1.まえがき

 現行の「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」(以下「長期計画」という)の策定以来約4年が経過し、この間に、以下に示すように原子力を巡る情勢は大きく変化してきている。
 このような情勢を踏まえ、今後適切な時期に長期計画の見直しを行う必要があることから、長期計画の予備的検討に関する調査を行うこととし、現行の長期計画の策定以降の内外の情勢変化、原子力開発利用の進捗状況等について、関連情報の収集・整理、レビュー等を行うとともに、21世紀を見通した今後の長期計画のあり方等について、論点の整理等を行うこととする。
 長期計画には、エネルギー、環境、科学技術、社会システムなど、種々の分野が含まれており、これを網羅的に調査するには、多くの労力と時間を要することから、本調査においては、原子力委員会専門部会で報告書等がまとめられている分野については、改めて調査することは避けることとし、それ以外の分野で、新長期計画を策定する際に、特に論点となると考えられる「21世紀社会に向けた長期計画の在り方」「エネルギーの安定供給を支える軽水炉発電体系」「高速増殖炉及び関連する核燃料サイクル技術の研究開発」「国民生活に貢献する放射線利用」「未来を拓く先端的研究開発」「新しい視点に立った国際的展開」「原子力の社会的受容」に関する調査を実施することとする。

 なお、本調査は原子力委員会からの委託により実施したものである。