第25回原子力委員会臨時会議議事録(案)
1.日 時 1998年5月15日(金)10:30〜11:35
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員
東京工業大学 澤岡教授
(財)エネルギー経済研究所 湯浅研究理事
(事務局等)林政策課長、伊藤原子力調査室長
森口動力炉開発課長
研究技術課 石原
国際協力・保障措置課 田口
(財)エネルギー経済研究所 河合
原子力調査室 仙石、池亀
- 4.議 題
(1)研究基盤推進専門部会の活動報告について
(2)原子力発電の将来展望に関する調査について(9年度委託調査結果)
(3)原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律の成立について
(4)インドによる核実験の実施について
(5)その他
- 5.配布資料
- 資料1-1 「原子力基盤クロスオーバー研究の展開について(案)」に寄せられた国民からの御意見
資料1-2 基盤技術推進専門部会報告書案に関する御意見と回答
資料1-3 原子力基盤クロスオーバー研究の展開について
資料2 原子力発電の将来展望に関する調査について(9年度委託調査結果)
資料3 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律の成立について
資料4-1 インドによる核実験の実施について
資料4-2 インドによる地下核実験(13日)について
資料5 第24回原子力委員会定例会議議事録(案)
- 6.審議事項
- (1)基盤技術推進専門部会の活動報告について
- 標記の件について、基盤技術推進専門部会部会長の澤岡東京工業大学教授から、資料1-1、1-2及び1-3に基づき説明がなされた。これに対し、
- この対象は通商産業省、科学技術庁、国研などか。産、学は?
(事務局より)現在は官のみで、産、学は入っていない。
- 制度面でのネックとはどういうものか。
(事務局より)予算を直接に大学に渡すことができないなどが一番のネック。科学技術庁が設置された当時、予算制度の枠組みの中に産、学が入っていなかった。
- 今までは仕方がないとしても、省庁再編のある2001年以降はどうなるのか。
(事務局より)もともとは科学技術庁の設置法の中に大学に関わるものは除かれている。原子力委員会は、法律には書いていないが実態として大学における研究には関与しないという歴史的経緯がある。今後については、官と学が緊密に連携をとらなければならないという行革の趣旨から、従来の垣根をどうするか、原子力も含めて検討が必要。
- 当時は歴史的背景があったと思うが今も当てはまるかどうか。個人的には学と官の研究は連携して行った方が良いと考える。
- これは古くて新しい問題。国際協力はよくやられているが、国内協力が十分行われていない。それぞれの自主性は必要だが、不必要な垣根は取り払われていくべき。基盤技術分野の研究は大きく広がっていくべきで、より活発な活動を期待する。
等の質疑応答及び委員の意見があった。
- (2)原子力発電の将来展望に関する調査について(9年度委託調査結果)
- 標記の件について、財団法人エネルギー経済研究所湯浅研究理事及び河合主任研究員より資料2に基づき説明がなされた。これに対し、
- シンポジウム出席者は、どんな人が来たか。
(河合研究員より)一般の来場者102名、自治体の方々等招待者8名、報道関係者15名(9社)。
- このシンポジウムはCOP3を控え開催したものであるが、効果論からいうと不満の残るものであった。どうやって効果を上げていくか。こうした会議を開催するとき、どうやってパブリシティを上げていくのかは重要なテーマ。
等の質疑応答及び委員の意見があった。
- (3)原子力基本法及び動力炉・開発事業団法の一部を改正する法律の成立について
- 標記の件について、事務局より資料3に基づき説明がなされた。これに対し、
- あと4ヶ月しかないが、どのような仕事が予見されるか。
(事務局より)基本方針をしっかりと定めること、引き続き理事長以下職員の意識改革を進めること、本社の東海村への移転等。法律が通ったことが出発点と認識。
- 新しい法人の略称と英語名は。
(事務局より)略称は10月までに検討する。英訳についてはまだ議論していないが、関係各位に相談しながら決めていきたい。
- 今のこの段階で核燃料サイクル開発機構という名前の組織が、ほとんどの政党の賛成を得て決議されたことは画期的なことであり、整合性のある原子力の研究開発に対する期待がこのような形で現されたものと思う。世界でどこも確立されていない核燃料サイクルをどう確立していくか。腕を使った研究開発から頭を使った研究開発が求められている。国民に開かれた原子力という観点からも、常に分かりやすく進めるべき。夢や希望がモラル維持のため必要で、実行可能なミッションとする必要がある。
- 共産党の反対理由は何か。
(事務局より)実用化にシフトしすぎているので、基礎研究をしっかりとやるべきだというもの。対案を出された訳ではない。
等の質疑応答及び委員の意見があった。
- (4)インドによる核実験の実施について
- 標記の件について、事務局より資料4-1及び資料4-2に基づき説明がなされたこれに対し、
- 2回目の核実験は松代観測所ではキャッチできなかったようだが、何処か近くの観測所でキャッチはできたのか。サブ・キロトンクラスなら実験したかどうか分からないのであれば、CTBTが骨抜きになってしまう。
(事務局より)確認させていただく。
- 原子力の平和利用を進めるためには、核不拡散体制の維持・強化に努力すべき。日本は93+2を批准に向けて早く詰めるべき。
- 2回目の核実験について前回憂慮されてたが、実際に行われてしまった。これで目的を達したのでCTBTに参加することもやぶさかではないというのは、CTBTに対するある意味で挑戦である。よほど強力な外交的施策をとらないと、今後も発生する恐れがある。
- パキスタンが核実験を行うことについては非常な懸念を持っている。
- 核不拡散体制についていかに完備していくかについての協力と、平和利用の原子力を進めてきた技術の面で何ができるのかという2つがあると思うが、委員会では後者についてどういう貢献ができるのか、役割が大きくなったという印象がある。
- 日本の平和利用を守るために核不拡散体制に協力していかなければならない。(事務局より)49年以来ロンドンガイドラインやNPTなど色々なツールは出来てきたが更なる議論が必要となるだろう。
等の質疑応答及び委員の意見があった。
- (5)議事録の確認
- 事務局作成の資料5第24回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。