第25回原子力委員会定例会議議事録(案)

1.日 時   1999年4月20日(火)10:30〜11:15

2.場 所   委員会会議室

3.出席者   藤家委員長代理、遠藤委員、木元委員
(事務局等)科学技術庁
 原子力局
   政策課 坂田課長
   原子力調査室 森本室長、板倉、村上、池亀
   研究技術課 山下課長、松尾
   国際協力・保障措置課 竹内
 放射線医学総合研究所
   重粒子治療センター 村田センター長
   企画室 松本室長
 資源エネルギー庁
   原子力発電課 浜谷課長、伊藤
 吉舗専門委員

4.議 題
 (1)北海道電力(株)泊発電所3号機設置に係る第一次公開ヒアリングの開催について
 (2)重粒子線がん治療臨床試行の状況について
 (3)藤家委員長代理の海外出張について
 (4)その他

5.配布資料
 資料1 北海道電力(株)泊発電所3号機設置に係る第一次公開ヒアリングの開催について
 資料2 重粒子線がん治療臨床試行の状況について
 資料3 藤家委員長代理の米国出張について
 資料4 第24回原子力委員会臨時会議議事録(案)

6.審議事項
(1)北海道電力(株)泊発電所3号機設置に係る第一次公開ヒアリングの開催について
 標記の件について、通商産業省より資料1に基づき説明があった。これに対し、
・原子炉はAPWRか、従来のPWRか。
(通産省)改良型ではない普通のPWR。APWRの初号機は、敦賀3、4号機になる予定。
・地元の雰囲気は悪くないと聞いているが、どうなのか。
(通産省)漁協等の承認は得られていると聞いている。
等の委員の意見及び質疑応答があった。

(2)重粒子線がん治療臨床試行の状況について
 標記の件について、放射線医学総合研究所より資料2に基づき説明があった。これに対し、
・重粒子線によるがん治療を受けるのは他に治療法がない患者が対象であるが、ネットワーク会議を公開しても問題はないか。
(放射線医学総合研究所)患者や家族には十分説明しており問題はない。
・今回公開したネットワーク会議への一般参加者は大勢いたのか。
(放射線医学総合研究所)一般の方は3人。一人は専門的興味を有する者。残りは家族にがん患者がいる方々。
・参加者が少ないと思うが、ネットワーク会議の開催をどのように周知したのか。
(放射線医学総合研究所)インターネットやプレスを活用した。開催に関する問い合わせは多くあったが、大雨のため参加者が少なかったのではないか。別途開催した公開講座には、多くの方が参加した。
・次回のネットワーク会議はいつ開催するのか。
(放射線医学総合研究所)半年に1回開催するので、9月頃の予定。
・マスコミの対応はどうだったか。
(放射線医学総合研究所)2社が来たが、内1社は業界紙。
・3年の生存率というが、例えば余命1年の人が3年に延びたのか、それとも逆に、照射の副作用で余命が短くなったのか。
(放射線医学総合研究所)余命の評価は難しいが、照射しない場合に比べ生存期間は長くなっていると考えられる。
・医学において放射線治療はどの様な位置づけか。
(放射線医学総合研究所)外科と放射線治療は局所療法であり、身体全体に対する治療法としては化学療法などがある。外科は切除してしまうが、放射線医療は機能をかなり温存できる。日本ではがん治療における放射線治療の割合が欧米より低い。
・新しい治療法に対しては反対意見が出るものだが、それが心配である。
・不治の病いに対する大いなる挑戦であり、さらに注目が集まることを望む。
・医師会との関係はどうか。
(放射線医学総合研究所)日本医師会会長がネットワーク会議のメンバーになっている。
・今後、原子力委員会が内閣府に移ると、厚生省との関連も強化していく必要がある。
等の委員の意見及び質疑応答があった。

(3)藤家委員長代理の海外出張報告について
 標記の件について、事務局より資料3に基づき説明があった。これに対し、
・日米の原子力協力は重要である。米国は原子力技術の温存に積極的に取り組んでいる。米国はロシアの核兵器解体への関心が高く、日本の協力を評価していた。米国は、日本における原子力関係の動向を良く知っていた。米国は、プルトニウムを増殖させる高速増殖炉を扱わないことになっており、日本の高速炉研究に対し、人材交流を希望していた。米国は、日本・フランス・ロシアの高速炉の進展に取り残されるのではないかと思い始めている。
・米大統領は、解体核兵器から出るプルトニウムを民間分野で利用すると言っているが、一般の方の理解はあるのか。
・必ずしも一般の理解は得られてない。プルトニウムへの悪感情が強い。
・米国では原子力なしでエネルギー供給ができないのに、原子力に対する態度が一貫していないように感じられる。
等の委員の意見及び質疑応答があった。

(4)議事録の確認
 事務局作成の資料4第24回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。

 なお、事務局より、次回は平成11年4月23日(金)に臨時会議を10:30より開催する方向で調整したい旨発言があった。また、4月27日、30日の委員会は休会とし、次々回を5月7日に開催する方向で調整したい旨発言があった。