第31回原子力委員会定例会議議事録(案)
1.日 時 1998年6月9日(火)10:30〜11:35
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
鈴木東京大学教授
(事務局等)加藤原子力局長
伊藤原子力調査室長
吉舗専門委員
有本廃棄物政策課長
森山廃棄物政策課企画官
廃棄物政策課 坂本、前川
動力炉開発課 増子、犬塚、橋本
原子力調査室 杉本、池亀
- 4.議 題
(1)核燃料サイクル開発機構の業務運営のあり方について(新法人作業部会長より)
(2)RI・研究所等廃棄物処分への取り組みについて
(3)その他
- 5.配布資料
- 資料1 RI・研究所等廃棄物処分への取り組みについて(案)
資料2 第30回原子力委員会臨時会議議事録(案)
席上配布 原子力委員会へのご報告とお願い
- 6.審議事項
- (1)RI・研究所等廃棄物処分への取り組みについて
- 標記の件について、資料1に基づき、藤家委員長代理より
- 本日は原子力バックエンド対策専門部会からRI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について報告を受けたことを踏まえて、これに対する委員会の考え方をまとめたい
との発言があり、委員より
- 原子力委員会決定の案文に賛同する。RIの利用が40年以上も行われてきたにも関わらず、なぜ今までやってこなかったのかと思う。研究現場からの処分事業の早期開始や制度準備などの要望についてできるだけ早く実施に移されることを望む
- 今後、国として基準法令の整備を早く進めることが大切
- 本分野については、日本は欧州などに比べて取り組みが遅れていた。今後、クリアランスレベルの導入など早々につめるべき課題に取り組むとともに、廃棄物の処理処分に際しての情報公開の方策について検討していくことが必要
- かつて放射性物質を使う側にいたが、現場としては廃棄物を管理するだけでも大変だった。RIの利用は我が国における研究開発の進展に大いに役立ってきており、これらの研究開発を進めるにあたりバックエンド対策が重要。これを機会に研究開発の進展が促進されることを期待。本件については中小の事業者が多いので、関係機関が連携して取り組むことが大切。原子力委員会として関係機関の取り組み状況を適宜把握し、処分事業の着実な実施を推進していくとともに、行政庁においては、報告書の内容の関係者への周知を図ってほしい
等の意見があり、審議の結果、資料1が原案通り決定された。
- (2)核燃料サイクル開発機構の業務運営のあり方について(新法人作業部会長より)
- 標記の件について、席上配布資料に基づき、新法人作業部会長である鈴木東京大学教授より説明があった。
これに対し、
- 情報公開を進めることは重要だが、核燃料サイクルの研究開発ではプルトニウムを扱うことから核不拡散の観点からの機微情報もあり、情報公開委員会でその仕切をきちんとするなり、あるいはガイドライン的なものの策定が必要。また、アジアを中心とする国際協力も重要であるが、どのような分野の協力を進めていくのか
(鈴木教授より)個人的見解としていうと、まず、機微技術に関する情報の取り扱いなどについては、米国DOEでも情報公開が核不拡散に与える影響を考慮した議論が行われているし、動燃でも情報公開指針を作成したと聞いている。日本では今ではプルトニウムの在庫量は公開されているが、原子力委員会において本件に関する考え方を示していってほしい。国際協調については、IAEAの活動への協力も踏まえ、中国や対旧ソ連諸国に対する協力と同様にアジアについても行っていくべき
- 新法人の使命について、組織体としての使命感のみならず、個々人のレベルで自覚してもらうことが重要
(鈴木教授より)動燃の主要な業務を新法人が引き継いでいくが、動燃改革法で規定された業務に取り組むことが新法人の使命であり、その方策が重要。例えば、FBR開発について先んずる諸外国がない状況での機構が取り組む業務を、個々人のレベルの自覚とは違った次元で十分考えないといけない
- これまで原子力開発に関しては広報が不十分であり、動燃の事業の成果が見えなかった。推進側からの一方的な情報発信ではなく、双方向性が大切
(鈴木教授より)基本構想では情報公開を重要視しており、情報公開は大切であるが、肝心の業務がなおざりにならないようにすることが重要。また、事故やトラブルは起こるものであるが、起こった際の適切な情報伝達、情報提供が重要
- 資料の10から12に、原子力委員会に対する思いが込められていると感じる。自主技術の開発から離脱し、先例のない研究開発に取り組むという理念は、いろいろな将来のオプションを検討の上で新法人の使命を考えていくべきものを表したものと理解
(鈴木教授より)自主技術開発からの離脱の意味は「技術の地球化」を図ること。新法人は、自主技術にこだわらず外部からも積極的に技術を取り入れるといった判断が必要
- いわゆる「日本病」の克服に向けて新しい仕組みをつくるべきとの考えには同感。新法人が先駆者的役割を果たしていくということか。原子力委員会が新法人にミッションを与える際にポイントになるのはグローバル主義であり、日本だけで閉じたものとはしないようにすべきということか
(鈴木教授より)原子力委員会、科学技術庁、動燃の三者の責任関係については議論があったところ。新法人に与えられる裁量権は、原子力委員会が示す基本方針に従っているからこそ得られる場合もあると認識。日本型システムが障害になって裁量権を行使できない事態も考えられるが、原子力分野からそれを少しでも変えていかないと、日本でやったことのない研究開発はできないかもしれない
- 会社や財団などの法人では、可能な事業範囲を定款や寄付行為において示すが、定款に相当するものを与えるのが原子力委員会であり、実施するのが新法人であると認識。株式会社でいうと株式会社法が動燃改革法、目的を定める定款を決定する株主総会が原子力委員会。この様に整理すると裁量権の捉え方がはっきりする
- 今回の議論で原子力委員会の責任について意見を言われたのか
(鈴木教授より)一連の動燃問題は重要な信号を発したと思う。席上配付資料の中で原子力委員会の役割については私の考え方を示したつもり
- 監督官庁との関係をどう考えるか
(鈴木教授より)行政庁は法律に従って業務を行うものであり、法律にないことを行うことはできないため、日本型システムという既存の枠組みをはみ出すことはできないだろう。その意味では行政庁にお願いする点は少ないと考えている
- 現在、核燃料サイクルについての新法人が設立できる状況にあるのは我が国だけである。これまで我が国が育ててきた原子力開発利用に関し、21世紀を前にこれを再確認することが重要であり、そのためには社会の理解と支援が必要。リーダーシップとアカウンタビリティをもって今後も進めていきたい
等の質疑応答及び委員の意見があった。
- (3)議事録の確認
- 事務局作成の資料2第30回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。