１．日　時　　　１９９９年７月１６日（金）１０：３０～１２：２５

２．場　所　　　委員会会議室

３．出席者　　　藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
　　（事務局等）科学技術庁
　　　　　　　　 原子力局
　　　　　　　　　中澤審議官
　　　　　　　　　政策課　大島
　　　　　　　　　原子力調査室　森本室長、板倉、村上、池亀、鈴木
　　　　　　　　　研究技術課　川原田課長、松尾
　　　　　　　　 原子力安全局
　　　　　　　　　原子炉規制課　安澤安全審査管理官、堀
　　　　　　　　 放射線医学総合研究所
　　　　　　　　　河内総務研究官、松本企画室長、松永管理部長、
　　　　　　　　　菱山総括研究企画官
　　　　　　　　通商産業省
　　　　　　　　 資源エネルギー庁
　　　　　　　　　原子力発電安全企画審査課
　　　　　　　　　木本統括安全審査官、小山、黒村、足立、久保田
　　　　　　　　吉舗専門委員

４．議　題

（１）	東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所の原子炉の設置変更（１号、２号、３号、４号、５号、６号及び７号原子炉施設の変更）について（諮問）
（２）	株式会社東芝原子力技術研究所の原子炉（臨界実験装置）の設置変更［放射性廃棄物の廃棄施設の変更］について（答申）
（３）	株式会社東芝研究炉管理センターの原子炉の設置変更［原子炉本体及び放射性廃棄物の廃棄施設の変更］について（答申）
（４）	平成１２年度原子力関係予算ヒアリングについて（放射線医学総合研究所）
（５）	原子力政策円卓会議（第２回）の結果について
（６）	その他

５．配布資料

資料１-1	東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所の原子炉の設置変更（１号、２号、３号、４号、５号、６号及び７号原子炉施設の変更）について（諮問）
資料１-2	東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所原子炉設置変更許可申請（１号、２号、３号、４号、５号、６号及び７号原子炉施設の変更）の概要について
資料２-1	株式会社東芝原子力技術研究所の原子炉（臨界実験装置）の設置変更［放射性廃棄物の廃棄施設の変更］について（答申）（案）
資料２-2	株式会社東芝原子力技術研究所及び研究炉管理センターの原子炉設置変更許可申請の概要［放射性廃棄物の廃棄施設の変更］
資料３	株式会社東芝研究炉管理センターの原子炉の設置変更［原子炉本体及び放射性廃棄物の廃棄施設の変更］について（答申）（案）
資料４	放射線医学総合研究所平成１２年度予算概算要求説明資料
資料５	原子力政策円卓会議（第２回）の結果について
資料６-1	第４１回原子力委員会臨時会議議事録（案）
資料６-2	第４２回原子力委員会定例会議議事録（案）

６．審議事項

（１）	東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所の原子炉の設置変更（１号、２号、３号、４号、５号、６号及び７号原子炉施設の変更）について（諮問）

　平成１１年７月１４日付け平成11・04・01資第３２号をもって通商産業大臣より諮問のあった標記の件について、通商産業省より資料１-1及び資料１-2に基づき説明があった。これに対し、

• ＭＯＸ燃料は、いつ装荷の予定か。
  (通商産業省)申請者は、次回の定期検査の時に行うことを希望している。
  
• 新潟県における、ＭＯＸ燃料受け入れに対する対応はどうなのか。
  (通商産業省)申請者は、国への申請の前に、地元の事前了解を得ている。
  

　等の委員の意見及び質疑応答があり、本件については引き続き審議をすることとなった。

注）	本件申請に係る変更は以下の通り。 ①３号炉において、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料を取替燃料の一部として採用する。 ②１号、２号、３号、４号、５号、６号及び７号炉の使用済燃料の再処理委託先確認方法を一部変更する。

（２）	株式会社東芝原子力技術研究所の原子炉（臨界実験装置）の設置変更［放射性廃棄物の廃棄施設の変更］について（答申）

　平成１１年４月２０日付け１１安（原規）第４４号をもって内閣総理大臣より諮問のあった標記の件に係る核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第２６条第４項において準用する同法第２４条第１項第１号、第２号及び第３号（経理的基礎に係る部分に限る。）に規定する基準の適用については、妥当なものと認め、内閣総理大臣あて答申することと決定した。

注）	本件申請に係る変更は、廃水貯槽以外の液体廃棄物の廃棄設備の更新及び固体廃棄物の保管廃棄施設の保管廃棄能力を増やすため、廃棄物保管棟を設置し、既設の廃棄物処理建屋での保管廃棄を廃止するものである。

