第1回原子力委員会臨時会議議事録(案)
1.日 時 1999年1月8日(金)10:30~12:20
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
(事務局等)科学技術庁
原子力局
今村審議官
政策課 坂田課長、中川、坂本
原子力調査室 森本室長、板倉、村上、池亀
研究技術課 斉藤
動力炉開発課 犬塚
国際協力・保障措置課 古西、竹内
外務省
科学原子力課 北野課長、中村、三島、森田
資源エネルギー庁
開発課 赤星
原子力産業課 斉藤、土井
原子力発電課 白井、居島
原子力発電安全管理課 百瀬
文部省研究機関課 岩崎
吉舗専門委員
日本学術会議
原子力工学研究連絡委員会
エネルギー・資源工学研究連絡会核工学専門委員会
秋山委員長
核科学総合研究連絡委員会
柴田委員長
核燃料サイクル開発機構 持地国際協力室長補佐
4.議 題
(1) | 21世紀に向けた原子力の研究開発について
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(2) | 平成11年度原子力関係予算政府原案について
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(3) | '99JNC原子力平和利用国際フォーラム-核燃料サイクルと核不拡散技術-について
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(4) | その他
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5.配布資料
資料1 | 「21世紀に向けた原子力の研究開発について」
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資料2-1 | 平成11年度外務省原子力関係予算案概要
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資料2-2 | 平成11年度通商産業省原子力関係予算案の概要
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資料2-3 | 平成11年度科学技術庁原子力関係予算政府原案について
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資料2-4 | 平成11年度科学技術庁原子力関係予算案
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資料3 | '99JNC原子力平和利用国際フォーラム-核燃料サイクルと核不拡散技術-について
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資料4 | 第73回原子力委員会定例会議議事録(案)
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- 6.審議事項
- (1)21世紀に向けた原子力の研究開発について
- 標記の件について、日本学術会議原子力工学研究連絡委員会秋山委員長及び核科学総合研究連絡会柴田委員長より資料1に基づき説明があった。これに対し、
- 報告書の内容を原子力長期計画等にどう反映するか検討が必要である。
- 報告書の内容の実現に向けて、どの様な具体策が取れると考えているのか。
- 矢内原原則については、原子力委員会としても改めて検討する必要性を提起している。
(秋山)
研究炉の燃料等を管理するため、自主的な参加によるゆるやかな受け皿を作って欲しい。
(柴田)
研究炉の燃料の低濃縮化を進めてきたが、使用済燃料の処分方式が決まっておらず、施設内に安全に保管する以外に方法がない状況である。
- 放射性廃棄物については、RI廃棄物を含め、原子力委員会の専門部会でかなり検討が進められているが、大学の研究炉については、十分な検討が行われていない。
- 現行では、廃棄物は発生者の責任であるが、共同墓地的な処分場の設立も一案と考えている。
- 報告書の検討委員に直接の関係者である私立大学関係者にも参画してもらった方がいいのではないか。
(柴田)
原子力と言うとエネルギーをとらわれがちであるが、今後はエネルギー以外の分野も重要になる。原子力の研究に用いる加速器等は、素粒子物理の分野でも用いられ、今後原研との共同研究も考えられる。省庁再編を念頭において、原子力を広く捉えて対象領域を広げて欲しい。
- 光、荷電粒子、中性粒子を体系的にとらえ、文部省との連携を強化しながら、熟成された議論が必要である。
- これまでは、技術が先導して原子力が進展してきたが、市場ニーズに応えたり、国民の関心を高める努力が重要ではないか。
- 原子力研究に興味を持ち、おもしろさを分かってもらえるよう努力したい。
- 等の委員の意見及び質疑応答がなされた。
- (2)平成11年度原子力関係予算政府原案について
- 標記の件について、外務省、通産省、事務局より資料2-1、資料2-2、資料2-3及び資料2-4に基づき説明があった。これに対し、
①外務省
- 我が国はアジア地域協力を重視しているのに、RCAの予算額がゼロになっている。これまでも、当面は既存の予算をやりくりして対応可能との説明を受けているが、平成12年度以降はあらためてRCA予算を獲得するよう努力すべき。
- ②通商産業省
- 立地地域に対する交付金が、これまでより使途の縛られない形になったことは、長年の懸念を解決する上で喜ばしい方向性である。地域が自己責任と自己裁量で様々なアイデアを出せるようにして欲しい。
(通産省)
最初は、地方自治体に戸惑いもあると思う。
- ③科学技術庁
- 核燃料サイクル開発機構については、過渡期なので予算が減少しているが、中長期計画が固まればしっかりした対応が必要。
- 等の委員の意見及び質疑応答があった。
- (3)'99JNC原子力平和利用国際フォーラム-核燃料サイクルと核不拡散技術-について
- 標記の件について、持地氏より資料3に基づき説明があった。これに対し、
- 資料1頁目の「広く一般の人にも」の「も」は、専門家以外を重視していないような印象を与えるので削除した方が良い。
- 原子力委員会が後援を行う理由はあるのか。
(持地)
国際協力専門部会報告書に、国際フォーラムの必要性が記述されており、この方針に沿った施策であるので原子力委員会に後援をお願いしたい。
- 後援をする場合の一般的なルールを事務局で整理した上で、本件について後援するかどうかを決めることにしたい。
- 等の委員の意見及び質疑応答があり、本件については引き続き検討することとした。
- (4)議事録の確認
- 事務局作成の資料4第73回原子力委員会定例会議議事録(案)については、次回に確認することとした。
- (5)その他
- 遠藤委員より省庁再編後の原子力委員会のあり方について、以下の発言があった。
- 原子力委員長については、閣僚と学識経験者の二案あるが、幅広い専門性の確保の観点から後者の方が良いのではないか。また事務局のあり方については、原子力両委員会は車の両輪であり、開発と規制がバランスのとれたものとすべきであるので、人数は30人程度、同格の存在とし同等格の総括者を置くことが適当ではないか。
- このことを書面にして、官房副長官等に要望したいと考える。
- これに対して各委員より
- 原子力を総合的・体系的にとらえていくことが重要であり、機能がしっかりと発揮できるようにする必要がある。
- 重要な話だけに、事務局からもう少し情報を得て、意見を聴取してから現実的に取り組んだ方がいいのではないか。
- 原子力委員会が判断し、より自主性を発揮していくことが重要である。事務局はこれを補佐する立場。
(事務局)
委員会が決定した方針に沿って、法律上の条文、定員などの種々の制約を踏まえた上でその実現に努力することが事務局の役割。
- 各省庁の意見については、原子力委員会の場で伺うこともあり得る。
- 等の意見があった。