.htm


●次回は9月30日(火)に開催します。議題は9月26日頃に公表の予定で
す。


●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞
ヶ関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や
配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━

●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されていま
す。これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴でき
ます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけ
ます。


━・・・━━ 読者コーナー ━━・・・━━・・・━━・・・━

●皆さまからのお便りをお待ちしています!このメールマガジンや、原子力委
員会の活動に関するご意見・ご感想等を、melmaga-iken@aec.go.jp まで、ぜ
ひお寄せください。なお、お寄せいただいたご意見・ご感想などは、個人情報
を除きこのメールマガジンに掲載させていただくことがあります。また質問に
つきましては、そのすべてには回答できない場合がありますので、ご了承をお
願いいたします。


+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

7月から事務局の国際担当メンバーに加えていただきました。原子力行政にお
ける原子力委員会のミッションは、川の流れに喩えれば最上流の源流にあたる
ところ。委員会が広い視野に立った積極的なコミュニケーションで将来に向け
た正しい流れを作っていけるよう、微力ながら努力していきたいと思います。

さて、私事ですが、今年4月に原子力・放射線部門の技術士の資格を取りまし
た。巷にはいろいろな資格がありますが、技術士は次の2点が優れていると感
じています。

一つは、日本の資格にもかかわらず、APECエンジニアへの登録を通じて米
国や東南アジアの登録エンジニア制度と互換性があることです。日本では原子
力関連のプロジェクトに従事するのに資格の有無をを問われるケースは少ない
と思いますが、海外ではメンバーのQualificationをきびしくチ
ェックすることが多いので、委員会事務局での仕事を含め、今後海外とのやり
とりをする上で何かの役に立つのではと期待しています。

もう一つは技術者倫理要件があることです。数年前に、原子力発電所に関する
自主点検や流量計に関する不正事案が公開され、それぞれの機関において再発
防止措置が講じられましたが、技術士の資格を持つ人がこのような不正に加担
した場合は、これに違反したとして個人として処罰の対象になります。資格者
となることで一種の誓約をしたような気分になりますので、そうした人が組織
に増えることも不正防止に役立つように思います。興味のある方(特に若手技
術者の方)は、ぜひ取得に向けてトライされてみてはいかがでしょうか。
(山本)

ご参考:http://www.engineer.or.jp/(日本技術士会のHP)

●次号配信は10月3日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
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○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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