第4回原子力委員会臨時会議議事録(案)
1.日 時 1999年1月22日(金)10:30〜11:20
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
(事務局等)科学技術庁
原子力局
政策課 坂田課長
原子力調査室 森本室長、板倉、村上、池亀、鈴木
吉舗専門委員
4.議 題
(1)原子力政策円卓会議(第5回)の結果について
(2)その他
5.配布資料
資料1 原子力政策円卓会議(第5回)の結果について
資料2 第3回原子力委員会定例会議議事録(案)
- 6.審議事項
(1)原子力政策円卓会議(第5回)の結果について
- 標記の件について、事務局より資料1に基づき説明があった後、円卓会議に参加した木元委員より以下の報告があった。
(総括)
- 今年度、円卓会議を5回開催したが、議論の進捗としては当初考えていた展開内容の20%程度であった。「今、なぜ原子力か」というテーマが「今、なぜ原子力問題か」と視座が変わったので、日本として原子力をどうとらえるかという議論が十分行われなかった。来年度も円卓会議を継続という提言が出ている。また、原子力政策を議論するのは、素人より専門家が適当との意見があったが、エネルギー全体の専門家がいないし、専門家とは何なのか。ある程度勉強していれば誰でも一家言はあることを考えると、もっと専門家の意味を幅広く捉えた方が良いのではないか。他の審議会と同様、円卓会議でも女性のメンバーが少ないと指摘されたが、肩書きや所属にこだわらず、従来と違ったアプローチで対話を進めるテクニックに習熟できるようにすることが重要ではないか。
- (招聘者からの意見の紹介)
招聘者から以下の意見が述べられた。
- 原子力行政には、科学技術庁と通産省の二つのムラがあり、それぞれ原子力委員会、総合エネルギー調査会原子力部会という二重構造があり、これによる弊害を取り除く必要がある。
- マスコミはネガティブな情報しか流さず、一般国民はそれに影響を受けやすい。地方自治体の職員を原子力発電所に常駐させ、巡回・監視や事故時の連絡担当に当てたら良いのではないか。
- 原子力委員会のかわりに、エネルギー全般を扱う委員会を作ったら良いのではないかとの意見があったが、構成員や位置づけが明確でなく、それぞれが違うイメージを持っていた。
- 原子力の分野における官民分担に関する議論において、現時点では市場性はないが公共的には必要な核燃料サイクル、高レベル放射性廃棄物等は国の役割が大きいという意見があった。行革後の体制について、環境安全という観点から原子力安全委員会と原子力安全・保安院を統合してはどうかという意見があった。
- これに対して、各委員より
- 円卓会議に出席するメンバーが毎回変わるので、論点が絞り込めていない印象を受けた。傍聴人に一般人が少なく、関係者が多いような気がした。招聘者として同一人物が3回も参加するのは如何なものか。
- 議論の継続性を考えて複数回出席して頂いた方もいる。
- ほぼ毎回、開催場所を変えたが、どうしてなのか。
- 地域を変えて全国的にご意見を伺うことは重要である。また、オブザーバーとしての参加にとどまらず原子力委員会がもっと円卓会議に関与しても良いのではないか。
- モデレーターの提言を期待している。行革等がある変革期に、国民の意見を汲み上げる仕組みが必要である。これには、かなりの時間とプロセスを要するが、円卓会議を公聴会的に開催するのであれば、招聘者には原子力に関わっているオピニオンリーダーを中心に選んではどうか。今回の円卓会議の議論において、観念的に分かっても現実的には難しいものもある。また、総合エネルギー委員会では、総合科学技術としての原子力の広がりを捉えられなくなる。
- 総合エネルギー委員会について、今回の円卓会議の議論は言葉だけでは分かりにくかったので、図に表したものを後日送ってもらいたいとお願いした。
- 円卓会議の議論では、原子力をエネルギーとしか見ていなかった。政治の変革期において、代議制民主主義が試されている印象を受けた。
- 代議制民主主義を住民投票が補完すれば良いとの意見があった。
- 円卓会議は幅広い議論になり易く、論点を絞るのは難しい。県知事、市町村長の立地プロセスの関与については、どの程度議論があったか。
- 招聘者から県知事等は実質的に大きな権限を持っているとの発言があり、あまり議論が進展しなかった。
- 立地に当たっての知事の同意は重要なプロセスであるが、様々な段階での関与について矛盾が現れてきている。
- 今回の円卓会議では、「専門家」と「素人」の定義が論点になっているが、誰でも何らかの分野の専門家であり生活を通して原子力を考えている方は、生活の専門家とも言える。
- 今回の円卓会議では少なくともディベートは出来たと思う。
- との意見があった。
- (2)議事録の確認
- 事務局作成の資料2第3回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。