第29回原子力委員会定例会議議事録(案)
1.日 時 1999年5月18日(火)10:30〜11:10
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 有馬委員長、藤家委員、依田委員、遠藤委員、木元委員
(事務局等)科学技術庁
原子力局
青江局長
今村審議官
政策課 坂田課長
原子力調査室 森本室長、板倉、村上、池亀
核燃料課 土屋課長、青木
動力炉開発課 小井
吉舗専門委員
- 4.議題
- (1)日本原燃(株)六ヶ所再処理工場の竣工時期等の変更について
(2)原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画の策定について
(3)その他
- 5.配布資料
- 資料1 六ヶ所再処理工場の竣工時期等の変更について(案)
資料2 原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画の策定について(案)
資料3 第28回原子力委員会臨時会議議事録(案)
- 6.審議事項
(1)日本原燃(株)六ヶ所再処理工場の竣工時期等の変更について
- 標記の件について、事務局より資料2の委員会決定案が読み上げられた後、
- 日本の原子力は、これまで国策民営で取り組んできており、成熟化したものについては民間の自己責任で運営していくことが基本である。六ヶ所再処理工場は、我が国において最初の商業用施設として建設されているものであり、また、我が国の核燃料サイクルの要となる施設であるため、原子力委員会としても関与していくことが必要である。今回の見解においては、国民へのメッセージとして、今回の工程変更が我が国の核燃料サイクル計画の変更につながるものではないこと、これ以上遅延しない旨の事業者の決意表明を伺ったこと、行政庁の事業者への適切な指導・監督とともに地元をはじめとする国民への理解促進の必要性等について盛り込んだ。
- 国民の目は厳しいことを認識し、建設費増によっても電気料金にはね返ってくるものではないこと等を説明する必要がある。
- 等の委員の意見があった後、
- 再度の変更がないようにしてもらいたい。資源の乏しい我が国としては、将来にわたるエネルギーの安定確保、また環境への負荷低減の観点からも核燃料サイクルの推進が重要。六ヶ所再処理工場は、そのための中心的な役割を担う施設である。今後とも関係者が、それぞれの役割において、核燃料サイクル計画の着実な推進に向けて、一層、努力をしていくことが重要と考える。
- との委員長からの意見があり、審議の結果、本件については案のとおり見解をまとめた。
- (2)原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画の策定について
- 標記の件について、原子力調査室より前回委員会提出資料からの変更点について、資料2に基づき説明があった。これに対し、
- 資料1頁目の「2.検討事項」は、長期計画の柱立てとしての参考イメージであり、これらの検討事項は「章」としては、まだ確定しているものではないと考えている。資料7頁目の「3.検討すべき事項」の「(1)原子力と国民・社会」に関して、国民の理解を得るためには、情報公開・提供とともに国民からの意見の聴取といった双方向性が重要である。「(5)国民生活に貢献する放射線利用」に関して、食料の安定供給と同時に、食料の安全確保の観点からも議論したい。
- 日本原子力産業会議の年次大会で、原子力長期計画の策定について意見が出されたが、関係者だけでなく、策定のプロセスに国民が参加できるような長期計画にして欲しいという要望があった。
- 前回の原子力長期計画の策定時からの状況変化に即した新たな長期計画を策定したい。また国際社会の理解と協力が得られるようなものとしたい。新たな長期計画は、行政改革後の原子力委員会が実行することを念頭に置いて検討を行いたい。
- 21世紀の原子力を時間的・空間的にどう考えるか。今度の長期計画は、理念先行型、課題解決型になるだろう。また、今回の長期計画で、全ての課題が解決するとは思わないが、省庁再編を踏まえ、新たな長期計画は、2000年12月までに策定したい。
- 等の委員の意見があった後、
- 原子力長期計画は、黎明期から我が国の原子力研究開発利用の計画的な遂行のための指針としての役割を果たしてきた。21世紀を迎えるに当たって、新しい長期計画には、人類社会と自然環境との調和を図る観点から、原子力に求められる基本的な理念を再確認し、併せて、原子力の研究開発利用の全体像と長期展望を明らかにすることが求められている。
- 策定会議には、原子力の専門家はもとより、学界、経済界、法曹界、マスメディア等から、高い御見識をお持ちの方々に御参画いただくこととする。策定会議においては、新エネルギーでどれだけのエネルギーを賄えるのかを見極めた上で、原子力の必要性について検討するといった基本的なところから、幅広い視野で総合的な議論が展開されることを期待している。
- 新しい長期計画の策定に当たっては、審議の透明性の確保や国民の意見聴取を行うなど、民主的な手続きを経ることにより国民の信頼を得ていくことが必要である。
- 私としては、このような観点を踏まえ、専門的な議論を基礎として、国民や社会との関わりを重視した長期計画が策定されるよう努力していきたい。
- との委員長の発言があり、本件については、案のとおり決定した。
議題2の審議終了後、有馬委員長が退席し、藤家委員長代理が議事進行を引き継いだ。
- (3)議事録の確認
- 事務局作成の資料3第28回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。
なお、事務局より、次回は平成11年5月21日(金)に臨時会議を10:30分より開催したい旨発言があった。