第67回原子力委員会臨時会議議事録(案)
1.日 時 1999年11月12日(金)10:30〜11:20
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 藤家委員長代理、遠藤委員、依田委員、木元委員
(事務局等)科学技術庁
原子力局
中澤審議官
政策課 天野課長
原子力調査室 板倉、村上、池亀、会沢、鯉渕
吉舗専門委員
- 4.議 題
- (1)「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の一部改正及び「原子力災害対策特別措置法」の制定について(報告)
(2)藤家委員長代理の海外出張について
(3)その他
- 5.配布資料
資料1-1 | 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案要綱 |
資料1-2 | 原子力災害対策特別措置法案要綱 |
資料2 | 藤家原子力委員長代理の海外出張について |
- 6.審議事項
(1) | 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の一部改正及び「原子力災害対策特別措置法」の制定について(報告) |
- 標記の件について、政策課より資料1-1及び資料1-2に基づき説明があった。これに対し、
- 原子力災害対策特別措置法では、原子力安全委員会の位置付けは明確化されているのか。
(政策課)緊急時には、原子力災害対策本部長が原子力安全委員会に対して技術的な助言を求めることができることとなっている。
- 法律の書き方の問題だが、「助言を求めることができる」ということは、助言を求めない場合もあるということか。明確に「助言を求める」とすべきではないか。今回のジェー・シー・オー事故では、社会的には原子力安全委員会が真正面に出て対応に当たったように見える。そのような活動が、法的に担保されるべきだと思う。
- 原子力安全委員会は諮問委員会としての立場を法的に変えることはない、という前提に基づく表現であろう。
(審議官)緊急事態には原子力安全委員会の積極的な関与が必要となるだろうが、法律的にはこれで充分だと思う。
- 少なくともこの法案で、原子力災害時における原子力安全委員会の位置付けがなされた。しかし緊急時に現地で、原子力安全委員会以外に有効な対策を講じることができる者がいるだろうか。
(審議官)緊急時にはかなりの権限が現地対策本部に委任される。現地の原子力災害合同対策協議会を指令塔として、原子力安全委員会の助言を受けつつ現地対策本部長が指示を出すことになる。
- 軽水炉の冷却水喪失事故のような場合なら時間があるが、臨界事故のような場合には時間があまりないことを考慮する必要がある。
(審議官)原子炉等規制法の改正と原子力災害対策特別措置法で、臨界事故を阻止するための対策と、臨界事故発生時の対策を検討することになる。また、現地に原子力防災専門官を配置し、対応に当たる。具体的には地域市町村の実施計画で詰められることになる。
- 本法が有効に機能することが原子力委員会の強い希望である。原子力災害のケーススタディを行い、より実戦的な仕組みができることを期待する。
- ジェー・シー・オー事故対応では関係者がボランタリーに参加したが、その人達の権限や義務はどうなるのか。
(政策課)事故の拡大防止措置は事業者が対応しなければならないが、実態に即して地元自治体と原子力関係者がオフサイトセンターに集結し、バックアップすることになる。
- 事故が起こる時は演習問題ではなく、常に応用問題であり、全てが想定された中で起こるものではないことに留意する必要がある。
(審議官)法律は枠組みであり、政省令で肉付けをし、防災計画を策定する。実際に応用問題が起こった時に、現実に行動できる仕組みは作ることができる。問題があれば、施行後5年に見直す規定もある。
- 実際の運用で、現場責任者として最大の責務を負うのは、原子力防災管理者である。この法律で防災管理者として想定している者は、事業所長か。
(審議官)その通りである。事業所長や発電所長を想定している。原子力防災管理者はその事業の実施を統括管理する者であり、原子炉主任技術者や核燃料取扱主任者等を部下として、事業を統括する者という解釈である。
- 防災に至っていない事故防止の段階では、主任技術者等の権利義務と防災管理者との関係はどうなるのか。事故が拡大して防災に至るが、そのシナリオを想定したときに両者の関係はどのようになるのか。
(政策課)事業者防災計画の中で明確になると思う。
- 主任技術者等が組織の中で埋没し、その権限、義務が果たせていないのではないか。
- 発電所では主任技術者が機能しているが、JCOのケースでは違法作業が長年に渡って容認されてきた。
(審議官)原子炉等規制法の改正で、事業者の保安規定の遵守状況を検査することで対応していく。
- 主任技術者等が自己の権限で許可した場合、事業所長は関係なくなるのか。各々のケースについて明確にする必要がある。
- 等の委員の意見及び質疑応答があった。
-
- 標記の件について、原子力調査室より資料2に基づき説明があった。これに対し、
- 仏、独、英の関係者が、原子力に対する国民世論をどのように受け止めているか、それをどのような姿勢で各人の仕事の中に取り込んでいるのか、調査してきて欲しい。
等の委員の意見があった。