第37回原子力委員会定例会議議事録(案)
1.日 時 1998年6月30日(火)10:30〜12:10
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
動力炉・核燃料開発事業団
近藤理事長、中野理事、大和プロジェクト参事
宮本東芝上席常務、中平住友原子力工業常務、
井上富士電機原子力・環境事業部長、河原日立製作所原子力事業部長
岡野三菱重工業取締役、平沼日本電機工業会重電原子力部長
(事務局等)伊藤原子力調査室長
吉舗専門委員
川上東芝技監、岩上住友原子工業部長、吉見富士電機部長
柴田日立製作所部長補佐、三村三菱重工業部長、
松岡日本電機工業会重原部課長
動力炉開発課 増子、犬塚
研究技術課 松澤
動力炉・核燃料開発事業団、千崎、重本
原子力調査室 村上、池亀
- 4.議 題
(1)核燃料サイクル開発機構の業務のあり方について(日本電機工業会及び動力炉・核燃料開発事業団より)
(2)遠藤委員の海外出張報告について
(3)原子力委員会専門委員の変更について
(4)その他
- 5.配布資料
- 資料1-1 核燃料サイクル開発機構殿の研究開発のあり方に関して
資料1-2 自己改革の進捗状況及び「機構」発足に向けた準備状況
資料2 遠藤原子力委員の海外出張報告について
資料3 原子力委員会専門委員の変更について(案)
資料4 第36回原子力委員会臨時会議議事録(案)
- 6.審議事項
- (1)核燃料サイクル開発機構の業務のあり方について(日本電機工業会及び動力炉・核燃料開発事業団より)
- 標記の件について、日本電機工業会参加各社より資料1-1に基づき説明があった。これに対し、
- FBRの促進については、一般国民に理解されていない。メーカー等がアピールする必要があると考えているか。
(電機工業会より)原子力は投資回収の見極めが難しいため、メーカー側としては、どれくらい積極的に推進すべきか悩んでいるところ。
- 資料中の(2)(3)について、詳しく説明してほしい。
(電機工業会より)先進的な核燃料リサイクル技術として、米での乾式の再処理の如きものがあげられる。先の技術を見越してやって欲しい。
- 新機構に残る再処理研究としては、プルサーマルと高速増殖炉だろう。新機構は新しいものに集中すべき。
(電機工業会より)FBRは基数が少なく、外国のデータベースが欲しい。
- これまでのデータベースでは不十分なのか。
(電機工業会より)メーカー側に対して公開されていない。
- 高速増殖炉については、仏、露、中国に協力すべきであり、情報も公開すべき。
- 原子力に係る技術の開発には、20〜25年かかるものだが、技術開発が官・PNC、エンジニアリングがメーカーであり、その接点が重要。そのためにも技術者等の交流が重要である。メーカー等の認識如何。
(電機工業会より)接点に近いところは、人を積極的に出し協力したい。
- メーカー側は、原子力に係る情報開示や、技術開発の担当割り振りについて、要望を出してほしい。
(電機工業会より)各階層にまたがる人事交流をしないといけない。
- メーカーが自主的に原子力を研究することは難しいのか。
(電機工業会より)仏では、CEAがナショプロ全体を進めている。機構における研究開発がメーカーの活動につながる形が大切。新機構に期待している。
- 核燃料サイクルに係る法人が、国会の大多数の賛成で設立されたことは、他国では起こり得ないこと。従来と違った産学官と協調する場の設定が大切。また、将来をみながら現実にどうフィットさせるのかが重要。メーカーの取り組みはどう考えるべきか。「先進サイクル」については核燃料サイクルのあり得るべき姿から議論すべき。
(電機工業会より)企業にとって、投資対効果は重要なので、全面的にのめり込めるかというとそうではない。FBRは重要で必要と考えられるが、長期間の研究開発期間、リスクがあるものであり、このはざまにたってどうかしないといけない。
- 原子力の様なハイリスクの研究は、民間でできないので、ナショプロとなる。日本における研究資金は、補助金と研究機関への投入があるが、これまでは後者だった。新機構への資金投入を最大限に活かすためにどうすればいいか。
(電機工業会より)生産に係るエンジニアと研究に係るエンジニアは異質。研究に係るエンジニアの弱点を補うために、生産に係るメーカーのエンジニアとの交流を図るべき。
- 技術移転、人材の交流を含めてどういう形がメーカーからみて良いか提案して欲しい。
- 環境のこと等を考えると、いずれ高速増殖炉の開発は必要。
等の質疑応答及び委員の意見があった。また、引き続き動力炉・開発事業団より資料1-2に基づき説明があった。これに対し、
- 先進的リサイクル技術を含めたフロンティア技術を移管するのか。
(動燃より)先進的リサイクルの目的に役立つこととなれば生かすことも考えている。また、現行の研究は仕分けを行い残すべきものは先進的リサイクルの中に含めている。
- 機構は業務を重点化し、スリム化して欲しい。
(動燃より)確かに安定志向が強くなっている面はある。ある技術が民間レベルになれば技術にあわせ人も移すべき。
- 人事については理事長の裁量権を最大限に発揮して欲しい。情報公開に関する情報公開委員会では内容のある会議が行われているか。
(動燃より)さかんに議論が行われている。客観的な議論になるように努める。
- 東海の件についての体質改善は十分か。しんらつな声を聞く態度はあるのか。
(動燃より)反省している。改革に取り組んでいるところ。
- 新機構の国際化、社会に開かれた体制作りを検討する必要がある。このためには核燃料サイクルのあるべき姿まで議論すべき。
(動燃より)確かに、その様な理念がなければ国際協力も検討できない。
- ギブアンドテイクでなければ国際共同研究は進まない。協力の進め方を検討する必要あり。
- 要望のあった分かりやすい原子力用語と単位の教育については、一般の人が理解できるよう工夫をする必要がある。
等の質疑応答及び委員の意見があったほか、動燃より「動燃東海事業所プルトニウム燃料工場屋外器材ピットにおける放射性廃棄物の混在」について報告があった。
- (2)原子力委員会専門委員の変更について
- 標記の件については人事案件につき非公開審議とした上で、事務局より資料3に基づき説明があり、了承された。
- (3)議題(2)遠藤委員の海外出張報告について及び議事録の確認については、次回委員会に持ち越すこととなった。