• 円卓会議の議論の中で、事実に反し、一般傍聴者に誤解を与えると考えられる発言があった場合には、司会及び副司会以外のモデレータの方に、積極的に意見を述べて頂いた方が良いと考える。
  
• 今回の円卓会議では、女性及び非専門家の方に多く参加頂けたのは良かったと思う。また、原子力発電に関するいろいろな意見を聞くことができ、有意義であったとともに、発言者の方々も、大勢の人達に自分の意見がどのうように受け止められるか実感できる良い機会であったと思う。
  
• 原子力発電が立地地域の民主主義を破壊してしまったとの発言があったが、この問題については、別の機会に議論する必要があると思う。
  
• 原子力に対する意見は千差万別であるが、いかに国民のコンセンサスを作っていくかが重要であり、円卓会議はそういう場であってよい。
  
• 原子力発電を進めている当事者は、新エネルギーと原子力の比較等について考えているが、国民や円卓会議の発言者には、このようなことが伝わっていない。これはコミュニケーションの不足が要因の一つであると思うので、情報発信の仕方について創意工夫が必要である。
  
• 脱原発シナリオには、ある一方で原子力による代替シナリオもあるが、原子力発電を全くなくしたらどういうシナリオがあるのか、また、多様なエネルギー源のベストミックスの条件とは何かが重要な問題である。
  
• 新エネルギーについては、風力発電、太陽光発電、地熱発電等の潜在能力について過大評価される傾向がある。
  
• 新エネルギーと原子力の比較では、善悪の二元論や好き嫌いの議論になっている。地球温暖化防止の観点からは、化石燃料の増加が問題であり、円卓会議には、むしろ、化石燃料と原子力の比較を議論するよう期待したい。
  
• 原子力発電所20基増設の議論については、原子力委員会としては、より精緻な議論が必要であると考えている。
  
• 原子力発電所の安全性の問題として、耐震上の不安が指摘されたようであるが、耐震問題については、十分対策がとられており、議論に出た震度５クラスの地震では、全く問題ない。また、サイト固有の条件を考慮して安全審査が実施されており、ある発電所だけ耐震対策上問題があるということはない。
  
• 地震による地盤の液状化についても、原子力発電所が建設されている岩盤では液状化現象は起こらないということが確認されている。
  
• 円卓会議をメディアに関心を持って報道してもらうことが重要であり、特にテレビを有効に利用することが大切だと思うが、長時間の議論であるので、使い方についてはよく検討する必要がある。
  

　なお、事務局より、次回は平成１１年８月２７日（金）に臨時会議を１０:３０より開催したい旨発言があった。