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第7号 原子力委員会メールマガジン 2008年5月23日号
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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
2008年5月23日号
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2008.5.23━━

┣ トピックス   田中委員長代理からひとこと
┣ 定例会議情報  J−PARCの現状について など
┣ 部会情報    市民参加懇談会in京都 参加者募集中! など
┣ 読者コーナー  
┣ 事務局だより
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━…━━ トピックス 田中委員長代理のひとこと ━━…━━…━━…━

「万能放射線−診る」の教え   田中 俊一

 人間の認識は見ることに始まる。医学の分野でも「診る」ことがすべての基
本となるようである。放射線医学総合研究所OBである館野之男先生から「画像
診断」(新書)を頂いた。中に、「疾、膏盲に入る」という中国の故事と、山
上憶良の「もし聖医神薬に逢わば、仰ぎ願わくは、五臓を割刳し、百病を抄探
し、膏盲の奥処に尋ね達り、二豎の逃れ匿るるを顕さまく欲す」の歌が紹介さ
れている。体の中に宿っている病の姿を見たいという願望は古今東西を問わず
人間の強い願望であったということである。しかし、生きたままの体を透かし
て見ることに成功したのは、1895年にレントゲンがX線によって見たのが最初
で、指輪をはめたベルタ人の骸骨のような手の写真を思い浮かべる方もいるか
も知れない。
 今年の原子力白書に平成17年度の「放射線利用の経済規模」の調査結果を掲
載したが、放射線利用の経済規模は、平成9年度が約3.7兆円に対して平成17年
度が4.1兆円と評価されている。この規模は、原子力エネルギー(発電)利用
が約4.7兆円なので、放射線利用の規模は発電等のエネルギー利用にほぼ匹敵
しており、工業利用、農業利用、医学利用等、私たちの日々の生活に極めて近
いところで放射線が大きな重要な役割を果たしていることを物語っている。こ
の中でも、特に注目されるのが医学・医療分野での放射線利用で、平成9年度
約1.28兆円に対して平成17年度は1.5兆円と全体の増加は17%程度だが、保険
適用のない自由診療が311億円と約100倍にも伸びている。
 人間ドックのような自由診療は個々人にとっては相当の費用負担がある。に
もかかわらず、健康に関する関心は高く、X線透視、乳がん検診のためのマン
モグラフィーに加えて、三次元CT検査やPET(Positron Emission Tomography)
によるがん検診も含めた人間ドックも急速に普及してきている。これに99Mo−
99mTcなどのRIを利用した核医学診断、陽子線や粒子線治療など、放射線によ
る最先端の画像診断や治療技術の進歩が加わり、医学・医療の分野での放射
線利用は今後も伸び続けて行くものと想像されるが、この伸び方は驚くばか
りである。
 放射線は紛れもなく原子力の一つの姿である。その放射線による診断や治
療は、少なからぬ放射線被曝を伴うものであっても、大枚を叩いてでも自ら
の選択としてその恩恵に浴したいという国民は急速に増えているようである。
最近は、超音波技術、MRI技術など放射線を使わない「診る」ための技術が実
用化されてきているが、X線をはじめ様々な放射線(量子ビーム)の最強の
「診る」道具、「治す」道具としての万能ぶりは、私たちの健康や生命の維
持に、今後もますます重要な役割を果たすことになるものと思われる。
 診断や治療の放射線と同じように、原子力科学技術の効用が国民一人一人に
実感できるようにすることができれば、原子力エネルギー利用も国民により身
近な存在になるのではないだろうかと思うことも度々である。

●次号は松田委員からひとことの予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━
●5月13日(火)第22回定例会議の概要は以下のとおりでした。
 ・J−PARCの現状
 <主なやりとり>日本原子力研究開発機構より、J−PARC(大強度陽子
 加速器施設)の建設状況等について報告がありました。研究施設は広く国内
 外の研究者が利用可能になる予定であるため、委員からは、得られた研究成
 果をどのように共有するのか、産業界にとっても使いやすい施設にするため
 にはどうするべきかなどの問題提起がありました。
 <リンク>日本原子力研究開発機構 J−PARCのページ http://j-parc.jp/

 ・国際規制物資の移動を監視するために必要な封印のき損について
 <主なやりとり>文部科学省から、今年3月及び4月に、日本原燃(株)再処
 理施設において査察用の封印が繰り返しき損された事案について、経緯や再
 発防止策などが報告されました。委員からは、わが国の原子力平和利用が国
 際社会からの信頼を得るためにも保障措置は重要であり、再発防止にしっか
 り取組んで欲しいといったコメントがありました。
 <ことばの解説>我が国では、原子力を平和目的に限って利用していること
 を担保するため、核物質が核兵器その他の核爆発装置に転用されていないこ
 とを検認する措置(保障措置)を実施しています。具体的には、事業者が核
 物質の在庫量等を国に申告する「計量管理」、核物質の移動の有無を監視カ
 メラや封印等によって確認する「封じ込め/監視」、国とIAEAの査察官が施
 設に立ち入る「査察」を行っています。


●5月20日(火)第23回定例会議の概要は以下のとおりでした。
 ・原産年次大会の報告について
 <主なやりとり>4月15、16日に第41回原産年次大会が「人類の持続
 的発展と原子力の果たすべき役割」を基調テーマとして開催されました。主
 な成果として、「人類の持続的発展に原子力は不可欠であるとの共通認識の
 形成」、「現役の総理が初めて参加し、温暖化対策の切り札として有効な原
 子力発電を着実に推進することの重要性を訴え、メッセージを発信した」と
 いう2点が紹介されました。

