第7回原子力委員会定例会議議事録(案)
1.日 時 1999年2月2日(火)11:00〜12:30
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 有馬委員長、藤家委員、依田委員、遠藤委員、木元委員
(事務局等)科学技術庁
原子力局
青江原子力局長
今村審議官
政策課 坂田課長、中川
原子力調査室 森本室長、板倉、村上、池亀
国際協力・保障措置課 瀬山課長
動力炉開発課 森口課長、犬塚
核燃料課 片岡
資源エネルギー庁
原子力発電課 斉藤企画官
原子力発電安全企画審査課 黒谷統括安全審査官、津金
核燃料サイクル開発機構
都甲理事長、中神副理事長、相澤理事、笹谷理事
上原事業計画部長、中島企画部長、家田
吉舗専門委員
4.議 題
(1) | 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の一部改正について
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(2) | 日本原子力発電株式会社東海第二発電所の原子炉の設置変更(原子炉施設の変更)について(一部補正)
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(3) | 核燃料サイクル開発機構中長期事業計画案について
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(4) | その他
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- 5.配布資料
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資料1 | 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の一部改正について
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資料2 | 日本原子力発電株式会社東海第二発電所の原子炉の設置変更(原子炉施設の変更)について
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資料3-1 | 中長期事業計画(案)
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資料3-2 | 中長期事業計画(案)の概要
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資料4 | 第6回原子力委員会臨時会議議事録(案)
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- 6.審議事項
- (1)「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の一部改正について
- 標記の件について、事務局より資料1の朗読がなされた。これに対し、
- 資料1の2の冒頭の文は、再処理によって回収されるプルトニウム等をリユース(再利用)できるようにという意味であることを国民に説明していけるようにしておく必要がある。
- 中間貯蔵の検討の中で、使用済燃料をリサイクル燃料資源と呼ぶことが提案され、一般的に、新聞紙等もリサイクルと言うので、ここでも、リサイクルという表現を用いている。
- IAEAの保障措置の強化は重要であり、日本が先頭を切って旗振り役になって欲しい。保障措置の強化に伴い、日本の負担が増えるだろうが、事業者の負担が過度に重くならないよう業務を効率化する必要がある。また、正直者が損をすることがないように、核不拡散上の疑惑国や問題のある国を含めてできる限り多くの国が、参加するように働きかけて欲しい。
- 等の委員の意見があった後、委員長から、本法の成立に全力を挙げることとしたいとの発言があり、審議の結果、案の通り決定した。
議題(1)の議事終了後、有馬委員長が退席され、藤家委員長代理が議事進行を引き継いだ。
- (2)日本原子力発電株式会社東海第二発電所の原子炉の設置変更
- (原子炉施設の変更)について
- 平成11年1月29日付け平成09・09・18資第5号をもって通商産業大臣から通知のあった標記の件について、通商産業省より資料2に基づき説明があった。これに対し、
- 添付資料がなければ安全審査はできないが、どこまでが守らなければならない約束事なのか、何が変われば変更申請をしなければならないのか整理が必要である。
- この資料だけでは、変更の内容が分からないので、再度、原子力委員会においてご説明願いたい。