（３）	株式会社東芝研究炉管理センターの原子炉の設置変更［原子炉本体及び放射性廃棄物の廃棄施設の変更］について（答申）

　平成１１年４月２０日付け１１安（原規）第４５号をもって内閣総理大臣より諮問のあった標記の件に係る核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第２６条第４項において準用する同法第２４条第１項第１号、第２号及び第３号（経理的基礎に係る部分に限る。）に規定する基準の適用については、妥当なものと認め、内閣総理大臣あて答申することと決定した。

注）	本件申請に係る変更は、実験目的終了によるインコアモニタ昇温装置の撤去、原子力技術研究所の原子炉（臨界実験装置）と共用する放射性廃棄物の廃棄施設の変更に伴う記載事項の変更及びナトリウム廃棄物保管施設の廃止である。

（４）	平成１２年度原子力関係予算ヒアリングについて（放射線医学総合研究所）

　標記の件について、放射線医学総合研究所より資料３に基づき説明があった。これに対し、

• 重粒子線がん治療装置では研究を行う一方で照射室の整備も行っているが、何を行うのか。
  (放射線医学総合研究所)今回の要求は、既存の治療室の拡大ではなく、精度の高い位置決めのためのシステムの整備である。
  
• 宇宙医学について、どのような研究を行うのか。
  (放射線医学総合研究所)宇宙医学の範囲は広いが、放医研では宇宙線の人体影響について研究したい。HIMACを利用して、宇宙空間で飛来する重い粒子に関する研究をする予定であり、各国の関心も高い。
  
• 放医研の研究は低線量放射線の影響、医学利用、放射線利用技術開発と幅広いが、放医研の将来の方向性をどう考えているのか。また人的構成はどうなのか。医学部門が多いのか。
  (放射線医学総合研究所)低線量の影響の研究は、予算と時間がかかる地味な研究であるが、放射線利用の基礎となるものである。約３８０人の職員のうち、研究者は約半数で、そのうち７０人程度が医学系。
  (放射線医学総合研究所)放医研の将来については、独立行政法人化に向けて検討を行っている。現在二つの柱を考えており、一つは放射線の影響研究、もう一つは医学利用。予算の額では医学利用の占める部分が大きいが、放射線影響研究も将来にわたっての重要な柱である。
  
• 独立行政法人化については、これまでより改善することが前提だが、別の機会に進捗状況を説明してほしい。開発途上国におけるキャッチアップ型の研究は棲み分けが適当だが、今後の日本におけるフロントランナーとしての研究は「相互乗り入れ」が必要である。医学界や他の研究機関との競争と協調や役割をどう考えるか。放射線の専門家と医療の専門家とは異なった文化を持っており、相互乗り入れに向けて努力する必要がある。人材養成については、放射線に関する国民の理解とともに、粒子線治療の地域展開を図るに当たり、各機関が求める専門家の養成にも努力する必要がある。「低レベル放射線の影響」については、全体像が見えてこないので、他の研究機関との役割分担等について整理して欲しい。
  

　等の委員からの意見及び質疑応答があった。

（５）	原子力政策円卓会議（第２回）の結果について

　標記の件について、原子力調査室より資料５に基づき説明があり、これに対し、

• 敦賀発電所２号炉の事故の取材に追われていて、報道関係者の傍聴が少ないのが残念だった。一般の方は、原子力の是非というテーマならまだしも、専門的な話には関心が薄く、傍聴もご意見も減少する。
  
• 原子力政策円卓会議について、新聞、テレビに取り上げてもらうようにして欲しい。土曜日に円卓会議を開催すると、傍聴者が集まりやすいのではないか。
  
• 一般論ではなく、自分に直接影響がある話題であれば一般の方も参加するだろう。
  
• 使用済燃料の中間貯蔵は、全量再処理するという方針の放棄を意味するとの発言があったので、否定した。
  
• 原子力の推進に慎重な方も、高速増殖炉を研究や議論の選択肢に考えることには反対していなかった。
  
• 聴衆が何かを学べるよう、もっと一般国民に分かり易い議論にして欲しい。
  
• 円卓会議を傍聴した人が、自分と同じ主張だけを円卓会議の成果と宣伝することもあり得る。
  
• もともと関心の高い人だけでなく、一般の方の参加も得て、合意形成に資するようにして欲しい。廃棄物を地上で50年間保管するという意見については、その先の処分方策も同時に考えなければ、単なる先延ばしであろう。
  
• 廃棄物処分を検討する際、時間、空間、廃棄物量、監視できるかの四つの観点から考えて、選択肢を絞る必要があるのではないか。
  
• 廃棄物の地層処分のための研究施設について、廃棄物を持ち込まないなどのルールを作るべきとの意見があった。
  

等の委員からの意見及び質疑応答があった。

（６）

議事録の確認

　事務局作成の資料６-1第４１回原子力委員会臨時会議議事録（案）及び資料６-2第４２回原子力委員会定例会議議事録（案）が了承された。

　なお、事務局より、次回は平成１１年７月２３日（金）に臨時会議を１０：３０より開催したい旨発言があった。