 ・関西電力株式会社大飯発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び
 4号原子炉施設の変更)について(答申)

 ・近藤原子力委員会委員長の海外出張報告
 <主なやりとり>5月中旬に近藤委員長が米国へ出張された際の結果につい
 て、委員長より概要をご報告いただきました。ICONE16において基調
 講演されたほか、オークリッジ国立研究所を訪問されました。

 ・国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)第2回運営グルー
 プ会合の結果について
 <主なやりとり>5月14、15日にヨルダンにて27カ国及び3機関等が
 出席し、GNEP運営グループ第2回会合が開催されました。GNEPの具
 体的活動報告、新たなワーキング・グループ設置等について議論が行われた
 ほか、今秋に予定される次回執行委員会(閣僚級会合)及びその直前に開催
 される次回運営グループ会合の議題について審議が行われたとのことです。


●次回は5月27日(火)に開催します。議題は以下の予定です。
 ・三菱原子燃料株式会社における核燃料物質の加工の事業の変更許可につい
  て(諮問)
 ・総合科学技術会議「革新的技術戦略」及び「環境エネルギー技術革新計画」
  について


●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。
 定例会議は通常毎週火曜午前、霞ヶ関の合同庁舎4号館で開催しています。
 どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料はすべてホームページでご覧
 いただけます。


━・・・━━ 部会情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━
●原子力委員会には、下部組織として部会や懇談会等が設けてあり、これらの
 会合でも調査審議を行っています。これらの部会や懇談会等は原則として公
 開しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料はすべてホーム
 ページでご覧いただけます。

●「原子力委員会 市民参加懇談会in京都」参加者募集中!(〆切5月28
 日(水)17時)
  テーマ:原子力 〜知りたい情報は届いていますか〜「地球温暖化と原子力」
  日 時:2008年6月2日(月)13:30〜16:30
  場 所:京都センチュリーホテル「瑞鳳」(京都市下京区)

 詳細は以下のURLです。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/simin/sankon/yotei/sanka080602/sanka080602.html


━・・・━━ 読者コーナー ━━・・・━━・・・━━・・・━

●原子力委員会ホームページに、平成19年版原子力白書 関連データ集を掲
 載しました。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/hakusho/hakusho2007/data.pdf(793KB)


●今月生まれの原子力関係の著名人もご紹介します。

<<夫婦でノーベル賞受賞 ピエール・キュリー氏
                     (1859年5月15日生まれ)>>
フランス生まれの物理学者で、1898年に妻マリー・キュリーとともに、ウラン
鉱石からウランより強い放射能を持つポロニウムとラジウムを分離することに
成功しました。そうした放射能の研究が評価され、1903年にアンリ・ベクレル
と共に夫婦でノーベル物理学賞を受賞しました。1906年にピエールは交通事故
で亡くなりますが、その後1911年に、妻マリーはラジウムおよびポロニウムの
発見が評価され、ノーベル化学賞を受賞しています。


●皆さまからのお便りをお待ちしています!
 このメールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
 melmaga-iken@aec.go.jp まで、ぜひお寄せください。なお、お寄せいただ
 いたご意見・ご感想などは、個人情報を除きこのメールマガジンに掲載させ
 ていただくことがあります。また質問につきましては、そのすべてには回答
 できない場合がありますので、ご了承をお願いいたします。


+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
「モスクワ日本人学校での経験」
事務局の川端です。原子力委員会では国際を担当しております。3月に広瀬委
員の随行でロシアを訪問した時のことを今回は書こうと思います(同じく訪問
したカザフスタンについては第4号広瀬委員カザフスタン訪問記をご覧くださ
い)。特にロシアで印象的だったのはモスクワ日本人学校を訪問したことです。
中学部の1・2年生を対象(20名程度)に総合的な学習の時間の一環として、
広瀬委員、随行した辻本研修員、川端の3人で「エネルギーと地球温暖化〜原
子力エネルギーの観点から〜」と題した授業を行いました。原子力委員会の中
でも日本人学校で授業を行うのは初の試みです!授業ではなぜ地球温暖化が起
こるのか?エネルギー不足と地球温暖化を解決するにはどうしたらいいのか?
といったことについて、子供たちに考えてもらいながら、省エネや新エネルギ
ー、さらには原子力エネルギーの利用について説明しました。
授業で特に印象的だったのは、常に子供たちが目を輝かせながら授業を聞いて
くれたことです。僕自身、大学の時に教育実習をした経験があるはずなのです
が、今回はものすごく緊張しておりました。緊張のせいで少々頭が真っ白にな
ったこともありましたが、子供たちが真剣に僕の話(地球温暖化のメカニズム
の話)を聞いてくれ、うなずいてくれるのを見ていると、だんだん教えるのが
楽しく感じるようになってきました。質問を子供たちに投げかけ、その反応を
見ながら話を展開したりと工夫もでき、普段の役人生活ではなかなかできない
貴重な体験ができました。短い時間ではありましたが、僕にとっては忘れるこ
とのできない思い出となっています。
今回の授業を通じて、子供たちが地球温暖化とエネルギー利用について、今後
どうしていくべきか自分なりに考えられるきかっけになっていれば嬉しく思い
ます。地道な活動ではありますが、こういった原子力委員会の取組も今後進め
ていけるといいなーと思います。


●次号配信は6月6日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
 mailto: melmaga-iken@aec.go.jp
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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