第７０回原子力委員会臨時会議議事録（案）

１．日　時　　　１９９９年１１月２６日（金）１０：３０〜１１：２０ ２．場　所　　　委員会会議室 ３．出席者　　　中曽根委員長、遠藤委員、依田委員、木元委員 （事務局等）科学技術庁 原子力局 興局長 原子力調査室　伊藤室長、板倉、池亀、鯉渕 廃棄物政策課　青山課長、青木企画官、田中、花室 核燃料サイクル開発機構 都甲理事長、中神副理事長、相澤理事、 増田2000年レポートチーム部長、前川 吉舗専門委員

４．議　題

（１）「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性」について
（２）その他

５．配布資料

資料１-1	「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第２次取りまとめ−」報告書について
資料１-2	わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第２次取りまとめ−総論レポート
資料１-3	わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第２次取りまとめ−分冊１わが国の地質環境
資料１-4	わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第２次取りまとめ−分冊２地層処分の工学技術
資料１-5	わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第２次取りまとめ−分冊３地層処分システムの安全評価
資料１-6	わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第２次取りまとめ−別冊地層処分の背景
資料１-7	わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第２次取りまとめ−概要
資料１-8	地球に学び、人の英知を集めて
資料１-9	地層処分研究総合評価システム
資料１-10	Ｇｅｏｆｕｔｕｒｅ２１
資料１-11	第２次取りまとめ総論レポート「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性」に関するＯＥＣＤ／ＮＥＡの専門家による国際レビューNEA/RWM/PEER(99)2
資料２	第６９回原子力委員会臨時会議議事録（案）

６．審議事項（１）「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性」について

　標記の件について、核燃料サイクル開発機構（以下、「サイクル機構」という。）より委員長へ報告書が手交された。続いて本報告書について、

（サイクル機構）関係機関及び大学の専門家による「地層処分研究開発協議会」の協力を得ながら本報告書の作成を進めてきた。また、取りまとめの過程においても成果を積極的に公開し、国内外から意見をいただいた。本報告書は今後国の評価を受けて、我が国の地層処分計画の研究開発段階から実施段階に進む判断に資する技術情報として活用されることを願う。

　との発言があった。これに対し委員長より、

現在、総合エネルギー調査会では処分事業の制度化について、また、原子力安全委員会では安全確保の基本的考え方について、検討中であり、第２次取りまとめの作成により両者の検討が一層進展することを期待する。また、第２次取りまとめは今後、原子力バックエンド対策専門部会において適切な評価を進めていく。なお、サイクル機構においては、今後とも深地層研究施設の早期実現に取組むとともに、関係機関と密接に連携しつつ、所要の研究開発を着実に進めてもらいたい。

　との発言があった。引き続き、サイクル機構より資料１-1〜資料１-11に基づき説明があった。これに対し、

地層処分研究に関係する地元の状況はどのようになっているか。
（サイクル機構）地元の理解が得られるよう、活動を進めている。岐阜県瑞浪市においては、超深地層研究所計画が近いうちに本格的に開始できるよう希望している。北海道幌延町の深地層研究所（仮称）計画については、北海道に検討委員会が設置されており、近々に知事の結論が出されるものと思う。
地元に対して十分な説明をして、研究を進めて欲しい。
大変な成果物が出来上がったが、一般の国民には理解することが難しいだろう。事業化する際のＰＲの具体的な展開方法を考えているか。
（サイクル機構）サイクル機構として、様々な場面で理解を得るための活動を積極的に進めていくことは当然であるが、２０００年に決定される実施主体や国、関係機関とも協力して進めていきたい。
高レベル放射性廃棄物処分懇談会が全国で実施した意見交換会のようなものができれば、国民の理解促進に資するのではないか。その際、国民から乖離した用語を使わず分かりやすく説明し、国民の不安解消に努めていかなければならない。総合エネルギー調査会における処分事業制度化の検討と連携を取りつつ、きめ細かな対応が必要である。
（サイクル機構）これまでも様々な機会に説明する努力をしてきたが、マスコミの意見も踏まえ、どのような説明が必要なのか検討し、テキストを作ることを計画している。
ジェー・シー・オー事故の影響の有無にかかわらず、廃棄物対策の必要性には変わりがない。事故があれば必要な対応は取らなければならないが、実行すべきことは実行するという姿勢を貫いて欲しい。
原子力の平和利用に当たって、安全、核不拡散、高レベル放射性廃棄物対策は三本柱であると言える。しかし高レベル放射性廃棄物の地層処分については、生活年限と地質年限の桁が違うこともあり、一般の国民には非常にわかりにくい問題である。処分事業の実施主体設立後も協力しながら、やさしい言葉で国民に説明していかなければならない。
国際的な関係についてはどのようになっているか。
（サイクル機構）報告書作成中に経済協力開発機構・原子力機関（ＯＥＣＤ／ＮＥＡ）によるレビューを受けた。例えば処分場の工学的設計については、世界の第一線の内容であり、国際貢献として詳細なノウハウを世界に伝えるよう努力して欲しいという意見があった。サイクル機構としても、特に学術的なデータについては世界で共有できるようにしていきたい。
長寿命核種の分離変換技術（核種分離・消滅処理）と地層処分は二者択一ではなく、相互補完していくものであり、その説明が必要である。
（サイクル機構）２１世紀には原子力が増えていかざるを得ないと思っているが、それに応じて放射性廃棄物の量を増やしていいわけではない。その時に分離変換技術の効果が期待できると考えている。
地層処分は地球内部の、地上から見えない世界を利用するものであるが、実際の地層の内部構造をビジュアル化する研究が必要ではないか。
（サイクル機構）第２次取りまとめで、一部に取り入れている。科学技術庁主導で開発している地球シミュレータの、地下部分のモデル化が出来上がれば可能だろう。
資料１−１における各国の地層処分計画について、ドイツの情報が入っていない。可能であれば入れるべきである。
（サイクル機構）協定を締結していないため情報を入手できず、資料には入れていなかった。至急対応する。

　等の委員の意見及び質疑応答があった。

（２）議事録の確認

　事務局作成の資料２第６９回原子力委員会臨時会議議事録（案）が了承された。