「原子力損害賠償制度に関する調査」の結果について

 

科学技術庁  
原子力局政策課

1.委託調査の趣旨について
 原子力損害賠償制度については、平成元年の制度の見直しから10年を経過することから、昨年、原子力委員会においても原子力損害賠償制度専門部会を設置して制度の見直しを行い、これを受けた法改正として、今年5月、原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律が公布された。
 本委託調査においては、これまで行われた「越境損害の法的救済に関する調査」においけるウィーン条約改正議定書と我が国の原子力損害賠償制度の整合性等の検討の成果等を活用し、法改正において取り上げるべき重要事項の検討、諸外国の原子力損害賠償制度等の基礎資料の収集・検討等を行うとともに、原子力損害賠償制度についての中長期的な課題の検討等を行い、原子力損害賠償制度専門部会等で行われる制度の検討に資するため、準備的な検討を行うことを目標として行われたものである。

2.委託先:(社)日本原子力産業会議

3.委託調査の結果について
 本委託調査の結果については、原子力損害賠償制度専門部会における制度の検討結果に反映されており、原子力損害賠償制度について予備的検討を行い、専門部会における検討に十分資することができたものと考えられる。
 検討の結果として、主に以下を内容とする報告書が提出された。

(1)賠償措置額の引上げ
 @賠償措置額を現行の300億円から600億円に引上げ
 A賠償措置の特例額についても、各々2倍(10億円→20億円、60億円120億円)に引上げ
(2)原賠法第20条の適用期限の延長
 政府補償契約(第10条)及び国の援助(第16条)の規定の適用期限を10年間延長
(3)今後の検討課題
 @死亡又は身体障害に係る賠償請求権の除斥期間
 Aよりきめ細かな被害者救済を目指すという観点から、原子力損害の概念
(4)原子力損害賠償に関する諸条約への対応
 我が国がリーダーシップをとって、近隣諸国の原子力損害賠償制度の充実を促す等積極的な取組を行うべきこと