RI・研究所等廃棄物処分への取り組みについて

平成10年6月9日
原子力委員会決定

 1.
 当委員会は、原子力バックエンド対策専門部会(以下「専門部会」)から、RI・研究所等廃棄物処理処分に関する基本的考え方についての調査審議の結果について報告を受けた。
 専門部会は、各界各層の有識者で構成され、技術的・制度的事項に関して幅広い審議を2年半余りにわたり行い、報告書の取りまとめに当たっては、報告書案に対して国民からの意見募集を行った。当委員会としては、こうした検討経過を踏まえ、専門部会報告書がRI・研究所等廃棄物処理処分の基本的な考え方について、国民各界各層の意見が適切に集約・反映されたものであると考える。

 2.
 我が国では40年以上にわたり、大学及び研究機関における研究や医療機関における治療・診断など様々な分野において、RIや核燃料物質等が 利用されてきた。専門部会報告書では、これらの利用に伴い発生したRI・研究所等廃棄物について、廃棄物に含まれる放射性物質の濃度等を踏まえた安全かつ合理的な処理処分方策、安全確保のための関係法令及び安全基準等の整備の進め方、関係機関における責任及び役割分担の考え方、処分実施体制の在り方、研究開発の進め方、クリアランスレベルの導入など、廃棄物処理処分を行う上で必要と考えられる事項についての基本的考え方が取りまとめられており、当委員会としてはこれらの専門部会報告書の結論は妥当と判断する。

 3.
 今後は、専門部会の報告書を尊重し、RI・研究所等廃棄物の安全かつ合理的な処理処分を確実に実施するために、国において、安全基準等の策定に関する調査審議が進められ、関係法令の整備等所要の措置が講じられるとともに、2000年頃の処分事業主体設立に向けて、社団法人日本アイソトープ協会、日本原子力研究所、動力炉・核燃料開発事業団により平成9年10月に設置されたRI・研究所等廃棄物事業推進準備会において、処分に係る実施体制や資金確保方策等についての具体的検討が進められることを期待する。

 4.
 当委員会としては、こうした各般の施策が総合的に進められることが重要であると考えており、関係機関より適宜状況を聴取することにより状況を的確に把握しつつ、実施体制の早期確立等、処分事業の着実な実施を推進する。