第32回原子力委員会臨時会議議事録(案)

1.日 時   1999年5月28日(金)10:30〜11:50

2.場 所   委員会会議室

3.出席者   藤家委員長代理、遠藤委員、木元委員
 (事務局等) 科学技術庁
         原子力局
         青江局長
         政策課 坂田課長
         原子力調査室 森本室長、板倉、村上、池亀
         研究技術課 山下課長、松澤、斉藤
        日本原子力研究所
         斎藤理事、向山中性子科学研究センター長
         広報部 有本部長、桜井
         企画室 野田次長、南波調査役、平澤調査役
        高エネルギー加速器研究機構
         永宮大型ハドロン計画推進室長
        日本原子力産業会議
         安常任相談役、森副会長、西郷調査役
        愛知淑徳大学 仁科教授(日本原子力学会)
        東京大学 秋山名誉教授、伊藤助教授
        九州大学 工藤教授(日本原子力学会)
        吉舗専門委員

4.議題
(1)研究炉の在り方に関する検討報告について
(2)中性子科学研究計画及び大型ハドロン計画の統合について
(3)物理・化学等における原子核・放射線に関連する分野の啓発のあり方に関する調査について(10年度委託調査結果)
(4)その他

5.配布資料
資料1-1 研究炉の在り方に関する検討報告書(中間報告)
資料1-2研究炉の在り方に関する検討報告書(中間報告)(別冊)
資料2-1中性子科学研究計画及び大型ハドロン計画の統合について−現状と今後の展開−
資料2-2中性子科学研究計画及び大型ハドロン計画の統合について−現状と今後の展開−参考資料
資料3-1「物理・化学等における原子核・放射線に関連する分野の啓発のあり方に関する調査」報告書
資料3-2ミクロ科学とエネルギー
資料3-3ミクロ世界の粒子と光原子・分子と放射光
資料3第31回原子力委員会定例会議議事録(案)
配付資料原子力委員会報告資料(日本原子力産業会議)
6.審議事項
(1)研究炉の在り方に関する検討報告について
標記の件について、日本原子力産業会議より資料1-1、資料1-2及び配付資料に基づき説明があった。これに対し、
(日本原子力産業会議)国は、原子力発電に伴うバックエンド対策に積極的に取り組んでいるのと同じように、研究炉にも取り組んで欲しい。
  • 原子力の社会的受容について記載があるが、一般の方の中には、研究炉について知らない人が多く、一層の理解を得ることが重要。
  • 研究炉の国際協力についてはどのように考えるか。
    (日本原子力産業会議)アジアとの原子力協力の柱の一つと考える。アジア諸国では、原子炉を使いこなせていない。アジア諸国に人材が十分に育っていないと考えられる。このため、日本での研修の機会が重要と考える。
  • 今回の長期計画の策定作業では、全体像と長期展望を示すこととしている。現在、大学の研究施設は文部省の所管であるが、省庁再編後の研究炉のあり方と、研究炉によって、新しく何ができるか、原子力の広がりを若者に伝えられるか等を議論したい。放射性廃棄物の問題は重要であり、共同処理ができないか等を検討したい。
  • 研究炉は、整理するもの、より一層研究を進めていくものとに区別し、また、研究炉の存在理由が、国民に分かるようにして欲しい。
    (日本原子力産業会議)地道な研究内容なので、国民への理解促進は容易ではないと考える。
との委員からの意見及び質疑応答があった。
(2)中性子科学研究計画及び大型ハドロン計画の統合について
標記の件について、日本原子力研究所及び高エネルギー加速器研究機構より資料2-1及び資料2-2及び配付資料に基づき説明があった。これに対し、
  • 統合において苦労していることはないか。
    (日本原子力研究所)各研究者コミュニティの代表が、文化の違いを超えて計画を調整していること、予算要求を文部省、科学技術庁に別々に行っていること等が挙げられる。
    (高エネルギー加速器研究機構)しかし、21世紀のプロジェクトとして世界トップクラスの加速器を造るために、一緒に取り組んでいるので、どんな苦労も乗り越える。一方、良い面としては、互いに違う研究分野が影響を受け合い、新しい芽が育つ可能性があること。
  • 省庁再編に伴い、文部省と科学技術庁が統合されると予算も統合されるのか。
    (事務局)現在、一般会計出資金、大学特別会計といった予算の違いはあるが、プロジェクトとしては平成12年度第4四半期の予算からは一本化したものになる。
  • 本計画は全日本的な支持があるのか。関連コミュニティの意見はどうか。
    (高エネルギー加速器研究機構)学術会議の関連分科会等でも議論され、支持されている。
    (日本原子力研究所)ユーザーコミュニティの意見を反映するように施設設計の議論にも参加してもらっている。
  • 統合により、互いの良い個性が無くならないように気をつけて欲しい。
との委員からの意見及び質疑応答があった。
(3)物理・化学等における原子核・放射線に関連する分野の啓発のあり方に関する調査について(10年度委託調査結果)
標記の件について、原子力産業会議より資料3-1、資料3-2及び資料3-3に基づき説明があった。これに対し、
  • 完成した学生用教材の今後の扱いはどうするのか。
    (原子力産業会議)副読本として利用してもらいたい。書店において売り出したい。
  • 高校生のうち何%が物理を選択しているのか。
    (原子力産業会議)教科書の売り上げから推測すると約10%。
  • 理系学生でも必ずしも物理が得意な訳ではないので、理系向けとしても本副読本が役立つのではないか。
  • 昔は強制的だったので、物理を履修している学生が多かったが、物理嫌いの学生は現在同様多かった。
  • 字体を工夫する等一般書店で手に取ってもらえるよう工夫が必要である。
  • この様な副読本を買う人は余りいないのではないか。むしろ、無料配布してはどうか。
との委員からの意見及び質疑応答があった。
(4)議事録の確認
事務局作成の資料4第31回原子力委員会定例会議議事録(案)については、次回審議することとした。

なお、事務局より、次回は平成11年6月1日(火)開催予定の定例会議を休会とし、平成11年6月4日(金)に臨時会議を10:30分より開催したい旨発言があった。