第5回原子力委員会定例会議議事録(案)
1.日 時 1999年1月26日(火)10:30〜11:20
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員
(事務局等)科学技術庁
原子力局
政策課 坂田課長
原子力調査室 森本室長、板倉、村上、池亀、國嶋
国際協力・保障措置課 古西
核燃料サイクル開発機構 持地
吉舗専門委員
4.議 題
(1)ドイツの原子力事情について
(2)原子力委員会専門委員の変更について
(3)その他
5.配布資料
資料1 ドイツの原子力事情について
資料2 原子力委員会専門委員の変更について(案)
資料3 後援名義の使用に関する事務処理について(案)
- 6.審議事項
- (1)ドイツの原子力事情について
- 標記の件について、事務局より資料1に基づき説明があった。これに対し、
- 独国の与党は、海外再処理を2000年1月に禁止するとしているが、これまで再処理の委託契約をしていた英仏の再処理事業との関連で損害賠償問題の交渉の経過等について、今後もフォローしていく必要がある。CO2排出量については、東独と統合された1990年が削減目標の基準年となっているので、2010年の目標達成は大丈夫かもしれないが、それ以降が問題となるのではないか。
- 以前、独国では、保守系の政権が非核保有国として原子力の平和利用を推進したが、その後、緑の党が躍進した。独国の原子力政策の方針は、使用済燃料の全量再処理から直接処分に変わってきたが、その原因は、電力の自由化と関連していると考えられる。独国では、原子力委員会の様にエネルギー、科学技術等の観点から総合的な原子力について審議する機関がないために、この様な状況になっているのだろう。
- 独国における世論調査によると、原子力発電所の現状維持を支持する意見が最も多かった。独政府と独国民の認識に差が出てきている。
- EUの統合に向けた動きの中でも原子力の様に、各国ごとに異なる判断をすることがある。経済性の観点から現象論だけをとらえ、短期的な視野で判断すると、不適当な政策を取ることになる場合もある。エネルギー問題は国の根幹であり、長期的視点が必要。
- 独国では、日本よりチェルノブイリ事故の影響が大きかったため、この事故が原子力政策の転換のきっかけとなった。独国では、地方分権が進んでおり、全体として原子力政策を考えている部署がなく、これが問題の一端。
- 少数党でもキャスティングボートを握れるのが、連合政権の難しいところ。
- ドイツ以外の欧州の国でもコンセンサス協議が行われることが増えているが、これについても調べておいて欲しい。
- との委員の意見及び質疑応答があった。
- (2)
- 後援名義の使用に関する事務処理について、事務局より資料3に基づき説明があり、了承された。その後、具体的事例として、核燃料サイクル開発機構のJNC原子力平和利用国際フォーラムについて、各委員より
- 昨年開かれた前回の会議に比べると、今年の会議は、平和利用推進の面が強調され、サイクル機構の事業にも合致し、妥当である。
- 等の意見があり、後援名義の使用を認めることとなった。
- (3)原子力委員会専門委員の変更について
- 標記の件については、人事案件であることから非公開で審議することとした上で、事務局より資料2に基づき説明があり、了承された。
- (4)
- 内閣総理大臣より日本原子力研究所法第12条第3項に基づき、原子力委員会に意見を求められた件については、同意する旨回答することとした。
- なお、事務局より、次回は1月29日(金)に臨時会議を10:30より開催 する方向で調整したい旨発言があった。