１．日　時　　　１９９９年１２月２１日（火）１０：３０〜１１：３０

２．場　所　　　委員会会議室

３．出席者　　　藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
　　（事務局等）科学技術庁
　　　　　　　　 原子力局
　　　　　　　　　中澤審議官
　　　　　　　　　原子力調査室　伊藤室長、板倉、村上、池亀、会沢、藤原
　　　　　　　　　廃棄物政策課　青木企画官、飯島、佐々木
　　　　　　　　　核燃料課　植村、芝野
　　　　　　　　通商産業省
　　　　　　　　 資源エネルギー庁
　　　　　　　　　藤冨審議官
　　　　　　　　　原子力発電安全管理課　坂内
　　　　　　　　吉舗専門委員

４．議　題

（１）高浜発電所４号機用ＭＯＸ燃料の輸入燃料体検査について
（２）「超ウラン核種を含む放射性廃棄物処理処分の基本的考え方について（案）」の意見募集について
（３）「長寿命核種の分離変換技術に関する研究開発の現状と今後の進め方（案）」の意見募集について
（４）日本原燃（株）の六ヶ所再処理工場の工事進捗状況について
（５）その他

５．配布資料

資料１	高浜発電所４号機用ＭＯＸ燃料の輸入燃料体検査について
資料２-1	超ウラン核種を含む放射性廃棄物処理処分の基本的考え方について（案）
資料２-２	原子力バックエンド対策専門部会報告書案に対する意見募集について
資料３-１	超寿命核種の分離変換技術に関する研究開発の現状と今後の進め方（案）
資料３-２	超寿命核種の分離変換技術に関する研究開発の現状と今後の進め方　参考資料（案）
資料３-３	原子力バックエンド対策専門部会報告書案に対する意見募集について
資料４	日本原燃（株）の六ヶ所再処理工場の工事進捗状況について
資料５	第７６回原子力委員会臨時会議議事録（案）

６．審議事項
（１）高浜発電所４号機用ＭＯＸ燃料の輸入燃料体検査について

　標記の件について、通商産業省より資料１に基づき説明があった。これに対し、

• ＢＮＦＬ社と取引のある全ての国が、今回のような抜取りによる検査を求めているのか。
  (通産省)他の国がどんな検査をしているかについては、調査する必要があると考えている。少なくとも日本でウラン燃料を製造する場合には、最終的には抜取り検査を行い安全性を確認しているが、今後は世界のデファクトスタンダードに合わせるべきと考える。ＢＮＦＬ社では、全てのペレットを機械的に自動検査し、合格したペレットについて作業者が抜取り検査をするという方法をとっていた。
• ルール違反は問題であるが、機械的に自動検査し安全性を確認したものに対し、必要以上の検査要求となっていなかったか。
  (通産省)ペレットのように、単純形状かつ大量生産する場合には、抜取り検査で品質管理を行うことが一般的であり、必ずしも全数を検査する必要はない。ＢＮＦＬ社では、デモンストレーションプラントで生産したこともあり、全数を検査したようである。
• 輸入されたＭＯＸ燃料を今後、どのように処理するのか。
  (通産省)今後の重要な課題であり、慎重に検討していきたい。
• 今回の問題はデータの不正であり、安全性が確認できれば使用できるのか。また、そのために日本でデータを計測するということがあり得るのか。
  (通産省)燃料体の非破壊検査では、必要とされる精度で計測するのは非常に困難であり、また、内部のペレットを取り出して計測する場合には、ＭＯＸ工場でないとできないため、日本で計測することは難しい。
• 日本としては、現地で事業者が自己責任の下で受取検査をするべきではないか。いずれにせよ、ダブルチェックという意味では、全数検査と抜取り検査は、別の作業者が実施するという検査責任体制の確立が必要である。
  (通産省)ＢＮＦＬ社では従来、全数検査と抜取り検査を同じ製造部門の作業者が実施していたが、製造部門と品質管理部門で分担するよう改めることとしている。
• データの改ざんと製品自体の安全性の問題は分けて議論するべきである。
• マン・マシーン・インターフェースの問題の中で、モラルハザードが起こりやすい部分を見落としてきたのではないか。
• 品質保証の問題では、国際標準化が進む中で日本だけ特殊なことをやるというのではなく、守れるルール作りが重要である。

　等の委員の意見及び質疑応答があった。

（２）「超ウラン核種を含む放射性廃棄物処理処分の基本的考え方について（案）」の意見募集について
（３）「長寿命核種の分離変換技術に関する研究開発の現状と今後の進め方（案）」の意見募集について

　議題（２）及び議題（３）の件について、廃棄物政策課より資料２-１、資料２-２、資料３-１、資料３-２及び資料３-３に基づき説明があった。これに対し、

• 原子力バックエンド対策部会報告書案に対する意見募集について、意見募集はどのように行うのか。
  (廃棄物政策課)報告書案を郵送し意見募集することも行うが、インターネットを通じての意見募集が中心になると思われる。
• バックエンドの分野で、残された技術的な課題は何があるか。
  (廃棄物政策課)主な課題としてウラン廃棄物の処理、処分問題がある。
• 長寿命核種の分離変換技術について、階層型は、従来再処理後の廃棄物を対象とする技術と見られていた。今後は、階層型が核燃料サイクルの中でどういった位置付けになるのかについても検討して欲しい。
• 長寿命核種の分離変換技術については、資源を最大限に利用するという考え方が重要である。
• 長寿命核種の分離変換技術の開発を行う場合、いろいろな機関に参画してもらい、従来の分担にとらわれた開発のすみ分けとならないよう注意が必要であり、また、装置を作るための計画とならないよう開発を進めて欲しい。

　等の委員の意見及び質疑応答があり、その結果、意見募集を行うこととなった。

（４）日本原燃（株）の六ヶ所再処理工場の工事進捗状況について

　標記の件について、原子力調査室より資料４に基づき説明があった。これに対し、

• 平成１１年度の作業進捗は、予定通りと見てよいか。
  （原子力調査室）予定通りである。
• 再処理施設の建設過程を確認するため、機を見て現地視察を実施したい。

　等の委員の意見及び質疑応答があった。

（５）議事録の確認

　事務局作成の資料５第７６回原子力委員会臨時会議議事録（案）が了承された。