- 等の委員の意見及び質疑応答があり、本件については引き続き審議することとした。
注)本件は平成10年8月17日付け平成09・09・18資第5号をもって諮問を受けた標記申請について、申請書の添付書類の記述の適正化を図るため、一部補正を行うものである。
- (3)核燃料サイクル開発機構中長期事業計画案について
- 標記の件について、核燃料サイクル開発機構より資料3-1及び資料3-2に基づき説明があった。これに対し、
- 資料3-2のP5「安全確保」「業務の透明性」に関連して、先日の「ふげん」における海水の漏えいの場合にしても情報公開をするしないの判断は誰が行うのか。職員の意識改革は進んでいるのか。国民が安心出来る技術の安全性は重要であるが、それを説明する人が信頼に足る人かどうかが問われる。機構の運営審議会の意見の紹介の中で、安心感に関して専門家を加えて検討するとはどういうことか。
(核燃料サイクル開発機構)
基本的に全てのトラブル情報は関係方面に通報することにしており、それが公開されるべきものかどうかを判断するのは機構ではなく、受け手の判断である。「ふげん」の件については再度徹底したい。安心できる技術については、一般国民との対話等を通して、何が求められているかを模索しながら進めることが必要である。地元の方々との十分なコミュニケーションが図れるように優秀な人材を充てることにしている。従事者の安全については、注意喚起し、管理職が安全であるよう努めることを徹底している。運営審議会における意見は、JNCの技術者だけで考えるには限界があり、社会科学などその道の専門家の意見を聞く必要があると言う意味。
(核燃料サイクル開発機構)
「ふげん」の件については、一般常識に照らして、社会的な視点から判断できる人材を育成していきたい。異常な事態については、全て報告していくのが基本と考えている。外部とのコミュニケーションが重要。既にモニター制度があるが、現場に入っていただけるようなモニターも検討中。
- 今後、FBRと核燃料リサイクルに重点的に取り組むとしているが、資料3-1の52頁における要員の配分計画では、その様になっていないのではないか。
(核燃料サイクル開発機構)
多くの人員は、研究員ではなく施設の運転に携わる技術者であり、大型施設毎に配置されているため、短期的に減らすことが難しく、中期的な課題として取り組んでいきたい。今後事業を進める中で割合を考えていきたい。
- 国際協力において大洗と敦賀との業務分担はどうなっているのか。
(核燃料サイクル開発機構)
敦賀は、「もんじゅ」を使った新たな計測、検査・補修などプラント利用技術を担当し、東海はサイクルのプロセス技術開発を、大洗は、FBRと核燃料サイクルについて整合性を持った戦略の検討を行う。
- 近隣アジア諸国とは、どの様な協力を行っているのか。
(核燃料サイクル開発機構)
基礎・基盤的な研究開発。中国、韓国がFBR開発を進めており、それに関連して共通基礎的な技術の協力を数名受け入れて進めている。
- 以前から高速増殖炉の重要性は変わっていない。もんじゅの再開は是非とも必要と考える。「もんじゅ」に焦点を絞った記述があっても良いのではないか。
- 今後、様々な将来技術に取り組む必要があるが、これまでの大型施設に従事する人が多いなど、従来の流れを引きずっている。限られた資金内において、未来に向けて革新技術を継承・発展させるために、戦略性を持って具体的に検討して欲しい。要員計画に配慮が欲しい。
(核燃料サイクル開発機構)
「もんじゅ」については、我々としてはかなりしっかり記述したつもりである。従来は、箱もの主義であったが、今回以降は、しっかりした事業戦略を盛り込んだ計画を作成する。
(核燃料サイクル開発機構)
メインテナンス等を合理化・効率化して、研究開発に人、資金を重点化していきたい。
- 「もんじゅ」が止まって数年経つが、維持にも金が掛かる上、特段の技術的な配慮も必要となろう。
- 経済性向上、資源の有効利用、環境負荷低減、核不拡散性の確保と羅列されているが、どの様に整合性を取るか。大洗、東海、敦賀を別の位置づけで扱うことは良いが、東海の位置づけをはっきりさせて欲しい。技術移転が誰を対象としたどういうものか議論が必要である。公開性、透明性は必要だが、その中でも特許や機微技術などの扱いをどうするのか。外国有識者への説明において、彼らが賛成したと聞いたが、高速炉については、増殖を前面に出すのではなく、資源論と環境論からとらえ直す時期に来ているのではないか。
- 技術移転について、設計図の引き渡しにとどまらず、トラブル・ドキュメントをしっかり作って欲しい。
- 等の委員の意見及び質疑応答があった。
なお、事務局より、次回は2月5日(金)に臨時会議を10:30より開催する方向で調整したい旨発言があった。